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この村にも恐るべき“人狼”の噂が流れてきた。ひそかに人間と入れ替わり、夜になると人間を襲うという魔物。不安に駆られた村人たちは、集会所へと集まるのだった……。
1人目、自衛団長 ギュンター がやってきました。
【舞台説明】
その昔、助けた妖精によって、災厄から救われた…という、妖精伝説のある片田舎の村です。
海、山、森、川と周辺の自然は豊富で、近くには温泉も湧き出しています(宿は温泉完備、天然の露天風呂もあるやも)。
現在は、年に一度の妖精祭り(妖精に安全を祈願する祭事)の準備中で、観光客も多く訪れています。
季節はリアル時間に合わせて、冬に設定。雪も結構よく降るようです。
文明レベルは低め。一般的なライトファンタジー系の世界観、と考えてください。電気や電話、車の類はありません。
妖精界からの逃亡者がやって来たor住んでいたことから、妖精王によって緩い結界(力あるものが遠くに行き難くなる暗示結界)が張られる事になります。
【言い換え設定】
・人狼・智狼:舞台となる村に逃げ込んできたor昔からいる妖精です。
妖精界で何かやらかして追われています。何故追われているかはそれぞれですが、妖精王に目をつけられている、というのは間違いないようです(とばっちりもアリ)。
・占・霊・狩:逃亡妖精を捕らえようとする妖精王から力をもらった(or押し付けられた)人間orその使命を受けた妖精です。
・C狂:基本は占霊守と同じで、強い感知能力で逃亡妖精を発見済み。接触も可能です。味方するか敵対するかはご自由に。
・共鳴:突然高まった妖精の力に感化されて、精神共感能力を開花させた人間です。
・吊り:妖精王による結界送り。誤爆多々アリの上問答無用です。
自衛団長への初回襲撃は、妖精王による誤爆と扱ってください。
・襲撃:逃亡妖精による結界送り。妖精王の目を誤魔化すべく、その結界送りに乗じて実行されます。
妖精王の追跡を誤魔化すためのものと考えていただければOKですが、赤ログ事情に合わせて調整OKです。
・墓下:妖精王が、逃亡妖精を捕らえるために作った時空結界。現実世界と重なっているものの、干渉はできません。
一応、衣食住は保障されている様子。
【その他進行に関して】
・投票・襲撃先は、【PL視点で、話が盛り上がる選択】を御願いします。
また、参加中にトラブルなどあった場合はバファリン吊りも考慮いたしますので、遠慮なく申し出てください。リアルは大事に。
・1、2日目は48時間進行ですが、3日目以降は24コミット進行とします。
コミットアンカーは、基本、サマリー順の持ち回りで御願いします。
最初のアンカーは自衛団長がやりますので、さくさくとコミットしてOKです。コミット後は、メモにてご連絡を。
二日目以降は、サマリーの一番上の人がメモでコミットアンカー宣言、それ以外の人は能力などの設定が決まり次第コミットしてください。
以降はサマリ順に、生存者の間でアンカー役をリレーしていきます。
もし更新時間に居合わせられない場合は、事前申告を。その場合は、随時下に下げて行く感じで。
【入村後アンケート】
村に入ったら、「妖精祭り参加者アンケート」の名目で簡単なアンケートを祭事実行委員(=自衛団の皆さん)から押し付けられますので、それを使ってキャラの自己紹介を御願いいたします。
アンケートの回答場所は、メモに記載して貼っておいてください。
■名前
■年齢
■自己紹介
PC同士の人間関係は、プロの間にメモや/中/会話などで決めてください。
【村の開始】
手動開始予定です。
ある程度対人関係の調整が済んでから、と考えていますが、プロが長くて冗長になるのもなんなので、一応、1/9の00時には始められるようにしたいと考えております。
以上、注意事項といたします。
疑問点にはお答えしますので、メモ利用で遠慮なくご質問を。
それでは、入村どうぞ。
なお、キャラは争奪戦です。
2人目、貴族 ミハエル がやってきました。
[ 舗装のされていない道を、一台の馬車が行く。
車輪の転がる音以外には、静か過ぎる程静かで。
舞い上がる砂埃は風に乗り、流れては消えていき。
窓を開ければ、吹き込む冬の冷えた風に金糸が揺れ。
翠玉に映る景色は次第に見知らぬものへと変わりゆく。 ]
[見渡す限りの、大自然]
[頭上には無限に広がる空]
[彼方には蒼き鏡の如き海]
[森林の香りが鼻腔を擽り]
[川のせせらぎが耳に届く]
[嘆息]
……田舎だ。
[澄んだボーイソプラノとは対照的に、うんざりとした響きを持った、小さな呟き。彼自身にしか、聞こえない程に]
[何も無い、退屈そうな場所。それが彼の、率直な感想だった]
[目は、馬車の内側へと向けられる。
彼の傍らに座った、雪のように雪のように白い肌をした金の髪の女性は、対照的にひどく楽しそうだった。
容姿が酷似していること、そして年の頃からして、彼の母であろう]
『付き添いとは言え……何故、こんなところに』
[人知れず、二度目の溜息を吐く]
[やがてとある村へと辿り着き、御者は手綱を引く。馬が鳴き声をあげ、馬車はその動きを止めた。
彼は一足先に降り、母親をエスコートしようと――したところで、奇妙な格好をした男がばたばたとやって来て、笑顔で何事かを挨拶し、彼等に紙を押し付けた。身に纏ったそれは、確か、法被と言っただろうか。
嫌悪の表情を表に出しかけたが、人の良さそうな微笑を浮かべ、いつもご苦労様と男に声をかけた母の手前、何とか堪えた。
どうやら、これに記入しろということらしい]
■名前:ミハエル=フォン=エーデルシュタイン
Michael Von Edelstein
■年齢:13歳
■自己紹介:……君達に話すべき事は、特に無い。僕は母上の付き添いで来ただけだから。
※補足
本来は、遠く離れた都会に住まう、貴族の一人息子。
彼の母親がこの地の出身で、村には彼女の生家の他、エーデルシュタイン家所有の別荘が存在している。
身体の弱い母親は、療養を兼ね、妖精祭りの時期には毎年来ていたが、彼自身が此処に来るのは初めてのこと。
[用紙を手渡すと、男は御機嫌な様子で、幾度も頭を下げながら去っていった]
母上……、あれは?
