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― 浜 ―
は、はい。
大丈夫ですか…? ゆっくりでいいですからね。
[駆け寄ってきてくれたゼルギウスに、名乗る間もなく。
てきぱきとした指示に咄嗟に従う]
[向けられた視線は、見知らぬ者へのそれで。
ゼルギウスにも思い出して貰えないのか…と、
胸の奥に鋭い痛みを覚えたが。
なんとか老人を支えるようにして、傷に障らぬようそっと座らせた。それでも、老人は微かに眉を顰め、呻きを噛み殺した様子で]
ゼル先生、ありがとうございます。
手伝えることがあれば、何でも言いつけて下さい。
[ゼルギウスが道具を手に戻って来たなら、
名乗ることは後でもできるから…今は治療が第一と、
微かに傷ついた気持ちを切り替えるように、そう告げる]
― 黒珊瑚亭 ―
ええ、空は高く澄んでて綺麗ですね。
[不思議そうに言うゲルダのペースに癒される。
これはゲルダにもやはり忘れられているんだなと苦笑しながら]
あ、家の様子を見に戻るところを呼び止めてしまったかな。
申し訳ない。
─ 広場 ─
あら、カルメンさんおはようございます。
[浜から上がってきたカルメン>>86を見つけ、挨拶がてら声をかける]
浜の状態は如何でしたか…?
[浜に居たと言うことはその状況も知っているだろうと思い、気になっていたことを問いかけて。
僅かに首を傾げながらカルメンを見た]
― 自宅 ―
[パンとサラダ、スープといった簡素な食卓を囲む。
対面にいる母親が雨の音で寝付けなかったと零した。
まじまじと見詰めてみれば確かにいつもより顔色が優れないよう]
大丈夫?
今日は店番いいからさ、休んでなよ。
片付けもやっとくから。
[一人で大丈夫かと問う声がすると
困ったような笑みを浮かべて]
もう子供じゃないんだからそれくらい出来るって。
いつまでたっても過保護だなぁ。
[いつまでたっても子供よ、と返る声。
そりゃそうだけど、と言葉に詰まりながらも
心配だからの一言で母親も渋々部屋に戻ってゆく]
― 教会→ ―
[さっぱりしたら、お腹がなった。]
はらへった…神父のじじーめ。
育ち盛りからめしを抜くなんて人狼よりたちワリーぜ。
[神父の年齢が如何程か、子供は聞いたことが無かったが、いくつであろうとじじい呼びするのは、好きか嫌いかで言えば嫌いだからである。
加えて子供にとっては最大級の悪口を言ってから、むくれたまま鍋帽子を被って外に出た。あわよくばナターリエや誰かから、何か貰えないかとか、そんな知恵が回った末の事だった。
一夜にして洗い流された村のあちこちが洗われすぎてボロボロになっていた。教会もそういえば>>44壁とか屋根とかボロになったり壊れていたりした気がすると歩きながら思い出した。
歩きながら、そういえばナターリエ達が何処にいったのかは聞いてはいなかった。]
何処いったんだろ。
[と言いつつも、そんなに広くはない村の中。歩いていればそのうち会えるかと、適当にぷらぷら歩いていた。
足元に落ちていた、折れたばかりの小枝を拾って、指揮者のようにぶんぶん振って歩く。先に残っていた葉っぱが、空気を切ってひゅっと音を鳴らしていた。]
─ 広場 ─
やはりそうでしたか…。
先程ちらとお聞きした時も、船や小屋に被害が出ていると仰っていましたもので。
落ち着くまで出入りは難しいようですね。
漁師の方々もお仕事が出来ませんでしょうし…。
[ロミの手を引く手とは逆の手を頬に添え、憐憫の情を表情に出した]
カルメンさんのところは大丈夫でしたか?
