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─前日・厨房─
あ、エルゼさん。
…どうかなさったんですか?
え、ヴィリーさん…が、どうか…?
[ゼルが広間へと移動した後、落ち着かぬままに料理を続けていた。
そんな中戻ってきたエルゼの様子>>45に首を傾げたが、彼の視線はどこかに釘付けになっていて。
どうしたのかと自分も彼の視線を追いかけ、血に濡れたその姿を見て青褪めた。]
あー、べる?
[呆然と名を呟いたが、その声は小さくてきっと彼には届かなかったろう。
赤に染まった彼の表情はいつも通りで、苦痛に歪む様子もみえない。
ゼルの手当てを受けているのは彼の傍らに居るフォルカーで。
彼女の方が怪我をしているのだろうとは問わずとも解った。
けれど、アーベルにも何かがあったのは明白で。
何か、で結びついたのは、エルザの零したヴィリーの名。]
─翌朝/エーリッヒの部屋─
[オレは抱えたミーレを撫でながら少し考える。
ナターリエ、クレメンシュが朱花だって言ってたな…。
てことは、クレメンスはナターリエにも伝えた、ってことか。
んー、ナターリエか。
……ってー、何か腕痛いんですが]
…おいミーレ、爪立てるなよ。
[しがみ付こうとしてるのか知らないけど、ミーレがオレの腕に爪を立ててた。
服の上でも痛いっての。
オレは一旦ミーレを腕から離すように抱え上げてから、また腕の中に戻す]
……お前さ、何か、見たの?
[ミーレに問うてみたけど、まぁ猫だから返事は無理だよな。
分かるわけないか、と思い直してオレはまたミーレを撫でてやったんだ]
―翌朝/自室―
うん。起きてるよ。
[呼んでくれたナータへの答えは、より正確には眠れなかった、となる。代わりにどうにか表面上は落ち着けていた]
場所は?
エーリの部屋。そう。
[シーツはゼルギウスが取りに行ったらしい。
なら出来ることがあるとすれば部屋で手伝うことか。
腹に力を入れて、血の匂いに近づく]
エルゼリートさん。
何か手伝うことは。
[アーベルももう来ていただろうか。
フォルカーには特に何もしていないし、逆に信用もないだろうから、積極的に手を出そうとはしない]
―朝/二階廊下―
私も話を聞いただけですので……。
[双花から名乗られたのみで証を見ぬままの女は
エルゼリートに何がとも言わずそう呟いた。
奇しくも双花の存在を知ったのは自らの正体を明かしたのが切欠。
証を見ぬのに疑わぬは支えるべき者と本能が知らせるからか
これまでの積み重ねによるものかは定かでなく。
エーファのことをいうエルゼリート>>81と
ゼルギウス>>82の言葉に小さく頭を下げて]
宜しくお願いします。
私にお手伝いできることがあれば……
[微力ではあるが出来ることなら何でも手伝う心算である事を伝える]
─前日・厨房─
[まさか、と問いかけたかったけれど近寄る事も出来なくて。
厨房を離れるエルゼを見送り、アーベル達が移動するのもただ声をかけられぬまま。
ゲルダを気遣うこともできず、呆然とした態で調理を終えたものの広間で待っていたらしいライヒアルトからやはりアーベルが彼を殺したと聞けば、その場に残っていた方への挨拶もそこそこに部屋へと戻り。
何事も考えたくなくて、ただベッドに身体を横たえて。
ただ、眠りが訪れるのを待っていた。]
[男が目を開けたのは、自身が死んだ納屋の中。足下にはまだ、自分の死体があったろう]
ふうん…
[赤に染まった抜け殻を見て、つまらなそうに、男は肩をすくめた]
どうせなら食われた方が良かったなあ…
[食われたいと思ったことは無かったが、どうせ死ぬなら獣に殺される方が良かった、と今になって考える。本当は、それが男の「終わり」だった筈なのだから]
―回想・広間―
[ゼルギウスの治療を受けながら、かけられる質問にはぽつりぽつりと答えていく。
呼吸は大分落ち着いてはいたが、しゃべるたびにまだ少し胸が痛んだ。
痛む箇所は主に胸の辺り。恥ずかしいとか言ってられないのでなにをされようと黙って従っていた。
