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―個室―
[時は移り]
は……?
[最後の筈だった痛みが訪れたのは朝方に。
現れた小さな少女の姿に目を瞠った。ただ純粋な驚きの為に]
誰かに殺された、……いや、まさか?
[手を伸ばし触れても姿は変わらない。
もう一匹、その可能性に思い当たれば苛々と頭を掻いた。
暫くの間は部屋に籠っていた為に、寝ている間に撒かれていた何かに気づくこともなかった]
―ウェンディの部屋―
[ネリーやソフィーと同じように、ウェンディの顔にも薄く化粧を施していった。眠っているだけに見えるように]
春の花で作られる栞も見たかったわ。
もっともっと綺麗になっていくところを、見たかった。
[化粧道具と一緒に持ってきた栞を胸に押し当て俯いていた]
―朝―
[…これまでと変わらず遅く起床したが、
ぼてりと床に落ちた後しばらく動かずじっとしていて。
その後しばらくして、寝返りの際毛布が落ちて息が苦しくなったことで二度寝していたと気が付いた。]
…ぅぁー…
・・・ぁぁぁぁぁ…
[起きた後も暫く床でもぞもぞしていたが、
暫くして目が覚めてくると急に思考がはっきりしてきて悶絶して。
部屋から出たのは更に暫く後…]
……さて、と。
これから、どうすればいいんだろう、な。
[小さな呟きを落とした後、視線を外へと移ろわせる]
もう、何もできはしない……けど。
[姿は見えても、声は聞こえても。
向こうからこちらは見えないし、声を届ける事もできない。
けれど、ただ何もせずに蹲っているのも嫌だった。
向こう側には、気にかかる人がまだ、いるから]
……見てるだけしか、できないけど。
それなら……せめて、最後まで、見ていたい……な。
───バーンズ様。
私はまだやらなければいけない事がありそうです。
人狼探しとは別のことで。
ですので、貴女にこれを託します。
私にもしものことがあった時は、中身を見てください。
[そう言って封筒を一枚差し出す。
きちんと封をされたその中にあるのは、人狼の所在が書かれた紙。
この場に残る、青髪の少女の名が書かれたもの]
貴女の手を煩わせることなく出来れば、一番良いのですけれどね。
[続けてそう紡いで、微苦笑を浮かべた]
[見ているだけ、というのは、多分きっと、辛い。
けれど、それしかできぬのなら最後まで、と。
浮かぶのは、そんな思い]
それに、これ以上。
……知らない場所で、大事な人が傷つくのは……嫌だ、し。
[大事と言えるものは、だいぶ減っているけれど。
でも、まだ、残っているのも事実だから]
ネリー、どうする?
……一緒に行く?
[辛いものを見る事となる可能性は高い。
だから、強制はしない。
それでも、肯定が得られるなら、握られている手を、しっかりと繋ぎなおした上で、動き出す心算でいるのだけれど]
…ううん、同じじゃ、ない。
だって、悲しませ、た。
[ソフィーの言葉>>+28に、緩く頭を振る。
遺した人数は、先に死んだ自分の方が多い。
彼を殺した者が、自分を殺した彼女じゃないと知らなかったから。
ソフィーの不安に気付くことはできなかった。]
…おにい、ちゃん。
[無理してるわけじゃないと困ったような笑みで答えるソフィーを、こちらも困ったような顔のままで見上げ。
ソフィーと繋いでいないほうの手を、精一杯背伸びをして彼の頭に届かせると、ぽふ、と撫でた。]
―個室―
……そうだとすると。
他にも伝えた方がいいか?能力のことを。
[奏者に伝えたのは隙を招く為に過ぎなかったが。
そう考えたのは人狼を探す為ではなく、自らの保身の為。人狼でないということの証明が出来たなら、少なくとも人に殺されることはないだろうから]
とは言え人狼に知られると厄介だな。
しかし、そうでないと言い切れる人は……ああ。
[思考を続けるうち、脳裏に閃くものがあった。
あの日広間で“人狼”の名を話していた、使用人の二人]
私、おにいちゃん、に。
たよってばかり、だから。
おにいちゃんだって、私に、たよって、いいよ。
[幼いままで成長を止めてしまった素の自分。
だから、頼りないかもしれないけれど、不安なのは自分だけじゃないことくらいは解るから。
もう一度、ぽふ、と頭を撫でると背伸びを止めた。]
[最後まで見ていたいという言葉>>+30に、少し考える。
生きていたかった、悲しませたくなかった、そうは思うけれど自分を殺したニーナを恨む気持ちはない。
でも、ソフィーも死んでしまった。
人が殺したという事実は考えも寄らない為に、彼もニーナに殺されてしまったのだろう、と思っている。
これ以上、殺さないで欲しい。
そう、思った。]
―ウェンディの部屋―
このままでは、この子達にも失礼になるかしらね。
着替えてくるわ。
[ウェンディの髪を撫でて、自室に戻ろうと傍から離れた]
[だから。]
─── うん。
私も、行く。
[ソフィーの問いかけ>>+31に、こくり、確りと頷いた。
繋いだ手を、ぎゅっと握って。
どこへ向かうにも、離れないように、強く握った。]
どちらがやったかは知らないが……人狼を殺したということは、人狼ではないのだろうな。
[簡単にできる推測だった。事実それは正しかった。が。
その二人のうち片方は人狼と通じていて、更にもう一人も此方に殺意を向けていること。
喩えその場を切り抜けられたとして、その後には人狼も控えていること。
どれも青年の知る処ではない]
探すか。
[既に服は自前のものに着替えてあり、袖口を隠す必要はない。
緩慢な動作で立ち上がり、扉の方へと歩き出した]
―廊下―
[…今この時間行く当てがあるわけでも無く、
特に何か誰かに用事があるわけでも無い。
故に少女は、あてどなく屋敷を歩いていた。
出られないなら出られないなりに、道を把握して損は無し。]
…まぁ、把握してどうするんだって話だけどね。
[自嘲するように呟いて、静かにてくてく歩いて行った。]
─ ウェンディの部屋 ─
感謝致します。
…想い出話、ですか。
では、私はそう在れるよう、努力致しましょう。
[緩められたオードリーの口許>>82を見てから、瞳を閉じ、こちらも口端を軽く持ち上げた]
畏まりました。
私はウェンディ嬢をシーツで包ませて頂きます。
それが終わりましたら……所用を済ませて来ようと思います。
[今までの話の流れで何をしに行くかは伝わるか。
離れる様子>>83に一礼をして見送り。
綺麗に化粧されたウェンディを真新しいシーツで包み始めた。
作業を終え、ベッドに横たえ直すと、ネリーの部屋のように窓を少し開けておく。
そうしてから、ベッドに横たわるウェンディに対して一礼をしてから、オードリーが戻って来る前に部屋を辞した]
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