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―朝/宿屋/ユリアン個室前―
うん?誰かから何か聞かなきゃいけないほどのことなの?
[ミハエルの言葉に、本当にキョトリとし首を傾げた。
薬が効いて寝入っていた為に、物音すら聞いていない状況だった。
しかし、ここで深くを尋ねないのは、ゲルダの件があるからで。
ゲルダに手を差し伸べる2人を見ながら――けふっと一つ咳をついた。]
あ、ライ君……―――
悪いんだけど、自衛団に話持って行ってくれるかな?
[と、姿を見せたユリアンに祈りを向けるライヒアルトに声をかける。
言葉裏に滲ますのは、外に出るのはキツイのだということ。
傍からは、3人を一先ず食堂に導く為と聴こえるだろうか。]
―宿屋・アーベルの部屋前―
[中から返る返事、それから端的に伝えられた言葉に首をかしげ、
それは聞こうとしたことと重なるだろうか]
入ってもいいか?
[ドア越しにそう尋ねながら]
聞きたいことがあるんだ、昨日のこと、人狼のこと。
私の知らないこと、話せる範囲でいい。
――…あ、ああ。
自衛団に知らせてくれば良いのか?
[ゼルギウスの声に振り向き部屋を出る。
他に何も用が無ければ――
青年は自衛団詰め所に行き
ユリアンが襲われた旨を伝え彼らを呼んでくるだろう]
[アーベルからの許可があれば中に入り、
包帯に気づけばいぶかしむ様にそこを見たかもしれない。
今はそれに言及することはなく]
アーベル、昨日、ブリたんが死んだこと、知ってたんだよな?
[確信があるわけでもない、けれども昨日の彼の行動はそうとしか思えないもの]
普通の人ならわかるわけがない。
考えられるのは死んだ人の事感じ取れる、クロっちみたいな力があるか、
アーベルが人狼で、実は殺したのがアーベルだってことくらいだ。
[じっと彼の姿を見つめながら]
アーベルはなんであんとき、あの部屋に向かったんだ?
―朝 宿屋 ユリアンの部屋前―
[空咳をする夫を気にしながらも
――風邪を引いたのかしら、内心ではそんな風に思って――
ゲルダに気遣わしげな視線を向けた。
ミハエルがやってくれば同じような視線を向け、邪魔になるようなら少し体をずらし前を空けた。
幼馴染の姿が見えては消えるのは、目の端に見止めて。]
ライ、出るなら気をつけて。
[自衛団や人の目や、色々な物に対してそう言った。]
―朝/宿屋/ユリアン個室前―
[ミハエルの仕草に、誰に遠慮しているか識れて、ゼルギウスは頷いた。頷く仕草に、白銀がはらはらと儚く揺れる。]
うん。ごめんね。気をつけて。
私たちは、食堂に居ると思うよ。
[願いごとを受け入れてくれたライヒアルトに、緩い微笑を向けた。
さて、ゲルダも流石に3人がかりであれば、腰を動かしただろうか。]
[自衛団員を連れ戻ってくれば
ユリアンの部屋まで彼らを案内し後を頼んだ。
其れを頼んだゼルギウスやミハエル達が未だ其処に居るなら]
立ち話も何だ。
食堂ででも座ってゆっくり話せば良い。
[体調が悪いゼルギウスを案じての言葉。
彼らを促し、青年は一足先にその場を後にする。
階段をおりるたび、首に掛かる銀の十字架がシャラと鳴った]
―宿屋・アーベルの部屋―
[直球だなとその言葉に微かに笑みを浮かべて]
細かい探りができるようなやつに見えたか?
