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― 演劇部部室 ―
[春>>116が目覚めれば微かに目を細め安堵の色を見せる]
目が覚めたか。
ん……、寝たというか気を失ったみたいだね。
春、そんなに眠るのがイヤか?
身体が限界だって訴えてる時に休まないままだと
余計に調子悪くなってしまうよ。
[宥めるように言うのは体調を案じているから。
感謝の言葉にゆると頷きを向ける。
彼が着替える間、衣装を眺めていたが――]
――…遺書?
[聞き違いか、それとも空耳か。
不吉な言葉に訝しげに一度振り向く。
其の時には既にジャージ姿の春がいて
その手には何も見当たらなかった]
ああ、ボクも着替える、けど。
[春>>117が示す王子の衣装らしき其れに軽く凍りついた。
白いシャツの襟元にはレースだかフリルだかがついている。
次の瞬間に苦い笑みを浮かべふるりと首を振るう]
春がジャージなのになんでボクがアレなんだよ。
――…そうだな、春があのドレスを着るなら考えても良い。
[口の端を吊り上げて悪戯に笑う。
王子の衣装と対なのか豪華な姫の衣装が其処にはあった]
ま、冗談はこのへんにしとくか。
[携帯とメモを取り出して手にした衣装は神官のものか。
白衣に濃紫の袴を纏いきつく帯を締める。
和装は試合の前を思い出させ気を引き締まらせた。
懐に携帯とメモを仕舞いこんで春と共に演劇部部室を出る]
― 廊下 ―
情報、か。
他の皆にも学長の事、伝えなきゃな。
――…二日目のメッセージと同じで
あのパソコンに次のメッセージが表れてるなら
必要ないかもしれない、けど。
[さきほどよりは落ち着いたように見える春>>118に頷き]
吊り…………。
[誰が誰を、そんなことを考えれば柳眉が寄る]
学長を殺した犯人って……
響を殺したのと同じヤツなのかな。
[二人の遺体は無残なものだった。
システムメッセージ通りのようなその姿は襲撃を思わせるのだけど]
怪しいの、か。
――…ゲームと違って議事録がないのも
全ての発言を把握出来ないのも辛いとこだな。
ああ、けど、怪しくないのなら……
ほら、金髪のマリーちゃん、居ただろ?
響を見つける前に暫くあの子と玄関で話し込んでたんだよね。
それからパソコン室に戻る彼女を途中まで見送って
その後、響を奥の非常口でみつけた。
響の件に関しては、彼女に犯行は不可能だと思う。
[配役には狼が二人、囁き狂人が一人とあった。
だから、響の件にのみ彼女について言及する。
この時はまだマリーが殺されたとは知らなかった、から。
母親を呼んだ彼女の声がふと思い出され、男は僅かに目を伏せた。
家に残してきた妹も、よく母を思い出して泣いていて
それと重ねてしまったのかもしれなかった]
─階段踊り場─
[問いかけへの返事は、さてどうだったか。
何はともあれ、と場の状況を、見る。
もっとも、現場検証のやり方なんて知らないから、文字通り見るだけ、になるのだが]
……やったんは、コレで、かな。
[近くに落ちる、刃の欠けたカッターナイフを見ながら、ぽつり]
─パソコン室─
[桜子が起こさずに居てくれたから、少しだけ休むことは出来た。
けれど然程経たない内に眼は覚める]
……────。
[ぼんやりと毛布の中で佇む。
毛布に覆われた顔の下半分、密かに唇が動いた]
─2F手洗い場─
[どれだけ泣いていたのだろう。
ふと、後ろから何かを引き摺るような音が聞こえびくっと震えとっさに顔を上げた。
鏡に映っていたのは、泣き腫らした目をした自分と、青白い顔をした春枝の顔で。
その表情に異様な雰囲気を感じ、慌てて振り返った。]
春枝、ちゃん…?
