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[ハインリヒの提案に、しばし、言葉を無くした。
+αの要素も込みで、ほぼ同じ事を考えてただけに、とっさに次のリアクションが浮かばずに]
……まあ。
それはそれで、俺としても、一番安心できる、というか……うん。
[何か物言いが歯切れ悪いです]
学習能力がないなお前らは。
[じー、とハインを凝視したまま、手元はミハエルに向かって今度はクッションを投げつける。
連れ、の言葉に、ソファの肘掛と背もたれにがっつり凭れながら首をかしげ]
連れ?何だ、つまらん。
伴侶とか許嫁とかそういう色気のある単語は出てこんのかお前は。
それだから相変わらずお子様なのか、お前の見目は。
[明らかにこの人のほうが年下だなんて言ってはいけないのです。
ちょうどユリアンがポットを操っていたのが見えて紅茶を所望してみる]
つか戻れるなら戻ってもらえば良いんじゃね?
一定時間に一度しか使えない通路使わないで。
他の奴ら外に出した方が合理的だろう。
てかどーしたオトフリート。
[クレメンスの提案に返しつつ、オトフリートの歯切れの悪さに首を傾げた]
え、あ。
や、別、に?
[偶然なのだろうけれど、内心を見透かされたような気がして決まり悪い、とはさすがに言えず。
ハインリヒから何となく視線を逸らしてみたり]
[残像を残して飛来するクッション。
ぼふっ]
[ミハエルの頭が派手に仰け反った]
……外見に関しては、恐らく、界を移動した際の事故です。許婚と謂うほどの間柄ではありませんし、
……ところで、近頃、姫へ縁談が持ち上がっているとかいう噂を伺いましたが。
[話題の転換を試みたようだ]
[クレメンスの言葉に、紅茶を飲む手が止まり、
カップを机に置いて、二度と触らなかった]
[と見知らぬ女性に紅茶を注文されたので]
オバ……そこのお姉さん、
クレメンスさんがポットに入れたお湯でもいいなら、
紅茶入れるよ。ミルクティ?レモンティ?
[ヘルガに向かって聞いてみる。]
[私の心を代弁してくれたかのよなハイン殿に微かに頷き。
なれど、横から聞こえてきた神父殿の声にそちらへと顔を向ける]
……それ、は…
[どちらも心配で、どちらも大切で。
既に"繋がった"なれば、何も言わず無茶をしてきたは確実で。
この上、離れたなればどのよな事をなさるであろうかと。
心の魔の望むままの思考に、心を揺さぶられてゆく]
[こちらから視線を逸らすオトフリートに更に首を傾げる。が、問い詰める必要も無いと思い直し]
んで、どうすっか。
現状3名の名が挙がったわけだが。
[自分が挙げた二人に関しては、全体を見てのことだったためにオトフリートの心情なぞさっぱり分かっては居ない]
何だ、つまらんな。
許嫁でないならどんな間柄なんだ。
[ニヤニヤと性格の悪い笑みを浮かべていたが、急にこちらに向いた鋒先にあからさまに嫌そうな顔をした]
…この、耳年増め。
[声のトーンが下がってませんか。
っていうかドスが利いてませんか]
やれやれ、ユリアンは、疾風の子の割に、考え方が頑ですねえ、短い人生、少しは冒険もしなければ、少々面白味に欠けますよ?
