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[機械犬がナニカに気付いたように、入ってきた女の子に向かって「わふ」っと吠えた。
この場に人がいたら何もいない方向に向かって吠えた機械犬を不思議に思っただろう]
[舐めても舐めてもあふれてくるあまい血]
[涙が頬を伝うだろうか]
[それでも][頭を撫でる弱い手に]
[微笑が浮かんで][消えて]
[そのあまい液体をあきらめて]
[そっと首筋に][顔をうずめて]
[やさしく、口付ける]
[甘く]
[別れを惜しむように]
エーリッヒ……ごめんなさい
[そして、口唇を、赤い、血の色の唇で、]
[そっと][ふさいだ]
…呼ばれた?
[誰に、なんと呼ばれていたのか想像はできたけれど]
[それでも手を離すことなど出来なくて]
えぇ、ずっと…ずっと一緒よ?
一緒に行きましょう…遠くへ…
[一緒に居れば守れるかも知れない]
[誰を? 誰から?]
[自分にはわからなかったけれど]
[なんで謝るんだよ、と。
声に出して問う事はできなかった。
声が出ないから。
そして、唇が塞がれたから。
伝わるのは、自分の血の味なのだと、ぼんやりした意識が認識する。
それでも。
それが不快かと言うとそんな事はなくて。
心地良さすら、今は、感じられた]
[犬のようなモノの鳴き声に、首を小さく傾げる]
[遠くから聞こえた銃声に重なり、その音は蹲る男には届かない]
[とて、とて、と――足音はしないけれど、そんな感じで近づいて。
機械のイキモノに触れようとした手は、すり抜けた。
それを挟んで、黄金の髪の少女の隣に座る形になる]
寒いの?
[対象的な、銀色の髪がさらりと揺れた]
『あおが、きえた』
[そんな言葉が頭をよぎり]
[そもそも『蒼』とは何か、少女は知らないのだけど]
[機械犬の鳴き声に顔を上げた少女は一人の女の子と目が合う]
うん、寒いの。とても。
あなた、だあれ?……イレーネさん?
[少女の知ってるイレーネとは姿形がまったく違うけど。
なんとなくそんな気がして少女は呼び掛けた]
[舌先を差し入れて][甘く]
[せめて苦痛を、少しでも楽にしてやれるように]
[それならば殺してしまえばいいのに]
[どうしても][それが][できなくて]
[苦しめることになるとわかっているのに]
[口唇を離せば、肌蹴た胸元に唇を寄せて]
[先ほど噛み切った、そこに]
[再び舌を這わせて]
[長い、爪が] [精神が]
[そっと] [狂っていく]
[頬を撫でる] [月が遠い]
冷気に凝り付いた土の下、元ザムエルだった物体は隠された。
春になる頃まではその原型を留め、夏になるまでには消え去るだろう。 その身は大地の恵みとなる。
全ては巡る。
時が環を成すように。
そうなんだ。
[私は何も感じないのに、と不思議そうに]
[名前を呼ばれ、目を瞬かせる]
うん。
イレーネ。
イレーネ=ニヒトヴァイス。
[自分はこの子を知っていただろうか]
[知っているような気がする][知らないような気もする]
[はあ、と。
嘆息とも吐息ともつかない息が一つ、こぼれて。
蒼の花に由来する痛みは、もう、ほとんど残っていない。
あるのは、それが裂かれた痛み。
でも、それはよろこびを伴っていたもの。
だから、厭う事はなく]
……あつい……。
[代わりに、酷く感じている事が。
ぽつり、と。声になってこぼれた]
─二階・エルザの部屋─
自衛団のひとたち…
[それは集会場に呼ばれた人達の大半が]
[半分強制的に連れられてきた訳で]
遠く…?
エルザいるなら、どこだっていい
[わらって]
―居間・身上書のボード前―
[ふる、と頭を振ってその考えを追い払う]
…見に行こう。
[彼の部屋が何処かなんて知らなかったけれど]
[妙な胸騒ぎが。
それの疼きが。
二階へと、足を――]
[遠く、銃声が聞こえた。
二階へ上がりかけた足は止まり、窓の向こうを見る]
[明るい室内ではガラスには自分の姿が映るばかりで、何も見えない]
土の下より何かが立ち上る。
肉体という檻を放たれた活動体。 活力の供給を絶たれ、ただ消滅を待つだけのそれは、弔いを行ったのがユリアンである事を感知し、感謝の意を表した。
あれからどうなったのだろうか。
何も出来ない身でありながらも、知りたいという思いだけが思念を引き寄せる。
定まりのない形のまま、漂い始めた。
[声が届く][爪は細心の注意で頬をやさしく撫でたまま]
[再び、口付けて]
痛くはないですか?
