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[あの時のように。
不安と恐怖にかられるように歩く。
辿り着いた先の部屋]
…リディ、ちゃん?
[小さな小さな声を掛けて。
そっと目の前の扉をすかした]
[視界に入ったのは、ベッドで休む人影。
一瞬の安堵。
しかし次の瞬間には]
こ、の…匂い……!
[部屋の中に満ちていた、錆付くような臭気が押し寄せた]
[扉を大きく開く。
部屋の中は多少乱れていて。
ガタンという音を立てて何かが倒れた。
けれどそれにも気を払うことなく一直線にベッドへと]
あ、ぁ…
散って、しまった……
[伸ばした指先には、千切られた蒼花。
紅に沈んだそれはもう何も伝えてこない]
緋に沈んで。
それが欲しいと思ってしまったのは。
私、なのに…。
[肌蹴られた衣服。
左の胸に一際大きな傷。人の命の核となる場所が、無い]
なの、に……
[熱いと、痛いと思った。薄らとした記憶に残るのはそれだけ。
今は熱くも、寒くもない。音もない。匂いも、臭いも。
それに疑問を覚えることもなく、ただ漂う夢の中にいた。]
[祈りを]
[そう言われ、聖句を口にのぼらせた昨夜]
元神父であって、今は本当は違うのですけれどね。
[苦笑したのは祈りの合間に]
十字架を落としてきてしまっているので、俺は神父じゃないんですよ。
でも、祈りのことばは同じですしね。
[神様には少し我慢してもらいましょうと]
あおいはな、ちらそう。
[ふと口をついて出たのは。
つい先日、視る力を持っていた青年が言っていた]
咲いた花は。
散るがさだめ。
[ベッドの脇に座り込んだまま。
手を伸ばしてリディに触れたまま]
それでも花は、咲く。
…運命なんて、知らない。
知らないままで、いたかった…!
[全身を駆け巡る痛み。
慣れることなんて出来るわけがなかった。
そんなものでは、なかった]
[バサリ、][急に視界に影が下りる]
ザフィーア? どうしたの。
[この賢い鴉が、そうして他者の邪魔をするのは珍しい事で。
顔を上げて、窓の外を見る。
新たに雪が積もったのか、真白に塗りかわっていた。
それと自分の姿とを見比べて、着替えてもいないことに、今更気づく。赤はもはや黒ずんでいる。鼻も、麻痺してしまったのだろうか]
……。風呂でも、入ろうか。
[そう「理由」を付けて、部屋を出る]
[皆が部屋に戻っていく]
[自分もまたそうだった]
本当は湯を浴びようとしていたんですけどねぇ。
…ああ、おかしい
[くすとわらった]
[夜の闇が落ちた]
[静寂]
…いいえ、望んだのは、私。
姉様のように、なりたくて。
[それなら役目を果たせと。
そう朱花は訴える。熱と痛みをもって]
でも、リディちゃん、は…
[開いたままの扉から、僅かに残っていた熱も去ってゆく。
静かに冷えてゆく部屋]
[開け放たれた扉。
誰かの声が聞こえた気がした。
妙に足が重くて、一歩一歩、ゆっくりと進む。
ザフィーアは先に行くことはなかった]
[ゆっくりと振り向く]
いない、よ。
ここには、もう、いないの…。
[扉の前に立つ影に告げる。
座り込んだ体勢のまま]
あおいはな、ちらして。
どこか、いっちゃった…。
ん?
[彼はすぐに入っていった]
[誰の部屋だろうとそちらに向かう]
[部屋の中から声がした]
…
[へぇ、と、小さく口が動いた]
[名前を呼ぶ、何時もの声。]
なぁに?
[どこかに行ってしまったと、嘆く声。]
・・・・ぼくは、ここにいるよ?
