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─広場・大通り側─
[伸ばされたカヤの手は、ひょい、と上げた手で止めて。
ローザの言葉に、何事か思案するよに腕組みを]
プレゼント、なぁ。
姉さんの好みはわかんねぇし、贈りたいような女もいないし。
……あんま、縁ないかな、そっちでも。
まあ、うん。
何か、気が向いたら、ってコトで。
[わりと真剣に考えた。
母の事が話題に上がらなかったのは、恐らくは無意識のこと。
ちなみに、隼はちょっと楽しそうに、ローザを見ていたり]
ああ。
確かハンスさん、でしたか。
[胸元を握り締めたまま、声の主の名前を思い起こす。
笑顔が若干引き攣っていたのは、笑みを向けられた対象、行商人の所為では決してないのだが]
はっはっは。
若いうちは油物を多めに取ったほうがパワー出るんだぜ?
それに、男ならこんぐらい楽勝だろう?
ま。アタイは男じゃあねえけどな。
[笑いながら言う言葉は、一体誰を比較対象に言っているのか。
……答えは、一つしかないわけだが]
[ハルフェに対抗するローザに思わず笑いを零し
綺麗な硝子の瓶を取り上げた。
下から見ると8角形の瓶はその側面に切りこみが入り
光を映して、綺羅綺羅と光り、満足げにわらって。
ローズの言葉にアーベルを振り返り]
…姉ちゃんに何時もの迷惑代。
[思わず小さく付け加えた]
[ベティの返答は内にしまいこんで、先の答えには、そうね、と若干複雑そうな表情を浮かべたばかり。
ハンスの挨拶に、その場に留まる]
迷子探しを手伝っていてくれたのよ。
遊んでいたわけじゃないわ?
[昨日とはある意味逆の構図だとは気づかずに言う。
もっとも、構図は似ていても、やっていることは全く違うが]
[アーベルに止められた手はぺいっと横へ振られてから
ゲルダの言葉に、きょとーんと翠の眼を丸くする。]
え、えーっ?!
やっぱりゲルダは、変だ!変な女だ!
俺はそんなのじゃねぇぞ!
[言いながら、マフラーを口元まで引き上げ
帽子のつばを掴んで引き下げて、顔を隠してしまう。]
おう。
師匠さん。
アタイはレナーテってんだ。
何でも屋やってっから、ご用命のときはよろしくな。
[ハンスにいつも通りの名乗りをあげ、ベッティに向き直ると]
え?
師匠って言うからには、格闘技かなんかの師匠だろ?
[と、返し]
さて、次は何食うかなー。
[手をパンパンと払い、次の得物を捜し始めた]
―広場・露店側―
はは、別に荒事専門ではありませんから。
ベッティと共に旅回りの商人をしているハンスと言います。
どうぞよろしく。
[引き攣りかける顔をどうにか抑えながら]
[レナーテに名乗り頭を下げた]
[引き攣りかけた理由は当然大量の揚げ物だ]
[幾らなんでもその量はないと思った]
こういうときはお互い様ですよ。
[楽師に頭を下げられて、胸元を握っていた手を外し、ひらひらと振る。
同時に食事の様子が視界から外れ、若干楽になったようだ]
祭の目玉と言ってもいいですからね。お気持ちは分かります。
上手くいくことを祈りますよ。
……迷惑代、って。
あのな。
お前、俺を何だと……
[何だと思ってる、という突っ込みは、途中で途切れ。
ゲルダの言葉に顔を隠すカヤの様子に、きょとり、と瞬き一つ]
……なーに、反応しまくってんの、お前……。
[直後の声は、どこか呆れたような響きを帯びて]
[ハンスに名乗られると、やっと合点がいったというかのように手をポンと叩き]
あ。ああー。
なるほど。
丁稚と店主の関係か。
そういや、露店の客引きがどうとかさっきベッティが言ってたよな。
そうかそうか。そういうことか……おーい、そこのチョコバナナ5本くれー。
[言葉の最後に、露店店主に新たな品物を頼んだ]
[楽勝じゃないだろうと]
[そんなことを内心思いつつ]
[ライヒアルトの笑みが引き攣っているのも理解はできただろう]
そうだったのか。それは悪かった。
そういう事情なら仕方が無かったね。
[エルザの言葉にベッティと両方に向けて謝る]
[そうした行為は自分でもよくやること]
[構図はどこか似ていてもやはり強い立場にはならなかった]
……………ぼくには無理です。
[何故だか申し訳なさそうに、生物学上人間の雄であるところの彼は言った。
比較対象には思い至る余地もない。そもそも彼女の旅の連れを知りもしないのだから当然ではある。
同じように引き攣りかけた表情を垣間見せた行商人にシンパシーを感じつつ]
え…
まだ、食べるんですか。
[勿論後の剣士の発言には絶句するしかない]
お互い様ということは、今度はこちらもお礼をしないといけませんね。
[ライヒアルトの台詞に小さく笑い、振られた手に安堵を見せる。
安堵というより、内心は彼と同じ思いかもしれなかった。
食事的な意味で]
それでは報告と、練習ありますから、私はこれで失礼します。
[人形師の仔細を聞いておこうかとは思ったが、彼が取り計らってくれるならば、と結局聞かずにおいた]
―広場・露店側―
それは頼もしいですね。
何かあった時には是非お願いしますよ。
[レナーテの売り込みを受けて]
客引き?
