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バ、カ。くれむにぃの、ばか。
[声が明瞭さを失ってゆく。
髪が髪でない何かに変わり、眸を金に光らせて、膝をつき。
首筋目掛けて飛び掛った黒い獣を、その人はどうしたか。
目に焼きついた最後の表情は、いつも通りの包容力を見せる笑み]
―玄関外―
[玄関を出て、右手に少し進んだ場所。
そこが自衛団の監視ポイントから死角になるというのは、狙ったわけでなくたまたまそうなっただけのことだった]
なんてあまい。
ぜんぜん、ちがうね。
[酔ったコエは一部空気も震わせ声となった。
白の上にも流れる緋色を舐めながら、黒狼はうっそりと笑う]
これが、極上の。
……ふぅっ。
[優しい腕も温もりも、この時は脳裏の端に追いやられて。
裡から湧き上がる衝動に身を委ねて、酔い痴れて]
―玄関外―
[そうなった後でナータの部屋に戻れはせず。
自室に戻り虚脱の表情で過ごした後、闇が黒から蒼に変わり始める頃。静かに階段を降りて玄関から外へと出て。
やがて朝陽に照らされだす無残な姿を、深緑は見下ろした]
グッ…。
[うつ伏せにされた背中の服は爪で引き千切られ露にされて。
肉の薄い場所をこそぎ落すように削られて。
削り残した肉に残る朱花は、もう甘く香らない。
漂う血臭は頭の心をぼやかせるけれど、衝動の域までは達しない]
―玄関外―
クレム、に。
[兄とはもう呼べなかった。
抱き起こした首筋と胸に残る虚ろを作ったのは己だから。
自衛団長をそうしたのと同じように。
震えながら跪いて腕を伸ばす。
黒衣は緋色に染まってもあまり目立たない。
ただ物言わぬ骸を抱きしめて、誰かが来るまでその場に蹲り続けた。深緑は昏く沈んで。何か指示されれば、まるで被害者のようにも見える動きで従う*だろう*]
―一階・広間―
[エーファのことを抱きしめて、そのため自分の服も赤に濡れるだろうか。
先にと猫のことを心配する様子>>87に少し戸惑う様子を見せた後]
ああ、そう、だな。
このままじゃ、たしかに、かわいそうだ。
濡らしたタオル用意しようか。
[用意に向かうのは二人でだったか、自分ひとりだったか。
猫を拭いてやりながら、妹はエーリッヒの部屋のことを尋ねていて、答えはエルゼからもらえた。
告げられる言葉は自分にだけに聞こえるようにだったか、自分は困惑の表情を向けて、どうすればいいのかわからずにいた]
いない、ほうが、いい?いた、ほうが、いい…?
[かける言葉は遠慮がちに、普段エーファがするような様子に似ていたかもしれない**]
―前夜/自室―
名乗りでなきゃいけないと思っていたの。
おにいさまとラーイには伝えたから……
私が食べられてしまった時に二人に疑いが向くのが怖かった。
[広間でその力を求められていたからというのもあるけれど
心の何処かで正体を知ってしまったおとうとの心配もしていた。
朱花を抱くクレメンスについてはその心配もないのだと知れたが
それはライヒアルトにのみ疑いが向くのと同義で
だからこそ名乗り出ることを女は選んだ]
見逃さなくていい。ラーイの好きにしていいよ。
[誰かの存在を匂わせる言葉に少しだけ困ったような顔]
ラーイがひとりじゃないなら……
[私が居なくなってもその誰かが隣にいてくれるかな。
そんな事を思いながら意識は徐々に深淵へと沈んでゆく]
―朝/自室―
[疲れていたのか安心していたからかその夜はぐっすりと眠れた。
意識が途切れる前に優しい声とぬくもりを耳朶に感じた気がしたけれど
それが現であったか夢であったか女は知らず。
目が覚めるのはいつもと同じ時間――。
ぼんやりと見上げた天井、ややして隣を見るがおとうとの姿は無かった]
――…ん。
[其処に彼が居ないことを寂しく思う。
生きていることを嬉しく思うと同時に哀しくも感じた。
いつの間にか掛けられていた毛布をぎゅっと抱きしめる]
寂しいなんて言ったら笑われてしまうかしら。
[毛布に顔を埋めると髪に咲く銀の花が揺れた。
はたりと瞬いて銀の髪飾りへと手を宛がう。
其れを髪から外して無事であることを確認すると安堵の息を漏らした。