[暗闇の中呟いた。
急に、光が射した。]
[胡桃色と、灰銀色。
白の上に、鮮やかな色。
鉄に似た臭いが、強く満ちていた]
……何、やってんの。
[少女が何を言っているのか、わからなかった。
だって、こんなに綺麗に咲いているのに。
――違う、これは、彼女の花じゃない]
起きなよ、リュー。
寝ぼすけ。
起きないと、グリンピース御飯に入れるよ。
[脇を擦り抜けてベッドサイドに左手を突いて、リューディアの頬に触れた]
[冷たかった]
[ミハエルが掃除をした広間はしかし、それが簡単に落ちないことを意味していた]
[かすかに黒い]
[しかしそのままキッチンへ向かう]
[食べやすいものを用意しておこうと思ったのか]
[スクランブルエッグを]
[スチームミルクを]
[そしてやわらかいパンとバターを机に置いた]
こんなに、冷えてる。
下で温まろう。
早く行かないと、御飯取られるよ。
[レディ=アマンダに。
……違う、彼女は、もういない]
それに、こんなに汚して。
掃除とか洗濯、誰がすると思ってるの。
[ノーラさん?
……違う、彼女も、もういない]
起きてるよ。
[呼び掛けに答えても、更には返らない。]
ああ、ユーリィまた無理してるでしょ。
ぼくはこっちだよ?
――レーネまで?
2人して、どこ見てんのさ。
[訝る様に言いながら、その視線を追い――]
[ユリアンがリディの傍に寄る。
くたり、と触れていた手が床に落ちた]
もう、食べなくて、いいね。
もう、食べられない、ね。
もう、痛くない、ね。
苦しく、ないね。
[視線はリディへと動いて]
もう、いないんだね…。
……お嬢様どころか、お姫様気取り?
でも、生憎と僕は王子様じゃないんだよ、眠り姫。
[返事は、無かった。
蔦の伸びたような蒼い花は千切れて、赤を帯びている。
それより何よりも、あるべきはずのものが、無かった]
なんで、そんな大切なもの失くすの。
[それは彼女自身の手によるものでないのは、明白だった]
……っきろよ、
馬鹿、
リューディア……!
[涙は出なかった。
泣かなかった。
泣けなかった。
泣くことは、出来なかった]
[――クァ、][鴉がないている]
[イレーネの言葉が聞こえる。
わかっている。
もう、彼女は、 ないのだと。
それでも、わかりたくなかった]
・・・・誰だか知らないけど、早く起きてあげなよ。
レーネもユーリィも心配してるじゃないか。
さっきから何度も呼んでるじゃないか、リューディアって。
・・・・・・・・リューディア?
本当にかわいそうに
[くすと笑う]
[食べ終わった食事を片付ける音]
人の心を持つからこそ、人であるのに。
泣けないとまで思われているんですねぇ、人狼は。
ユリアン…!
[運んでもらった時、聞いた言葉が甦る。
ユリアンに聞いてくれ。
咄嗟に手が伸びた]
お願い。
もう、休ませて、あげて…。
[その腕を掴もうと。
大した力ではなかったけれど]
……、
………っ……。
[声すら、出なかった]
[腕を取られて、顔を上げる。
定まらない視界に、灰銀色が映った]
ごめ、ん、イレーネ……
僕の方が年上なのに、ね。
[体勢を直して、彼女に向き直る。
片手でバンダナを解き、前髪を掻きあげた]
美味しかったですかね、人は。
[囁いた声は、――届いただろうか]
[狼だけの言葉は使えずとも、人には聞こえぬだろうほど小さい声]
[ふるり、と頭を振る。
涙無く慟哭している青年に]
…誰か、呼んでこないと。
シスターか、クレメンスさんか。
[先にその二人が浮かんでしまったことで。
嫌でも再確認させられる]
身体を拭く、布とか、も。
もって、こないと。
[立ち上がろうと、ベッドに手をついた]
あの子がリューディア。
リューディアはぼく。
でもあの子はそこで寝ていて、
ぼくはここにいて、
でも同じリューディアで、
あの子は、ぼく?
[少女の上には緋色の花が咲いていた。
左肩にも胸にも。
あの色は、アマンダがいなくなった時にも見た。ノーラが運ばれてきた時にも。
彼女らが、死んでしまった時に。]
[解いたバンダナをリューディアの胸上にかけた。
汚いと言って嫌がるかな、そんなことを思う]
……ん、僕が呼んでくる。
具合、よくないんでしょ。
無理しないで。
[作ろうとした笑みは、上手く行かなかった]
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