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…見つかって、閉じ込められて、どうにもならなくなったから暴れたのかしら。
[雷を使ったサイキッカー。あの炎の事もあるし、この惨状をみる限り、1人ではすまない数がいただろう。]
…どのみち、ずっと閉じ込められたままなんて事、ないわよね。
いつか解除される時がある、その時がサイキッカーの逃げ出すチャンス、なら…
[どうにもならない状況を作り出す為に、何をするか。
―――ぱたりとマニュアルを閉じ、元の場所に戻しておく。
何一つ好転しないだろう事柄を予想するのは、そこでやめた。]
……戻らないと。
[時間はだいぶ過ぎ、約束の刻までそう猶予は*なかった故に。*]
―住宅街・アヤメの家―
[下ろしたままにしている方の手に触れてくる柔らかい感触。
はたはたりと瞬いて司書の顔を見返し、ほんの少しだけ笑みを浮かべた]
いらなくなる?覚悟?
[兄の言葉には疑問が幾つも浮かぶが、落ち着いてからと言われればまた頷いて]
あ…んや、同じで。
紅茶も嫌いじゃない。
[どちらかといえば珈琲党なのだが、別に頼むのも微妙に気が引けて。
手伝うと席を立った司書と作家が二人台所に向かう背に言った。
配られた紅茶はとても美味しかった。
だが、一息ついた所で。気遣われながらも、変えようの無い現状の説明が兄から語られ]
…殺し合う…。
[カップを手にしたまま俯き、むっつりと黙り込んだ]
―住宅街・アヤメの家―
[震えるような小さな呟きは届いたような届かないような。
反応しないうちに家主の方が席を立った。
届いてくるのは水の音。けれど如何したのかは何となく予測がつく]
ラッシュ。
でも、それが義務、なんだよな。
[疑問系ではなく確かめるように兄へと尋ねた]
…同じなんだ。
同じなんだよな。
[小さく口の中で呟く]
―住宅街・アヤメの家―
反抗して、区画ごと焼き払われたりすんのも嫌だし。
とにかく移動だけでもしないとだな。
[兄にだけ届くかという小さな声でボソリと続け。
少しして洗面所から戻ってきた女性二人を見た]
アヤメさん、大丈夫?
まあ…ラッシュにルートは任せて移動しようか。
[蒼褪めた顔に気遣うような言葉を掛けながら。
外の状況を知っているだろう兄を頼るような提案をした]
―住宅街・アヤメの家―
…まあ、いいんじゃないか?
ここにいる面子以外で残ってるのって、先輩とマイルズとあの家の二人だけなんだろ。
[別行動したいというのにも反対はしなかった。
最初に提案した司書をじっと見た後、肩を竦める]
区画外には逃げようもないんだし。
時間になっても集会所に来なかったら、それはもう何されても文句言えないだろうし。
何かあったら…同じように居なかった奴を疑えばいいんだから。
[この状況下で疑うこと。
それはそのまま相手に銃を向けることにも繋がるだろう]
そういう嘘言う人じゃないしな、ナターシャさん。
[できるだけ空気が軽くなるように締め括ろうとした]
―住宅街―
あっ。俺、先輩の家に鞄も置きっぱなしだ。
それだけ取ってくる。
[集会場へは兄と一緒に行くことになるだろうか。
寄り道していると端末に着信が入った]
こっちも今から向かう、っと。
[短い平仮名メールからは相手の心情も知りようがない。
こちらも事務的な内容のメールを入れると玄関を出た。
無人の室内では働きもののロボットが青いランプを光らせながら掃除を*続けていた*]
─回想 住宅街・アヤメの家─
[出てきたアヤメから謝罪されれば、軽く頭を横に振り。
一緒に行こうか、との提案は心遣いが嬉しかった、が。]
…できれば、一人で行きたいんです。
もしも遅れて、疑われるようなことになったら…
私は自業自得だから良いけど、アヤメさんまで巻き込むことになってしまうもの。
…大丈夫、もう…危険は、ないでしょう?
