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─宿屋/食堂─
何かを得るということは、何かを代償に払うということだから。
クロエさんが払った代償が、君の求める何かの為になるといいね。
[ぎこちない声と、傾ぐ首の相手に、妻に背を撫でられながら、謎かけのように謂う。はっきりと何について述べないのは、ブリジットの死の場面であるからか、男に全てを喋る余裕がないからか……はたまた。]
私は、大丈夫だよ。
逆に女の子に向かわせる方が問題だったと思うし。
[カルメンと入れ替わる様に現れたゲルダに、ふるふるっと首を振って]
うん。じゃあ、ご飯食べようかな。
[やっと妻に視線を戻すと、彼女を安堵させるように微笑んだ。]
[アーベル>>238に待てと言われ瞬く]
――…あ?
品行方正な修道士相手なら
告解したりするんじゃないかとだな。
[至極真面目な顔でそんな事を言った]
そ、だな。
やれる事、か……。
[思案げに眉を寄せて]
あ、先ずはゼルギウス探して診なけりゃな。
イレーネの奴心配性だから……なぁ……。
あいつ風邪でもひいてなきゃいいんだけど。
[寝ただけの事なのに大騒ぎしていた彼女の名を紡ぎ
苦い笑みを浮かべながら青年は食堂へと向かう]
…イレーネさん一人の身体ではないからね
無理ないようにしてほしいのだよ
[クロエがイレーネを気遣うのに対してそう添えて。
周りが摩耗していくのを感じ取りながら、近くの椅子に座り。]
―宿屋・厨房―
[料理の準備をしながら]
心配かけたくないんじゃなかったのか……
[ぽつりと呟き、用意をするのは二日間たべていなかったという彼のために胃にやさしいものをと。
少し長めに煮込んだコーンスープと三つ葉と卵のおかゆを多めにつくり。
調理のこともあり食堂に顔を出すのは少し遅れてのこと]
他の皆もいるか?
[ゼルギウスにさらに盛ったそれを差し出し、その場にいる皆にもそう尋ねた]
……っと、カルメンさん。
[上がってきた女性の姿に気づくと、名を呼んで]
や、そーなりゃいいけど、なぁ。
[瞬くライヒアルトに、なんとなくぐったりしたものの。
ゼルギウスを診る、という話に、そーだな、と頷いて]
……兄貴倒れると、色々と連鎖が危険だし、な。
[予測通りであれば、というのは今は考えずに。
個としての気持ちで、こう呟いた]
―宿屋 ニ階―
[ゲルダとは丁度入れ違う形になっただろうか、掛け寄る彼女に向ける微笑みはぎこちないものになった。
こちらを振り向いたユリアンとアーベルの声に気づいて、漸くその場の者に会釈のみの挨拶を]
……ええ、つい先程。
[ユリアンに肯定を返す。
ブリジットの部屋と言われた場所を見、短い黙祷を捧げた]
一人の身体じゃないってのが、ゼルギウスさんにも当てはまるんだったね、今は。
[下へと向かうライヒアルトに、よろしくと一声かけた]
ゼル兄…?
…うん。そう、だね。
[イレーネからスープを頼まれればわかった、と微笑み。
ゼルギウスの言葉には、彼の真意が解らぬもののこちらを気遣ってくれているのだろうとは思ったので頷いた。
ベッティが用意したコーンスープをイレーネに出し、他にも要るならばと皿を出したりするか。]
─宿屋/食堂─
イレーネも、ちゃんと食べなきゃ駄目だよ。
[そう謂えば、サンドウィッチは1つ食べた気がすると、今更思い出しながら、心配されていた夫は、心配する側にまわる。]
わわっ、おいしそうだね、ありがとう。
[べッティから差し出される料理に、無邪気な貌で礼を告げ]
――……あの鷹さん、おかゆ食べたりするのかな?
[ふと視線あった蒼鷹に、スプーンにおかゆを掬って差し出してみたり。]
―宿屋食堂―
[目的の人物・ゼルギウスはイレーネと共に居た。
ごろごろうねうねな状態を見ていないから
倒れるほどではないらしい事に、は、と息を漏らす]
ゼルギウス。
何か私に言いたい事はないか?
[じ、と深緑が紅へと向けられる。
イレーネの手前此処で問い詰める事はしないが]
[カルメンに頷き、その仕草を見ると同じように瞑目した]
……ごめんね。
[その死を悼むよりも先に今を、これからをどうにかしようとばかり考えてしまって。薄情だなと自嘲が浮かぶ。
ラヴクラフトさん、ではなく、ジットちゃんに。
呪の対象に彼女を選ばなかったことも少しだけ含めて]
ライ兄。
…ライ兄も、何かお腹に入れた方が良いよ。
スープついでこようか?
あ…ベル兄達は、まだ…ブリジットのところ?
[ライヒアルトが階下に降りてきたのを見ればそう声をかけ。
階上に居る者達は降りてこないのかと問いかけた。]
―宿屋食堂―
――…お。気が利くな。
お言葉に甘えて私も頂こうか。
[クロエ>>259にこくと頷いて]
アーベルは、うん、まだ上だ。
そのうち揃って来るんじゃねぇかな。
─宿屋/食堂─
うっ……―――
[と、鷹に差し出すスプーンに影が重なった。
かかる言葉に紅を上げれば、深緑がじっとこちらを見ている。
一瞬たじろぐも、診察されれば、彼にはばれてしまうところもあり、紅がうろっと彷徨った。
助けを求めた鷹は、無情にも首を横に振っていた。]
あ〜……―――
[観念したゼルギウスは、こそっとライヒアルトの耳元に唇を寄せて、「内服薬の痛みどめが欲しいな、なんて」とごにょごにょ。]
なんてか、大変な状況だけど、
皆飯食ったり、体調管理はしっかりしとけよ。
[それは皆を気遣うように]
うちで餓死したとか、病気なったとか、悪いうわさにしかなんねぇんだからな。
[自分は暗い様子を見せないようにと、笑いはしなかったが、ため息混じりに軽口のようにそういい、
すでにそんなの抜きにしてこの宿屋は最悪の状況なのだろうが、
それを突っ込むものがいたかどうか]
─宿屋 二階廊下─
[目を開き。
ユリアンの謝罪が聞こえて、ちらと目を遣った]
……ええ、今更だけど、長引きそうだから。
何処の部屋が空いているか、分かります?