教会も枝や飛ばされた物で、壁に傷を負ってしまいましたの。
[浜での騒ぎは聞こえていても、遺体のことまでは耳に届いていなくて。
話題は身の周りについてに移り変わっていく]
― 浜 ―
[手伝うなどと申し出たが、その必要は全くなさそうで。
老人の身体を支えるようにしながら、
患者の治療に集中する様に見入っていると]
……どうかお気になさらず。
はい。昔、この島に住んでいました。
[声を掛けられ、微かに瞳を瞠るも、
12年もたてば忘れられても仕方がない、と微笑する]
いえ、12年も前のことですから、
覚えておられなくても、無理はありません。
エーリッヒ・ガウナーといいます。
家族が、先生のお薬を頂いていました。
[視線を同じく老人に向け、呟くように名を告げた]
― 翌朝 ―
[昨夜の嵐では音に怯えて殆ど寝ることができなかった。
それでも父親の部屋にいったりしない程度には成長している]
……おはよう。
[すでに起きて仕事を始めていた父に声をかけながら、寝ぼけた顔を洗い。
嵐の惨状にうわあ、と顔をしかめた]
これは大変だ……
[片付けとかを思ってため息を一つ。
宿の窓が破れなかっただけありがたいと思いながら庭にでて片づけをはじめ。
朝食ができたころに降りてきた人たちに朝ごはんを提供しながら嵐の酷さについて軽く言葉をかわして]
あー、あたしもこっちの手があいたら浜にむかうねー。
[そういって外を見にいく人たちを見送った]
― 表通り ―
[細工師の店舗は比較的人通りのある表通りに面している。
嵐で飛んできたらしい木片などのゴミを片付けて
歪んだ看板の位置を正し、建物に傷みがないかを確かめる]
ん、問題なさそうかな。
[村の中心部にあるためか我が家への被害は少ないようだった。
臨時休業の札を表の扉に掛けて、浜辺に向かう]
─ 広場 ─
うん……漁に出るのは無理そう。
ベルくんも、しばらくは大変なんじゃないかなぁ。
[そういえば、昨日はどうしたんだろう、と。
話をしながら、意識はふとそちらへ移ろうが]
あ、ぼくのところは大丈夫。
鉢植えが幾つか台無しになっちゃったけど、家は無事だったわぁ。
[身近な話題>>96に、意識は再び、目の前へ]
教会も、大変そうねぇ……何か、手伝えることがあったら、遠慮なくいってねぇ?
早く、落ち着けないと。お絵描きの約束もあるし。
[できるだけ、明るい口調で言うのは、空気を沈ませぬため。
自分の気持ちを維持したいというのもあったし、何より、シスターと共にいる少女に不安を与えたくはなかった]
― 海岸 ―
[あたしがたどり着いた時にはどれくらい経っていただろうか。]
……うわぁ、これはひどい。
おじさんたちー、なんか手伝えることあるー?
[浜辺の状況にあたしは顔をしかめた。
あたしにできる範囲で手伝いをしようと、漁師のおじさんたちに声をかけたら。
…比較的軽めの物を頼まれましたよ?あるぇ?
もっと重いのとか頼まれると思ってたんだけど。]
─ 広場 ─
そうですか…。
昨日、間に合っていれば良いのですけれど。
[アーベルが別れ際に船を小屋に入れに行くと言っていたのを思い出し、カルメン>>103と話をしながらぽつりと零す]
まぁ鉢植えが。
家がご無事なのは何よりですわね。
壁に傷は付きましたけれど、中に影響が無かっただけ良かったと思いますわ。
浜よりは酷くありませんし……嘆いてばかりも居られません。
お心遣いありがとうございます。
壁の応急処置をしなければいけませんし、それ以外でも手が必要になりそうな時は、お言葉に甘えさせて頂きます。
[カルメンの申し出に嬉しげに微笑んで、感謝の言葉を口にした]
― 自衛団詰所 ―
始まってしまったか……。
[打ち上げられた遺体を確認し終えると、忙しく働いていた自衛団員達を呼び集めた。
そして、事前に話していたこと>>#0が事実となってしまったことを伝え、11枚の人物記録を取り出した]
この者達を宿に呼び集めてくれ。
他の村人達にも手分けして説明を。どうしても説得が出来ない時は私が直接行くから呼ぶようにの。
[反論を許さない強い口調で命じると、硬い表情での頷きが返って、自衛団員達は役目を果たしに出て行った。
そして団長自身は、黒珊瑚亭を借りるために向かった**]
― 浜 ―
[亡き父の所有する大きめの船が港に停泊しているはずだった。
けれどその場所に行けどその姿はない。
繋いでいたロープごと船は嵐にのまれたようだった]
あー…。
[落胆の声が漏れる。
滅多に使う事がないとはいえ父がのこした一つに違いない]
落ち込むかなぁ。
[まず思い浮かんだのは母親の落胆する姿。
水平線の彼方へと目を凝らしてみるけれど
結局、目当ての船は見つけられない]
[エーリッヒやゲルダ、ヘルムートが出て行くのを見送り。
アーベルもまた外へと見に行くのならとりあえずご飯食べてから、と朝食をだして。
そしてもう一人いたはずの客が降りてこないことに上を見上げて]
ちょっと様子見てくるねー。
[そういって階段を上がって確認してみれば返答はなく。
部屋をみても蛻の殻]
あれ……?
[旅の人だと聞いていたからあの嵐でも外に出てしまったのだろうかと眉を寄せる]
お父さん、お客さんいないみたい。
[そう父親に報告をして、わずかにため息を一つ。
宿の前まで瓦礫がある現状に心配そうに表情を曇らせて]
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