だって、することは…決まっているんだもの。
[だから、と眉を寄せながら微笑んで。
あの放送で名を聞いたのは、皆知っている人だった。
マイルズの家の執事とその同僚はほとんど初対面ではあったが、無差別に殺しにくるような人間ではないだろうと、そう信じていたから。
それに。この後のことを思えば、一人で動いて命を落とすことになっても構わないかとも、思ったのも事実で。]
─回想 住宅街・アヤメの家─
…ありがとう。
えぇ、嘘は言わない…約束するわ。
[レッグから反対されなかったことは、正直心を軽くしてくれて。
弱く微笑み、頷きをみせて。
パトラッシュはどのような反応をみせたろうか、反対されても、ごめんなさい…と謝って。]
ちゃんと指定の時間には集会場に行きます。
もしも戻らなかったら…その時は、私を。
[彼らの人となりを知っている自分には、その言葉の続きはどうしても出せなくて。
後ろを振り向かず、銃の入った袋を抱えたまま駆け出した。]
─アヤメの家→住宅街─
[走って目指した先は、集会場とは真逆の方向。
自分の知る彼女なら、恐らくそちらに向かっているだろうと思ったから。]
はぁ…はぁ……っ…
[息を切らしながら、それでもただ前だけを見据え、走った。
周囲に横たわる人々を見ないようにして。
見てしまったら、きっともう自分は動けなくなってしまうから。]
つい、た…
[目前には、この区画と彼女の住んでいた区画を隔てる境目のシャッター。
周囲を見回せば、シャッターに縋るようにして死んでいる、何人もの骸があった]
─住宅街─
[既に事切れている彼らの顔を、一人一人確認して。
何人目だったろうか、顔をみるなり其の場に力なくしゃがみこんだ。]
…………リディ…。
[其処には、集会場前で会った同僚の、変わり果てた姿があった。
みれば、男性が彼女を護るように覆いかぶさっていて。
その顔は、いつか彼女がみせてくれたグラフィックと同じ其れだった。]
…一緒、だったのね。
─住宅街─
また、明日って…言ったのに。
[既に冷たい彼女の手を取り、一人呟く。
もう一方の手は、最期を共にした男性のそれとしっかりと繋がれていて。]
─…ブーケ、くれるって言ったのに、ね。
[ぽつりぽつりと零れる言葉は、彼女に対してむけたもの。]
…結婚前に一度、あわせてくれるって言ってたわよね。
ずっと、一緒に…リディを、守って…って、お願いするって、言ってたの…覚えてる…?
お願い。リディを…これからも、ずっと、守って…あげて。
ごめん、遅くなって…約束─…守った、からね。
[語尾と視界は既に、涙にかき消されて。
彼女の手を握ったまま、暫く泣き続けた。]
─住宅街─
[どれだけそうしていたろうか。
集合時間が近いことを告げるアラームに我に返って、ゆっくりと立ち上がる。]
…もう、こんな時間なんだ。
いかなくちゃ…レッグくんたちと、約束…したもの。
[同僚とその恋人を、このままにしておくことを申し訳なく思うものの、もう時間がなくて。
また戻ってこれるようなら、改めて弔いにこようと自分に言い聞かせ。
そうして来た道を戻り、集会場へと*向かった。*]
―集会場・広間―
[来た道と同じ道を戻り集会場へ入ると、そこに何人か人影があっただろうか。
人に会えばごく軽く礼をとり。モニターのある広間に入ると、椅子に腰掛けぐったりしているようなノブに気づく。
ノブさん?