手足にはさした外傷はなく、動かすのにも問題がなかったので他にはとの質問には首を横に振る]
そう……
[ライヒアルトの言葉が聞こえると、それには短い一言だけ、落ち込んでるように見える様子で呟く。
先にアーベルの推察などを聞いていたのもあり、特別に思うことはなかった。
それからベッドに運ばれるまで、素直な様子で言うことを聞いていた]
[そのまま、自身の死体を置き去りに、男はふらりと外に出る。ドアか何かを突き抜けたかもしれないが、まあ気にしない]
[頑張れば消えたり飛んだり出来たのかもしれないが、別にそうしたいとも思わなかった。生きていた時と同じように、ぶらぶらと歩いて、向かったのは岬の突端]
─エーリッヒの部屋─
[ライヒアルトが来たから、オレはミーレを抱えたまま翡翠をそっちに向ける]
よぉ。
エーファ包んでやらなきゃならないから、シーツ取って来るかミーレ抱えてるかのどっちかかな。
[ちょっと軽口に近かったけど、やるべきことに間違いは無い。
フォルカーについてはアーベルか女性陣に頼むのが良いと思ってたから、ライヒアルトには頼まなかった。
手伝いを、と言うナターリエ>>89には]
タオル、濡らして来てくんね?
女の子なんだから綺麗にしてやった方が良いっしょ。
[オレは存外冷静に指示を出していた。
濡れタオルはその後フォルカーにも使われる事になるかも知れない]
─翌朝・二階個室─
……ぇ…どな、た…?
[中々寝付けなくはあったけれど、いつの間にか寝入っていて。
誰かが扉を叩く音>>61によって目を覚まし、身体を起こした。
ストールを羽織り、扉を開けると其処にいたのはナターリエで。
彼女から伝えられた言の葉は、信じたくないものだった。]
えーふぁ、ちゃん…が…?
フォルカー、ちゃん、は。
[そう問えば、フォルカーは無事だと返ってきたろうか。
それから思うのは今自分が知る中で人狼に狙われる可能性の高い蒼花の彼女と死者を視るといった彼の安否。]
ゲルダさん…ライヒアルトさんは、ご無事、ですか?
[彼女もゲルダが蒼花だと聞いたと知らず、無意識の内に不安を問いかけた。]
[にぃ。
何かの気配を感じたのか、夜闇の猫が一声、鳴く]
……?
誰か、いる?
[こてり。
呟きと共に、少年の首が傾いだ]
[まだ固い花芽を抱いた立ち木を通り過ぎ、切り立った崖の、更に向こう、何も無い奈落へと足を踏み出し…かけて、何かにぶつかったように止まった]
なんだ、まだ出られねえのか。
[場が崩れるまでは、どうやら、ここから動けないらしいと気付いて、ぽり、と頭を掻いた]
─エーリッヒの部屋─
シーツはゼルギウスさんが取りに行ったようだから。
ミーレを預かります。
[エルゼリートの口調に肩の力が少し抜けた。
言われるまま、真白を受け取ろうと手を伸ばす]
―朝/二階廊下(エーリッヒの部屋近く)―
もってきたよ。
[と、シーツを持ってみせる。
その場には元よりそこにいたフォルカーを初め、エルゼに、ナターリエ、ライヒアルト、アーベルもいただろうか。]
…俺は、祈りとかできないから。
[手伝うこと。といっていたナターリエ>>89に頼むように伝えた]
―二階廊下―
[ブリジットの問い掛け>>93に小さく頷き]
フォルカーさんは無事のようです。
今は、エーファさんと一緒に、エーリッヒさんの部屋に。
[続いて問われた言葉にはたと瞬きをした]
ラーイは無事です。
恐らく、ゲルダさんも無事でしょう。
伝承が正しければ、一夜に犠牲者は一人、ですから。
[まだゲルダの姿を確認していないから
確たることは言えぬまま、ブリジットを不安がらせまいとそう言って]
今の俺に出来るのは結果がどうあれ、
その先が棘が這う道でも光あれ、だろうしな。
[ぽふぽふぽふぽふ。
どうやら構う(庇護)対象が一人だからか、構いまくっている様子。]
ラーイが来たらがっつり説教だな。
[ナータや他のメンツだったら多少違うのだろうけど。]
[どこかで猫の鳴き声がした、気がする]
んー?