そんなこと頼んでいたのか。
確かに目立つかもしれな……。
[更なる注文に思わず言葉を切ってしまった]
……間違いなく目立ちますよね。
[それとなく視線を逸らした]
…ゲルダさんに見習いたい所が増えた!!
あ、カヤを飾ってかわゆくさせる時があったら
お手伝いするー!
[そして見る目を養おう、と思ったようだ。]
お姉さんいるんだー…
[アーベルの言葉にはほうほうといった顔となり。香水を渡したいような女が居ないという様子には、カッコいいのにもったいない!と思っている]
サボリ魔あーべる!!!
[呆れたような響きに、なんだか更に血が顔に上って
手でマフラーだけ下ろし、目を吊り上げて]
別に、反応しまくったりしてねぇよ!
[ぐ、と、香水の瓶を握りしめた。]
うん。商人のお師匠さまだよ。
師匠、レナさんって凄いんだよ。歩合制で客引きもやってくれるんだってー。
……え、まだ食べるんだ。
[レナーテのお腹の辺りに視線を向け、ハンスの言葉に]
……あ、ううん。その後すぐにお店に行けばよかったんだしー。ごめんなさーい。
[エルザには視線と笑みでお礼を告げる]
小食な奴だなー。
男はもっとがっつり食べないと、いざってときにパワー出ないぜ?
[心底意外そうに言いながら、続けられた言葉にはきょとんとした顔で]
へ?
だって、まだテンプラしか食ってねえじゃん。
あんなの、ただの前菜だよ。
[言いながら2本目のチョコバナナをぱくり]
姉に迷惑をかける弟、じゃない?
[アーベルのカヤへの言葉にあっけらかんと返す
カヤの反応に対する言葉には、なぜかむぅ、とした顔で]
いいじゃない可愛い反応で
[それって何気に酷い追い討ち]
……お食事、ご一緒できずに申し訳ありません。
[見ているだけで、三日分は食べた気分になっている]
[目を逸らし――思い切り背け、納得の様子を見せるハンスに視線を止め]
ああ、そうだ。
ハンス、今、何処に泊まっているの?
ここだと大きいのは、フーゴーさんのところだけど。
[エルザの別れの言葉を聞くと、口の中に入ってたチョコバナナを急いで食べると]
おお。
んじゃ、またな。
今度会ったときにもまたメシでも食おうぜ。
ま。酒でもいいけど、あまり強くねえからほどほどに頼むぜ。
[手を振りながら、少しだけ苦笑。
強くないと言っているが比較対象が比較対象なので当てにはならない]
ん、ああ。
楽師やってる姉さんがいるんだ。
[ローザに一つ、頷いて答える。
内心、思われている事には気づく由もなく]
その態度のどーこが……って。
大声でサボり魔言うなっ!
[からかうよな言葉は途中で途切れ。
子供っぽい意地が頭をもたげて言い返す]
[ローザの言葉に苦笑いを浮かべつつ]
……まあ、長年の経験みたいなものだから、ローザもそのうちきっと、どういう香水がどういう人に合うかとか何となく分かるようになってくるよ
[そして、手伝うという言葉にはポンと手を打ち]
うん、その時はお願いしようかな
[カヤ本人の意思は置いてけぼり。これなんてカヤいぢめ]
……お前もお前で何言うかっ!
[ゲルダのあっけらかん、とした言葉に即突っ込みを入れつつ。
続いた言葉に、一つ、瞬き]
別に、可愛くない、とは言ってねぇだろうが。
[さらっと言った。
多分、他意はないが]
そんな。
…まあ、そうですね。何かあった折にはお願いするかも知れません。
[見えた安堵をどちらと捉えたかは彼のみぞ知る]
ええ、それではまた。
[楽師が去る気配を見せれば、小さく頭を下げて見送った。
視線を外すと映ったチョコバナナに、若干表情が崩れた]
[ハンスの言葉に、笑みを浮かべると]
ああ。任せてくれ。
期待には答えるよう頑張るよ。
たっぱあるから、客引き向きだしな。
[目立つの言葉を少しだけ履き違えたことを言い、次にベッティに目を向けると]
あはは。
考えてみれば分かることなのに、師匠=戦う人って思考が出来上がってたもんでな。
混乱させたら悪かったな。
メシはそりゃまあ、まだまだ序の口だしな。
[そこまで言うとふと気付いたようにハンスをもう一度見て]
ああ。そうだ、師匠さん。
メシに誘ったのはアタイのほうなんだから、それで怒ってやんねえでくれよな。
そん場合、悪いのはアタイなんだからよ。
歩合制か。
それなら悪くないかもしれないね。
ベッティ、組んでやってみるかい?