[尋ねてみれば、妖精祭りの実行委員会の者との事だった。
参加者は、必ず記入しなくてはならないらしい]
[思わず口から出かけた言葉を呑み込んで、無言で頷く]
……参りましょうか、母上。
此処は冷えますから。
[吐く息が、白い。母親の身体に障りはしないかと、心配だった。
役目を終えた馬車もまた、砂塵を上げて去っていく。
それを見送り、ええ、と返した母の細い手を取り、彼等は*その場を後にした*]
3人目、騎士 ダーヴィッド がやってきました。
[蹄の音も高らかに、走り抜けるは一頭の馬。
馬上の男が纏う白の装具が月光を弾く]
[途中、馬を止め馬上で紙を広げて]
さて…道は合っているだろうか?
[基本スキル:方向音痴]
[それでも勘を頼りに走り続ければ、やがてとある村に辿り着いた]
此処は…
[馬を降り辺りを見回していると、見慣れぬ服装の男が駆け寄ってきた。挨拶と笑顔を受ければ思わず此方もつられたが、唐突に紙を押し付けられ]
…これは一体?
[問えばアンタは祭りの参加者じゃないのかと問われた]
ああ!
間違いなく参加者だ。
少し待ってもらえるか?今書くから。
■名前:ダーヴィッド=ブラウンフェルズ
David Braunfels
■年齢:28
■自己紹介:少し離れた街の騎士団に所属している。
休暇をいただいたので祭りの見学に来た次第だ。
これでいいのか?
[記入を終えた用紙を男に差し出せば、満足そうに頷きを返された。内心安堵しつつ、男に紙を手渡して]
そうだ、この村に宿はあるだろうか?
……うん、そこの通りを………ふむ。
わかった、ありがとう。
[ひらと手を挙げ、馬を引いて道を行く]
それにしても…迷わなかったとは珍しいな。
[自覚があるのかそんなことを呟きながら。
宿への道程はしっかり*間違えた*]
4人目、召使い ユーディット がやってきました。
[何も持たない少女が独り、寒空の中とぼとぼと歩く。
ぺた、ぱた。ぺた、ぱた。
靴は片方失く、靴下も大きなかぎ裂きを繕った物。
それでもまばらに雪が残る地面を歩くには、無いよりはマシらしく。奇妙な足音を残しつつ、賑わいを見せる方向へと足を進めていく。]
5人目、職人見習い ユリアン がやってきました。
[村の近くの森の中。
木々の間から、茂みを掻き分けるがさがさ、という音が響いてくる]
ふいい〜……な、何とか出られたぜぇ……。
無事かー、ヴィント?
[茂みを掻き分けて出てきた青年は、頭に巻いたバンダナについた木の葉を振り落としつつ、自分の肩に向けて問う。
そこにしがみついていたネズミらしき薄いグレーの生き物は、きゅ、と短く鳴いてそれに答えた]
[かじかんで赤くなった手に、はぅと吐息を零す。]
賑やかな…お祭り…。
臨時のお仕事…いただける…かしら……?
[ここであれば対価を求めても就労を拒否される事は無いはず、と淡い期待に震える胸をそっと手で押さえて。
村の門を通り抜け…ようと足を踏み出し]
しっかし、たまんねぇよなあ……。
なんで、一番いい石が手に入る辺りが露天風呂の近くなんだよ……。
おかげで、んなつもりなくても覗きと勘違いされちまうしよー。
[ぶつぶつと文句を言いつつ、ぱたぱたと身体についた小枝や枯れ草を払い落とす。
肩の上のネズミもくしくしくし、と言う感じで身づくろいをした]
ま、苦労した分、イイモン手に入ったし……村に戻って、細工細工っと!
[一通り身なりが整った所で、青年は手にした袋を楽しげに見やりつつ、村へ向けて走り出した]
6人目、ランプ屋 イレーネ がやってきました。
[ランプに火を灯す。
その淡い光に、闇は少しだけ逃げた]
…もうすぐ…よ。
もうすぐ、お祭が始まるわ。
[もう一つ。
ランプに火を灯せば、今度は緑の光が闇を退けた]
[村に戻れば、通りは祭りの準備でにぎわっており、行き過ぎる、見知らぬ人々が気持ちを昂らせた]
おおっと、今年も盛り上がりそうだなー。
[はしゃいた口調で言った所に、『妖精祭り実行委員』とでかでか書かれた法被を羽織った自衛団員に呼び止められ、アンケートを押し付けられる]
はい?
