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ふふ、こんにちは。
[ヘンリエッタの様子ににこりと笑って首を傾けた。
眉が寄る理由がわからなかったから、刺激しないようにとそっとそっと。]
[顔の殆どはテディベアに隠されて、
紅い睛だけがおずおずと辺り見て。
揺れる紙が目に入って、
よくよく見なければわからないほどに、
小さく小さく頷いた。]
[リックがひらりと招待券を振ったのをちらりと見て、ハーヴェイに向かって笑みを向ける]
ハーヴェイさんがデートに誘ったのは、このお嬢さんですか?
やっぱりペアでお渡しして正解でしたねえ。
……あ、もしかして。
[熊に隠れるようにするヘンリエッタの様子に、ふとある事に思い至る。
招待券の話が出てから様子が変化した事から、考えられるのは一つ。
折りよく、コーネリアスから笑みを向けられ、そちらに向けて、手にした二枚を振ってみせる]
まあ、そんなとこ、かな?
[返す言葉は、冗談めかした響きを帯びて]
[黒猫の反応に、くすくすと笑みを零す。
ふと、少女の様子が気になりながらも、
ハーヴェイの取り出した二枚の招待券に、再び緩く瞬いた。
と、リックの問いと少女の反応に、漸く事を悟ったらしい。
コーネリアスの言葉に、再び、青年へと視線を向けて]
あれ、ハーヴェイさん、2枚持ってたんですか。
[何だかマジックみたいですね。
くすくすと、小さく笑みを零しながら、少女へ視線を向けて。]
可愛らしいガールフレンドですね。
羨ましいですよ、ハーヴェイさん。
[言いながら、ヘンリエッタ(の、くま)に渡そうとしていた赤い風船をハーヴェイに差し出した]
ああ。そちらの魔術師殿から直接いただいたから、分身したらしい。
……最初は珍しくじいちゃん孝行でもしてやろうか、と思ったんだが、嫌がられちまってさ。
[ニーナの言葉に、やれやれ、と大げさなため息をついて]
……振られる以前の問題だが、何か問題あるかなー?
[リックの言葉に、ほんの一瞬声音の温度が下がったのは、気にしない]
それはどうも、と。
[コーネリアスから差し出された風船を受け取り、赤いそれを同じ色彩の少女へと]
……ルイスさんには、色々とお世話になってるし、ね。
[だから、気にしない、と。
少女にだけ聞こえるようにこう言って笑って見せ]
[ヘンリエッタが頷くのを見ると、片腕を大きく開いて、広場の中へと人々を誘う]
さあ、どうぞ!夢の世界をお楽しみください!
[差し出された赤の風船へと視線が移り、
その持ち主を紅い睛が見上げて。]
うん。
ありがとう、
……ヘンリエッタもそう言ってる。
[答えたのは熊だったけれど、
彼に隠れた少女は喜色を滲ませて、
風船を受け取ろうと手を伸ばす。
今度は逃さぬように、しっかりと。]
流石、魔術師さんから頂いたチケットは凄いですね。
折角なんだから、おじいさまも…いらっしゃれば良かったのに。
[嫌がられたのなら仕方ないですよね、と僅かに眉を下げる。
理由は自分とは異なるのだろうけれど、
あぁ、自分も断れば良かっただろうかと、頭の隅で考えながら]
お兄さんが、もう一枚招待券もってたから。
サーカス、入れるよ。
[小さく頷く様子に、ふわりと青を揺らしながら
よかったね、と少女へ笑みを向けて]
[ラッセルの冗談めいた言葉には、どうもね、と軽く返しておいて]
どういたしまして?
[熊から返る言葉に笑いつつ、少女の手にしっかりと赤い風船を握らせる]
……俺じゃなくて、姉貴の子供……ひ孫が誘ったら、絶対飛びついたと思うんだがね。
[誘いを断った時の祖父の様子を思い返しつつ、ニーナにはこう言って]
さて、それじゃ、行くとしますか。
[子どもたちに渡される風船。
娘は、その風船をじいっと見ながめて。
女はそんな娘を見ると、くすりと笑って男に話しかける]
ブラン...さん?
わたくしにもひとつ、いただけないかしら。
そう、何色がいいかしら...ええ、わかったわ。
黄色いのが、ほしいわ。
[エレノアに声をかけられると、傍らの少女を見て微笑む]
はい、レイディ、黄色の風船ですね。お嬢さんに良くお似合いの色だ。
[黄色い風船を差し出して]
サーカスは初めてですか?よろしければご案内しましょうか?
あれ。ひ孫さんが相手だと、お爺さまも楽しめるのでしょうか。
…でもそれだと、サーカスを楽しむと言うよりは
ひ孫さんを見て楽しむ風ですね。
[ハーヴェイの言葉に、一度緩く瞬いて。
ひ孫と戯れる、老人の様子が用意に思い浮かんだのか
続く言葉にくすくすと声を漏らす。
少女が頷いたのを見て取れば、軽く手を差し出して]
じゃあ、せっかく来れたんだし、
目一杯楽しんじゃおう?
どうもありがとう、ブランさん。
元気の出る黄色だわね?
[声をかけられれば、少女は嬉しそうに会釈して。
母の受け取った風船をつつくような仕草を見せる。
続けられた言葉には、こくこくと何度もうなづいた]
よかったわね。シャーロット。
[それを聞けば、にっこりと娘に笑いかけて。
ブラン氏は、営業の人のようであるから、
わざわざ名乗りはしない]
こんにちは、コーネリアスさん。
本当に見事ですね。
[広場の様子に目を細めて挨拶を返し、風船を渡されるニーナとレベッカをにこにこと見守る。
掛けられて声に振り向けば、初めて見る茶色の髪の青年が手を、肩の黒猫がしっぽを揺らしていた。
その後ろの見覚えのある人達に、おやといった表情を浮かべ]
どうも、初めまして。私は診療所でお世話になっている巡廻医師のヴィンセント=ウィスラーと申します
リックくん、エレノアさん、シャーロットさんもこんにちは。
それと…くまさんと優しいお嬢さんも。
[一緒に来たらしいリックとエレノア、ヘンリエッタにも挨拶し、皆の話に耳を傾ける。
会話に出てくる茶の青年と赤の少女の名を、そっと頭に入れながら]
[赤の風船をしっかり手にすると、
黄の風船を求める婦人の声。
ちらりと一瞬走らせた視線は、
差し出される手に、すぐに戻されて。]
……うん、
[けれど手は塞がっているものだから、
繋げはしなくて、
それからなんとなく後ろを気にして。]
[ヴィンセント、レベッカに声をかけられれば、
母子ともに会釈をして。娘のほうのそれは、
レベッカには見えなかったようだけれども]
こんにちは、先生に、レベッカさん。
レベッカさん、このあいだ取り寄せていただいた、
薔薇の形の小物入れ、娘がとっても気に入っているわ。
どうもありがとう。またよろしくお願いしますね。
[母のほうはそうつなげて。娘のほうは、彼女が「見えない」とわかっていても、ぺこりとお辞儀をしたようだった]
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