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[頭を庇う様子に、ラウル、攻撃目標変更。
庇う手自体をつついてみたり]
……逢引ってアンタ……。
[何を逆鱗に触れるような事を、と。
言葉は途切れ、代わりにでたのはふかいため息]
(やれやれ。
この無節操ささえなきゃ、悪いヤツでもないのに……)
[そんな考えは声にも、勿論表情にも乗せはしないのだが。
その一点、それが腹に据えかねるのは事実であるのだし]
んや、何にも。
昨日の――「虚」とかって…目に見えるモノなんですかね?
[少しだけ声が低くなる。
スティーヴにつられるよに、目線は岩場を滑った。]
[草の匂いを満喫し、翼で体をくるんだまま起き上がる]
どこにいこっかなーいこっかなーあはは
昨日は森だったからー……あっち〜♪
[と、堕天尸のことを聞く前と変わらずに
川から外れ、草むらの正面の高台を目指す]
[ 笑うケイジには同じ様に笑って返す。]
あら、ケイジ様は男前だと思いますけど。
私で良ければいつでもお相手は致しますわ。
相変らず冗談が上手ですわね。
[ そう笑いかけた後、また少女へと目を戻す。]
フィオーラ…というと機織の。
成程、彼女のところで居候ですか。
エリカ殿ですね、私はロザリンド。
ロザリーで構いませんわ。
[ そう言ったところで首を正面へ。]
ところで女の子が外で夜を明かすのは関心致しませんね。
それは、アヤメ殿も心配なさると思いますわ。
[ そう言って相手に笑いかける。]
ははッ、これだからオッサンは。分かってないなぁ。
離されるからこそ、惹かれ、引かれるもんなんだよ。
[鋭さを増した視線を、飄々とした態で受け流し、]
資格、ね。恋に資格が必要かはともかく…。
さて、アンタこそ、それを判断する資格を持っているのかい?
……フィオーラは有名なのだろうか。
機織は村に複数いるものでもないから、
当然と言えば当然とも考えられるか。
[口許に指を添え、ぽつり。
傾いて、戻った顔を、視線を動かさずに見る]
春先はあたたかいから、まだ、大丈夫。
それに森には、様々なものが棲んでいるから。
[頭を守るための手を狙われては、もうどうしようもなく。
さて、どうしたものかと、せめて懸命に手で払う。
それでも、ラウルの羽根を傷付け無い様に注意を払わなくてはならないものだから、やはり儘ならないもので]
あーや……アヤメさーん、溜息よりも先に、ラウルを何とかしてくれると助かるんだけど?
いや、バカは映ったりしないから、この儘でもラウルは安全だけど、俺が非常に痛いデース。
[内心に気付く筈も無く、暢気に悲鳴を上げている]
巫女が貴様に惹かれるなど、有り得ん。
[声は激してはいない。ただ氷の冷たさを持って]
巫女を護るのが私の役目だ。
[資格を持つのかという問いには、そう返す]
再び同じ真似をしたら、堕天尸の疑い有りと見て結界樹に押し込めてくれるから、そのつもりでいろ。
……………虚。
[返された少し低い声に、一度口を噤む。
目だけを動かし青年の横顔を見た。その心は見えない。]
………虚の領域は、負の思念や瘴気が渦巻くと言う。
人の心が見えない様に、思念である虚も見えはしないだろう。
だが、漠然と感じる事は可能なのかもしれん。……俺が見た限りでは見つける事は出来なかったがな。
[重い息を吐き、目だけでなく体ごと青年を向く。]
まずは探してみなければ、見えるか否かもわからん。
お前も機があれば、試してみるといい。だが、深入りはするな。
― 空中→自宅 ―
……変な……人たち
僕なんかに……話しかけて
ラスさんに、リディアさん、ロザリンさん、カレンさん、カルロスさん……
[リディアの家を出、自宅に向かって飛びながら、昨日会った人たちをひとりずつ思い出すように名を口にする。昨日のこと……巫女の警告、島の住人たちの姿と、交わした会話。何人もの人と話をしたのは始めてだった。
ずっと気分が優れないのは昨日の料理のせいか、人に酔ったためか。ふらつく軌跡を残しながら、やがて今は主を失くしたあばら家の前へと降り立つと、*翼をたたむ*]
……アタシに言ってもそれは詮無い。
アタシがけしかけた訳じゃないし、ラウルが自分でやってんだから、手の出しようがないじゃないか。
[止めれば止まるとは思うもののそれをしないのは。
ただでさえ気を張っている聖殿で、騒ぎを起こした事への軽い意趣返しも含むのかも知れず]
……兄さんもさ。
気持ちがわからない、とは言わないけれど、緊張しすぎだよ。
そんなんじゃ、兄さんが『虚』を呼び込んじまう。
[ 広げていた羽根をしまうため目を一瞬閉じる。
背中にあった羽根はその姿を隠す。]
まぁ、そんな広い島ではないですし。
あまりお話した覚えはありませんが。
[ そう言って言葉を続ける。
ケイジは後ろでこちらを見ていただろうか。]
暖かいからって…昨日、巫女姫も言っていたでしょう?