ああ、毎年恒例のコレね。ちょっと待ったー。
■名前:ユリアン・フェーダ
Julian=Feder
■年齢:22歳 ……だった気がする!
■自己紹介:えっと、5年くらい前からだっけ?
村の飾り細工職人に、工房住み込みで弟子入りしてるよー。
あ、これ(肩のネズミ)は相棒のヴィントな。
んー、あと何か書く事あるかなー……あ、細工で作るのは主にアクセサリ関係ね。まだ大した素材、扱わせてもらえねーけど。
って、そんなん聞いてない?
/中補足/
五年前に、村外れに倒れていた所を保護された青年。
過去の記憶を失っているが、それに対する屈託は全くと言っていいほど、ない。
現在は村の飾り職人のところに住み込みで修行中。
師匠の代わりに食事を作ったりもするので、料理は得意らしい。
相棒のヴィントは、保護された当初から彼と共にいる山ネズミ(らしい。詳細不明)で、ある程度は意思の疎通もできるらしい。
[…何度か繰り返された後、闇で満たされていた部屋は、七色の光によって照らされる。
ふと、ドアの軋む音…そして、ガラスのベルが客の来訪を告げた]
ようこそ、あたしのランプ屋へ。
…とは、言っても…アレ、でしょ?
勿論、あたしも参加するわ。
[入ってきた自警団の青年に軽く微笑み…
彼の持つ紙の束から一枚引き抜いた]
…ありがとう。
少し、待っててね?
[テーブルに紙を置き、ペンを走らせた]
7人目、未亡人 ノーラ がやってきました。
[軽やかなオルゴールの音に合わせ、口ずさむ声]
―――Midnight with the stars and you
Midnight at a rendezvous
Your arms held a message tender
Saying I surrender all my love to you..
[3度繰り返したところで、声は止む。退屈とは言え、奏でられる同じメロディに同じフレーズを重ねるのにも飽きてしまったから口を噤んだ]
[此方が歌を止めてもお構いなしに続く微かなメロディと、台所の薬缶のたてることことという音だけが響く]
…あ。
[其処まで考えて漸く思い出した。薬缶の火を止めに台所へと立つ]
[やがて一つ音は消え]
[つかまれた腕に反射的に小さな悲鳴を上げれば、慌てたように頭を下げられて。
驚いて声が出ないまま、祭事実行委員と名乗るその男から説明と共に「妖精祭り参加者アンケート」という用紙を押し付けられていた。]
あの…これを書けば…。
お仕事…探させていただけます…か……?
[人手ならいくらでも欲しい温泉旅館に口を利いてもらえると聞き、ぱっと頬に血の気が戻る。
震える指先で可能な限り大急ぎで文字を綴り、用紙を手渡した]
[やがてカップに注いだ紅茶を飲むでもなく眺めながら、そう言えばそろそろ切ったほうが良いかもしれないと指先で前髪を摘み、目を上げた丁度その時、玄関からノックの音]
[扉を開けて其処にいる男を見留め、穏やかな笑みの形を作った]
こんばんは。何か……嗚呼、もうそんな時期でしたね。
少々お待ち頂けますか?
[尋ねかけた言葉は紙に遮られた。頬に手を当て、もう片方の手で用紙を受け取る]
■名前:ユーディット
■年齢:…17
[小首を傾げて思案した後、ちらりと自分と年端の変わらない人間の書いていた数字を真似して書き込んだ]
■自己紹介:お仕事を…できれば…住み込みのお仕事を探しています…。
…それと………あの………お給料と休暇…を………
[寒さゆえかそれとも他に要因があるのか。
だんだんと文字は震えて…最後には消え入るように]
■名前:イレーナ=クデュリアリ
Elene Kudulali
■年齢:21
■自己紹介:
『ランプ屋「Fairy's fire(妖精の灯)」
実用的なランプから、儀礼用のランプまで、ご所望ならば何でも作ります。』
/中補足/
村の住人。ランプ屋を経営し、一人で暮らしている。
何でも作る、という言葉に偽りはなく、一般家庭にある様なランプも、色ガラスを使った芸術的なランプも作ってのける。
この祭りの時には観光客も訪れるためか、熱心にランプを作っていた。
暇な時には街にランプを売りに行くらしい。
元々の性格が暗めなためか、店でランプを作っていることが多いためか…人付き合いはあまり良いとは言えない様だ。
ほいっと、コレでいいよなっ。
[軽い口調で言いつつ、書き上げたアンケートを自衛団員に渡して、一つ身体を伸ばす]
さあて、とー。
師匠は騒がしいのは好きじゃないとかって言って、でかけちまってるし……。
宿の酒場で済ますかー。いざとなったら、賄い手伝ってもいいしなっ。
[お気楽な口調で言いつつ、のんびりとそちらへ歩き出す。
手にした袋の中で、何かがかちゃり、と音を立てた]
[…アンケートを書き終えると、その紙を自警団の青年に渡した]
はい。
それにしても…毎回出てるんだから、こんなの書かせなくても良いのにね…
年齢の所を1増やすだけよ?
