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[シャーロットが自分の体を抱いて考えたことは知らない。
ただ、子供でも、細くても人は殺せる。というのを知っている。
だからこそ、怯える理由はわからない。
それでもキャロルに言った通り、そういうものなんだと思うようにした。
見上げたところで、笑う様子に、片手をあげた。むにーっと片方のほっぺを抓って持ち上げる勢いで。]
笑うなら、もっとちゃんと笑わないと、心配されちゃうよ?
[声はちっちゃい。じーっと見上げる。
危ない橋はいつも渡っているから、何が危ないのかもわかっていないようで、確かにシャーロットの考えは正しいだろう。
それから、ちっちゃくした声と違う、いつもの声で扉の方を見て、]
ね、おちゃって、たべもの?
―一階廊下―
[浴室に向かう為に足を進める。
時々身体から血の粉が落ちているのは墓守にも分かったが、防ぐことはできなかった。
軽く肩を竦める。
そうして灯の点いた、けれどすっかり覇気を失った広間が見えて来る頃]
はい。
オレアンダー様。
[常の如く穏やかな声が女に答えた。
隣の令嬢にも一礼を]
お見苦しいところを、申し訳ありません。
[薄暗い中で黒ずんだ赤色は見えたか]
―広間―
ですわよね。
[笑っている様に見えるセシリアの表情を不思議とも思ったが肯定して貰えたので頷き立ち上がる。
けれどトビーの言葉に衝撃を受けた]
そんな。
[別に蔑まれた訳では無い。怒られたのでも無い。
けれど何を言えば良いのか分からず混乱した]
は、はい。
[キャロルが促してくれたのが幸いだった。
逃げるようにして続き扉の所で頭を下げ広間を出て行った]
え、できるよ?
[ラッセルが否定するのに、不思議そうに。
自分の腕を見て、ラッセルを見て。]
多分?
できなかったら、椅子とかでも叩けばいいし…?
腕くらいならそんなに問題ないんだよね。動かさなければ治るし。
[感情面など考えるわけもなく、首を傾げて。]
もしラッセルさんが僕より力なくても、石とか、硬いのがあったら、簡単に出来ると思うけど。
[ふと気がつけばラッセルが泣きながら何かを呟いている。
悲しませるような事を言っただろうか?少し不安になって聞き取った言葉に一度瞬く]
…ああ。
[返せるのはそれだけで、宥めるようにそっと触れてやる。
何か、昔のことを思い出したのかもしれない。
それを知る術は自分にはないけれど]
居なくなったりするもんか。
[確約できるわけではないそれを口にして、少しだけ笑った]
[妙に明るいセシリアの声と、満面の笑み。
口にしていることは間違ってはいない。
けれど、人となりを良く知らないくても、その言動が不気味に思えた。
心の奥底で警鐘が鳴る]
……触らなきゃいけない、のかな……。
[ギルバートの問いに小さく呟き返す。
思考から繋がった言葉であったため、唐突過ぎて伝わりにくかったかも知れない]
…見つけなきゃ、食べられちゃう、から…。
[トビーがどんな過去をたどってきたのか、詳しくは知らない。
そしてトビーの考えてることなんかももちろん知らない。
トビーにほっぺをつねられるとびくっと身を震わせてから]
……
[そっとその頭を撫でた。心配をしてくれてるのだろうと思った。
心配されちゃうよと声をかけらえると困ったような表情。
後に続けて尋ねられた言葉に少しだけ気分が安らいで、くすりと笑みをこぼす]
……
[手でカップを持って飲む仕草。飲み物だと伝わるだろうか?]
―廊下―
[キャロルの上げた誰何の声に足を止める。
誰なのか直ぐに分かり返って来たのも穏やかな声だったので力を抜いて礼を返した]
…あ。
[薄暗い中でも微妙に服の色が違うのは見えた。
怖いと思ったが最前の会話を思い出して口元を引き締めた]
─1階・廊下─
[薄闇の中、浮かんで見える、紅いいろ。
どこにいたのか、大体は察しがついた]
いえ、気になさらずに。
……あなたの事だから、己が勤めを果たしてらしたのでしょう?
[遠回しの言葉。
紅い色は、アーヴァインの遺体に触れてついたものだろう]
……あまり、長くそのままにしておかない方がよいわ。
伝え聞いた話だけれど。
人狼に傷を受けたなら、毒をうける事もあるらしいから。
[シャーロットの頬から手を離した後は、にこにこ笑う。
少し固くなくなったように見えた。]
のむもの?
[動作を真似てから尋ねる。
おちゃ、お茶、と何度も繰り返して、言葉を覚えるよう。]
…君が出来ても、僕は、出来ない……したくない…!
僕には、君の考え方が理解出来ない…!
[不思議そうにしながら更なる手段を口にするトビー。
話が噛み合わない、通じないことが更に恐怖を加速する]
治るからと言って、誰かを傷つけて良いはずが無い!