[恐る恐る名を呼んだが、彼女の様相を見れば何かがあったことは明白で。
無意識に後ろにさがろうとしたけれど、壁に遮られた。]
[眠っている間に蛍子が戻った様子は無く、水は未だ手元に届かない。
さっきよりは具合が良くなったから、ペットボトルのお茶でも飲もうと、もぞりと毛布の中で動いた]
― 廊下→2F手洗い場前 ―
[人の居る方へと言う春に向けるのは同意の頷き]
そう、だな。
パソコン室で蛍や桜子さん、友梨ちゃんが待ってるはずだ。
ちょっと、待たせすぎたかな。
待ちくたびれて一人でうろうろしてなきゃいいんだけど。
[誰がとは言わずふ、と息を吐いた。
パソコン室へ向かう途中、手洗い場の前を通り掛かると
泣き声が聞こえた気がして、佑一郎は立ち止まる]
春、……なんか聞こえないか?
[隣を歩く春に声を掛け問う]
――…誰か、其処に居るのか?
[微かに警戒の色が滲む声で手洗い場の方へと声を掛けた]
―― 手洗い場 ――
[鏡の中の先輩と目が合った。
彼女の名前を思い出して良いんだっけ?
ああ、まだ、大丈夫]
[一之瀬先輩が、怯えたように一歩下がる。
距離をつめるように、ずり、と自分も歩を進めた]
一之瀬先輩
……狼は、誰を食べました?
パソコンルームにいれば、情報、集まってきますよね?
[画面が変化したのは知らない。
けれど、それ以前のことから想像はつかなくないし。
それに、あそこが拠点になっているみたいだから]
[良く見れば、かなり血と水にまみれた装束で、襲撃のことだけ聞いた]
[ふと、背後からかけられた声。
その声に顔をしかめる]
…………
[少し、考える]
[逃げ道を確保するために、無言で入り口から半身を出せる位置に移動した。一之瀬先輩を視界に入れたまま]
[彼女が近付いてきたのに気付くと、反射的に後ろに下がろうとして堪えた。
誰が襲撃されたのかと聞かれ、ひりつく喉からかろうじて、声を発し。]
まだ、確認してはない、けど。
…学長の名前が、表示されたって、聞いたわ。
[そう話しながら、彼女は何故襲撃だけを聞くのだろうと内心考えた。
誰が死んでしまったのかを気にするのならば、吊りも気にするはず。
彼女の様相を見ながら、そう、考えて─…浮かんだ想像に、血の気が引いた。]
― 手洗い場前 ―
[中からは人の気配と声が微かに聞こえる。
何を話しているかまでは分からない。
聞き覚えのある声音――]
――…蛍、居るのか?
[幼馴染の彼女の声を間違うはずもなく
場所が場所だけに躊躇いはしたが再度呼びかけた。
中から蛍子の返事>>147があり手洗い場の入り口へと身体を向ける]
はやく出ておいで、蛍ちゃん。
――…春枝ちゃん、も。
[春が気をつけるよう言っていた彼女の名が幼馴染の口から紡がれて
佑一郎の目が微かに眇められた]
……学長?
[求めていた答え。
拍子抜けしたような、驚いたような軽い声が出た]
狼も、そう思ったんだ……
[最初に思ったのは、そんなこと。
それから、もう二度と理不尽に怒鳴られることもないんだと、ちらりと思った。何かが胸の奥から押し寄せそうになる。ぎゅっと拳を握りこんで、全力で見ないようにする]
[良かったじゃないか。だいっきらいだったんだから。
そうだ、いいんだ]
[俯いて、葛藤を隠して。それからおもむろに顔を上げた。
先ほどより白くなった、彼女の顔。
背後に近づく人影を気にして、声を潜めながら]
……一之瀬先輩、狼なわけ?