[どうかしたのかと尋ねれば、空腹を訴えてきた。]
おなか…うーん、私は手持ちは何も…。
ここ、何か食べられるものあったかしら。
[探してきますねと断りをいれて、一旦広間をでて集会場内を歩いた。]
―回想・アヤメ宅―
ありがとう。
[アヤメから紅茶を受け取り、3人に話す。自分の話に返されるそれぞれの反応。
ナターシャ>>221>>222の言葉に頷き]
ああ、馬鹿げている話ではある……
でも、現実だ、避けて通れないな…。
[返す言葉は冷たいものだったかもしれない、けれども現実逃避してなんとかなるものでもない。
アヤメが席を立ち、ナターシャが心配してそれに続くのは黙って見送ることしかできなかった]
―回想・アヤメ宅―
[レッグの確かめるような言葉>>231には小さく頷いてから、やや間を空けて]
ああ、義務。果たすべき義務だ。
俺達はそうしなければならない。
[それは自分に言い聞かせるようでもあったかもしれない。
小さく呟く言葉は聞こえずわずかに耳を動かすだけに。
続いた言葉>>232は聞き取れて、視線を一度洗面所の方へ]
あまりゆっくりしていてはその可能性も高い、ここまできたら全員殺した方が早いだろうからな…。
そうならないうちに解決できるといいが…、従わない者から問答無用で処分される可能性すらある。
[混じり気の無い、自分の正直な感想、レッグにだけはと思いそれを伝えて。
アヤメたちが戻れば、レッグの提案に]
ああ、案内はかまわないが。
―回想・アヤメ宅―
[続けられたナターシャの希望に]
俺にそれをとめる権利はないが、くれぐれも気をつけるんだぞ。
一人でいくというのなら俺はとめない、責任をもてないほどナターシャが子供とも思ってないからな。
[ナターシャの様子にははっきりとした意志が見えたので本人の希望に任せることにした。
ナターシャが出て行くのを見送り、続けてレッグが一旦ノブの家へと向かい出て行った]
俺達もあまり遅れるわけにはいかない。
アヤメ歩けるか?
[部屋に残ったアヤメの様子はどうだったか、
その足元にかけより、気遣うように見上げてから]
いくぞ。
[アヤメを先導するように引き連れて外へ、
レッグと合流すると集会場へと向かった]
─集会場・個室─
[最低限の設備の整った個室。そこで一人になると、は、と息を吐き。
ちら、と視線を向けたのは、室内に備え付けられた鏡]
……本当に。
覚悟がいりますか、ね。
[映りこむ自分の顔を見て、呟く。
極限状態で何かを排除しなければならない時、異端の者にはその矛先が向かいやすいもの。
かつて、母が区画閉鎖で命を落とした時も、「亜人だから」という理由で銃口を向けられたらしい。詳しい記録は、残ってはいないのだが]
…………。
[露草色の下。
今は隠した赤紫と、左の肩の下にある、羽の塊のような片翼。
有翼種だった母から受け継いだもの。
それを厭うつもりはないのだが]
まあ……その時はその時、ですか。
―アヤメ宅→集会場―
[集会場へ向かう道の途中、二人の反応はどうだったか。アサルトライフルは途中で捨ててきた。
集会場に近づくにつれてその様子はひどさを増していた。
集会場近くの死体のいくつかは転がされた形跡が見られ、誰かが動かしたのだろうか]
二人ともとりあえず中へ、中は…まだましなほうだ。
[途中、転がったままになっている自分の後輩の遺体に視線を一瞬向けてから、中に入り広間に行く。
そこのモニターには、再度現実を叩きつけられる内容が映し出されていた。
ソファーにはノブが座っていて、エリカ、マイルズ、ジョエルの三人のことを聞けば]
俺も少し確認することがある。
ノブ、アヤメのことを頼むぞ。
[他の3人にはそう告げてから、ノブにアヤメのことを任せて自分は医務室に向かった]
─集会場・個室─
[撃たれる可能性は、今は考えても詮無い事。
それよりは自身がどうすべきか、それを考えなくては、とそちらに意識を向ける]
……まったく、ねぇ。
手掛かりも感知する術も何にも無しで、というのが。
そもそも、無理難題なんですよ。
[はあ、と大げさなため息をつく。
考えても答えが出なければ、最後は感覚に任せるか。
そんな考えがふと、過ぎりもする]
……少し、気を紛らせますか。
