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― 現在軸 広間 ―
[>>139 特に何も、というゼルギウスに]
そっかー……先生が人狼の姿を見てかつ生きているんだったらいろいろ話は楽だったんだが、そんな都合のよいことはないんだな。
[>>142 クレメンスの言葉に、片眉を跳ね上がる]
人狼が、人狼を襲えない? 確かにゼルギウス先生は、リーチェを――
[そんな共感があった。子供の年頃のリーチェを手にかける、心臓に拳をあててぐりぐりされるような痛みをわかちあったと。でもそれは一方的だったのだろうか]
[だが一方で。自分の手段が距離を選ばないものだったからよかったものの。接近しなければならないものだったら、リーチェが何の抵抗もなく、殺されることはなかっただろう。そしてその場合、動けないゼルギウスは邪魔以外の何者でもない]
[口の中が乾いたのか、砂糖お湯に口をつけた]
[そもそもの始まりは月の晩。
狼を見た彼の神父は、その正体も知らずに立ち向かってきた。その行動が正義であると信じて。
目覚めたばかりで未だ自覚もない獣。自ら襲いかかったりしなければ、返り討たれることもなかっただろうに]
[事が始まってからも、少女は未だ躊躇った。
親しい者を殺す等考えられない。けれど全て壊さなければ生き延びられないと聞いたから、悩んだ挙句に一番苦手だった自衛団長を選んだ]
[意識が変わったのはほんの少し前のこと。
大好きだった兄貴分が殺されて、誰もその死を悼まない。
少なくとも少女にはそう見えた。そう思った途端、馬鹿馬鹿しくなった。
こんな人たちの為に、どうして悩まなければいけないのだろう。
こんな人たちに殺されるなんて、絶対に嫌だと。
殺さなければ出られないのなら、すべて殺してやろう――そう決意したのは、つい先程のことだった。
それなのに]
─ 広間 ─
[広間に戻ると、既に他の皆は揃っていた。
空いている場所に落ち着き、エーリッヒがゼルギウスに向ける問いかけと、その答え。
それを自分なりに咀嚼しているところに聞こえたクレメンスの言葉>>142に、天鵞絨が、す、と細められた]
……可能性として、十分にありうる……か。
[自身の論拠は、伝承と口伝のみ。
それでも、投じられた石は、思考を揺らす。
同時、やはり、クレメンスの否定的な思考の意味が図れず、そこに疑問は感じるのだけれど]
[人狼だという告発に否定を返す間も与えられなかった。
死にたくないとただ一言、呟くことすらできなかった。
誰かに助けを求めたくて、伸ばしかけた手は]
(ああ、そうだった)
[途中で無駄だと気付いたから、止めた]
(わたしは、ひとりだったんだ――)
[ふわり、ふわり。する事が無い。
子供の頃から人に仕える為の教育を受けていた為に、自分のために何かすると言う事は得意ではなかった。]
見てるだけー…、かぁ。
[つまんなそうにぽつりと呟いて、事の起こりと終わりを眺めていた。]
― 現在/広間 ―
おはようございます、アマンダさん。
えぇっと、男物の着替えが少なくなってきたもので……
[広間に顔を出せば、先ほどクレメンスと一緒に各部屋を回りに出る前にはいなかった顔も増えていて。
アマンダ>>144の動きづらくはないか、という問いには挨拶をしたあと、ちょっと小声になって視線を泳がせた]
………襲えない、理由?
[その後。クレメンス>>128のセリフに、再び首をかしげる。
やはり伯父は、守り手が誰かを守ったと考えていないようで。
理由はわからないが、もし本当に人狼が誰も襲おうとしなかったなら。
それを知るのは、守り手か人狼かの、どちらかだろう]
(伯父上は、そのどちらか?)