別に、少なくとも今日、吊るつもりないから。
―廊下―
同じヤツだと、思う。
だって……「人間」なら、どうして学長を殺しにいくの。
学長、強し、頭いいじゃんか。
だから殺したの、狼じゃないの。
[諏訪の言葉>>133にのっかるように、自身の言葉を重ねた。
改めて怒りが滲み、自然と早口になる。
マリーのことを言われれば>>134]
マリーちゃん……。
そう、なんだ。
[自分が倒れて保健室にいたころ、彼女はずっとパソコン室に一人でいたという。寂しくなかったかと尋ねたときに返ってきた、少しあいまいに笑顔を向けられたことを思い出す。
言葉を切った諏訪の横顔を見た。何やら思案しているようにゆらぐ眸に何を言えば分からなくて前を向く。]
― PC室 ―
うぅん……体調悪いなら、仕方無いよ。
[友梨>>148に緩く首を振る。
事が起こってから今までなにも口にしていないけれど、そんな気はおきなくて、ペットボトルを友梨をただながめている]
真崎君たちはマリーさんの確認にいって……
森君はどこかに叫んでいったのをみたけど……
あとは、わからない……
[恐いのは、宿直室からずっとゆくえのわからない宮町と露島の二人]
……露島君と宮町さんが狼役なのかな……なんで、まだもどってこないんだろう……
誰か、学長のこと……みつけたのかな……
[待ってるだけでは情報は手に入らない。
議事録が読めるわけじゃないから、自ら動いて見に行かなければ、と思うものの――そしてまた死に直面するのもまた恐くて、ただ口に出すことしか、出来ない]
[一之瀬先輩が大声を出して。
私の名前が呼ばれた。びくりと反応して、手の震えを収めようと]
……やだ……
[小さな呟きに乗るのは、怯え。
露島先輩が狼じゃないなら、襲撃される。
露島先輩よりも、もっと狼だと思っている相手が側にいる可能性が高かった]
[それでも、出ないわけにはいかないし。
大丈夫、今、ここでは襲撃されない。数が合わない。
意を決して、入り口から廊下に出た。
足を引きずらないよう、弱みを見せないよう、慎重に]
[蛍子の声音はいつもと調子が違う。
女の子同士で和やかに会話している、というわけではなさそうだった]
こっちは、春と一緒だよ。
[チラと春を見遣り]
早く出てこないと、心配になって
ボクら二人そっちに行っちゃうよ。
――…ねぇ、行ってもいいの?
[柔らかな声音で手洗い場の中へと声を向ける。
と、廊下へと出てくる人影が見えた。
春枝の姿を目に留めて]
蛍ちゃん、二人の騎士のお迎えだよ。
[未だ、中に居る彼女へと声を掛け呼ぶ]
……やっぱり
[廊下に出る。
そうして認めたのは、今、声をかけてきた先輩の隣にいる、森先輩の姿]
[まっすぐに彼を見た。
警戒心は消して見せようとしても、上手く行かない]
……何ですか。話、してただけですよ
─階段踊り場→宿直室─
まー、とりあえず、このままにしといても、なぁ。
宿直室まで、連れてっとこか。
[シーツで包んだマリーを抱えて、宿直室へ。
刃の欠けたカッターナイフは、持ってきたシーツの端を破って血を拭い、そのまま包み込んでポケットに入れた]
……お邪魔しますよぃ、と。
[両手は塞がっているから、ドアは春陽に開けてもらい。
声をかけて、開いている場所にマリーの亡骸を横たえる。
それから、しばし黙祷して、廊下へ]
さぁて。
んじゃ、学長んとこ、行くか。
[パソコンのモニターは、結局見ていないから。
そこで何があったかは知る由もなく。
多分そこにいるだろう、と学長室へ向けて歩き出す]
[気をつけて、と春の声に小さく頷く。
けれど現れた春枝は声を掛けた佑一郎よりも
春を気にしているように見えた]
――…何がやっぱり、なんだろうね。
[微かに苦い笑みが浮かぶ]
春、この子に何か変なことしたの?