[耳元で囁いて] [そんなはずもないのに]
[そっと][無理やり奪った蒼の花の咲いていた場所を]
[反対の手の爪で撫でて]
[痛いだろう][思いながら]
[微笑みは][いつもと同じようで]
[そのまま、服を、しっかり広げる]
[心臓の上に、くちづける]
あぁ…彼ら、が…
[つまりはやはりそういうことで]
[その中にブリジットが居たのは、昔の出来事のせいなのだろうけど]
[だからこそ、ここに居てはいけない、と]
ええ、遠くへ。
ここを出ましょう、ブリジット。
一緒に旅をするの。楽しいわよ?
[そう言って、笑いかける]
[投げられた問い。
声が上手く出せないから、頷いて答えた。
蒼の花のあった所が激しく疼いているけれど。
そこにあるのは、痛みと言うより熱さで。
それなら、耐えられるから。
大丈夫だから。
そんな思いを込めて。
ただ、微笑む。
滴り落ちる真紅が。
少しずつ。
少しずつ。
元から僅かだった時間を削って行くけれど。
ただ、笑んで]
−集会所、外−
[周りの家々には光はなく、ただ、その建物にだけ、灯る明かり。
二階のいくつかの窓だけが、外へと光を漏らしている。
…居る。
そう、確信めいた予感。
背中を丸めることもなく、玄関からずかずかと上がりこむ。
足の向く先は階段。]
[うなずく様子を見て]
[泣き出しそうに] [――否もう泣いているか?]
[だんだん広がってゆくあか]
[あまいにおい]
[口付けた場所で、脈打つおと]
[ここを貫けば][おわる]
[いなくなってしまう]
[それでも] [くるしませたくないならば]
さようなら、エーリッヒ
[微笑みと声は][うまくのぼっただろうか]
[分からないけれど]
[そこを][鋭い爪で][無理やりに]
[ 貫 い た ]
ハインリヒ?
[殆ど会話らしい会話なんて交わしたことのない相手だったけど、それでも様子がおかしいと思って]
[声を投げる。
届くかはわからなかったけど]
[立ち止まる自分を追い越した彼の背に]
[貫かれた衝撃。
それは鋭かったけど。
それでも。
それで。
望みは叶ったから]
………………。
[声はやっぱりでなかったから。
ただ、笑んで。
目を閉じた]
[小首を傾げる様子に、そっと微笑んで]
そう、旅に…
一緒にいろんな所に行って、歌を歌って…
ね?楽しそうじゃない?
[真似るように小首を傾げて]
[それが夢のような話とは思っていたけれども]
[いのちをくらう]
[その笑みを見て]
[安心させるように][あかにまみれて][ほほえんで]
[ああ、何か音が聞こえる]
[ふりむいて]
[ふたりに、微笑んで]
[頬を伝うものに気づくはずもなく]
[腕の下で止まった幼馴染に]
[もう一度、口付けた]
[あかいしんぞうを、抱えたままで]
[その話を聞くと、ぱぁと頬を紅潮させた]
うん!
うん、うん…行く…行こう……行こう、エルザ
[ブリジットはそれが夢のような話だとは思っていない]
[エルザを信じている]
抗えなかった……
そう、かもしれません。そうでないのかもしれません
私は
[ハインリヒの言葉に、小さく微笑んだ]
私は、エーリッヒを
イレーネを、たべたかった・・・
[ハインリヒの背で上手くは見えなかったけれど]
[血の臭いと]
[オトフリートの纏うあかだけは]
[いやに、はっきりと目に映った]
[つめたい感覚]
[なにも感じないはずなのに]
闇に溶けていく ほのお
光を喪っていく いのち
等しく訪れる 死 死 死
抗う こと は 赦 され ない
[途切れ途切れ][うたうような][囁き声]
[だからブリジットは立ち上がると、エルザの手をとった]
[早く早くとせかすように]
[今にも部屋から外に飛び出してしまいそうだった]
[その手は、腰のホルスターへと伸びる。
銀の弾の込められた、現役時代から愛用していた銃。]
もう後戻りできねぇんだろ?
繋ぎ止めるものすら、自らの手で壊しちまって。
[ゆっくりと、それを抜き、銃口を向ける。]
[――また、死んだ]
[知覚した瞬間、血の気が一気に引く]
[それを無理矢理押し止めたのは]
…痛……っ…
[責めるように走る痛み]
[けれどそれは、不意に、すぅと引いて]
[堪えるように閉じていた目蓋の奥には、青紫の瞳]
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