[苦笑する青年と肩をすくめる女。
しばらくして、ガラスのベルは客の帰宅を告げた]
さて、と…
※補足
屋敷しもべ妖精だったが、主人が家を出る直前に紐の切れた靴に苛立って「あっちへ持っていって紐を直しておけ」のつもりで「持って行け」と言い捨てて飛び出て行ってしまった為に職を失った。
思いがけない展開にしばし呆然としていたものの、千載一遇の機会かもしれないと人間界での就職を目指して妖精と縁の深いこの村へとやってきたらしい。
お給料や休暇に憧れている。
なお、妖精なので背が低く、ゆえに実年齢より若く見える。実年齢は乙女の秘密らしい。
御主人様募集中。
■名前:ノーラ=ラヴレス
Nora=Lovelace
■年齢:24歳
■自己紹介:村の方は殆ど御存知でしょうし、今更紹介する程の事も無いのですけど。何時もお世話になっております。
補足)
村の片隅に建つ家で一人暮らし。以前は幼馴染で(自称)冒険家の夫と暮らしていたが、数ヶ月前に何処かの山へと出て行ったきり行方不明。生還は絶望的と言われているが遺体は見つかっていない。
特に職に就いているわけでは無い為、現在は時折村の仕事を手伝う等して生計を立てている模様。
[用紙と引き換えに、宿への道程を簡単に書き込んだ紹介状入りの紙片を渡され]
あ…。
ありがとうございます…ありがとうございます…。
[何度も頭を下げて旅館へと急ぐ。
一生懸命仕事に勤しむも、寒そうだからと靴下を与えられて再び職を失うとは*微塵も思わずに*]
[用紙を渡し、ついでにお茶でもと勧めたが断られ]
[忙しそうながら何処か楽しそうな法被の後ろ姿を見送り、微かにくくと笑い]
そんな時期…か。
[寒空を仰ぎ]
これはいよいよ死亡説濃厚、かしらね。
[まるで他人事の様に呟いた。
オルゴールの音は何時の間にか*止まっている*]
[淡い光をぼーっと見つめていたが、ふい、と視線をドアの方へ]
ご飯、どうしようかしら…
[何のことはない。
考えていた事をぽつりと呟くと、くぅ、と小さな音が聞こえた。
その音に微かに目を見開き…視線を落とすと自分のおなかを撫でる]
…酒場…なら、今の時間なら。
[少し頬を染めたが、ぽつりとごまかす様に呟く。
…ガラスのベルは主人の外出を、部屋にこもる闇に告げた]
[この男はまだ宿屋周辺で迷っていた]
この辺、だと思ったんだが…
[呆れたように鼻を鳴らす馬を撫でて]
そう言うなよルート。
今に始まったことじゃないだろう?
[威張って言うことじゃない]
[人群れをすり抜けるようにして、ひょい、ひょいと歩いて行く。
さすがにというか、同じ方向に向かう人の数は多いが、特に気にした様子もなく、その足取りは軽いもの]
っと、お?
[不意に、その歩みが止まる。視線の先には、見慣れぬ男と馬]
……そっこのひとー?
そんなとこで、何やってんのー?
ん?
[段々不機嫌になる馬を宥めようとしていたら、何処からか声がした。
周囲を見回せば簡単にその声の主は見付かる]
……私かな?
[明らかに自分(+馬)に視線が向いている気もしたが、とりあえず聞いてみた]
[…コートに赤いマフラー。
顔半分をすっぽりと覆い、村の中を歩く。
その風景は、寒いとは思えないほど盛り上がっていた]
…
[その様子を見て、目元に微かな笑みを浮かべ…]
…
[馬と一緒にいる赤髪の男が目に止まった]
…誰、だっけ…
[村の者ではない…しかし、どこかで…
軽く首を傾げ、男を見つめた]
[彼はひとり、不機嫌そうな顔で村内を歩いていた。
防寒具にと羽織った、淡い茶色のオーバーコートの材質は見るからに上等なもので、素朴な村の雰囲気にはそぐわない。あの、浮かれた柄の法被の人間と擦れ違うと、尚更だ]
……………
[本来ならば、母親の生家に挨拶に行く以外、外に出る気は微塵たりともなかった。しかし、社会勉強だ、外で遊ぶべきだと彼女に促され、仕方なく出て来たのだった。
確かに部屋に居たとて、最低限の荷物しか持って来ていない今は、何度も読み返した書籍を読むくらいしか、やることはなかったのだが]
[とは言え、矢張り、気が進まない。
元々、一人で外を出歩く機会等なかった所為もあるか]
うん、そこの馬つきのヒト。
[言い方が思いっきり、ミもフタもない]
外から来たヒトっぽいけど、こんなとこで、何してんの?
[やや、首を傾げて問う。それに合わせるように、肩のネズミもきゅ? と首を傾げた]
[またも、今度は視線を感じて周囲を見る。
ふと目が留まった赤いマフラー。
その女性に見覚えがある気はするのだが、すぐには思い出せずに頭を捻った]
馬つきって…いや確かに馬とだが。
[見も蓋もない言い方に息を吐き]
いや…宿に向かおうとして…
……ちょっと、迷ってしまってね…
[やはり言い難かったか言葉は淀み、語尾は小さく。
彼と肩のネズミから目を逸らした。
馬はまた呆れたように鼻を鳴らす]
[周囲が騒がしい。人とぶつかりかける]
[酷く、不愉快だ]
[人の居ない方へと歩もうとして、明らかに人が避けている場所があるのを見つけた。視線を遣れば、馬と共に居る、白の装具の男。人々は明らかに、其処から距離を置いている。無理もなかろうか]
……何故、このようなところに。
[呟く。]
[さっくりすっぱりきっぱり言い切られてぷち凹み。
いやもう慣れてるんだけどね、うん。
思わず顔を手綱を持たない方の手で覆って俯いた]
…平たく言えばそういうことだ…
…確か、街…
[で、見た気がするのだが…
喉に刺さった小骨の様な感覚。
小さく眉をひそめ、小さくうなる]
…?