[春枝を視線のみで示し春へと問い掛けた]
―階段・踊り場―
[辿り着いた現場で、川島はその遺体を目にした。
響の時と違うのは]
ゲームでやってるときは、考えたこともなかったけど、
……処刑って、こういうことなんだ。
[人為的か否かも傍目には分からない程の傷。
それでも『処刑』と断定したのは、先に慎太郎の言葉を聞いていたからか。
深く眉間を寄せながら]
かけるもの……そうだね、マリーさんだって、見られたくないだろうしね。
[彼に頷いて、横たわるマリーを見た。
明るい片言を紡いでいた唇は、今は冷たく閉ざされている]
[もしこの疑問が正しいなら、彼女は、人を既に殺している。
怖い。こんな状況で常識など意味もないかもしれないけれど、それでも、怖い。
でも、理由がわからないほうが、もっと怖いから。
外から聞こえる幼馴染の声、森の声に返事もできぬまま、春枝を見つめた。]
[一之瀬先輩からの問いかけ。
騎士の迎えだという、男の先輩の声]
……うそばっかり
[ぽつりと呟いて、でも、ここがアウェーなのは分かる。
彼らはみんな、「仲良し」だ]
[要するに、この3人は敵だ。
理解する。
その上で、一之瀬先輩の問いかけに、こくりと頷いた。
声は出さない]
高峰先輩は宿直室だよ。
諏訪先輩と、学長が運んで……
[言いながら、瞳がほんの少し翳るのは見えたかどうか。
響のことを思い出した所為と、傍目には見えたかも知れないが]
……マリーさんも、同じ場所に?
[小さく首を振った。
慎太郎を見て問い、それから共に保健室へ向かう。
隣が黙りこんでしまえば、川島も自分から口を開くことはない]
騎士じゃ、ないよ。
神官と、遊び人。
[前を向いたまま、思わず諏訪につっこんでしまう。
そして宮町の姿を認めると]
(……あれ、わからない。)
[眉根をよせた。
もしも心の中で指名するだけで占えるなら、真っ先に占ったであろう宮町の正体が、分からなかった。
―「今日」は、宮町を占っていなかった。
ややあって声をかける。]
話、なら、いいけど。
……露島副会長は、どうしたの。
[会話が再開されたのは、再び踊り場へ戻ってきた後のこと]
え?
[白いシーツが染まって行くのをじっと見つめていた川島は、緩く瞬きを繰り返した。
目だけを動かし、ちらと慎太郎を見る]
……3日目にCOとか、ゲームならそんな作戦もあるけど……
まあ、理由次第、かな。
[……正直なところ、彼の役職は既に検討がついている。
けれど敢えて口にはせずに、考えながら言葉を作った]
[絵を描きながら、ボクは先ほどまでのことを思い出していた。
はっきりと殺すなととめることがボクにはできなかった。誰かほかの人が死ねばいいとか、誰かがやればいいとはボクには言えない。
パソコン室の絵の中、お菓子を山ほど抱えたマリーが、机に置いている姿、
入り口のあたりには、学長が気難しい顔で椅子に座っている]
それでも、死ぬ人をボク達は選ばないといけない。
[自分が死ぬ選択肢を含めてね?]
首謀者は今頃楽しんで見ているのかな?それともじっくりと観察をしているのかな?
目的は…なんなんだろうね…?
[絵を描くのはそこで中断し、ノートパソコンに文字を打ち込んでいく]
[蛍子>>156が紡いだマリーの名。
ピク、と男の片眉が跳ねる]
マリーちゃんが、如何かしたの?
[奇しくも春と彼女の事を話したばかりだったから
神経質になっていたのかもしれない。
春のツッコミ>>166には]
はは、調子戻ってきたか、春。
たまには格好つけさせてくれたっていいじゃないか。
[僅かに肩を竦めてみせた]
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