[何か生き物の鳴き声とは違うその声に、首を傾げる。猫といえば、思い当たるのは、自分が、ここで始めに殺した青年なのだが]
―翌朝/個室―
[眠りが深いのは、疲れているからか。それとも、しるしのせいか。
理解はできないけれど、痛みはずっとあった。
ひっかいた傷もあるのに、蒼は色あせることもない。
外が騒がしいと、少し思った。
それで目を覚ますけれど、少しの間、ぼうっとしている。
首筋を押さえて、息を吐いて]
…着替えるかな。
[服を手に取った。
ノックの音が聞こえれば、間違いなく返事はする。
少し待ってと言って、実際のところ待たせるのは少し。
ストールはしておらず、そのままドアを開けるのだろう]
─エーリッヒの部屋─
んじゃよろしく。
[ミーレを選んだライヒアルト>>94に、オレは震える真っ白い塊を手渡した。
それと同じくらいにゼルギウスがシーツを持ってやってくる>>95]
お、さんきゅ。
じゃあ、やるかね…。
[あまり気は乗らないけど、そのままにしておくわけにはいかないから。
ゼルギウスに「手伝ってくれるか?」と問いながら、オレはエーファをシーツに包み始める]
─エーリッヒの部屋─
[エルゼリートの指示>>92にはたりと瞬く]
嗚呼……。確かに、そうですね。
用意して参ります。
[フォルカーも血だまりに居たから彼女に使われるのだろうと。
続いて聞こえたゼルギウスの言葉>>95には]
――…祈る気持ちがあれば
ゼルギウスさんの祈りも、届くと思います。
[祈りが出来ぬという彼に微かな笑みを浮かべた]
……結果が、どう、でも。
[小さく呟く。
少年には、それがどういうものかは捉えきれず。
ぽふぽふされて、嬉しそうにふにゃ、と笑う。
ただ、夜闇の猫には思うところがあるのか、ゆら、と尾を揺らして。
揺らしてから、また、にぃ、にぃ、と鳴いて、じたばたした。
じたばたじたばた]
[鳴き声の聞こえた場所を探して、男はまた、ふらりと歩き出す。一緒にクレメンスも居るかもとかは、丸っと考えから抜けていた]
ああ、こんな作業ばっかなれるってのも嫌なもんだな。
[エルゼの手伝いを求む言葉>>98に応える。
そうはいっても、昨日とあわせてまだ二回だけども、フォルカーは引き離されたりしているのだろう。エーファを包む。
いくつもの体…中身もかけたそれは酷く軽かった]
…誰か来た、のか?
それとも、子供じゃないってか?
[あまり認識したくなかったが、
猫エーリッヒの反応で大きくなってから、言っていた事と、増えた気配について触れてみた。]
うん。
誰か、いる、みたい。
[何故それがわかるのかは、自分でもわからない。
分裂した時に、何か妙な作用でもあったのかも知れないが、真相は闇。
夜闇の猫も、肯定するように、にぃ、ににぃ、と鳴いた。
……問われた二つ、どちらへ肯定なのかは、さておいて]
― 前日→今朝 ―
[ゼルギウスに言われたからではないが、フォルカーには流石に付いて上まで送った。エーファがいれば必要の無い手ではあったが、抱いて運んだほうがよいならそうした。
ブリジットの様子にも気づいたが、人を殺した自分が何を言ってよいのやら、迷い、結局大事無いからと呟き、微かな笑みを見せただけだった。
ライヒアルトがヴィリーを人と言うのには、やっぱりと思いながら聞き入れ表情は変わらない。
体を洗ったり、この状況下でも食事はしっかり取って、昨日は休んだ。
今日もユメは見なかった。
そして朝――]
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