[そう言葉を返した後、向こうから返された返答、
それは意外なものであり、同時に隠していたことを納得する言葉]
ああ、そうかアーベルは…生きてるもの……ってことか…
[納得したように小さな呟き、それから疑問のような推測のような言葉]
人数の割りにすぐに見つけられてないとこ見ると何回も見れるもんじゃないのか……
―朝 宿屋 ユリアンの部屋前―
[何とかゲルダを立たせれば、食堂よりは一度彼女の部屋へと促す。]
ゲルダちゃん、夜着のままじゃ……
[流石にその格好であまり人前には、と。
それに血塗れたままでは良くないだろう。
それでも休ませる方が先だと言われれば、それに同意し食堂へと促すのだが。]
─宿屋・自室─
見えねぇし、思ってねぇ。
ついでに、すぐに突っ走るヤツだから、危なっかしくてカード持たせられやしねぇ。
……ま、それがお前のいいとこでもあるが。
[褒めてるんだか貶してるんだか、わからない言葉を返し]
ああ。
一回やる事に、おっそろしく消耗するからな。
一日に一回、一人を視るのが限度だ。
……っつーか、全員一度に視れるようなら、こんな騒ぎになってねぇ。
[軽く、肩を竦めつつ。
瑠璃のダイスはポケットへ。手首を裂いた短剣は、鞘に収めて懐へ]
……で、話、それだけか?
俺、ちょいとユリアンに急ぎの相談ができたんだが。
―朝/宿屋/ユリアン個室前―
[結局、ゲルダを食堂に誘うことが叶ったのは、ライヒアルトが自衛団員を連れ戻った後になったか。]
ん。着替えるのは、もう少し落ちついてからでも佳いかも?
今、一人にさせる方が……―――
[妻の提案に、少し考える素振りを見せながらも、結局はライヒアルトの後を追う形で食堂へと。
むろん、途中でゲルダがそれでも着替えるを欲するならば、止めることはしないのだけれど。
けほっけほっと、歩きながら何度か咳が口から洩れた。]
むぅ、これでも考えはあるほうだぞ。
[その言葉にそう返しながら、こつんと握りこぶしをアーベルの胸にあてて笑いかけてから]
一日にか……
[あれからたった日数を考える]
3人か……
ああ、後は人狼のこととか詳しいみたいだから聞きたかったけど、忙しいならいい。
[ユリアンのところにと言われれば行って来いとジェスチャーで]
私は食堂いってくる。
[そう伝えて、アーベルとはそこで別れることになるだろうか]
[別れ際振り返りアーベル]
アーベルもあんまり一人で無理すんじゃねぇぞ?
大事なことなんも、いつも私には言ってくれないからな。
[そう彼を案じる言葉を]
─回想・昨夜─
[自衛団詰め所でカルメンに引き合わされ、彼女も人であったと知った。
青褪め打ちひしがれる自分に、蒼鷹はただ寄り添って温もりをくれて。
けれど自衛団員たちは、人狼を見つけられぬことにあからさまな落胆と批判を向けてきた。
それに返す言葉もなく、ただ罵られるのを無表情に聞き。
けれど、ミハエルがカルメンを殺めたと聞けば驚きに目を瞠った。
その後、自衛団員に言われるままに宿へと帰り。
誰かにカルメンについて聞かれれば、人狼ではなかった、と言葉少なに答え、早々に部屋に戻った。]
ミハエル君、どうして…
[思い返すのは、カルメンと木陰で楽しげに話していた姿や、イレーネのおなかに触れ尊いものだと感じていた様。
決して、人を殺められるようには思えなかった。]
─宿屋・自室─
……そうか?