[ふと、また、村の者ではない…
しかし、その纏っているもので、身分が分かる…
金髪の少年が視界に入った。
こちらは見覚えがないものの…]
…珍しい…
[なかなか、身分の高い者が一人で居るのは珍しいと、一つ呟き]
[目の前の青年が手を振る先を追えば、彼女は未だ其処に居た。
控えめに手を振るのを見、やはり見覚えがある気が。
不意に、ぽん、と手を打つ]
ああ、あの時の。
[微妙に手綱を引っ張られた馬がまた不機嫌になった]
ていうかさー、何をどうすれば迷えるのか、聞いてもいい?
大通り真っ直ぐ行きゃ、目の前じゃんっ!
[俯く男に、呆れたような声で言う。
多分、力の限りの追い討ち。それが与える打撃はきっと、考えてない。
いや考えてやれと誰か突っ込まないと無理だろうが]
[それから、手を振り返すイレーネを振り返って]
やほ、今日も寒いなー。
これから、酒場いくの?
[軽い口調で問いかけ]
[視線を感じ、柳眉を顰める。すたすた、と其方に歩み寄り]
じろじろと見るな。
[先に見ていたのは彼なのだが、何処吹く風だ。
相手が顔半分を覆い隠した、不審な格好であったのも、気に障る]
……馬の扱いは、ちゃんとしろ。
[不機嫌そうな馬が目に入り、代弁するようにぼそりと言った]
[手を打つ男に一つ瞬きをする]
…お客、さん…
[しかないよね。
街で会って…騎士さんと知り合いになるなんて…
お世話になるようなことはしたことがない]
…うん、寒いね…
今から、ご飯、行くトコ…
[マフラーの下でもそもそとしゃべると、うなだれる男を見て…]
…知り合い?
[追い討ちは見事に決まった。
古典的表現ならばその文字が書かれた大岩が降ってきて潰されているような心境か。
思わず座り込む。
片腕は手綱に引っかかって情けなく垂れているが]
…私も聞きたいよ…
[声は地を這うが如く沈み込んでいた]
[と、また新たな声がして顔を上げる。
身なりから何となく彼の身分は察した]
これは…申し訳ありません。
[す、と立ち上がれば一礼を]
[こっちに歩み寄ってきた少年に一つ瞬きをし…]
…ごめん。
でも…珍しいな、って…一人で居るの。
[やはり、マフラーの下でもそもそとしゃべった]
そか、奇遇だなー。
俺もしばらくは酒場で手抜きする予定だったりして。
[肯定の返事に、軽い口調でこう返し。
続けての問いには、ふるふる、と首を横に振る]
いんや、今初めてここで見た。
[それから、凹み→立ち直りの連鎖を決めた男を見やり。
更なる連鎖で、全く見たことのない、金髪の少年に気づいてきょとん、と。
それからまた、男を見て]
……まあ、宿に行きたいなら、案内してもいーけど。
どーせ、俺もこれから行くとこだし。
[赤いマフラーの女性の言葉に表情を緩め]
ああ、以前ランプを買わせて貰った者だよ。
持ち帰ったら同僚が気に入ってしまってね。
危く奪われそうになったよ。
[その時を思い出してかくすくすと笑い]
君は此処の人だったのか。
[知り合いかと云う言葉に首を横に振る。
記憶の限りではそうではなかった筈。
方向音痴を織り成す記憶力では怪しいものだが]
[赤髪の男の礼に、些か気を良くしたか。
解ればいいと言ったふうに、頷きを一つ返す
[が、もそもそと喋る女の台詞を聞けば息を吐いた]
……僕だって、好きでこうしている訳ではない。
[皮の手袋を嵌めた右手を、額に当てる]
[宿に行きたいならと云う言葉に安堵したように頷く]
それなら是非お願いしたい。
いい加減休ませてやらないと更に機嫌を損ないそうだ。
[苦笑して馬の鼻面を撫でる。
馬はふん、と鼻で思い切り息を吐き出した]
…手抜き、と言うか…
ランプ、作ってたら…こんな時間になってただけ…
[…少し情けなさに頬を染めるが、マフラーで良い具合に隠れていた]
…ふーん…
初対面、なのに…へこませてるの?
[瞬きをすると、微かに首を傾げ…赤髪の男の言葉に小さく頷き]
お買い上げ、ありがとう、ございます…
この村に、ちなんで…お店の名前、つけたぐらいだから…
[小さく笑むと、少年の言葉に目を向け…]
…大衆酒場、で、良いなら…風避け、出来るよ?
[なら、何で?