[乗り気らしい店員に尋ね]
もうそんな時間か。
ああ、今回は間に合ったからフーゴーさんの所だよ。
あそこなら食事も外れはないし。
[練習に戻るというエルザを見送ろうとして]
[問われるままに答えた]
ゲルダは、やっぱり変だ!
[人形使いの女に掴みかかろうと思うも
なんだかやっぱり出来なかったので
言い返したアーベルの方をくるっと向いて
掴みかかろうとジャンプしようとして、
続いた言葉に固まった。]
…〜〜〜っっっ!!!
[もうどうしていいか判らなくなったので
近くにいた、隼へと飛びかかった。猿のように。]
[チョコバナナを注視して]
ちょっと美味しそうだなー。
……お祭りに大食いコンテストがあったら、レナさん優勝間違いなしだね。
あ、エルさん、練習頑張ってねー。
[何か師匠と言葉を交わす様子のエルザに声をかけ]
まあ、そう力仕事もありませんから。
[最早剣士からは微妙に目が逸れている。
今幾ら消費されたか考えたくもないからである]
ぜ、前菜…
[そして返す言葉もない]
ええ。また、次の機会に。
[レナーテの苦笑しながらの台詞は、半ばしか信じていない。
別段、酒に弱いという程の事はないが、彼女に勝てる気はしなかった。
前菜云々の話題には触れぬが吉と思っている]
了解。あそこも人気だものね。
よかったら、そのうち家にも来て。
ベティちゃんも連れて。
もっとも、食事は外れかもしれないけどね。
[ハンスに向けるのは、笑みを含んだ声。
ベティの台詞に片手をひらりと振って、集団から離れていった]
おや、そんなお約束も。
[この食事に付き合うのは大変そうだと]
[一瞬そんなことを考えてもしまったが]
いえ、怒る気は最初からそれほど。
店を完全に放置したままというのなら少しまた違いますが。
俺もたまにやりますからね。
[怒らずにというレナーテに軽く首を横に振ってみせる]
そういう約束があるなら、その荷物も渡してくれ。
こっちだけじゃ商品が偏るし釣りにも困るんだ。
[ベッティに向けて左手を差し出した]
[行って来るといいよという意味を含めて]
[完全傍観者モードでまったりしていた隼にしてみれば、カヤのこの攻撃は予想外で。
反射的に、高く、空へと舞い上がる。
……避けたそっちはそれでいい訳だが]
て、ちょ、おまっ。
落ち着けって!
[標的がなくなったら、体勢は崩れるであろう事は想像に難くなく。
ふわり、周囲を巡る風の力も借りつつ、地面衝突だけは避けさせようと手を伸ばし]
楽師!!…へぇー…。
[こんなにカッコイイ弟を持つ、音楽家の女性!きっと美しいのに違いないと思えば、彼女が居ないらしいのにも頷けた。]
[ゲルダのアドバイスは真摯に受け止めている。]
何事も経験なの。たぶん…んーん、ですね!
はやくそういう風になりたいのー…。
…あ、それなら営業いっぱいしたほうがいいのかも!
…うん、やるときが楽しみー♪
[こちらも本人の意思は無視か]
[ベッティの言葉を聞くと、何故か憂鬱そうな表情で]
……そういうのがあると、何故かどこからともなく確実にうちの親父が出て来るんだよ。
勝てる気がしねえ。
[レナーテをしてそう言わしめるのだから、確実に人外の域に達している。
そして、ライヒアルトの言葉を聞くと、眉をしかめながら]
分かってねえなあ。
仕事だけじゃなく、人生において、いつどんなときにどんな力が必要になるか分からないじゃねえか。
そして、そういう場面に出くわしたときに、自分に力があるならどうにか出来るかもしれねえだろ?
アタイが言ってんのは、そういうことさ。
だから、日頃から多少なりとも鍛えておいたほうがいーんだよ……お。その鹿汁って旨そうだな。
おっちゃん。それ、とりあえず3杯くれ。
[言葉の最後に新たな獲物を定めて注文した]
……そうだな。
ベッティもたまにはそういう食事がしたいだろうし。
[一拍を置いてエルザに返す]
[立ち去る背中にに手を振り返しながら]
エルザの料理が外れるわけないだろう。
[小さく小さく呟いた][独り言のように]
あははー。レナさんって考え方まで武人なんだ。レナさんの師匠って、やっぱり……お父さんなのかな。
ううん、レナさん悪くないよ。それに大丈夫。師匠優しいから。ねっ?
[弁護してくれた彼女にも申し訳なく思いつつ、離れていくエルザに手を振り返して見送り]
修道士さん、昨日の壷は気に入っていただけましたか?
え、ちょ、避けんな…っ!!
[勿論簡単に避けられて、
力いっぱい飛びかかった少女はそのままお腹から落ちそうになったけれど
アーベルの手伸びてきて、途中で受け止められる。
首から下げた財布が飛び出して胸元で弾み
上着のポッケに入れた香水の瓶が飛び出さなかったのは幸い。]
…――ぁ、わ、その。
[礼も直ぐに出る事は無く。]
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