[しばらくあれこれと考えていたものの、それは一時放棄して。
鞄の中から、バーチャルコンソールの端末を取り出す。
知り合いの音楽機器開発者からテストを頼まれていたそれは、プログラムを走らせる事で、さまざまな鍵盤楽器をいつでもどこでも演奏できる、という触れ込みの物で。
テスト中だったピアノのプログラムをドライブさせ、空間に現れた電子の鍵盤に指を落とし。
しばし、無心に音色を織り成した]
―集会場・医務室―
[そこには争った形跡は多少は見られるが自己修復機能が働いたのか、突き刺さっていた机はなくなっており医務室としての機能は果たせそうな状態になっていた]
どこまで意味があるかはわからないがな……
[その部屋を使うまでもなくなる可能性は高かったが使えるにこしたことはない]
8人の中にか…何人いるかすらもわからない。
自分以外…まさかな……。
―集会場・台所→広間―
[食料を探し中をあるくと台所を見つけ、棚を見ると固形の食料が置いてあった。
他にないかと探していれば、どこからか聞いた旋律が流れて首を巡らせた。
主は広間には居なかった、なら個室のどこかからか。
後で呼びに伺わないとと思いながらも、まずは棚をみたが、固形食糧のほかには、ボトルに密閉された水が置いてあるだけだった。]
あまり良いものはないかしら…足りない分は…商店街、かぁ。
[緊急時なので行動の制限は取り払われているとはいえ、人の家に乗り込んで取ってくるような無作法はやりたくない。
水も手にし、一旦広間へと戻ると人が増えていた。
広間に入る足が一瞬止まるものの、一同に軽く礼をとってまずはノブに食料を渡した。]
─集会場周辺─
[出入り口からは隠れるような位置。
紫煙が天へと昇って行く]
………こんな時でもピアノ、か。
[耳に届く聞き慣れた音。
どんな思いで奏でているのかは分からないが、それを聞き翠が細まる。
煙草を持つ手の下、隠れた口許が軽く歪んだ]
―集会場・医務室―
[突如聞こえてきた旋律に]
マイルズさんか…?
音楽は心を落ち着ける…か……
[それがどのような意図のあったものか、自分には知る術はないが今はそれが皆によい方に作用すればと思った]
―集会場・広間→個室―
[名を呼ばれたのは8人、そのうち知らない名が一つあった。
それが彼女かしらと、あまり具合のよくない美女をほんの少し見た。
どこかで会ったことがあるような気がしたが、上手くは思い出せなかった。
彼女らに言葉を口にすることはなく、無言でその場を辞し、今度は音がするほうへと足を向け扉の前に立った。]
ぼっちゃま、おられますか?
[音の邪魔にならないよう控えめに扉を叩く。]
─集会場・個室─
[旋律を紡ぎだしたのは、何よりも自身が落ち着きたかったから。
それが他者にどのような影響を与えるかまで、意識するには至らずに。
ただ、無心に電子の鍵盤で音を刻んでいたのだが]
……ん。
エリカ、ですか?
ええ、おりますよ。
[控えめなノックと呼びかけ。
一つ、高い音の余韻を残して一度手が止まった]
─集会場・広間─
[カプセルが無いために煙草の匂いを消すことは出来ず。
硝煙とは異なる匂いを纏ったまま広間へと向かった。
中に入ると自分達が来た時よりは人数が増えていて。
見知らぬ顔に気付くと直ぐに知らぬ名の人物であると直結する]
………。
[こちらに気付く気付かぬに関わらず、増えた者達には会釈で挨拶をして。
持ったままであった食品を袋ごと、部屋の隅の棚に置いた]
―集会場・個室―
[主からの返事が返ってきたので、静かに中に入る。]
失礼します。
少し早いですが、そろそろ時間ですのでお呼びにあがりました。
……まだ、お引きになりますか?
[手元にある機器を少し見ながら尋ねた。
主が何を考えているかは、何となく分かっていたので。まだ心残りあるのであれば、その間控えているつもりだった。]
─集会場・個室─
ああ……もう、そんな時間なんですか。
[入ってきたエリカの言葉に、軽く、瞬く。
時間の感覚は、どこかに消えていた]
そんな事を言うと、刻限が来ても齧りついてますよ?
……大丈夫です。
[冗談めかした口調で言った後、静かに言って、コンソールを停止する]
……ああ、でも。
今の使用感を忘れない内に書き留めておきたいので、その間は待ってくださいね?