起き上がりゲルダに貰った其れを大事そうに両の手で包んで、一度鏡台にそれを置いて、身支度を整えようとした]
[ふと気になって長い袖を捲ると左の上腕には手の跡がある。
薄い痣は自衛団員に掴まれた時にできたもの]
痛いと思っていたらやっぱり痣になっていたのね。
ゼルギウスさんに湿布貰っておけば良かった。
[仮令、死を覚悟していても
仮令、他の場所に大きな傷痕があろうとも
気になるものは気になるのだから仕方ない]
おにいさまやラーイが知ったら怒るかしら。
[ヴィリーが詰所での出来事を漏らした時の二人の反応を思い出し
くすりと小さな笑みを零した]
見られない場所で良かったわ。
あまり余計な心配かけたくないし……。
[袖を元通りにしてから髪を梳かししてから、神に祈りを捧げる]
[祈りの時間は静かに過ぎ去り
前にしたのと同じように宿る力を行使する。
思い浮かべた相手は隻眼の男。
視える結果は予想通り――。
探し当てた時の愉悦は無かった]
ヴィリーさんは人狼じゃない……。
じゃあ、おにいさまの言っていたあれは……。
[彼が事件に巻き込まれたことがあると義兄は言っていた。
考えても彼が何者かはわからない。
どのような体験をしたのかもこの力では知れない]
おにいさまに伝えておいた方が良いかしら。
[もう一人のきょうだいは誰がそうであるか知っているだろうから
意識は頼れる義兄――朱花宿すその人へと向かう]
―朝/クレメンスの部屋の前―
[部屋を出て義兄の部屋の扉をノックする。
急いでいたからヴェールも髪飾りも置いてきてしまった]
おにいさま……?
[名を呼んでみるが返る声は無い]
まだ眠っているのかしら。
[厭な考えが頭を過るがそれを必死で否定する。
何度声を掛けてもいくら待っても声は聞こえてこない。
痺れを切らしたかドアノブに手を掛けた]
おにいさま、入りますよ。
[もう一度言葉を重ね扉を開く。
鍵は掛かっておらず何の抵抗もなく部屋の中の景色が見えた]
―朝/クレメンスの部屋―
[人が居る気配が感じられない部屋。
中に入って寝台を見るけれど義兄の姿は無かった。
くるりと部屋の中を見渡して]
――…居ない。
[不安で声が震えそうになる。
厭な予感は募るばかりでそれが消える気配はない]
もう広間に行っているのかしら。
[そうであって欲しいと思いながら紡いだ言葉は
自分でも情けなく思うほどに頼りない響き。
もぬけの殻になっている部屋を出て廊下へと戻る。
誰かと会うことがあれば義兄の居場所を知らないか尋ねるだろう]
―朝/広間―
[階段を一段また一段と下りてゆく。
気が逸り何度か足を踏み外しそうになりながら
辿りついた広間にも義兄であるクレメンスの姿はない]
おにいさま?
[名を呼べば出てきてくれるだろうか。
そんな淡い期待をこめて彼を呼ぶのだけれど声も姿も無い儘。
カウンターに厨房、食料庫にリネン室や浴室――
探せるところは探してみたが義兄の気配は感じられない]
何処に行ってしまったの……?
[不安げに紡ぎへなりと眉尻を下げる。
こんな時はいつもあやすように頭を撫でてくれる義兄の手が恋しい]
あとは……、外……?
―朝/玄関外―
[自衛団にはあまり近付かぬように言われたのを覚えている。
外に出れば自衛団員に咎められるだろうか。
それでも義兄の行方が気になり足は外へと向いた。
玄関から外に出れば冷たい空気が肌を刺す。
微かな風が運ぶのは冷たさだけではなく鉄錆にも似た匂い。
それは右の方から流れてきていた]
――…これ、って。
[何の匂いだっただろう。
考えてはいけない。
其方に行ってはダメ。
頭の片隅で警鐘が鳴り響いているのに
女は匂いのする方向へと歩み探し人を見つけてしまう]
[濃い血の匂いの中心に義兄は居た。
肉を抉り取られ死の香りを纏う義兄とその躯を抱くおとうと。
ヒク、と喉が引き攣るような感覚]
…………ぁ。
[小さく漏れる声]
おにい、さ、ま。
[深い傷痕と血だまりを見れば義兄が既に事切れていることを知れるが
それを受け入れる事が出来ずに名を呼んだ。
覚束ない足取りでふたりの傍へと行けば
ライヒアルトの少し後ろでぺたりと膝を折る]
おにいさま……、おにいさま……っ!!
