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(残り3人。
すなわち、榛名のお嬢さん。裕樹の姉さん。それから、旅籠の坊ちゃん。
―――だが、榛名のお嬢さんの精神が、あそこまで疲弊し、壊れかけている姿。さすがに演技とは思いにくい。むしろ、壊れてもらったほうが分かりやすくはある、かな)
[非道なことも、涼のためならば平然と考えられる]
(裕樹の姉さん。
幸か不幸か、先生が確かめに行っている。殺すつもりだろう。なら、俺があいつについて考える必要はない。
なら―――後、俺が考えるべき人物は……1人)
[そこまで思考を巡らすと、榛名に向いていた視線を、ついとずらして、孝博を見つめた]
(裕樹が違うとするならば……お前か)
・・・咲いたから、変わッた?
変わったから、咲いた?
[思案気に呟けど、]
・・・んだよ、ソレ。
何処だと思ッてたの?
[微笑む玲には冗談めかして言い。
榛名を、横目でちらと伺う。
傍目には心配しているように見えただろうか。]
壊れやすいなら…支えがいるだろうな。
今は誰がその役目をしているんだろうな…周りを疑いたくなるばかりの、この状況で。
史人は行かなくて、いいのか?
[言葉に嘘は無いから、何も躊躇う事はなく。
グラスに口を付け、相手の言葉を聞く]
……薔薇?
[復唱。2度、3度瞬いて。
鈍い頭の回転ながら、考えて言葉を紡ぐ]
…たしかに、予想外、だな。
変わったから?
[呟きには呆と首を傾げ]
だって、私が使うことは無かったもの。
仕方がないと思わない?
[まるでこれまでの距離が無くなったかのように。昔のように笑う]
うそだ、うそだ、うそだ…!
あやのが、おかあさんが、るりが、みんなが…!
そんなの、うそだ…!
[否定の言葉を呟く中、周りの声は聞こえていない。当然、蓮実の呼びかけにも答えられなかった。しばらくの間嗚咽と共に否定の言葉を紡ぎ続けていたが、手を強引に耳から剥がされ。続き向けられた言葉にふるふると横に首を振る]
い、やぁ…。
こん、なの、やだ、よぉ…。
あくむ、じゃ、ない、なら、どう、して、こん、な…。
[ようやく、蓮実へ視線が向く。しかし涙ではっきりと蓮実の姿を捉えることは出来ず、視線はふらりと彷徨うだろうか]
[利吉に掛けられた言葉で、フッと現実の感覚が戻る]
…少し、お休みさせてもらってからなら。
今視ると。下手をすれば私が引きこまれそうなので。
[冷静な言葉は考えて言っているものではなかったが。ただ教え込まれたことを引き出して答える]
[聞いていたくなかった。
だから立ち上がって、ドアに向かう。
一人でもだいじょうぶだから。
ドアをあけて外に出る。
るりは、どこだろう?]
どうしてかなんて…わかりませんよ
[やっと反応を返した榛名。だがそれでも適切な言葉は浮かばないから]
でも、逃げていたら駄目なんです。
そうじゃないともっと…酷くなってしまいます…
[相手を落ち着かせるような声音は今の己に発しられているだろうか]
下にゃ、玲たちもいる。
それに……今の俺じゃ、支えになれるかも怪しいモンだ。
[静かに言って、軽く目を伏せる。
自身の揺らぎは、自身が最も良く知っているから]
……ああ、っとに、予想外。
[軽く言いつつ、復唱する様子と瞬きに。
ふう、と一つ息を吐く]
って、あれ、薔薇じゃなかったか……なんだったかな?
[惚けた口調で言いつつ、思案する素振り]
[玲の言葉に]
そうか。
ならば、宣言しておこう。
俺は、旅籠の坊ちゃん―――孝博が魔に囚われた人間じゃないかと疑っている。
お前さんの気が向いたなら、見分けて欲しいと思ってる。
まあ、俺の推理が当てになるかどうかは知らんがね。
[言いながら、視線を孝博に]
坊ちゃん。
俺がここで宣言した意味……分かるな?
分かった上で、何かしようと思うのならば、好きにしてくれや。
[自分の命すら興味は無い。
ただ、自分は涼のことだけを思い、行動する]
ん、イヤ。
だッて、ほら。
咲いたのだッて、咲かせた奴がいたから・・・だろ?
[何処かぼんやりとした様子に首を傾げ、]
まァ、そーだケド。
[そう問うたところで、
利吉の声に、其方を見た。]
[ぴくりと、眉が寄る。]
・・・ハハ。
んだよ、ソレ。
冗談キツいッて、りっチャン。
[一瞬後には、笑みに変えてみせたけれど。]
だ、って、も…、こ…なの、や…。
だれか、…、うたが…も、だれ…、に、うた…われ…のも…。
そん…の、や…ぁ…!
[涙は零れ落ちるままに、ふるふると、首を横に振る。現実と虚構の狭間。事実を理解しつつも、それを認めたくなくて否定を続ける]
ああそっか…お兄さんだものな。
妹は信じられるか。
[視線に混じるのは羨望の色。
けれどそれは、すぐに掻き消えて]
それで、支えになれない史人は…此処に、何を?
水だけなら用事は終わっただろ?
女の部屋にいつまでもいるのは、無粋じゃないかな。
[けらり、笑ってみせる。
嘲笑うかの、ように]
言いたい事や、聞きたい事があるなら、きちんと聞いてくれないと伝わりにくいぞ、と。
だって、呼ばれたでしょう。
声が聞こえなかったわけじゃないの。
応えはしなかったけれど。
[夢と現、間をいったりきたり。
ただ奥底の何かは揺れずに在る。良くも悪くも]
そうね、でも変わったから。
だからこそ巫女様は呼ばれたのかも。
[再び浮かぶ笑み]
ええ、いいですよ。
ねぇ孝兄。
[サラリと利吉に答えた]
…涼さん?
[孝博に向けていた顔を転じる。
遠くなってゆく後姿]
まって、駄目。
今はとても危ないのだから――!
[駆け出す。足の痛みも感じないままに。ただ衝動的に]
当たり前、だろ?
こんな出来の悪い馬鹿兄を、見捨てないでくれる妹。
……信頼せずしてなんとする、ってね。
[さらりと言って、軽く肩をすくめ。
続けて投げられた言葉に、ふ、と息を吐く]
……そーだな、言葉遊びしてても仕方ねぇし、時間の無駄だ。
[言いつつ、裕樹へ向けた視線は。口調の軽さとは裏腹に、静かで、どこか、冥いもの]
……なんで……琉璃を、殺した?
[ついで、紡がれたのは、直線の問いかけ]
[利吉の言葉も耳に届いていた。涼の意味深な言葉も聞こえていたが]
零れ落ちるものもあります。
ですが、残せるものだってあります。
[夢であると肯定もしない。そして現実であって、その状態が変わらないことも]
全て零れ落ちてしまっても…良いのですか?
[外の雨は冷たいし、
あんまりいい気分じゃない。
仲間だけど、――もしもそんなことをしたら、どうなるかわかんないから。]
ばーか。
[聲なんかじゃ言わないし言えない。
琉璃は優しかったけど、 今の聲は、冷たい。]
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