[言いながら取り出すのは、私用で使う通信端末]
―集会場・個室―
[いつもの主の調子に、少しほっとしたように笑んだ。
張り詰めたものが少し解けるような感覚を覚え。]
大丈夫ですよ、遅れるようでしたら、無理にでもお連れしますから。
[そうこちらも軽く返した。単純な力だけなら男二人よりもずっと上だ。
頼まれればはいと頷き。主が端末を取り出し作業する様を、傍で控え見ていた。]
―集会場・広間―
[すぐに返信されたメールの通り、集会場に人が増えるまでそう長くは掛からなかった。
エリカが持って来てくれた水と固形食料は、それぞれ半分程に欠けていた]
……ほんとに、8人なんだねぇ。
[そう誰にともなく呟いた時、その場には何人が残っていたか。
別の部屋からは音が流れてきていたが、聞いているのかいないのかは分からなかった]
―集会場・広間―
[集会場に着くまでの道中では殆ど口を開かなかった。
小説家の女性もそう口数の多い方ではなさそうであり、淡々とした移動になっていたかもしれない。
集会場周辺の光景は酸鼻なもので、自然表情は強張ったものとなってゆく。兄の勧めに従って中へと入る]
…ああ、先輩。
ほら、アヤメさんも無事。
[俄かな知り合いより、付き合いの長いお隣さん同士の方がいいだろう。まだどこか蒼い顔の作家のことは先輩に任せることにした]
ナターシャさんは後から来るって。
捜したい人がいるんだってさ。
[生存者は居ないのではないかと問われれば、苦い顔で肩を竦め]
─集会場・個室─
……さすがに、それは情けないので勘弁してほしいですね。
[常のよな、軽口めいたやり取り。
状況を思えば異常、なのかも知れないが、今はそれは考えずに。
手早く、コンソールの使用感や調整すべき、と思った点についての指摘を書き連ねる。
出来たメールは、宛先指定だけをして、保存。今は、外へは届けられないから。
そちらが済むと、もう一つ。
短い謝罪を一言だけ記したメールを作り、やはり宛先を指定しておく]
……送らずに済めば、いいんですけどね。
[小さな声で呟いて。
宛先──『Edgar=Acorde』と記されたそれをもう一度見てから、端末を鞄に放り込んだ]
さて。では、そろそろ参りますか。
―集会場・医務室→広間―
[しばらくの間、その旋律を聞いていたが、その音が聞こえなくなると、広間へと戻った。
先ほどまでいなかった人物に気づき]
ジョエルか……
[鼻をつく煙草の匂いにはとがめることはなく。
今は先ほど会うときに肩にかけていたアサルトライフルはなかった。
部屋の隅に置かれた袋に一度視線をめぐらせてから]
レッグ少し話がある。
[いいか?と視線で問うように]
―集会所・広間―
マイルズか…。
[耳に届く旋律に、壁際に寄りかかって眼を閉じた。
何を思っているのかは瞼の下に隠される]
…だね。
[そのままの姿勢で、先輩の呟きに相槌のような声を出す。
無口な性質ではないのに沈黙が多いのは、何かを悼んでいるようにも見えたかもしれない]
ん。何?
[戻ってきた兄に名を呼ばれるとゆっくり眼を開いた。
いつもより虹彩は縦に鋭く切れ、独特の雰囲気を醸し出す。
部屋の中には人影が増えていた。棚の近くにいる執事に軽い会釈をしながら兄の方へと近寄った]
─集会場・広間─
[名を呟かれると視線を走らせ。
翠が人物を捉えれば会釈を向ける。
その一連の流れの中でアサルトライフルが無い事に気付くと、頭の中で情報の整理をした]
(……あれ以外にも持っている可能性はあるか)
[自身とて支給された物以外の武器を持っている。
他が同じことをしていないと言う考えは捨て置いた]
─集会場・個室─
もう駄々をこねて引きずられるようなお年じゃありませんしね。
[実際にマイルズにそんな手段を取った事はないが、こちらも同じような感じに返す。
ほんの少しでも、先のことを忘れていたかった。
メールの内容と宛先を見ることはなかったが、呟きに宛は旦那様かと予想でき。
マイルズが移動しようとするとその後ろにつき従った。]
……ご無事で返りましょうね。
[それだけを呟いて。]
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