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あんまり人前じゃ吹かないみたいだけどな。
[音色の主がユリアンであることへの驚きにはそう返す]
俺も聞くのは久しぶりだし。
そのあたりのことはあまり聞いてないから。
[笛を奏でることに理由はあるのだろうけれど、憶測ではなにも言えず。
それだけ言うとその笛の音を*静かに聴いている*]
そう、なんだ。
きれい、な、おと。
[頼まれれば披露するカルメンとは違い、ユリアンは人前では吹かないと聞いて少し残念そうに言う。
今聞けたのは運が良かったかな、と思いつつ音色に耳を傾けた]
[一音一音記憶するように、カルメンは音を*聴き続ける*]
よかったね。
[カルメンの礼には小さく口元を緩めて言う]
でも、教会の人は、僕には信じられない。
[言えばゲルダはまた怒っただろうか。
それでも顔を背けたまま]
どうしても、今は特に。
ごめんなさい。
―2Fの一室―
遅くなってごめんなさいです。
[ダーヴィッドに言って、冷たい水を張った桶と、タオルを元通りに枕元に置く。
ブリジットの涙の跡を見て、ロミルダは眉を下げた]
新しい人が来てたですよ。
教会の人で、エーリさんて言ってたです。
[などとダーヴィッドに話していると、外から笛の音。
ロミルダはぱたぱたと窓際に寄って、外を見る]
ユーリにぃ?
[眼下に佇む人影に、少し意外そうにまばたき。
こないだの反省があるから、身を乗り出したりはしないけれど。
その傍に浮かぶ蓮の蕾の白い色も見えた]
[クロエの言葉が耳に入り]
いや、気にする事はないさ。
ところで、部屋は空きのところを自由に使ってよかったんだったね。
誰か案内してもらえるかな?
[少し遠くには、見張りの自衛団員も見える]
外には出られないですか…
陸、行きたかったです。
[しょんぼりとしたように、ロミルダは言った。
集会所近くの公衆浴場は開いているはずなのだけれど、人の出入りは少ない。
それが『人狼容疑者』のせいかも知れないなんて、ロミルダには分からないけど]
……。
[クロエに対して怒りを表に出すことはなかったものの、向ける眼差しの温度は低い。謝罪に何かしら反応を示すこともなく]
私でよければ、案内します。エリ先生。
[そう申し出て、2階へと誘導する。
ブリジットの眠る一室に差し掛かれば妊婦がいることを告げ、ついで、ここにいる面々の簡単な紹介も。
去り際にクロエが何事かを呟いた気がして振り向くも、何かはわからず、首を捻るだけだった**]
[ロミが一度部屋を出て行ったあと、手持ち無沙汰になり、荷物の中の商品の手入れを始めていたが。
ふと、身じろぎのような音に、ブリジットの顔を覗きこむ]
――…起きた……わけじゃないか。
[寝苦しそうにも見えるその様相に、静かに眉を顰め。
零されるものに、息を吐いた。
そっと、口許と眦を清潔な布で拭く]
ハハオヤ、か。
[8年越しの再会は済ませてきたが。
複雑な感情を滲ませつつ、また椅子に戻り、商品の手入れ]
ん、ロミちゃんおかえり。
ああ、新しい人来たんだ。…教会の。へぇ。
[扉の開く音に、手元の銀細工を下ろし、視線を上げた。
敵意も好意も無い、確認のために繰り返す言の葉。
エーリ、という名前を頭の中に、ただ留めた。
ロミが窓に駆け寄るのを見て、漸く笛の音に気付く]
…葦笛。やっぱり、ユーリか。
あいつ……。
[ふと、表情を曇らせたのは、綺麗な音の何処かに差異を感じ取ったためなのか。
ロミの後ろから窓に近付き、その下を覗く。
眼に入るのは、真白の蓮]
[ひょい、とロミの頭を撫でるのは、しょんぼりした様子が感じ取れたため]
ま、外に出れなくても、やれることはたくさんあるさ。
こんだけ人数が集まってるしね。
[殊更明るい声を紡ぎ、視線は外を眺めたまま。
見張りの自衛団員の姿を見たなら、ユリアンとの距離感を測る]
あいつ、絡まれなきゃいいけど。
…ちょーし、くるってんだろーにさ。
[こくんとうなずくけれど、表情は晴れない。
2人で窓の外を眺める]
ユーリにぃ、元気ないですか?
[上から聞こえた声に、心配そうな顔でダーヴィッドを見上げた]
なーんか、こう…。
[ロミの尋ねに、頭を掻く。
上手い言葉が見つからないらしい]
大丈夫だとは思うんだけどさ。
ちょっと見てくるかねぇ。
そろそろ誰かしらに交替頼んでも許されるだろうし。
[扉に手を掛けつつ、ロミはどうするか、尋ねるように首を傾げた]
─広間─
[しばらくの間流れ来る音色に耳を傾けていたけれど]
……ブ……?