「堕天尸」の存在のこと。
森に、その人がいるかもしれませんわよ?
[ 感情が読めない少女だなとぼんやり考えながら。]
あは〜♪
[高台に上った。
途中四回こけて、そのままの勢いでごろごろと転がり落ちていったのは、翼でくるまっているため、動きが鈍いからだったが気にはしていなく]
よく見える〜♪近くだと大きいのになんでここからだと小さいんだろ〜な〜♪
[首を何度かかしげながら、空を眺め、島を眺め、それを幾度か繰り返した。
そして翼を広げる。大きく、己の存在を誇示するように]
[咽喉の奥、低くくつりと笑いを響かせる]
有り得ない事など、有り得ない。…なんて、言っても分からないか。
その資格を誇るのは良いけどさ…って、おお、怖。
よほど、結界樹に閉じ込められなくちゃならないような表情デスヨ、おにーさん。
[揶揄う様な指摘を投げる]
漠然と、感じる…。
探す。
[発される声を、重く繰り返す。
目は、落ちた太陽の方へと流れ、糸のように細められてはいたがもはや笑みは示していなかった。]
とりあえずすっげーやべぇって事ですよね。
深入りするな、っても、この島に居る以上…ある程度は皆深入り、ですよね。
何か見つけたら、巫女さんに言ったら良いんですかねぇ?
スティーヴさんに言いますか?
[眉の中心に皺を刻みながら、勤めて明るい声を出した。]
[動く羽根に視線は誘われるも、
ゆるりと眼を伏せて淡い色彩を払う]
堕天尸。
いるにしても、今まで、巫女が捉え切れなかったもの。
自覚がなかったか、潜んでいたかは判らないけれど、
早々、目立つ行動を取るとは思えない。
人ひとりを密やかに消すには、労力がいるはずだから。
[真っ直ぐな眼差しを、女に向ける]
第一、それを言うならば、
目の前の貴女方が堕天尸でないという確証もない。
え、いやでも、あやめサンの言うことなら聞くと思うんだケド?
…あやめサンがけしかけたんじゃないってのは、ちょっと嬉しい所だけどね。
[調子付きかければ、敏感なラウルが気付かない筈もなく、隙を狙って頭を一撃。
血こそ出ないものの、やはり痛いものは痛い]
ラウルは自由だからねぇ。
気が乗らなけりゃ、アタシの言葉も聞きゃしないよ?
[アタシと同じく気まぐれだからね、と、さらりと付け加え]
……わざわざけしかけるまでもない、と思ってるだけさね。
[直後の声は一気に冷えたかも知れず]
[ 一瞬、瞬く。]
そう…でしたね。
私が「堕天尸」だという可能性も十分ありますか。
確かに、早々動くことはないでしょうしね。
[ 向けられた瞳を両の目で見つめ返す。]
では、エリカ殿。
1人を消すために、貴女ならどうされるでしょうか?
[ 奇特な質問を投げかける。]
[足を止めたジョエルの様子に、ほ、と息をついて]
兄さんがローディを大事に思ってるのは、みんな知ってるさ。
けど、兄さんは少しばかり背負い込みすぎ。
……兄さんが『虚』に堕ちたら、一番哀しむのはローディじゃないかねぇ?
[軽い口調になるよに努めつつ、さらり、こんな言葉を投げかけて]
[繰り返しに遠くを見る眼差しを戻し、青年を見る。
その細い目に今、笑みは見えない。]
……ああ、巫女が島を封鎖する程だ。
少なくとも一人で手に負えるものではないだろう。
…………そうだな、一番いいのは巫女に言う事だ。
俺では堕天尸を抑えられるか判らん。それでも、一人だけで動かれるよりいいが。
[明るい声とは裏腹の深い縦皺に、軽く拳を握り甲で肩を叩く。]
……日が暮れたな。行こうか。
巫女ならば、この馬鹿が堕ちたとしても、酷く哀しむだろうな。
[馬鹿と呼ぶ声は、変わらず冷たいが、その口調から激しさは消えている]
― 自宅前 ―
[老女の墓標の前に蜜柑の実を供え、祈りを捧げる]
ねえ、婆様……この島に、堕天尸がいるんだって……
あの巫女が言ってた……どうすればいい?