そう思ったが、おなかはすいていたらしい]
[本当に辞めるのか? と口にするほんの一日きりの同僚に困ったように頷く。
理由は…言える訳がない。
言ったとしてもきっと理解されない。
…いや、理解されて…しまう事が怖いのか。
お給料と休暇の契約を反故にされ、縛り付けられることが何よりも怖い。]
…ありがとうございました。
[真新しい靴下をきゅと握り締め、宿を後にする。
片方だけの靴では汚してしまうから、もったいなくて履けないから。]
いい加減休ませてって……一体どんだけさ迷ってたんだよ。
[思わず、呆れたような声が出た。
肩のネズミが、哀れむような視線を馬に向けたかもしれない]
[それから、イレーネの言葉になる、と妙に納得して]
夢中になってると、ついつい時間、忘れちまうもんなー。
俺の場合は、師匠がでかけてるから、ラクするってだけだけど。
……っていうか、素直な感想言っただけだけどー?
[その『素直』がタチが悪いとは、思っていないらしい]
大衆酒場。
……成る程、興味はある。
[下賤の民の食事に。
――と口に出さなかったのは、幸いだっただろうか]
[青髪の男の肩に乗せられたモノに、気付き、緑眼を瞬かせる]
…うん…お祭りの時って…綺麗な、ランプが…売れるから…
作ってて、楽しい…
[同じ、職人の立場の言葉だからか、反発もせず小さく頷いて]
…素直?
[なぜ、素直な言葉が悪いのか…一つ、目を瞬かせる]
…今から、向かうところだから…良かったら。
[少年の言葉には小さく笑んだ]
[少年の視線を感じたのか、ネズミがきゅ、と小さく声を上げる]
ん? どした、ヴィント?
[気づいて見やった肩の相棒は、自分を見ている少年を不思議そうにじい、と見つめ]
『Fairy's fire』だったかな。
名の通り、何処か幻想的な光を灯すように感じたよ。
[おかげで同僚が未だに諦めてくれない、と笑う]
[馬はネズミの視線に溜息のような息を吐いた]
迷ってた時間はそんなに長くなかったと思うんだが、昼に一度休憩したきり休ませてやれてなかったからね…
[困り顔で告げるも、素直な感想と言われてまた凹み、馬の首に軽く伏せた。
馬は『あーもう』と言わんばかりの顔をしている]
[彼は男の肩の上のモノが気になるらしく、見詰め返している。
笑んだ女の声には、ああ、と生返事を]
……まさかとは思うが、それは……鼠か?
[嫌そうな表情]
確かになっ。
今年の祭りもにぎわいそうだし、やりがいあるよなー。
[作ってて楽しい、という言葉に、うんうん、と頷いて]
うん、素直に。そしたら凹まれた。立ち直ったり凹んだり、なんか忙しげ。
[それが自分の言葉のせいとは思ってない訳だが]
……まあ、それじゃ馬もへたばるわな。
んじゃ、行こうかー? 俺もいい加減腹減ったし。
[また凹む男の様子にかりかり、と頬を掻きつつ、こんな提案を]
はい…えっと…
騎士さん、の、買ってくださったのは…
頑張って、作りましたから…
[誉められると素直に嬉しいのか、笑みがこぼれ]
…また、街には、行きますから…
それまでの、辛抱、です…
[小さく笑うと、ふと、ネズミ、と聞こえ…
目を向ければ、おもむろに表情を崩した少年が居た]
[提案に馬から顔を上げ、頷いて]
…ああ、お願いするよ。
ルート、もう少し我慢しておくれ。
[馬は『我慢してるわよ』と言いたげだ]
そうか…私も随分良い買い物をしたんだな。
ああ、またその折には友人と共に寄らせてもらうよ。
[前者の言葉は少しおどけたように。
ふと彼女の視線を追い、少年の顔を見て。
…やはり何となく察した]
……信じられない。
[論点の違う台詞には取り合わず、大きく息を吐く]
[彼にとって、鼠は飼うなんて考えの浮かぶものではなく。相棒、等と言えば、益々驚く事だろう]
汚らわしい。
[今度は、言葉が零れた]
[片方だけの靴という少々奇抜な姿も祭りの賑わいゆえか咎められることなく。
何度もぶつかりそうになりながら町をふらふらと歩く。]
どう…しましょうか…。
どこかで…まかないでも……させてもらえれば…?
[ふと耳に入った『酒場』という言葉に、立ち止まる。
舞台のようにぽかりと浮き出た空間(避けられているとは気付かない)の人々に、つい見入ってしまった。]
[男の言葉にりょーかい、と軽く返しつつ。
それから、少年の言葉に一瞬きょとん、と]
……いや、信じなくてもいいけどさー。
[さすがにというか、むう、という表情を浮かべて]
さすがにそういう言われ方すっと、ムカツクかも。
[脳内認定:誰かはしらねーけど、可愛くねえガキ]
うん、賑わいそう…頑張る。
…そうなの…でも、良い人そう…
[理由は分からずじまいだったが、ぽつりと呟き…]
ぁ、はい、よろしく、お願い、します…
[ぺこりと頭を下げると、不穏な空気に少し困ったように二人を見ていたが]
…ここじゃ、寒いし…ね?
[青年の了解との言葉を聞きつつも、内心はらはらしながら様子を見て居たが、手が出るなどと云うことがなくてこっそりと安堵の息を吐いた]
此方こそ、よろしく。
[すぐに表情は取り繕って、自分も頭を下げた]
[鼠飼いの男には取り合わず、彼は興味を失ったように視線を逸ける]
……確かに、このようなところに居ては、体調を崩してしまうな。
[女の言葉に頷いて、さっさと案内しろと言いたげに]
[黒いコートを羽織り、パンやら何やらの入った袋を抱えて大通りを歩く]
さて、あとは紅茶…。
[店は何処だったっけ、と呟いたところで妙な集団を視覚に捉えた。見覚えのある顔と見知らぬ顔、+αで馬]
[少し離れた場所には寒そうな格好の少女も居て]
……。
何の集まり?