― 広間 ―
[視線を外した時、安堵したような声>>140には少し眉を下げた。
唯、ライヒアルトの姿が広間へ戻るのが遅ければ、幾度か台所の入口へと投げる視線。見えない彼の心の内に、姿を見た時とはまた違う呼気が、一つ口をついて出る。胸元に、自然指を寄せた。
皆が広間に揃う頃には、思考を振り払うように一度目を伏せたけれど。]
…クレム兄さん、
[クレメンスの声>>142が鼓膜を揺らす。何処か昏く重い雰囲気を感じて、少し眉を寄せるも。この状況下を思えば、疑問にまでは至らないだろうか。
何よりその言葉は、昨夜広間を出た時、自分が感じた不可解な思いを、形にし得るものだった、から。]
……偽っている、可能性。
―翌日 広間―
[それから誰もいなくならなかった夜が明けて、ベアトリーチェは広間にいた。
自分の亡骸がどうなったのかは見ていない。同胞の言っていた通り、何処かに捨てられたのだろうと思っていた。
きっと誰も、悲しまなかったのだろうと]
……。
[生きている者が出入りするのが分かる。けれどそちらは見ない。
時折聞こえる異なるこえも、聴こえないふりをし続けた。
今のベアトリーチェは、人間も、人狼も、大嫌いだったから。
黙ったままの少女が見つめているのは、人でも狼でもない――修道士の肩の上にいる、茶色の猫]
─ 広間 ─
……。
[寝不足は思考速度を遅くする。少しの沈黙]
俺が人狼だと?
なら何故、ビーチェの方を視なければいけなかったんだ。
疑うのは二人いた。ジットでも良かった。
ただ、俺は……。
[ベアトリーチェを殺したくなかった。そのベアトリーチェは人狼だった。思考が絡がってまた沈黙した]
……花もまだ健在なんだ。
俺が護られてるかもしれないと思って、そちらを狙って、阻まれたのかもしれないじゃないか。
[必死に考えて、もう一つの可能性を挙げた]
[感情が高ぶらないのは、訓練のせいもあるが。何より死んでしまった為にやっても仕方ない、という意識のせいだ。
それでも仕えた人が無事であるかどうかにだけは、注視してしまうのだけど。
ベアトリーチェが人狼らしい。
それを聞いてもそうなんだと思うだけだった。
気づけば小さな金髪が、ふわりと視界の端に居た。]
ベアちゃん。
[一度だけ呼んでみた。]
―広間―
[>>151 クレメンスが私的する可能性。ベアトリーチェが人狼だ。そう信じているからこそ何とか平衡を保っていたのだろうか、眉毛が下がる]
そーだな。人狼は、人狼を襲えない。
ゼルギウス先生自身が人狼なら、襲われないって筋は通る。
でもっ、極端すぎやしねー!?
ゼルギウス先生が、ベアトリーチェを生贄に捧げて生き残ろうって……
[だが、特異なものはもう見た。神の名の下に弟分を殺した友の姿を。――ゼルギウスも、そんな風に変わってしまったとしたと仮定したら事情は違うのだろうか。
日常なら迷いなくそんな馬鹿な、と声をあげられるところが、喉を誰かの指先で絡め取られたかのように、言葉がつまる]
[呼ばれ>>+8、僅かに肩を震わせて振り向く。
誰からも掛かることのないと思っていた声]
あ。
[いなくなったと聞いていたメイド服姿に、一つ瞬く。
襲ったのは同胞で、肉も口にしていない。故に罪悪感は薄いけれど。
暫く後にぎゅっと眉を寄せて、視線を逸らした]
あ。
[向こうが少しでもこちらの声に反応見せたなら>>+9、ぱあっと表情は明るくなった。]
よかったー、聞こえてるのよね!
何だかぼーっとしてるし、ひょっとして幽霊!?
とか思ってたから安心したわ。
そうよね私も幽霊よね。
[うんうん頷いて、自分が何者なのかを再認識してました。
ふわふわっと近づいて、嫌がられなければ頭を撫でてみた。]
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