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……とりあえず。
これで、物理的な……ドロイドの攻撃なんかは止められるが。
[二人の同族を消した力。
それに対しては、無力であるのもわかっていた]
っとに……恨むぜ、機竜卿。こんなに事態をややこしくしてくれて。
……心なき力は、暴走する。
『魂』無き、『器』も然り。
例え……それがどんなに重荷だとしても……。
[続いた言葉は、ため息に飲まれて]
……ま。
どうせ俺が言っても、説得力ない、って言うんだろうけどな!
[っとにもう、と。
疲れたように言いつつ、頭を掻いて。
も一度夜空を見上げたなら、広間に戻り。
預けた従魔を引き取って、*自室へと*]
< ソファの上におろされて、猫はおねんね。ぽかぽか、ふわふわ。
気持ちよさそうになでられて、 >
―朝:広間―
< 朝はやく、目をさました猫は、左の前あしに布がまいてあるのに気がつきました。
あらあら、おどろいちゃう。にゃあ と ひとなきしてしまいました。
寄りそうような黒猫に、すりっ、身をよせて、猫はソファから床にとびおりました。
しゅたん。うん、だいぶ、楽になったみたい。でも、人の姿になろうかなって思うとむりでした。こまったなぁ。
猫はそれから、てとてと、とてとて、あるいてゆきました。お水のそばに、いきたかったのですけれど――ねえ、おそわれたの、おぼえてないのかしら。昨夜のうちに、時空の竜が、どうもとめておいてくれたみたいですけれど。 >
< 屋敷のあたりのお空に、結界(っていうのかしら?)があることも、猫は知りません。
てこてこ とことこ、いちばん近い川辺にたどりつきました。朝だから、ドロイドたちも眠っているのかもしれませんね。
猫は川に顔を近づけると、水を飲みました。つめたくて気持ち良いです。でも水中に魚がいません、どこかへいってしまったのかしら。 >
―昨夜:広間―
[繰り返されし歌が止んだのは、時の竜が戻りし頃であろうか。
戻ってきた彼の竜の言葉にひとつ瞬いて、なれど何も問う事なく彼の仔を返す]
…おやすみなさりませ。
[二階へと上がる二人を見送って、私は氷の窓越しに天を見る。
天蓋には既に何もなけれど、広間で彼の竜が告げし通りに対ならぬ対たる時空の力が屋敷を包むを仄かに感じ取った]
……
[感じたのは安堵か疲れか。
気配の多さと料理の匂いに柳眉を寄せ、密やかに吐息を零して。
私は広間に残る者へと小さく頭を下げ、重い脚を緩慢に動かし、部屋へと戻ってゆく]
[部屋に入り目にしたは、美しき青の布。
私は彼の猫が大切にしているそれを手に取り、緩やかに…なれど叶う限り急ぎて広間へ戻る。
寄り添う黒と白、そして銀茶の髪の少女を起こさぬよう、静かに彼の猫の左前足を取り、青の文様の上へと優しく布を巻きつける。
全てに干渉しつつ、何物にも干渉を受けぬ天聖が属は、その行為を無事に成し遂げたろうか]
[重い脚を半ば引き摺るようにして部屋に戻り、私は褥へと潜り込む。安堵か疲れか、眠りは速やかに深く訪れて。
目を覚ましたは、朝の光が窓から差し込む頃――]
―現在:二階個室―
[痛みは薄く――なれど鈍く続く脚へと触れれば、そは熱を孕んでいて。少々無理をしすぎたかと、柳眉を下げる。
私は気付かれぬ内に足を冷やそうと、負担かけぬよう緩慢と屋敷を出て川へと向かう。
既に先客がいるとは*思いもせずに*]
< 左の前あしの青い布は、濡れてしまうまえに、においをかいでありました。
ナターリエが、つけてくれたのかなって、猫は思いました。だって、とてもやさしくて。
それにいくら疲れているからといっても、あんまり知らない人なら、目をさましたでしょうし。あと、青い布をなくしてしまったのは、温泉でしたし。 >
…水のほうが、やっぱり、いい。
< 猫は真剣に、つぶやきました。にゃあ。 >
[護りの陣が何処までかを明確に知るは叶わず、私は一番近い川辺へと歩を進め――小さく跳ねる水音に首を傾げる]
……だれそ…?
[半身を引きつつ問うたは、前日の機械を警戒しての事]
< 声が水音にまぎれ、声がしました。猫は川べりに前あしをふたつ、のっけて、身を土の上に。 >
ナターリェ?
