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確かに、そりゃそうだろうけど。
[二人の仲の良さは、傍目にもはっきりわかるほどのもので。
しかし、だからこそ]
……絆の力が強いからこそ、呼び込まれてしまう事もある。
今のレベッカさんは、ニーナや他のみんなを心配する気持ちが先走ってるから、そういう意味、危険かも知れない。
[押し止める言葉が妙に真剣なのは。
多分、古い記憶が引っかかるからだろうか。
今と状況は違うものの、想いの強さ故に、異なる世界へ呼び込まれそうになった過去の]
[レベッカを説得しようとするハーヴェイの言葉に頷いて]
そう、ですね…
それに、こんな言い方も可笑しいですが…ヴィンセントさんは強い魂をお持ちに見える。
[じっとヴィンセントの瞳を見つめた]
うまくいくかどうかは判りませんが、試してみてもらえますか?
レベッカさん、何を…!
[レベッカの申し出に、驚いたように振り返る]
いけません、貴方はまだ本調子ではないのですから。
魂と身体が離れれば、残された身体は段々と弱っていくでしょう。
例え失敗しても時間を稼げる私の方が…。
[息を吐き、興奮を収めて]
…それに、危険と判っている事に、女性を巻き込みたくはないものですよ。まして好意を持っている相手ならば。
[最後は少し小さな声になったろうか]
……《DOLL》、…人形?
[少年の奥から響く笑い声に、僅かに青を細め、見やる。]
未完成って、何?
ラッセルくんとは、違うの?
[訳が判らないと言う様に、問いを、重ね]
[魂のあつまる気配。ぼんやりと白く。]
シャーロット。
[どうしてだろう。
ヴィンセントの鞄に目がひきつけられて、離せなくて]
……そうは見えない、けれど。
[同じように眉を顰めつつポーチを漁り、]
甘いの、
食べたら、
元気になる?
[前のお礼もあるからと、
ゼリービーンズを差し出して。]
[絶句しているレベッカの様子には、やれやれ、と息を吐いて]
……失敗想定で考えるのは、どうかと思うが……?
[コーネリアスの呟きに、ぼそりと突っ込みを]
ハーヴェイくんの言う通りですよ。
貴女は今、弱っている上にとても心を砕いている。
やはり私の方が適任でしょう。
ええ、コーネリアスさん。私からお願いします。
[茶色のレンズを挟み強くコーネリアスを見つめ返した]
えっと…ヴィ…ヴィンセントさん?
あの、お気持ちは嬉しい…のですが…でも、やっぱり、その、絆の強さが、というお話でしたら…
あ、でも、その…あの…。
[俯いてごにょごにょ呟いていると、コーネリアスの言葉が耳に入り]
失敗したら…?!
それは…だめよ。それならやっぱり私のほうがいいわ。
そうですね。
[ハーヴェイの言葉にすみません、と謝る]
では…少しでも成功の確率を上げるために、お二人の力も貸して頂けますか?
[ハーヴェイとレベッカの顔を見つめて言う]
ヴィンセントさんの魂が無事にニーナさんの魂に出会えるように、願って頂きたいんです。
そういう意志の力は魂の力を強めますから。
…。そう。
貴方の事を、ラッセル君は、気付いて無いんですね。
──あれだけの抜け殻を操って、
なのに、身体を与えてもらえないなんて。
[滑稽な話。小さく呟きながら、一歩後ずさる。
丁度良い、だなんて。彼の身体とこの「人」は、とても似合わないのに。]
そこまでして、その身体を手に入れて。
……貴方も、「永遠」を求めてるんですか?
意思の力は……ね。
確かに、それは一理あるな。
[コーネリアスの言葉に、小さく呟く]
……と、言うか。
改めて言われるまでもなく、俺はずっと願ってるよ。
消えたみんなが、ちゃんと帰って来る事を……ね。
[言いつつ、肩の黒猫をそう、と撫でる]
……いきなり誰かがいなくなるのは、楽しい事じゃない。
親しんでいたものなら、尚更……な。
[コーネリアスの言葉には、少しあきらめの表情をしながら頷いた]
わかったわ。
どっちも戻ってこれるように、祈る。
アーヴァインさんも…かしら?
見えない・・・・か。
[如何説明したものかと、困ったように。妙なことだと混乱させてしまうかも知れない。]
有難う。
うん、そうかも知れないね。
[少し瞬いて、差し出されるゼリービーンズを受け取る。]
アーヴァインさんのことは…ラッセルさんに願ってもらった方が確実かもしれませんけどね。
会うことがあったらお願いしておいて貰えますか?
[レベッカの言葉に、真顔で答えた]
[レベッカから少し視線をずらしたままで]
ここまで言っておいて、はいそうですかと交代出来るほど私は恥知らずではありませんよ。
それに、医者の言う事はちゃんと聞かないと。早く良くなっていただきたいですからね。
[柔らかい笑みを見せて、コーネリアスの言葉に頷く]
そうですね、祈っていただければ頑張れるかもしれません。
ヴィンセントさん。今夜は、早めに宿で眠ってください。
眠りが深い方が魂は離れやすくなります。
こうなると、私とあなたが同じ宿に泊まっているのも、なにかの奇縁のように思えますね……
形見って、貴方――。
[手を振り上げて、平手で打ち叩こうとするも、その手は届かずに。
唇をかみ締めると、姿はその場で霧散した]
どこかで、休んだりしなくて、へいき?
家、帰るとか。
[きちんと受け取られたのに安心したけれど、
やはり具合がいいようには見えなくて。]
[取りあえず、まとまったらしい話に、一つ息を吐いて]
……取りあえず、人数が多い方がいいって事なら、リックにも知らせてくるよ。
さっきの話題の妖精さんも気になるしね。
[そっちは任せたから、と言いつつ。
少年の姿を捜して、その場を離れて]
[ハーヴェイの言葉に、何度も頷きながらコーネリアスの言葉にもうなずく。]
えぇ、えぇ。勿論。
あったら、というか伝える為に探しにいってもいいわ。
[言った所で立ち去るハーヴェイに、手をふった]
──今度は、エッタちゃんにまで、手を出すのね。
[魂を響かせる、聞覚えのある声に、緩く瞬いた。
止められるものなら止めたいけれど。
魂だけのこの姿では、叶わないことは痛いほど判っている。
きゅと、唇を噛締めて。]
…例え造られたとはいっても、折角生きているのに。
──自由も知らない。可哀想な人ね。
[真直ぐに、赤い髪を持つ青年へ視線を向ける。
ただ一言紡ぐと、返事が返るより先に*その姿は虚空へと消えて*]
[コーネリアスの言葉に、ひらり、と後ろ手に手を振って、人の流れる方へ。
サーカスの空気はやはり、感覚にあわないのか、ざわつくような感触が消えない]
……どうにも、なあ……。
[何となく呟きつつ、歩みを進め。
注意を喚起するような黒猫の声に足を止めれば、人群れから離れた少年の姿が目に入るだろうか]
ああ、いたいた……。
って、どうかした?
わかりました。
眠りが深いほうがいいなら、薬を飲んでおきましょう。
夢も見ずに眠れるでしょうね。
[奇縁という言葉に頷いて、小さく笑う]
まったくです。
とは言っても、この町を訪ねる人たちは皆あの宿に泊まるようですがね。
はい、よろしく御願いします。
[レベッカの様子には僅かに苦笑らしきものが過ったか。]
それじゃあ、私はこれからまたショーの手伝いがありますから…ヴィンセントさん、後ほど宿でお会いしましょう。
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