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─ 個室B ─
[やることもないから寝ようとしたけれど、別に眠気があったわけではない。
逆に目が冴えてしまい中々寝付けず、寝入ったのはベッドに横になって随分経ってからだった。
寝ぎわに、広間に戻らなかったから台所の片付けをユーディットに任せっぱなしにしてしまったことや、ローザにスープの礼を言っていなかったことを思い出したけれど、もう時間も遅く思えて。
明日起きてから礼を言おうと、やっとやってきた眠気に身を任せた。
遅めに寝付いたせいで、眠りに落ちた後は多少の物音があったとしても目覚めることなく。
兄と慕う人の緊迫した声>>77にも起こされることはなかった。]
[ローザが何かに慌てて広間に駆け込んできた様子には、驚いて目を丸くしたが。
ゼルギウスとライヒアルトがなだめに行くのを見れば、彼らに任せておく方が良いだろうと、横をすり抜けて行動しただろう]
― 外→集会場―
[顔色は、あまりよろしくなかった。二日酔い、寒さ? 否、気持ちの問題である]
[戻ってくれば、ゼルギウスが外で待っていた]
ああ、待っててくれたのか。
ありがとう、ゼルギウス先生。
ラーイのいうとおり、ちょっと困ったことになった。
[視線をギュンターの遺体に戻せば、極力人の目にはいらないよう処置がされているのを見て]
ただの獣の仕業じゃなくって、人狼の仕業だって、いうのか……
[微かに震えた声で、ゼルギウスに。それは問いというよりも、確認の声色に近かった]
─ 個室B ─
……ん…
[目が覚めたのは、広間から伝わるざわついた気配や声でだった。
外から差し込む光に、朝はとうに来ていたことを知り体を起こし扉の外へと意識を向けた。]
…やけに騒がしいけれど、何かあったのかしら。
[何を話しているかは解らぬものの、どこか落ち着かぬ声や足音に何かが起きたと知ることはできた。
ひとまず外に出て事態を知ろうと、着替えは後回しにストールだけ羽織って部屋の外へと出た。]
─ →広間 ─
― 外・現場付近→広間 ―
[ゼルギウスの>>121忠告めいた助言には苦い顔を見せる。まぁ見て食欲湧く代物ではないが。傷口は確かに得体の知れないものが居るような想像かき立てる。ただの獣であればいい。そんな思いもまだなくはない、が。
彼が目を閉じる様子が見えて、ああ、と今更思う。そういえば驚くばかりで悼む事はしていなかった、と。
ごく軽く、目を閉じ手を十字に切る。十字架など持っていないが、簡単な祈りの仕草をして追悼に変えた。
ブリジットのやや微妙な反応に>>139、向けた笑顔には苦笑が混ざっただろうか。あ、流石にばれたかなー、と思うくらいに自分の身体は固い。護衛として時間があれば身体を鍛えているうえに、食事もぎりぎりまで絞っているので無駄な肉は一切無い身体だ。見た目は繕えても差はやっぱり出てくる。仕方ないのだが、これが自分の女装の限界でもあった。
ライヒアルトとエーリッヒが道の確認から戻ってくる頃には、あらかたお茶を配り終えた頃か。>>151ブリジットが進めるのならそちらは任せたりもした。動いていた方が楽だろう、そんな思いもあった。]
─ 広間 ─
[ゼルギウス>>167とクレメンス>>169、二人それぞれの意図は伺えた。
正直なところ、姉にあれを見てほしくはなかったから、押し留めようとするのは当然で]
うん、それがいい。
お茶飲んで、落ち着いて。
[ブリジットが姉の手を取る>>172のに重ねて、こう呼びかける。
茶猫は足元にすりり、と擦り寄る事での足止めに勤しむ様子]
─ →集会場 西側 ─
[ローザのことは他に任せ、ミハエルと共に外へ出る。
クレメンスはそのまま団長の骸が横たわる場所へと向かい、骸の横にシーツを広げた。
自分がかけた上着を外し、再び団長の骸を視界へと晒す。
再び目にした凄惨さに眉を顰めたが、小さく息を吐くと瞑目し、僅かではあるが団長の冥福を祈った]
穴掘る前に包んじまおう。
[ミハエルは先にスコップを見に行っただろうか。
呼び掛けは団長の下へとやって来てからのもの。
団長にかけていた上着は羽織ることなく集会場の外壁の傍に置き。
シーツで包むべく作業を始めた]
― 広間 ―
あ、私も行く。
[広間にローザが来て慌てている様子なんかに少し迷ったが、外に出ようとする人の方が少ないように見えた。ミハエルも外のようだし、手はあって困るものではないだろうと、止められなければ埋葬の手伝いをする方を選んだ。]
― 広間→外 ―
あぁ、外か。
ありがとうございます。
[外にスコップがあると教われば、元々屋内で使うような物じゃないから外に置いてるのだと納得した。
普段、自分で物を持ってきたりしないから、そんな当然の事も知りません。
教わったとおり、玄関を出て左に向かえば、あまり目立たない場所に雪に埋もれかけたスコップがある]
さて、でははじめましょうか。
[クレメンスや他に手伝いに来た者が居れば、彼らにそう言って。
ギュンターを前に一度目を閉じて十字を切った後、遺体とその周りの雪を運ぼうとするだろう]
―集会場 広場―
[伝えることを伝えれば、幻燈歌の再現と冷静にいうラーイを横目に、顎に爪を立てていた]
