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新入り・・・・
この町の方、なんでしょうか。
[猫を撫でながら、言葉を話せない人って居ただろうか、などと呟く。それから2人の会話にはたと顔を上げる。]
嗚呼、そうだ。
アーヴァインさん、知りませんか?
魔術……か。
[しばし、虚空に向けていた視線を再びコーネリアスへと戻す。
その様子を黒猫がやや心配げに見つめていた事には、近くにいたラッセルならば気づけるかも知れず]
デートって。
あの子は、じいちゃんの茶飲み友達のお孫さんだよ。
[そう答える声は、いつも通りに軽いものの。
次の言葉を紡ぐ時は、やや、険しさを帯びるだろうか]
で、捜しているのはあの子じゃなくて、ね。
本来迷子を率先して捜しそうな……自警団長さんさ。
[緩く、瞬いた。小さく深呼吸する。
すぐ横を、楽しげにサーカス広場へ向かう子ども達が通り過ぎて言った。]
…。
[恐れていたって、何も変わらないのは、もう十分に判っているのだから。
──そぅと、真直ぐ。一歩を踏み出して。
その足が向かう先は、広場へと]
―メインストリート→…―
いえ、私と同じで、他のサーカス団から移ってこられたとか。
え?アーヴァインさんが、今日も来てるんですか?
また何か苦情かな…参りましたねえ。
[ラッセルの言葉を聞くと、困ったようにきょろきょろと辺りを見回す。]
んー。
やっぱり、聞いてもわかんないみたいだわ。
集団物忘れっていったいどこまで広がってるのかしら?
[首をひねりながら、敷地内を歩いている]
嗚呼、成程。
――貴方も覚えてるんですね。
いえ、それが・・・サーカスを観に行ったっきり、帰って来ないんですよ。
その上、何故か誰もあの人を覚えてなくて。
[首を傾げるコーネリアスの様子に、ひょい、と肩を竦めて]
いや、ちょっとね……虫の報せ……っていうのかな。
そんな感じがあってね。
何やら姿が見えないらしいから、それと関係あるのかと思って捜していたってとこかな、俺は。
[実際には、異変があったと感じたから捜していたのだが。
何となく、サーカスの関係者には、素直に言う気になれずにぼやかして]
……ラッセルが言ってるように、町の連中そろって忘れてるのも、気にかかるんだよね。
[しっかりと、しかし決して早くは無い速度で、歩みを進めていく。
ふと、漸く見えてきた広場の先に、
見覚えのある姿が揃っているのに気付いて、青を一度瞬いた。]
…、
[しかし、揃う人々全員の浮かない顔に、
ただサーカスを見に来たわけでは無い様だ、と僅かに眉を寄せて。]
人のことを無視するのはいかがなものかと思うんだ、マジシャンさん。
おれは、リックっていう名前があるの。
見えなかったとか言うなよ!
ハーヴェイさんが高すぎて邪魔なんだ。ぜったい。
いえその…信じて頂けるかどうか判らないのですが……
[躊躇いがちに口を開きかけて、こちらに手を振るレベッカを見つける]
あ、こんにちは、レベッカさん。
[会釈するも、微笑みは些か弱々しく見えたかもしれない]
信じる信じない、っていうより。
意味がわかんないから、話してほしいと思うよ、おれは。
だれかのせいで、みんな忘れるなんて、ないと思うんだけど。
[こちらに手を振るレベッカの姿に気づいて軽く手を上げ。
ふと、視線をずらせば、ニーナの姿も目に入るだろうか。
……そういえば、診療所にはエレノアの話は行ってるのだろうか、とふと考える。
誰かが診察に行っていたなら、状態を聞けるかも知れない……と、そんな考えがふと頭を過ぎった]
実は、私は、占い師の家系に生まれていまして。
でも、力が強すぎるので、普段は使わないようにしているんです。
[口を開くのを躊躇った割には、浮世離れした話しを淡々と語り出す]
[暫く遠めで集団を見やっていたものの。
止めていた足を再び動かして、集団の近くへと向かう。
途中で、レベッカが更に集団へと近付くのにも
銀髪の青年が、「自分の所為だ」と言う言葉にも気付いたが
少し眉を寄せて──それでも、歩みは止めずに]
…皆さん、お揃いなんですね。こんにちは。
[小さく笑みを向けて、一言。
あとは、そのまま黙して青年の言葉へ耳を傾ける]
私の力は、魂の記憶を読み取って未来を見通す力なんですが、人によっては、魂と身体の繋がりが弱くて、触れただけで消えてしまうことがあるものですから……
……占い師?
[告げられた言葉に、微かに眉を寄せる。
疑うような様子が見えないのは、自身も特異と認識するが故か]
……魂と身体の繋がり……ね。
[ぽつり、呟いて。
視線はまた、虚空へと]
とにかく、それで、危ないので普段は使わない力なんですが……この間アーヴァインさんがサーカス団に苦情を言いに来られて……なんだかサーカスを潰してやるぞ、と脅すような勢いだったので、心配になって……
そうっていうか。
たましいとか、そんな非現実的だよ。
御伽噺の中だけの話でしょ。
魂と身体とか。
魂って一体どういうものなのさ。
あなたにとって言ってる事は本当かもしれないけど、それじゃあ、ええと。魂と身体? 以外?
おれたち以外が忘れてるのはなんで?
だって、あの方の魂の力がそんなに弱いとは、とても思えなかったものですから!
[訴えるような視線を周囲に向けて、やがて、ためいき]
でも……やっぱり、私のせいなんでしょうか?
……君は、少し落ち着きなさいな。
[早口に捲くし立てるリックの様子に呆れたように言いつつ。
手が届けばまた、頭を撫でるだろうか。
それから、その言葉の中に出てきた呼び名に、ニーナの方を見やって]
あー、丁度良かった。
診療所の方で、エレノアさんの話、なんか聞いてるかな?
確かに、御伽噺のような話ですよね。
いいんです、信じて頂けないのには慣れてます。
いえ、いっそ信じないで居てもらった方が…
[リックの言葉に肩を落とす]
町の人が忘れているのは、魂が消えてしまったショックだと思います。
人の魂というのは影響しあうものなので…特別な方同士が魂で繋がることもあるんですよ?
[コーネリアスの訴えるような視線に、一つ、息を吐いて]
……そんなもん、俺たちに聞かれてもなあ。
本人に聞ければ一番手っ取り早い気もするが。
[現状、そうもいかんしね、と。
軽く言いつつ、肩を竦め]
『それに、仮に視えても……声までは届かん可能性は高いし……な』
[心の奥底では、ひそりとこんな呟きを]
影響しあうとか……
……。
でも、正直、みんなそんなに仲よかったようには思わないけど。
それでも影響なんてするもんなの?
……あのね、ハーヴェイさん。落ち着くも何もこんなにおかしなこと言われて信じられると思う? っていうかその手はやめてって。
Mis?
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