[笑みと共に返された言葉に、真顔で返しつつ]
そういう事。
……ま、中々当たりは引けなかったが、な。
[人数の部分には、頷いて返し]
ん、ま……そこらは、話せるようならな。
[そんな言葉を投げて。
食堂へ行く、というベッティとは別れ、部屋を出ると階段へと足を向けるが]
…………。
[別れ際に投げかけられた言葉。
ひとつ、ふたつと蒼を瞬き、そして]
……それこそ、お前に言われたくねぇよ。
[返したのは苦笑と、冗談めかした、言葉]
─朝/宿屋・食堂─
[ゲルダが着替えを望むなら先に部屋へと戻らせて。
その場合はイレーネに傍についていて貰うことになるだろうか]
[食堂へと降りて来たなら、ゲルダを座らせ休ませて。
自分はゼルギウスの傍へと歩み寄る]
さっきの話だが。
[紡ぐ声はゲルダには聞こえぬよう抑えたもの。
イレーネも共に居るなら、声は聞こえたことだろう]
───この怪我は、昨夜カルメンを手に掛けた時に付いたもの。
つまりは、そう言うことだ。
[直接的な言葉は使わず、怪我を持ち出して遠回しに伝える。
意図を飲み込めぬようなら、はっきりと告げるだろうが]
―宿屋・食堂→厨房―
[アーベルと別れてから]
こんなときに言えるようなことじゃねぇよ。
[自分の胸の中にあるものを見透かしてのことか、それとも一人でということにか]
アーベルにはいつも甘えてるつもりだけどな……
[厨房に引っ込み、朝食の準備をと、食堂に人が着始めたのはそれからのことだろうか]
― 宿屋/ユリアンの部屋前 ―
[ミハエルとゼルギウスの話を聞きながら暫くはへたり込んだままで。イレーネからも出るように促され肩を置かれ、娘は漸く立ち上がる気になったのか其方へと貌を向けて。]
ン……ごめんなさい
気遣わなきゃいけないのはイレーネさんの方なのに
[ゆる、と頸を横にしながら詫びを入れて。ミハエルからも手を伸ばされたのなら、娘は二人の手を取って起き上がった。
二人の手はとても温かくて、ユリアンやブリジットの様な冷たさとは違うから。一層娘の胸を熱くさせた。]
…ミハエル君も、ありがとう、ね
皆、辛いのに、僕ばっかりこうで…
[泪を滲ませる目許は細められ弧を作り。此処から出るように二人に見守られてユリアンの部屋を後にするか。ゼルギウスや他の面々とも会えば、一度だけ礼をして。]
― →食堂 ―
[あの少年が今どうしているだろうと思いながらも様子を見に行く事もためらわれ。
ベッドの上で膝を抱え、隣に添う蒼鷹の温もりをただ感じていた。
そうしているうち、何時の間にか眠っていて。
そして、朝。
部屋の外の気配で目が覚めた。]
……これ、って…
…っ……!!!
[昨日の朝と同じ目覚め方に、嫌な予感は募り。
着替えもせぬまま、外へ飛び出した。
ゲルダ達が丁度食堂へと向かったところだったろうか、誰にも会うことはなく。
もう何度嗅いだかしれない鉄錆の臭いの濃くなる方へと蒼鷹と共に向かった。]
[背の向こうで聞こえる咳の音。
昨日ミハエルから聞くまで知らなかった其れは
隠しきれぬのか既に何度か耳にしている。
青年は厨房で紅茶を淹れる。
食事を取る余裕もないかもしれない。
それなら少しでも栄養を取れるように、と、
ロイヤルミルクティーを用意した。
ミハエル、イレーネ、ゲルダ、と其々の前にカップを置き]
ゼルギウス、残さず飲めよ。
[ぽつ、と呟いてゼルギウスの前に置いたのは一見他と同じ。
けれど飲めば甘味を強く感じるかもしれない。
咳止めと鎮痛に効果があると言われる甘草を混ぜていた]
─ →宿屋・二階─
[階段に近づくと、二階からの騒がしさが届く。
それに、微かに眉を寄せながら、階段を駆け上がり]
……え?
[今、訪れようとした部屋に出入りする自衛団員の姿に、目を瞠る]
なに……が?[零れ落ちたのは、疑問の声。
とりあえず、団員を捕まえて、状況を問い。
ユリアンの死を知らされると──ぎ、と、唇を噛んだ]
……馬鹿野郎。
ジョーカーが、取られてどうすんだよ……。
[ユリアン自身のカードについて、はっきりと確かめたわけではない。
けれど、推測は出来ていたから、小さく呟いて]
……は。
こいつは本気で、全力勝負、か?
[呟く刹那、掠めたのは、一匹狼としての、笑み]
………あ…っ… !?
[丁度自衛団員がユリアンを運ぶところに出くわして。
シーツに覆われたせいで誰の骸かは解らぬものの、伝わるものは変わらなくて。
その場にへたりとしゃがみ込んだ。]
……どう、して……っ
[また、命が奪われた。
それはそのまま、自分の無力を責めるものになって。
傍らの蒼鷹の鳴く声も、耳には入らぬまま。]
─宿屋・二階廊下─
[思考を巡らせている所に届いた、声。
視線を向ければ、座り込むクロエが見えて]
……大丈夫か?