[疑問が漏れた]
[視線を逸らす少年にあー、可愛くねー可愛くねー、と心の奥で悪態つきつつ。
とはいえ、この手はムキになっても疲れるだけ、と悟ってでもいるのか、こちらも視線を逸らし]
ま、賑やかになんなかったら、寂しいじゃん?
うん、まあ……悪いヒトじゃなさげ。
ヴィントが警戒してねーし。
[イレーネの言葉に、軽く返し。
頭を下げる男には、にぱ、と笑って]
ん、じゃ、いこかー。
あ、俺、ユリアン=フェーダ。ここで、細工師の修行してる。
[…暴力沙汰にはならなかった事に、小さく息を吐くと]
…じゃ、行きましょ?
[その足を大通りに向け…
ふと、こちらを見ている人影に目を瞬かせ…]
ぁ…こんばんは…
ぇと…
[ノーラの声に頭を下げると、後ろを振り返り…]
酒場に、行くところ、です。
[ふ、と。何か此方に向かったまま消えない意識に気付く。…何か避けられてるのはおいといて。
見えるのは、足が寒そうな少女。
少し離れたところに荷物を持った女性。
暫し頭を捻っていたが、青年の言葉に視線を戻し]
ああ、私はダーヴィッド=ブラウンフェルズという。
街の騎士団に所属しているが、今は休暇中でね。
祭りの間、よろしく頼むよ。
[青年に向けると同時、その場の皆に向けて]
…ぁ…申し、遅れました…
あたしの、名前…イレーネ=クデュリアリ、と、申します…
[名乗ったユリアンとダーヴィットに慌てて振り返り…]
…この村に、住んでるから…また、会いそうですね。
[頭を下げると小さく笑んで…
わたわたしている少女に目が行った]
…
……………
[ダーヴィッドと名乗った男の声に、他の者も名乗りを返して。
ならば自分も言わねばなるまい、と思ったか]
ミハエル=フォン=エーデルシュタイン。
[端的に名だけを告げ、再び視線は少女へと]
[なんか賑やか? とか呑気に思いつつ。
……多分、彼らの周囲は静かなのだが]
街の騎士さんかー。それで馬つきな訳ね。
ま、よろしくなっ。
あ、こいつはヴィントね。
[ダーヴィッドの名乗りに妙に納得しつつ、ついでに相棒を紹介し]
たまたまここで集まったモン同士って感じ?
まあ、祭りだからねー。
[ノーラの疑問には、軽く言ってひょい、と肩をすくめる。
その動きに、手にした袋の中身がかちゃ、と音を立て]
[頭を下げられれば此方も応じて挨拶を返す]
いや。私は今、皆と会ったばかりだ。
[そう告げて片靴の少女を見る。
あのままでは凍傷を起こしてしまうのではなかろうか]
[灰色の紙の女性が見ていたのは自分ではなく他の人かもしれない、と辺りを見ても足早に擦れ違う人々ばかり。
しかし、彼女は既に背を向けて黒髪の女性と話しをしていて、やはり気のせいかと安堵する。
―――間もなく、掛けられる不機嫌そうな声。]
…え。
あ…あの、何か…用……って…私『が』ですよね…?
[宝石のような碧の瞳を持った少年に向かって、小首を傾げる。]
あの…酒場と言う声が聞こえて。
私…雇っていただけないかなって……。
[尊大な主人に仕えるのが当たり前だった彼女には、少年の口調はむしろ馴染み深いともいえるもので。にこ、と知らず笑みを浮かべて]
[ノーラの言葉に軽く首を傾げ…]
そこの…ダーヴィット、さん…は、街で、あたしのランプを買ってくれた方で…
[少年の名乗りが聞こえると]
…ミハエル、さん、は、先ほど…
たまたま、目的地が、同じ、でしたので…
…ぇと…彼女…も、同じ、なのかな…?
[笑みと共によろしく、と言い掛けて。
馬に頭を小突かれた]
…ったた…、…ああ、ごめんよ。
私の愛馬のルートだ。
彼女ともども、よろしく頼む。
[鼠の名を青年が告げたのに馬が反応したらしい。
苦笑まじりにもう一度告げて。
青年の持つ袋が鳴るのに少し首を傾げた]
[が、不意に少女から視線を感じて其方を見るも、羨望に似た瞳の色に更に首を傾げる]
[小首を傾げる少女に、当たり前だと言わんばかりに頷く]
雇う?
[その言葉を繰り返しつ、もう一度彼女を見遣る。
片方だけの靴に、靴下も御世辞にも上等とは言えないし、纏う衣服もまた、冬の寒さに耐え得るとは思わない。
そんな姿で笑みを浮かべる様子は、彼には理解不能だった]
……君は、寒くないのか?
[僅かな沈黙の後、そう言って]
まあ、いい。
話なら、酒場とやらの中でも出来るだろう。
御一緒も何も、目的地が同じなだけだ。遠慮する事もない。
[終わりの言葉は、ノーラと名乗った女に向け。
腕を組んで、促すように首を向ける]
[ぼんやり見ていただけのはずだったのに、何故か急に視線を集めてしまったようで、思わず一歩後ずさる。
自分の姿がみすぼらしいことは判っていても、それは極当然のことなので不憫に思われているとは思いつかずに。
ただ。
酒場で雇ってもらえないと行き倒れるかもと考えていた]
[馬に小突かれる様子に思わずくく、と笑いつつ]
ルート、ね。ん、こちらこそよろしくなー。
と、どーかした?