[つい、目で追ってしまうのは、ミハエルの姿。思い返すのは――]
―回想・残念な男の話 その2―
[いつ頃から意識し出したかといえば、いつだろうか。
ある日、またいつものように連れ出して雪合戦して遊んでいたら、冬眠から目覚めて徘徊していた山犬っぽい何か? に雪が当たってしまった。
みんな逃げろー、と誰がいったか。子供は蜘蛛の子を散らすように逃げた。とにかく夢中だったが、その時に掴んだ年少の子の腕が、柔らかくって、あぁ、絶対守らなきゃなー、と思った。
まぁ、結局自分がずっこけて手を離してしまって先にいけ、とかいったりもして噛み付かれたが、夢中にモガイテ殴って蹴っ飛ばしたらその獣っぽい何か?も逃げてった。
結果:自分だけ尻を咬まれた。処置が早かったので病気はしなかったしすぐに治った
この事件からしばらく、尻かじりのエーリと不名誉な渾名がついた。でも懲りずに、遊びに来ているミハエルと、そのお付の子供を遊びに誘いにいった。ただ、今度からは自分からは積極的に声を直接かけることなく、貴族様、と距離を置くようになった。
顔をあわせると、あの時の腕の柔らかさを思い出さずにはいられない自分は本気で変か病気かと疑った16の日である。続く]
─ 広間 ─
[ブリジットに何かしら戸惑いを抱かせている>>181のは、さすがに気づけているものの。
それを齎すものは未だ、奥深くに眠ったまま、気配すらなく。
ただ、静かに意識を浸蝕してゆく只中だった]
あ……アマンダさん……おはようございます。
[新たな声>>180が聞こえれば、一先ず挨拶は返すものの。
何が、という問いはどこから説明したものか、としばし、言葉を探す事になっていた]
― 広間 ―
確かに困ったな。
符丁が完全に揃ってしまったことになるんだ。
信じられないと言ってるだけじゃ事態は解決しないだろう。
[広間に戻る前、震える声で確認するエーリッヒ>>175には静かな声でそう答えていた。雪崩に驚かなかったことといい、冷淡にすら感じられたかもしれない]
アマさん。ああ、ちょっとね。
ロザが動転するようなことになってしまったんだ。
[アマンダ>>180の声が聞こえて、そちらに手を挙げた]
団長さんが亡くなった。
あと、雪崩で村と分断された。
[ライヒアルト>>188が戸惑うようなのを見て、端的に事実を並べる]
― 集会場・広間 ―
…ローザさん、座りましょう。
[ゼルギウスが一歩その場を離れるのなら>>179、応えるようにも一つ頷く。団長の埋葬を手伝えない代わりに此方はせめてと。
添えた腕でローザが席に着くまで促せただろうか、ふと届いた声に広間に姿を現したアマンダ>>180を見付ける。ローザは彼女を頼っているようにも感じていたから、心を落ち着ける要因になるだろうか。]
あ、…アマンダさん、
[けれど、問いへの返答迷うのはライヒアルト>>188と同じく、此方も。ゼルギウスから説明が入る>>190なら其方に任せて、唯、答えられる所は説明する心算でいた。
傍らで、場を出て行ったユーディットの代わりに再び紅茶を用意する。]
─ 集会場 西側 ─
[ユーディットやミハエル、エーリッヒにも手伝ってもらい、団長の骸をシーツで包む。
赤く染まった雪も色が無くなるまで削り、仮埋葬の場所へと埋めることになった]
雪が溜まってるあの辺にするか。
硬い部分を掘るよりは楽だろう。
[仮埋葬の場所として示すのは、雪かきのされていない、自然に雪が降り積もった場所。
集会場からやや離れた場所にしたのは、あまり近くに埋葬するのは気が引けたためだ]
─ 広間 ─
…とりあえず。
お湯は多めに沸かした方がいいわね。
[自分より年下の彼らの前で取り乱すわけにはいかない。
クレメンス達が外に出ていったように、自分ができることを口にした。
気を落ち着けるにも、体を温めるにも、望まれてすぐに出せるようにと思って。
ライヒアルト達がローザの傍にいるなら、自分が台所に立とうとした。]
―広間―
……うん。
大丈夫。
[躊躇ううちに掛かった挨拶と声には、それぞれこくりと頷いた。ブリジットには絆創膏つきの掌も見せながら]
あ、タオ…… おはよ。
[猫の声が聞こえた際には、一度手を伸ばしかけたけれど。
途中で手を止め、主である修道士の顔を見て、結局声だけ掛けるに留まった]
[その後ジュースの誘いを受けた方へ向かい]
でも、朝からお菓子って……怒らない?
[何も食べないよりマシではあるのだろうけれど、怒られた経験でもあるのか、眉を寄せながら尋ねた。
入れ違うように出て行く幾人かを追いかけることはしない。
結局貰ったお菓子の減りも遅く、今日のベアトリーチェは大人しかった。
何となく重く、それでいて慌ただしいような空気を感じていたからだろうか]
─ 広間 ─
[戸惑う間に、アマンダへの説明はゼルギウスから入り>>190、姉も落ち着きを取り戻してきた様子>>191に、一先ずは安堵の息を吐いた]
まったく、もう……一体、どうしたの、姉さん。
[頃合い見計らい、投げかけるのはこんな問いかけ。
先の様子はさすがに、ただ事でない、というのを伺わせていたから]
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