い、や……、どうして……、……ッ
[いやいやをするように頭を振るい
やがて女は顔を覆って泣き崩れる]
[堪え切れぬ嗚咽は哀しみの深さを示すよう。
頼りになる優しい兄の死を妹は嘆き悲しむ。
物心ついたときから一緒だったから
養父と同じく家族なのだと思っていた人。
歳が離れていたからか頼るばかりだったけれど
それでも何処か誇らしげな笑みを浮かべ面倒をみてくれた。
嗚咽混じりの声があにを呼ぶ。
如何してこうなってしまったのだろう。
あにの命を奪ったのはきっと私。
あにに相談しなかったから彼はこうなってしまった。
あにとおとうとを天秤に掛けることなど出来なかった。
出来ないと思っていたのにあの夜おとうとを選んでしまった。
罪の意識がまた一つ重なる。
彼の死を嘆く資格さえないのかもしれない。
それでも罪深い女は喪った大事な人を思い泣き濡れる**]
[ゆらり、沈んで。
ふわり、浮かんで。
たゆたう意識は、二つの領域の狭間を漂い、揺らぐ]
[泣いているのは誰だろう。
鳴いているのは誰だろう]
[意識にぼんやり浮かぶ、疑問。
けれど、答えはない]
[空白]
[それは不意に、そこに現れる]
……あれ?
[死しても逃れられぬ囚われの領域。
薄い紗に隔たられたその空間に、幼い声が響く]
ここ……どこ。
[現れたのは、死した青年に良く似て。
それよりも、ずっと幼い少年の姿。
両の腕には、青年がいつも連れていた真白の猫とは対照的な、夜闇色の猫が一匹。
同じ翠の瞳を持つ、少年と猫は。
泣いている誰かたちを見つめて、こてり。
不思議そうに、首を傾げた**]
―二階/個室―
[暗い闇。夜]
――っ!!
[痛みに、悲鳴すら出ない。
声の一つも落とせない。
――二度目とはいえ、慣れるわけもない激痛。
発生源を取り除こうと、知らずに指が首の後ろを掻く。
つよくつよく、血が滲んでも止まらない。
痛みが和らぐこともない。
見開かれた目は虚空を捉え、呼吸を求めた口唇はうまく空気を吸い込むことができない。
涙が落ちてゆくけれど、うまく動くこともできずに]
[どれだけの時間が経ったのか。
つい先ほどまでの眠りの中に戻ることはできなかった。
その苦痛が引いた瞬間、ぱた、と動いていた手が落ちる。
体が闇の中に落ちていくような感覚。
そのまま、意識は失われた]
―朝/個室―
[目を覚ますのはいつもよりすこし遅い。
しばらく動く気にはなれず、やがてゆっくりと起き上がって、手を見て溜息を吐いた。
爪の間に血が滲んでいる。
首の後ろを鏡で確かめると、引っかいた痕が無数に残されていた。
その際に顔も見て、涙の痕に苦笑する。
痛みが引いたわけではない。
じんわりと、そこだけが熱を持っているような感覚]
…朱花が死んだ
[そっと呟いた。犠牲者の名はまだ、知らない。
声が震えて、それから、立ち上がった。
身支度を整えて、部屋の外へ。階下へ。
泣く、嘆く、声のほうへ]
―外―
[ライヒアルトとナターリエの様子を見て、死んでいるクレメンスを見て、小さく呼気をもらした]
中、入るよ。
入って。
[声はそっと二人を促す。
動かないようなら、そっと頭を撫でて。
それからもう一度、中に戻って、と告げて]
…彼が朱花だったなんてね。
[その背の模様は見えていないはずなのに、小さく呟いた。
何にせよ、ナターリエとライヒアルトを室内に戻す。ライヒアルトへは浴室も勧めるけれど、動かないならそのままにして。
誰かが来るなら暖炉を任せて、クレメンスの死を告げる。
それは淡々とした態度になっただろうけれど、そのまま、ホットミルクを入れると厨房へと行くのだった**]
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