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確かにどう伝達するかは…問題だな…
……イレーネについている妖精やリディの所の妖精に
聞くのが一番手っ取り早いとは思うが……
[それから、イレーネの言葉に一つ溜息]
……イレーネの知り合いか……
…………それが誰だかわからない立場で
イレーネの知り合いの悪口を言うようで気がすすまないが…
俺はその妖精が悪いのかどうかまでは知らんが…いい奴とも思えない…な。
既に無関係な人間二人が攫われているのに黙っている奴だから。
もし、昨日エーリッヒがいなくなる場にいたのなら、
リディのはなしも聞いている筈…それでも出てこない奴なんだ。
イレーナについてる妖精が本物かどうかともかく、
何らかの関係者があの場いにいて、なにも動いていないなら
正直保身に走っているようにしか俺は思えない。
……少なくても、ただかくまったり手を拱いて見て
これ以上人が攫われる…のを放置するのも俺は後悔すると思う。
[青年はそう言うと、マグカプの中を啜る。]
…残念ながら、あたしの妖精は…伝える方法については見当も付かない、って。
[グリューワインを口に含み…]
それに…一番恐いのは、その、悪い子…が…
自分が悪い子と思ってない場合、なのよね…
あたしも、悪い子としか聞いてないから、何をしたのかとか知らないし…
説得しようにも、「これ以上、攫われて欲しくないから、王様の所に行って」、じゃ…ね。
みんな首を横に振ると思うわ。
[マグカップに視線を落とす]
…悪い子も、あたし達には悪い事をしていない。
言ってしまえば、人間の我が侭で、保ってきた調和を乱すようなことになる…
…それでも、良いのかな。って…
[歩み寄る気配に気付き顔を上げて。
鼠と戯れる前まで見ていた様子を思い出してか笑顔]
おかえり?
相棒を放りっ放しは感心しないな。
[肩の鼠を手に移し、彼の肩に乗せようと]
[向けられる笑顔に、何やら感じつつ]
ああ、どーも……。
って言うか、こいつが勝手に走ってったんだけど、ねー。
[つい言い訳がましく呟きつつ。相棒を受け取って肩に乗せ]
追い抜く時に拾えなくもなかっただろうに。
まぁ、そんな余裕はなさそうだったが。
[ある意味最初から見ていた男はくすくすと笑い。
その笑みも微笑ましげではあったが]
[――人知れず、姿を消した後。
彼女は独り、村のはずれを彷徨っていた。
さく。さくさく。
真っ白な処女雪を、ゆっくりと踏みしめながら、歩く。]
……はぅ…。
[吐き出す息は、白く…揺らめいて。冷たい風にほどけて消える。]
イレーネ……
妖精の我侭で今まで…何年も人攫いも何もおきてなかったのがおきている
ように、俺は思うんだが…それをどうにかしたいのは可笑しいか?
[青年は苛立ったように、右手で左目にかかる髪をかき上げる。]
その、妖精とやらは直接悪いことをしてないかもしれない
けど、間接的に悪影響は出ている…無関係の人が攫われているのだから
自覚がないなら、ただ被害は拡大するばかりだし…
結局被害が拡大していけば、いつかは捕まる…
[青年はいつのまにか声が大きくなってたようで、ここで1つ嘆息]
少なくても、知り合いが…エーリッヒが捲きこまれた以上
俺は、そいつ?そいつら?と、
直接この件に関して話しはすべきだと思う。
そこでそいつの事情を聞いて、
それから庇うのか、そいつを説得すべきなのか
…を、考えるべきじゃないのか?
う……。
[妙にわかってる、という様子で言われて、ふい、と目を逸らす。
……その、逸らした先にノーラの姿が見えて。
ますます凹みは加速したのだが]
「お祭りの時に逃げてこなくたっていいのに。」
[――無垢な少女の言葉が、静かに胸に突き刺さって。
耐え切れなくて、その場を、そっと逃げ出した事に、気付かれなかっただろうか。]
[目の前の青年が何処かを見た瞬間、纏う重さが激増した気がし。
何気無く視線を追えば先程まで自分が居たところにノーラの姿。
…妙な既視感が襲ったのは何故なのだろう]
こんにちは、今日は、お休みですか?
[少し緊張した面持ちで、少女は扉を開け、返事を待たずに、言葉を繋ぐ]
あの、昨日ベアトリーチェが、ランプを買いたいって言っていたんですけれど、買って帰れなかったと思うんです。だから私、代わりに買っていってあげようかと思って。
…あ。
[気付かれた]
え、ええと…、……ごめんなさい。見るつもりは無かったのだけど…
[その実見るつもり満々だったのだが]
[言い訳しつつも、やはり何処か微笑ましげな表情]
[苛立ちの色を見せるアーベルの言葉に視線は落としたまま]
…おかしくは、無い…と、思うわ…
でも…王様の…ただの、我が侭な行為なら…
あたしは、協力したくない。
間接的な被害、って言っても、その原因は王様。
悪い事言われてる人が自覚して引き起こした事じゃないわ。
それに、妖精は「見つけた」、って言ってる。にもかかわらず、王様は聞く耳を持たない。
だから…あたしには我が侭にしか見えないの。
[そこまで言うと、顔を上げ…]
エーリッヒが連れて行かれる前に…ちゃんと、一人、見つけていたわ…
なら、エーリッヒが連れて行かれたのは何故?