[そう言葉にしながら大きく首を横に振り。
今度は身体ごとギルバートに縋りついた。
もうトビーの言葉を聞きたくないと言うように、片方の腕で耳を塞ぐようにして]
…
[トビーの言葉には頷いて飲み物であることを肯定。
口元がおちゃと言うように動くが声はでない。
トビーの頭をそっと優しく撫でた。]
…え?
[落ちた言葉は一瞬意味を図りかねるもの。
ラッセルの掌と、今までの言動と、それらを繋ぎ合わせその意味を探す]
触ると、わかるのか?
[何が、とは聞かない。聞けない。
だけど、「見つけなければ」と言う言葉に、ラッセルの持つ物が「そういうもの」だと悟って]
見つかればみんな助かるし、安心もするだろうけど…
でも、怖いだろう?
[もし、そのことが人狼に知れたら]
[当たり前のことすぎて、何がラッセルを怒らせたのかもわからずに。
不思議そうな目をした。]
うーん。
ふかこうりょく?ってあると思うけどなぁ
[ちょっと自分の手を見てから、ラッセルをまた見る。
ギルバートへとくっつく様子に、やっぱり首をかしげて。
まいっか。と、またシャーロットへと視線を戻した。]
わかった。のむもの。おちゃ。
美味しい?
[シャーロットは好き?と尋ねる。でも断ってたなぁ、と思って、聞いたあとに嫌い?に質問をかえた。]
他に居ませんから。
[踊り子の遠回しな言葉を、墓守は遠回しに肯定する。
令嬢の様子を察して、少しでも色が隠れるようにと、替えの服を前に抱いた]
毒ですか。
恐らく、平気だとは思いますが。
[自らの身体に視線を落とし、すぐにまた微笑を向けた]
御忠告、感謝致します。
[ラッセルにおびえる様子はもうない。あの様子なら大丈夫だろうと思ったから。
気づけばキャロルとヘンリエッタが広間からすでにいなくなっていた。
お茶を入れると言っていたかなと思い出す。]
……
[一方では本を見せながらこちらに話しかけるセシリアの姿、
仄かに微笑みかける姿が逆に怖かった。
落ち着いていたこともありおびえるようなことはしなかったがお茶にしましょといわれても拒否の意を示した。
セシリアの言葉を今は素直に聞く気になれなかった。]
―廊下―
毒が有るのですか。
[何度も竦んだ身体を宥めてくれる手の主を見上げて微笑むみ初めて聞く話に目を何度か瞬いてジーンを見た。
着替えらしい布で恐怖の素となる色も隠れている]
ジーンさんも。
お着替えになられたらお茶をご一緒されませんか。
他の方々は誰も居なくなられてしまったそうですし…。
─1階・廊下─
……確かに、そうなのよねぇ。
[遠回しの肯定に、ほんの少し目を細める。
碧に宿るのは、最初に吊り橋の話を聞いたときと同じ、呆れと感心のいろ]
もっとも、どこまで本当かはわからないけれど。
そのままでいるのは、気分的にもよろしくないでしょう?
と、言いながら、引き止めているのもどうか、という話かしら。
広間に、お茶を用意するから、よかったらいらして。
淹れてもらうのは、もう期待できませんし。
[昂った感情は宥められてもなかなか治まらず。
背を叩いてくれるギルバートの問いに答え損ねてしまった]
…ただ怖いってだけで…腕を折るとか…椅子で殴るとか……。
おかしいよ、あの子…!
[恐怖が頂点に達したなら、そう言う行動に取ることもあるかも知れない。
けれどそれを自分を対象にして自分で言うことが理解出来なかった。
トビーにとっての当たり前は、ラッセルにとって当り前ではないのだ]
[毒があるのか、というヘンリエッタの疑問に、軽く、肩を竦める]
真偽はわかりませんけれど。
そういう話も、多く伝え聞きます。
人狼から受けた傷に無闇に触れるのも、危険であると。
[人狼は『伝染る』という話。
どこまで本当かはわからないが、今の状況では、用心するに越した事はないのだが]
……もっとも、気にしすぎたら、手当ても何も、できなくなってしまいますけれど。
…(こくり
[理解を示したトビーに頷いて、そうだよと示す。]
…
[おいしいかと聞かれれば少し考えてから頷き、好きかと聞かれて、答える前に嫌い?と聞かれると首を横に振った
断った理由は他にあったから。]
[セシリアの様子に少しだけ首を傾げる]
お前、なんか変わったか?
[ここに来たばかりの時とは違う気がする。
だけど、それをはっきり言うのもなぜか怖い気がした]
―廊下―
ならば早く綺麗に為されませんと。
[傷に触れるのもと聞いて驚いた。
ジーンから身を遠避けようとしたのは条件反射]
そう、ですね。
まだ然と決まった訳でも無いのですし。
傷付いた方を其の侭にするのは良くない事ですもの。
[恥じるようにジーンへと頭を下げた]
[おかしいとか言われてもなぁ。
という目でラッセルを見た。
トビーとラッセルの常識が違いすぎるために、理解することはできないが、あまり気にしないことにした。
きっとこれもキャロルの言うことだろうなぁ、という認識。
シャーロットの頷くのに嬉しくなって笑い、
嫌いじゃないという答えに首を傾げた。]
のむものだから、喉がかわいてない?