今の巫女に非があるわけじゃないけど……
……婆様が、こんな所で一人寂しく暮らすことになったこと、考えたら……
[唇を噛みしめて肩を震わせている]
[翼を広げてしばらく。何するかといえば]
平行平行〜♪じゃ、いってみよ〜♪
[忠告などほとんど聞いていないのに、これだけ覚えていた。
躊躇いなどもたず、高台より体を投げ出す。
飛ぶというよりも浮くことを意識して、翼は風を逃がすように傾けながら、羽ばたかせる。やっぱりうまくバランスは取れない。翼が一枚しかないほうに体が傾くが、下手に修正しようなどと努めずくるりと一回転することでバランスは保つ。
そして地面すれすれで、翼が前面に風を受けいれるように広げる。]
うれしがらせを言う
[おかしそうに哂うと、狐は二人をふたたび見た。
堕天尸についての言及には、ことばを挟まぬまま、狐の笑みをたたえて聞いている。]
島を封鎖して、「虚」に囚われた堕天尸を抑える。
…俺も、そこそこ体力とかには自信、ありますよ?
[拳で肩を力強く叩かれれば、少し眉を下げたまま口端は上げて笑って見せた。]
あ、待って下さいっ。
[それでも明るい声を出し、彼の後を追って小走りで追いついた]
……まあ、馬鹿だろうとなんだろうと。
それがあの子のいい所、だからねぇ。
[口調の変化に、多少は落ち着いたか、と安堵の笑みを掠めさせつつ、頷く。
でも、「馬鹿」の部分の否定はしなかった]
……難解な問いかけ。
[目をしばたかせた]
「消す」の定義にもよる。
文字通り、存在そのものを消してしまうのか、
それとも、痕跡が見つかっても良いのか。
生命を奪ったとしても器は残り、
生命を奪うこととて、抵抗があれば容易ではない。
[答えは出ず、思考に耽る]
いずれにせよ、私であれば――独力では、まず無理。
他の何かの力を借りるなり、利用するなりするか。
どうしたらいいのか、わかんないや。
……こうしてたら、全部終わるのかな?
ねえ、婆様のしてくれた昔のお話……みたいに
……破壊の使徒が、全部終わりにしてくれるの……かな?
[墓標の前で膝を抱えて丸くなる]
[詰め寄られることにも動じず、されど視線を外されれば背を向けた]
(自分を捨てても、守りたいものくらい、)
[思えど肩を竦めるだけで立ち去っていく。
あやめが気付けば、ての一つくらいは振り返したかもしれず。
その後に*バカ*呼ばわりされていたのは聞かなかった様子]
あは
わ、わわわわ…あはは〜
[試みは一旦上手くいく。
でもやっぱりバランスがとれない。片側は自然に浮くが、反対側は浮力が足りない。
結局堪えきれずに、少しして、体半面が地面に着くと、そのまま地面に横転、その勢いを殺すこともできず、そのまま吹っ飛ぶように横転を続け、これが村の近くだったら、騒ぎになるぐらい豪快に茂みに突っ込んだ。]
[ 顎に手をかけ言葉に耳を傾ける。]
成程、興味深いですね。
ですが……。
[ そこまで言って笑ってみせる。]
そこまで真剣に考えなくてよろしいですわよ。
かわいらしいですね、エリカ殿は。
なんとなくですが、貴女は堕天尸ではない気がします。
[ そう言って後ろのケイジに声をかけた。]
ケイジ様もそう思いませんか?
[ 同意を求めるよう、首を傾げる。]
……ん。
[肩へ舞い戻ってくるる、と鳴くラウルの声。
その事と、気配の遠のきからカルロスが立ち去ったのに気づいて、そちらを見やる]
……やぁれ、やれ。
[呑気に手を振る様子に、零れたのは呆れたようなため息]
アイツも何だって、あんな事になってんだか……。
[呟きつつ、相棒の柔らかな尾羽をくるり、指先に絡め取る]
さァねぇ。
[ロザリーの言葉に、狐はかんらとわらった。]
俺のようなのの方が、堕天尸みたいだと、あちらこちらで言われそうだが。
さてはて、どういうものやら。
[愉しむ響きのことば]
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