< でもやっぱり、ただのなきごえ、なんですけれど >
[川べりに乗せられた二つの前足と、その間を覗く違く鼻先に、私は目を丸くする]
エィリ殿…であったか。
水浴びなりや…?
[行こうか、帰ろうか、惑うも。
此処で踵返さば怪しまれようと、私は緩やかに近づいてゆく]
…気持ちよいですか…?
[そう訊ねつつ川べりへと腰掛けて。
裾を――彼の猫に見えぬように――僅かに引き、両の脚を浸す。
流水が側に在る水は清らかなりて、熱を優しく宥めてくれようか]
−東部:草原−
[雷鳴轟く山の未だ望める位置]
[晒された土から][豊かな緑へと][移りゆく地面]
[南へと下り草原を進んでいく]
[その傍らには小さな湖]
[細い路はせせらぐ川へと繋がり]
[波の音とは異なる断続的な旋律が連ねられる]
そうだよ
< 猫はそう答えたつもりです。ナターリエが腰掛けたそうなので、ちょっと場所をあけます。
気持ち良いよというように、羽根をぱたぱたさせて、にゃあ。
足をひたす様子に、猫は心配そうに、近付きました。にゃあ。 >
[彼の猫の鳴き声に、私は目元を和ませて指先を伸ばす。
水に濡れた耳を軽く突付くよに触れ、羽根が散らす雫に目を細める]
冷たくて気持ちよいの…。
[心配そうに近づく様子に、心配ないと緩やかに首を振る。
10年前の怪我を――暴かれし真珠の角を削られ、左後脚に骨まで貫く棘の枷を嵌められていた姿を――彼の猫は知っているが故に]
< 細い指が、猫の耳に触れます。もっとというように、頭を寄せて >
…気持ち良いけど。
< 少し、水を見ました。その中の足を、見ました。
にゃあ。
もし人の姿だったら、見せて、って、言えていたでしょうに。 >
< それから、やってくる足音に、そちらに視線をむけました。
アーベルの問いかけ。あら、もうこんなに近い。 >
みずあび?
< にゃー。 >
[歩み寄る足音に気付き、私は警戒の眼差しを向け――かけて、それは戸惑いへと変わる。
未だ恐れは消えぬけれど、逃げ出すほどではなく]
…何をと、や?
私は脚を浸しておりまする…心地よき故に。
そなたこそ…?
[私は僅かに迷いつつも、問われた言葉に答える。
緩やかに首を傾けて問わば、白金の蓬髪が頬と肩を覆おうか]
[白猫の言葉][鳴き声にしか聞こえず]
……心地好い。
[足を浸す様子を見やり]
[少し離れた位置、][しゃがみ込む]
[流れゆく水を視線で追って]
[僅か斜めになった姿勢][長い前髪が揺れる]
< アーベルの様子をけげんそうに、猫は見ていましたけれど。なでられて、きもちよさげに、目をほそめました。
それでも、少しかんがえて、その手の下、ぽちゃんと水にふたたび落ちます。いえ、もぐります。
とうとつな、行動でした。
言えないなら、自分で見に行ってしまえばいいだけです。 >
[少し離れてしゃがむ姿を、横から見つめる。
長い前髪が揺れらば、色の異なる双眸が垣間見えるや否や?]
……どう…なされた?
[水面に触れかけて止まりし様子に、緩やかに瞬く]
[ぱち、]
[何かが弾けたように思って]
[一瞬、手を止めたのだけれど]
ん。何でも無い。
[ぱしゃり、]
[川の中へと沈む右の手]
[抑えられぬ雷撃の気]
[水へと呼ばれ、][内より外へと流れ出る]
―昨夜:屋敷前―
[オトフリートの言葉、ユーディットの言葉。
そしてほかの幾重にも重ねられる言葉に、月闇の竜と火の竜が消えた事が把握できた。
エルザに答えようとして遅れた時、聞こえたのは声――何を言っているのかは全く分からなかったが。
遠隔で人を「消す」なんて事ができるのか?と一度屋敷の周りを走って回ってみたが何も見つけることは出来ず。
相変わらず、その体躯を玄関に詰まらせるしか出来なかった。
夜半、オトフリートが展開した防護の陣にほう、と息を吐き、少しの間眠ったか]
―現在―
くぁ…。
[欠伸をひとつ。
寝てしまっていたようで、ふるふる、と顔を振って目を覚ました。
屋根の上のハインリヒは起きているだろうか、ユリアンと交代しただろうか?
前足で顔をでしでしと叩いた。]
< ナターリエの足を見ようと思ったその時でした。
猫の身体の、骨がすけてみえた、なんていうこと、あったかもしれません。 >
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