[アーベルの言葉に答えてから、質問を返す]
[カルメンを見送りぽやんとした様子で辺りのやり取りを聞いていた。
階下へこない人達を想い、ふと二階を見渡す。
そうして、ライヒアルトが降りて来ると視線だけで礼をして
何をするでもなく其のまま俯き。]
―宿屋食堂―
[ゼルギウスの反応>>262から懸念が確信へと変わってゆく。
耳打ちされれば表情を変えぬまま頷いた]
分かった。
[返す言葉は一つのみ。
耳打ちした時点で何かあるのだとばれそうなものだが
隠したいというのは察せられたから
出来る限りいつもどおりを心掛ける。
小言なら山ほど言いたい気分だが其れも言えない]
冷める前に食べちまえよ、それ。
[しっかり食べるのを見張る心算でそう紡いだ]
気が利くって…私はベッティが作ってくれたの持ってくるだけだし。
お礼はベッティに言ってね。
[ライヒアルトにスープを出しながらそう言って。
続いた言葉には、そう…と案じるように階上に視線を向けた。]
…ベッティも。
皆にご飯すすめてばかりで、自分はちゃんと食べてる?
ベッティが倒れちゃったら誰が小父さんの留守を守るの。
[アーベルが居るのはあえて触れず、彼女の分のスープを有無を言わさずよそってきて。
ゲルダと自分の分も用意して、一緒に食べよ?と声をかけた。]
─ 宿屋/食堂 ─
…僕はどうしようかな
[物を口にしたと云えば昨夜のクッキー位かもしれない。
ただ、手をつける気にはならなくて独り言ちになるけれど。]
ねぇ、イレーネさん
[思い立ったように彼女へ言の葉を向け、]
もう一度御腹の子に触れても…構わないかい?
[子に向ける眼差しは母の様な表情だと娘は想い。
勿論、断られる事も承知しているのだけど。]
─宿屋 二階廊下─
いいえ、大丈夫。
[アーベルの申し出には首を横に振った。
もう少し前であれば、お願いしていたのかもしれないけれど]
場所だけ、教えてもらえる?
―宿屋 食堂―
[スープを一口、二口啜った所でゲルダから声がかかり食事の手を止め。]
ええ、どうぞ。
[そう言い、触れやすいよう彼女の方を向いた。
同時に向ける笑みは、腹の子を思ってか穏やかなもの。]
─ →宿屋・食堂─
[食堂へと降りると、先程話題に上がっていたゼルギウスも居るのが確認出来て。
ライヒアルトと内緒話をしているらしいところを見て、やはり体調を崩していたのかと結論付ける]
[次いで翡翠が向けられるのはゲルダ。
先程は声を掛けられなかったために、大丈夫かと心配げに見詰めた]
そしたら、アーベルが残る理由になってちょうどいいんじゃないか。
[冗談とも本気ともつかないそんな言葉を返してから]
皆が見てないところでちゃんと食べてるぞ。
私は店主、皆は客だからな、今はな。
[そうクロエにいいながらもスープを用意されれば]
クロっちにはかなわないな。
[そう、なんとか笑いかけて、スープに口をつけた]
―宿屋食堂―
嗚呼、作ったのはベッティか。
けど持ってきて呉れたのはお前さんだからな。
クロエもベッティもありがと。
[スープを受け取ればクロエとベッティに感謝し
それから、主に感謝の祈りを捧げる。
匙を取り口に運べばあたたかさが広がった。
僅かではあるがほっとしたように表情が緩む]
あ、わ、ごめんね
ご飯終わった後でも―――構わないのだよ
[食事を中断させてしまったと想うと申し訳ない貌をして
娘はそのまま、終わるまで待つような態。]
―――…なんだかね、
僕も可愛い赤ちゃん欲しいなって想って
[言の葉はごく普通に紡がれる。
考えもない、ただ感じたことを口にしたのみである。
そうして、ミハエルも下りてくるようならば
心配そうに見詰めてきた眼差しにゆるく微笑を湛えたのであった。]
―宿屋・二階廊下―
[瞑目して想いはブリジットに向けていたから、視線はどちらも気がつけないまま]
俺は、もう少しだけ。
[アーベルとカルメンの遣り取りを聞く。
カルメンが部屋に入ってしまったら、彼に誰か見つけたか聞こうと思ってその場に留まった]
─宿屋/食堂─
[伝えた一言で状況は伝わってしまうあたり、流石ライヒアルトだと思いながら、横目で妻の様子を伺いつつたじたじとする。
後が怖いと思いながらも]
ん。そうする。
[うながされて、鷹の為に差し出したままだったスプーンを口に運ぶ。
そうしながら、視線は妻の腹に触れるゲルダの様子を映す。
ふわり――浮かぶのは自然に笑み。
まだ、もう少し、死ねないと……――そう、思った。]
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