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んー?
[首を捻りながら、一歩下がり。
言われた言葉には口を尖らせて]
敗者だけど敗者敗者言わないでよっ!
もー。
[眉間に皺を寄せた。]
…Schwarzes・Meteorの、か。
[瞳を掠めるは憎悪の色か。
それでも今の自分では絶対に敵わないこと位は分かる。
相手は万全…かどうかは知らないが、少なくともそれ程のダメージを負っているようには見えない]
言われたからと大人しくしているなどとは。
思ってもいるまいに。
[苦々しそうに答える。声が僅か掠れた。
一歩下がるユーディットをチラリと見て]
…忌々しい。
[頭から左手を下ろす途中、耳に指が触れる。
吐き棄てたのはどちらに対してでもなさそうだったが]
何故って……。
俺は、一人では、生きられなかった。
親に捨てられて、兄貴に拾われて。
それで、生きられた。
そして、俺はその兄貴の『誓い』を引き継いだ。
だから……それは、俺にとっての『当たり前』なんだよ。
[それの理解に苦しむ、と言われても。
こちらには、その事が理解できなかった。
大切な者たちと共にあり、それを気遣うのが、彼にとっては当然だから]
[御自由に、との言葉には、じゃあいわねぇ、とさらりと返して]
因果っつーよりは、仕掛け人の悪趣味……ってのが、正しい気もするがね。
そうか。
私の「当たり前」は、異なる。
それだけの話か。
[彼女は組織の中で生きて来た。
それだけ、と切り捨てたにしては、珍しく、僅かに俯き伏せた眼は思案げないろを見せる。
ゆるりと顔を上げると、腕を解いて鞘を戻した。
今、戦う意志はない、という表明。]
大切なものが居る事は大切なことだ、と。
そう言っていたのは「ブリジット」だったかな。
あれも、貴様らを羨んでいたようだ。
[悪趣味との一言には、違いないと同意を示した。]
[「不要品」の一言には動揺を見せる。
今しがた囚われていた記憶、それを刺激する一言だから]
今は…?
[含みのある言葉に眉を寄せる。
だが続いたのは合理的であり、自分たちにとってもまず間違いなく正しくあろう言葉で]
それは…そうだな。
[内心ではこっそりと「ここが治療所なのか」と確認していたりもしたのだが。ユーディットの様子も測りながら息を吐いた]
そりゃ、全員の『当たり前』が同じ訳ねぇさ。
同じだったら……こんなくだらない遊びなんざ、なかったろうしよ。
[静かに言って。
戦意がない、という事を感じたなら、こちらも四肢の力を抜いて、伏す]
大切なものは、支えになる……強さになる。
……勿論、弱さにもなるがな。
[呟くように言って。羨んでいた、との言葉にやや、首を傾げる]
……俺と……イレーネ、を?
[零れた疑問は、不思議そうな響きを帯びて]
[小さく、溜息を零す。]
[僅かな浮遊感と共に、低く響いていた駆動音が止まる。
白の壁に隠された、鉄扉がゆっくりと開いて。]
―地上・モニタールーム―
――…、…!
[モニタの前に居座る、思いがけない人物に僅か眉を寄せた。
『下』のモニタでは、友人が映っていないのを確認していたから
てっきり、一緒に居るとばかり思っていたのに。]
不要品じゃないもん。
ボク、不要じゃないもん…。
[ブリジットの言葉には、泣きそうな表情になり、手に持った棒を一度地面に打ちつけた。]
[そのまま、何かをぶつぶつと呟きながら。
ブリジットの肩に手を伸ばし、避けられなければ突き飛ばすようにしてメディカルルームを出る。
そのまま向かいのhの部屋へと入り、バタンと音も荒々しく扉を*閉めた*]
…………?
[何が動く音。モニタールームの椅子で聞く。
先に球体2つが音の発生源にレンズを向け。
ワンテンポ遅れて少女自身も振り返る。]
…………。
[目に入る姿にいささか安堵。
何故なら、彼は確かユリアンのおともだち。]
くだらない、ね。
そうだな。
全く以て、くだらない――
[口許を歪める。
それは形づくられたものよりも余程、笑みに見えた。
愉快さを感じているとは思えなかったろうが。]
己には何も無いから、
有る者に対して、羨望の念を抱く。
浅ましいが、人間らしい感情だよ。
好意と同時に、嫉んでもいたわけだな。
だからこそ、イレーネ=ライアーに挑んだのもあったのだろう。
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