ちゃんと、下に遣わした妖精が居るのに、話を聞こうとしないのは何故?
…あたしには…我が侭にしか、見えない。
駄々こねる子供に、物を与えたら…つけあがることを覚えるだけ…
[言葉の途中で、ガラスのベルが鳴り…思わず身体を震わせ…
そのドアの方へと目を向ける。
ミリィの姿を見ると、少し堅い動きで]
ぁ…ぇ、ぇぇ、開いているわ。
ベアトリーチェちゃんは、どんな…ランプをお探し…かな?
[笑みを携え、ミリィに尋ねた]
[応対する店主のどこか堅い面持ちも、その理由にも気付いていたけれど、少女は気付かぬふりをして、明るい声をあげる]
施設の子供達のところに置くみたいなので、きっと色が綺麗で明るいランプがいいと思うんです。
みんなが楽しくなるような。
[――最初に、”王”が光臨した時。
彼女は”人間が”王を怒らせたのだと思った。
『違う』と言われたのに、帰ってこなかった団長が気になって、探したりはしたけれど。
リディのペンダントに触れて、妖精の気配を感じたりもしたけれど。
偉大なる”王”がされる事に、彼女が出来る事なんて思いつかなくて。ただ、黙っていた。
だけど。
エーリッヒが攫われて。
イレーナやリディの言葉を聞いて。
そこで初めて、”王”の探す”悪い子”が、妖精なのだと、知って。
ぐるぐるぐるぐる。
思考と共に、足跡も不自然に、うねっていく。]
…イレーネ、その妖精は
「伝える方法については見当も付かない」んだろ?
じゃあ、ちゃんと連絡が出来たいなかった可能性はないのか?
正直、俺は王様も隠れている妖精もどっちもいけ好かん。
どっちの協力もしたくない。
村の外で勝手に…人を巻き込まずに自分達でどうにかしろと言いたい。
ただ、王様側の話しはイレーネとリディを通して聞いたが
では、その該当妖精達の話しは聞けてな…
[そこで、ミリィの声に気づき口をつむぐ]
せっかくの妖精祭りなのに、ちょっと盛り上がりが足りない感じですものね。
だから、せめて綺麗なランプで楽しい気持ちになれたらいいなって思うんですけれど。
あ、そういえば、何かお話中だったんですね。お邪魔でしたか?
[畳み掛ける様に明るくおしゃべりする様子は、どちらかと言えば、普段の少女より、いつも元気な彼女の友達に近い]
明るい色…
[立ち上がると、棚の方に行き…明るい色ガラスで作られたランプを持ってきて、机の上に置く]
…コレ、なんて…どうかしら?
[ミリィには軽く首を傾げつつ…
アーベルにはメモ張を取り出し、ペンを走らせ…アーベルに渡した]
『妖精は、その王様に声を投げかけているけど、王様は気付く様子がない。
あたしも、正直勝手にやって欲しいわ。
でも、何故か此処を選んだ…コレについては、あたしは聞いてない。
多分、リディが言ってたことだと思う。
その妖精達に話は聞けてないけど、とても…自然に振る舞ってたわ』
[彼女は悪い事をした自覚は無い。
だけど、”王”が探しているのは妖精で。
他に妖精らしい存在を、彼女は……知らなくて。
だから、きっとベアトリーチェを悲しませた妖精は、自分なのだろうと思って。考えて、考えて、考え…て…]
……もしかして。
[渦になった足跡の、中心で……ぴたり、足が止まる。]
舞姫……私がしたのが、いけなかったのかなぁ……。
[だったら、彼女を勧誘した実行委員のエーリッヒが連れて行かれたのも、納得できるわけで。]
……そっか。
だったら…私がごめんなさいしたら、もう誰も攫われずにすむよね…。
[エーリッヒに間接的に協力したご主人様が攫われる事も、ベアトリーチェを泣かせる事もないよね。
そう、小さく呟いて。ようやく、別荘へと向きを変える。]
[ミリィの様子を見ながら…イレーネがランプを取り出すのを黙って見ている。]
[差し出されたメモを読み、青年はペンを借りてそこに書きつける。]
『……何らかの妨害でもされているのだろうか…声が届かないと言うのは…』
[そう書きつけながら…またペンを走らせる]
『今現在、俺はリディやイレーネの話しを聞いて…
妖精王が原因なのかとも思うが、けど、それは一方的な見解で
狙われている妖精の話しを聞いてから判断しても遅くは無いと俺は思うが…』
『正直なにも知らないでふりまわされるのはごめんだ。
イレーネの知り合いに話しを聞いてその妖精に分があるなら
手助けすれば良いし、そうじゃないなら説得すればいい。』
[ふと、空を見。施設に行こうとしていたことを思い出す]
嗚呼、そういえば…
…ベアちゃん見なかったかしら?
[2人に向き直り、尋ねる]
[昨日の様子と今日きこえたこえ。もしかしたら、祭りが終わるまで外に出ないつもりなのでは…と]
[少女は、目の前に置かれたランプを綺麗ですね、と言って眺めながら、ちらちらとメモで会話する二人の様子を窺っている。あまり上手に態度が隠せているとは思えない]
[別荘へと戻った時には、他の要因も含めすっかり蒼褪めて震えていて。イザベラに問答無用とベットに放り込まれた。
やや遅れて戻ってきた主には、合わせる顔も無くて。
ベットに潜り込んだまま、震える声で告げた謝罪の言葉は、届いたのだろうか――]
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