[クロエが呟いた言葉が耳に入る。
しかし意味も分からなかったために首を傾げるだけとなり。
再び意識は音色へと戻る]
[首をかしげられて、一度ブリジットを振り返る。
少し考えるような間が空いて]
ロミも行くです。
[うなずいて、窓から離れた]
─集会場・外─
[見張り役らしい自衛団員がこちらを見ている事には気づいた様子もなく。
何かを振り切ろうとするかのように、音色を紡ぐ。
肩の鸚鵡はゆら、ゆらと音に合わせるように身体を揺らす。
ただ合わせるだけでなく、歌らしきものが紡がれているのは、風と音色に紛れていたが]
ん、じゃあ、少しだけ待っててね。
先に広間に行って、人呼んで来るから。
代わりの人が来たなら、そのまま直接外に来ると良いよ。
[とんとん、と音を立てて階下へ降り。
摘めるものと飲み物を準備していたローザに声を掛ける。
難しいようなら、ハインリヒかクロエに頼んだか。
集会場を出るとき、見えた自衛団員には礼儀正しく会釈をして、ちょっとした気晴らしである旨と、もう一人少女が来るだろうことを伝えた]
―二階客室―
[目が覚めた。頭が少々ぼーっとしているが、体の疲労感は抜けている。
あの後スプラッタな姿を整え、腕にも処置を整えて、もう少し自分の体で色々試してねたんだっけか]
ったく。ちょっとスプラッタだっただけなのに案だけ言われるとはなぁ…まあ。それが普通…なんだろけど
[ローザにはじまり、ダーヴィッド、ユリアンにロートス。ゲルダにロミルダ
怪しさも胡散臭さも満載にみえただろう。治療なんて言葉も浮かばなかったことでしょう。]
…ま、いっか。
[指一本で器用に針を回しつつ、そういえば傷口を縛ってた布はローザのスカートの裾だったっけかと今更ながら思いながら、外から流れる笛の音を聞いていた]
[集会場から出てきた人の気配に気づいたのは、鸚鵡が先。
小声の歌が途切れ、くるる、と短い鳴き声が上がる]
……ロートス?
[注意を促す時の鳴き方に、奏でる手が止まった]
はいです。
[ロミルダは返事をして、ブリジットの側に腰を降ろす。
そのまましばらく待って、代わりの人が来たなら、ぺこりと頭を下げて部屋を出た]
流石にロートスの方までは、誤魔化せなかったか。
もう少しくらい、聞いていたかった気もするんだがなぁ。
[苦笑を零しつつ、その横へと距離を詰め、脚を折る。
好んで纏う紅の色の服の裾が、ひらと揺れた]
おまえさ…、気分と機嫌と具合、どれが悪い?
[真顔で、何の装飾も無く問いかける]
[何かあったのか、と周囲を見回す。
最初に目に入ったのは、こちらにやって来る紅の姿]
……ダーヴ?
何だよ、いきなり……。
[真顔の問いの真意が掴めず、返したのは、問い]
───ん。
[ゆっくりと目を開いた先は、よく知らない場所だった。
それに気づいたとき、「ああ。またやっちゃったか」と胸中で呟き、上半身を起き上がらせる。
まだ鈍痛は続いていたが、耐えられないほどではない。
一度、大きく腹をさすりながら、小さく声をかける]
……大丈夫だから、怖がらないで。
私に何があっても、あなただけは絶対に守ってあげるから。
[穏やかに微笑みながら言うと、少しだけ痛みが治まってきたような気がしてきた]
ふふ、良い子。
さ、て、と。ノドが乾いたな。なんか飲むもの無いかな。
[新たな人間が来たことなんて知らずに、笛の音が止んだところでいつのまにか手馴れたように針をしまう]
さて。なにすっかなぁ。
[現状とりあえず集会所周囲よりは出られない。あいにくと手紙を外へ出す先もない。
仕事するほどの意欲もない……]
なら好きにするか
[荷袋を片手に己にあてがわれた部屋より出た]
―集会場・広間―
[外からの音に聞き入っていると、少し遠慮がちに掛けられる声]
ダーヴィッドか。
ブリジットの様子は?
[今は落ち着いている、との返事を貰えば小さく安堵の息を吐いて。
続く付き添いの交代の申し出に]
かまわないけど…お前は?
外…?
[ユリアンと自衛団員の様子を聞き立ち上がる]
わかった、ユリアンのほうは頼むな。
[ダーヴィッドがそのまま外に向かうのを見届けて二階へと向かう]
[ロミルダはそのまま階段を降り、外に出ようとしたけれど、ふと広間の椅子の横へ。
かばんの上に置いていた、赤と黒2色で描かれた絵本を腕に抱えてから、扉から外へと出て行く]
―二階・客室―
[二階のブリジットの部屋へと顔を出して、そこに居るロミルダに交代に来たと伝える。
ぺこりと頭を下げて下に向かう少女の代わりに、その椅子に腰掛けた]
[とはいえ、自分に出来ることはそうなくて。
見守るブリジットが目を開けるのに気がついて、驚かさぬように声を掛けた]
気がついたか?
何って、勘だけど?
…外れてるなら、それはそれで構わんのだが。
だが、しかし。
おまえは、そう変わってないからな。
音も含めて素直なんだよ。
[肩を竦め、柔く笑う]
なーんか、上手く言葉にならんけどさ。変な感じ、する。
─広間─
[階上を降りて来る足音が聞こえる。
音色を聞いて居てもそれを知るくらいの余裕はあって。
交代を頼むダーヴィッドの声とそれに応じるハインリヒの声を聞き、反応したのを示すように顔を少し動かした。
その後は扉の開閉の音が聞こえ、階上へ向かう足音を聞き。
そうしている間に聞こえて居た音色は止まっていた]
…お、しま、い。
ざん、ねん。
[音色を思い出しながら、胸元のオカリナへと触れた]
― → ブリジットのいる部屋―
[そっと扉を開ける。結局浮かんだのは一度顔を見ておこうという程度だった。我ながら面白みがないともいえるかもしれないが]
…ぁ。ハインリヒさん。ブリジットさんはどう?
[必要以上に騒がしくしないでいるつもりなために扉の外から声をかけたためブリジットが目を覚ましたのに気づいていない]
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