から、いらない?
―広間―
[なんとなく、自分が不審に思われているような気がする。
特にシャーロットとラッセルに。
まずい、『通常の感情』を推測しにくくなっている。
以前の自分からどんどん乖離していく……。
しかし焦るでもなく、むしろそれを歓迎しているのだ。
人狼を殺すには、感情など邪魔なだけ。]
……神様は大切なものと引き換えに、贈り物を下さるんでしたっけ?
[いつか本で読んだ言葉を誰に言うでもなく小さくつぶやく。
失ったのは「大切なもの」というにはあまりにも安い対価]
―広間―
[広間にはあらかた皆が集まっていた。彼らに使用人たちが橋を焼いて逃げ出した事、そしておそらく犯人もそれにまぎれてとっくに雲隠れしているのではないかということを告げる]
其奴が此処に残る理由は薄いと思うがどうでござろうか。
閉じ込められたといっても此処にはこれだけの人数が居るのだし、肝心の其奴自身も此処から出られぬではないか。
[トビーの言葉(>>172)に、内心くすぶっていた不安が再び胸中に広がるのを感じた。
そうであっては欲しくない、と強く望む。
昨夜を笑いあって過ごしたこの人々の中に、残忍極まりない人狼がいるなどと、できれば思いたくはない]
―一階廊下―
そうですね。
御客人方にも失礼ですし。
[引き止められたことに関しては、気にしないようにと首を左右に振った。
毒に関して説明される言葉を横で聞く]
[そして双方から茶の誘いを受け、少しの沈黙を落とした後]
御迷惑でなければ、喜んで。
[客人からの申し出とあれば、断る所以も無い]
えー?何も変わってないですよー?
[訝しむギルバートに笑顔で答える。
その向こうのラッセルに目を向けて]
ラッセルさん落ち着かれましたかー?
[本人にではなく、ギルバートに訊く。]
………………(こくり
[トビーの重ねる問いに少し考えた後頷くことにした。
本当はセシリアに言われたからなのだがその機微をこの少年に伝えられるとは思えなかったから]
―少し前―
[ラッセルとギルバートが階下に下りるのを見てから、自身も同じように降りようかと少し足を進めたが。
途中、窓の外に赤い色を見つけ、窓辺に歩み寄った。]
………!
ばっか………なんて事してやがる……。
[橋が燃え崩れ落ちる、丁度その様が見えて思わず呟いた。
それから一人外に出て、雨に濡れるのも構わず崖に近寄づき、降りれるような場所を捜し歩いた。
それは結局、徒労に終わってしまったのだが。]
─1階・廊下─
[決まった訳でも、というヘンリエッタの言葉には、はきとした返事を返すことはできず]
……それよりも、怪我やら何やらをせずにすめば何よりなのですけれど。
[続いた部分に、冗談めかした口調で返し]
こうなってしまうと、客、使用人という区分も無為な気がするけれど。
そこに拘るのが、あなたらしさ、という所なのかしらね。
[墓守の返事には、苦笑をひとつ。
それから、厨房の方を見やり]
それでは、参りましょうか?
[ヘンリエッタに、こう声をかけた]
―一階廊下―
すみません。
すぐに浴室で落としますので。
[令嬢の避ける所作に気がついても、穏やかな低音は揺れることをしない]
お二方も、いつまでも此処に居るのは寒いでしょう。
早めに部屋に行かれてください。
[そう言った後、常のように腰を折り一礼をし、墓守は浴室に足を向けた]
[ぽふぽふと、まるで子供をあやすようだなとも思いながらラッセルの話を聞く]
あー…
俺もやろうとは思わないけどな。
[トビーの言うこともわからなくはない。だけど、同意も出来ないから]
俺も、トビーの事は判らないけど…トビーの周りにはそういう人が居た、って言うことなんだろう。
やらないですめば、それに越した事はないさ。
[上手く答えになっていない気はするけれど、元々そういう話が得意なほうでもないから、それ以上考えるのは諦めた]
―1階廊下―
それが一番ですね。
そうでなくても怪我は出来るだけしたく無いものですし。
[冗談めかした言い様に如何にか笑みらしいものを作る]
はい。
ではまた後程に。
[キャロルに頷きジーンにもう一度頭を下げ直すと厨房に向かった]
失礼の無いようにと、言われていますから。
[誰にかは言わずとも知れるだろう。
使用人たちは既に居らず、墓守はあくまで墓守だけれど。
立ち去る直前に、そんな言葉を向けた]
[外套は雨に濡れて重く気持ち悪い。
裾を摺るようにしながら、館へと戻ってきた。
気配が、前より極端に少ない。
いったい何人残っているのか。
その中に。]
まだいるのかね…。
[何が、とは言わないが。
ぽつり呟き、拭くものを探して歩いた。
リネン室は知らないので、広間か厨房あたりに、予備のタオルでもないだろうかと、足を進める。]
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