[紅茶を置くユリアンの姿に、肩をすくめる]
[オバサン、と出かかった単語に、思わず包み隠さぬ殺気。
クレメンスが入れたというあたりが非常に胡散臭かったが]
レモンと蜂蜜。
[我儘言いすぎだ]
壁に耳在り、障子に目在りと申します。
万象に充つる精霊たちの口へ戸は立てられませんから。
[少し目を伏せた。失敗したかも知れない]
…ったく、こんな時ばっかり年上面かよ。
あーあー、やだねぇ。
[ぷりぷり不機嫌面でチョコレートをつまみ。
しばしもぐもぐしていたが]
別に、するつもりは今も今後もない。
自分よりもお前達がどうくっつくかを見ているほうが楽しいからな。
ちび影のドレス姿は、なかなか可愛いだろうしなぁ。
[矛先再び向け返して]
[空になったティーカップを片手に、すいと椅子から立ち上がり、ティーポットのあるテーブルに向かう途中で、聖獣の横を通り過ぎる]
『オトフリートには、あなたが必要だと思いますよ』
[他には聞こえぬように、心の魔の声で囁いた]
[なにやら、精霊周りは大変な事になっているなあ、とか他人事のよに思いつつ。
改めて、広間の中を見回す。
ただでさえ均衡の乱れているこの空間において、強すぎる力が危険なのは確かな事。
奇しくもセレスが零れ落ちた事、心魔がいる事で機鋼との均衡は保てている訳だが。
もう一方の強すぎる力……時空はと言うと。
現状、凄まじく過多なのは確かな訳で。
ここで、押さえを発揮できる天聖を外すのが危険なのもわかるのだが]
…………。
[……心情的な葛藤はあるようです。色々と]
[ヘルガの紅茶をいれつつ、クレメンスに苦い顔をし]
ただでさえ、短い人間の人生、クレメンスさんのせいで、
更に短くされちゃ、たまったものじゃないね。
[と、ぞくぞくぞくっと鈍いユリアンでも
はっきりわかる殺気に、思わず風のコントロールが
狂いそうになるのをなんとか堪えた]
蜂蜜はないから、砂糖で我慢してくれ。
怒るなら用意しなかった館の主人に怒ってくれ。
[砂糖と紅茶のカップをヘルガの前にそろり降ろそうとして]
――うわっ!!
[思わずユリアンは両手で自分の耳を押さえ、
風のコントロールを失ったカップはガチャンと乱暴な音を立てた。
カップが割れず、ぎりぎり紅茶もこぼれなかったのは物凄く幸運]
…ああ、ここにはないのか。
後で覚えてたらキッチンから持ってくるかー…。
さすがにそこまでわがままは言わんよ。
[ひょい、と口にチョコレートを放り込んだ。
が。
目の前で派手な音を立てるティーセットに、さすがに僅かではあるが驚く。
風の力が集まっているのはわかっていたので、思わずハインリヒを睨む。
物の役にも立たないとか言いたそうにじとー。
ユリアンは、紅茶をいれてもらった音があるので今回は無罪らしい]
さ、さあ、如何なものでしょう。
……未だ人間界に於いて根も張らず過ごしている身ですから。
[ヘルガから思いっきり目を逸らした。]
[悩んでるオトフリートに]
…場の均衡を取るなら時空王、ちまっ子を考えるならナタ・リェ、オトフリート他の精神状態を考えるなら黒いおっさん。
どれを優先するか迷ってんのか?
お前さんに全てを決断しろとは言わねぇが、送るとなれば誰か選ばにゃならん。
ああ、もう一つ選択肢はあるか。
その3人を残して別の奴を送る、ってのが。
空間の安定が保たれてる今だけ出来ることかも知れんがね。
[とか言ってるとヘルガからまた睨まれる]
なっ、俺なんもしてねーだろ!!
[それが原因かもしれない]
[しばらく苦悶の表情で耳を押さえていたが、
少し時が経ってから、そろりその手を外した]
あ、お姉さん。ごめんなさい。
紅茶かかっって火傷とかしなかった?
[さっきの殺気の件もあり、恐る恐る尋ねる]
ほう?
じゃあ、どことなり根が張れたらそのうちちび影のドレス姿も見れると。
やー、楽しみ楽しみ。
[かか、と呑気に笑う姿はまさに悪代官。
何にもしてないと騒ぐ男にあきれたようにぼやく]
…何もしてないからだ、この無能。
[さっくり]
ああ、大丈夫だ。
[妙に腰の低い少年に少しきょとんとして首をひねるが、実際特にやけども何もなかったらしい]
すまんな。
[紅茶を入れてもらった礼を素直にして、少し冷ましてから一口]
[きゅい?]
[彼の肩に上り首を傾げる魔獣]
……、…。
[気怠けさは三対の一つが無きが故か]
[余り動く気も起きず、]
[されど何時までも此処に居る訳にも行かず]
[ハインリヒの言葉に、掠めるのは、苦笑]
どれも一長一短……なんだよな。
それに、心情的に誰かの安全や安定を……って考え出したら、それこそ全員バラけちまうだろうし。
[ごく軽い口調で言いつつ、ひょい、と立ち上がる]
……ちょいと、頭、冷やしてみるよ。
考えすぎて、少し煮詰まってきた。
[言いつつ、近づくのは窓の方]
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