[行かねばならぬ所はある、けれど。
こちらも放っては置けないから。
近づいて、そう、と声をかけた]
―宿屋・厨房→食堂―
[ライヒアルトが姿を見せれば紅茶をと、そこは任せて自分は朝食の準備を一人していた。
彼が用意を終えて出て行くのを見送り]
今日は皆起きるの早いのな。
[他にも複数、食堂の方に会話の様子を感じる。
人数を確認して出した方がいいかと、自分が食堂に顔を出すのはライヒアルトからやや遅れてのこと]
朝食は食べるやついるか?
[ユリアンが殺された話を聞くのはそこでになるだろうか?]
― 宿屋/食堂 ―
[二人に椅子へ座る様に促されて。イレーネから夜着の儘だと指摘されると白の寝巻は所々紅く染まっていて。]
あ………そっか、さっきので…
[ユリアンの血が付いたのだと知ると、はっと貌を上げ。]
…えっと、僕、後で着替えてこようと想うのだよ
イレーネさん達、何度も言っちゃうけど…有難う、ね
[ライヒアルトからミルクティーを貰うと、有難うと礼を述べて。先日はスープしか口にして無かったからじわりと温かさが身体になじむ。]
あったかい…
ライヒ君…ミルクティー美味しいのだよ、有難うね
これ飲んだら一度お部屋に行くね
[寝巻についた血を隠すように服の生地を手で覆いつつ。
ミハエル達が話し込む様子は、視線だけを向けていた。
話す内容までは聞き取れずにいたが、内容は推して知るべしか。]
[自衛団員達はこちらに見向きもせぬまま遺体を運んでいった。
蒼鷹は心配そうにその身を摺り寄せてくるだろうか。
その身体を、震える手でそっと抱き寄せると目を伏せた。
そこに聞こえた声に、ぎこちなく顔を上げて。]
ベル、兄。
…だい、じょうぶ。
もうちょっと、ここに居たい、けど。
[震える声で、小さく頷いた。]
―食堂―
[ベッティの言葉に軽く瞬きして]
――…朝食はもうちっと後の方が良いかもしれんな。
ユリアンが襲われて――…
その現場を見てきたとこだから。
今頃、自衛団がユリアンを運んでるところだろ。
[彼女に向ける声は他の者を気遣って控えめなものだった]
[自らの骸には特に未練は無かった。
気になるのは残っている者達のことであって。
階下に降りる者達を追いかけようとして、ふと足を止める。
予感の通りに階段を駆け上がってくる者がいた]
……悪い。
お前も知ってのとおり俺は一か八かの賭けとなると勝率が低い。
こんな時にも同じだったなんて情けない限りだけどな。
[アーベル>>174の呟きに一度は顔を背ける。
この言動でほぼ確定した。人狼であるならばここでこの台詞は出てくるまい。いや、本当はその前から分かっていていいはずだった。
村の外で、ブリジット以上に会うことの多かった男。
良くも悪くも危地を共に抜けたことがある相手の性格は、他の誰のものよりも知っていたはずだったのだから]
……お前は無駄に死ぬなよ、一匹狼。
[クロエに近づく背中>>177に声を投げた]
私は大丈夫だから、ベル兄は皆のとこ、行って。
キーファーちゃんも居るし、少し、休みたいだけだから。
[本当はアーベルに聞きたいことがある。
けれど、それを問いかけてもしも彼に辛い思いをさせてしまったら。
自分の問いのせいで彼の身に危険が及んだら。
幼馴染を悲しませることになる選択は、取れるわけがなかった。
だから、ぎこちなく微笑んでアーベルを見送ろうと。]
─朝/宿屋/食堂─
[辿り着いたその場、席につけば近寄ってくるミハエル。
その唇から告げられる事実に、紅は一度大きく見開かれた。]
そう……―――
[頷けば、けふっと一つ咳が出る。
何を謂うべきか迷う間、妻の視線を感じ、一度紅は青を見、翡翠に向けられる。]
何かを得ようとすることは、きっと何か代償を払うということ。
ミハエル君がそこまでして手に入れたかったものが、
手に入ると佳いと思うよ。
[ただ、穏やかに、クロエに向けたと似た言葉を紡いだ。
ゼルギウスが望むのは、その代償は……―――。
運命の歯車が、望むままに回ってくれるのならば、護りたいものの代わりに、自らのもう幾許もない生を差し出したい、と。]
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