[首を傾げる様子に、一つ瞬き。
それから、ノーラの問いに]
ん、いーんじゃない?
ていうか、こんなとこで立ち話してても仕方ないわけで。
あったかいとこに行って、あったかくするのが一番だと思うよー。
そこのキミも。
[言葉の最後は、片靴の少女へ向けて]
[ノーラの申し出に、一つ瞬きをしたが…]
別にかまわないと思いますけど…
あたしと、ユリアン、は…ご飯、食べに行く所、でしたし…
[小さく笑むと、振り返り…少年の言葉に頷く]
…じゃ、行きましょっか…
[笑われることにはもう大分慣れてきた。
元々騎士団でも笑い者にされがちだったのもあって]
ああ…いや。
その袋、何が入っているのかと思ってね。
[少し気になっただけだよと言い訳染みた言葉。
そしてイレーネの言葉に頷きを返す]
ああ、案内お願いするよ。
あ、コレ?
[ダーヴィッドの言葉の言い訳めいた響きには気づかず、袋を見やり]
俺の修行材料だよ。石の類……翡翠とか、その手。
さすがにまだ、ちゃんとした輝石は扱わせてもらえねーからねー。
[苦笑めいた表情で言いつつ、のんびりと歩き出す]
[ダーヴィットとノーラに小さく頷くと、少し離れて見ていた少女に]
…あたし達、酒場に行くから…
もし、行くトコ、一緒なら…ついてきて…
[それだけ、もそもそと言うと、酒場に向かって歩きだした]
[灰色の髪の女性の言葉に、ぱちくりと瞬く。]
酒場に…行かれるのでしたら…。はい。
[目的は違うけれども、付いていけばいいのかなと頷いて。
赤毛の騎士が首を傾げるのにも気付かず、ノーラの名乗りを聞き、微かに動きを止める。
しかし、すぐに意識は少年の「雇う?」>>90という声に引かれて]
寒くない…?
いいえ、寒いですけれど…冬ですから。
[体調を問われるなんて経験はなくて。不思議そうに単純な事実を口にする。寒い=主人を暖かくするであって自分を温めることではないから。]
[翡翠…と口内で呟いて]
この辺りで採れるのか。
焦らずともその内に扱えるようにもなるだろう。
…良ければ今度見せては貰えないだろうか?
[無駄に興味津々。
馬は相変わらず呆れた様子で従っている]
[男達の後に付いて、彼の革のブーツは確りと地面を踏む]
……確かに、冬だが。
[寒いなら、何か着ればいいのに。
如何にも会話が噛み合っていない気がして、黙り込む。
彼にとっては当たり前の事。少女にとっては当たり前ではない事]
8人目、少女 ベアトリーチェ がやってきました。
[観光客の波の中、子供が一人、歩いている。
辺りを見回す表情は、少し、淋しげのようにも見える。
妖精祭りが行われると識って、出てきたのだった。
賑やかな村を見たくて、出てきたのだった。]
ま、ね。
[採れるのか、という問いにはに、と笑うだけで、それ以上は何も言わず]
ま、まだまだ全然ダメだって、自分でわかってるからなー。
焦らずのんびりってとこ。
つか、騎士さん石とか細工とか、興味あんの?
[興味津々の様子に不思議そうに問いかけ。
なんか妙な大所帯だなー、と思いつつ、通いなれた道を歩く]
[祭りの実行委員の人に渡された紙に、字を書いたら、とても驚いた顔もされたっけ。
その時を思い返して、俯きがちな顔に仄かな笑みが灯った。]
■名 前 :ベアトリーチェ=ダルファー
Beatrice=Dulfer
■年 齢 :十
■自己紹介:親は亡くなりました。十になったので、旅に出ました。
※補足:あまり多くは自分のことを語ろうとしない。
親がずいぶん前になくなり、
祖母を頼ってこの村に二年前にやってきた。
しかし祖母はすぐに亡くなり、それからは施設で育っている。
シンプルな銀の指輪を、ネックレスにかけている。
[何所へ往こうかななんて考える。
ランプのお店はいつも優しいし、飾り細工はとても綺麗。
人の賑やかさを求めるならば、いつも楽しそうな声を響かせる、あの酒場に往くべきだろうか?
みすぼらしい洋服には、不釣合いかもしれないけれど。]
……うん、やっぱり、そうしよう。祭りは、賑やかなのが良いから。
[…しばらくして、にぎわいを見せる建物の前についた。
寒いからか、扉はしまっていたが、中の活気は外にまで聞こえてくる]
…着きました。
[扉を開けると、中の暖かい空気に目を細め…マフラーを取った]
ふむ…
[存外身近で採れる物なのだなと考えつつ]
騎士団ではそういう物はなかなか目にする事もないし、手に入らないからね。
とは言っても殆どの者は武術ばかりで、私は結構珍しい方ではあるのだが。
[扉が開き、外の冷たく澄んだ大気に、酒場内の空気が僅か混じる。
それは確かに暖かい、――のだが、それ以上に]
……臭い。
[片の手で、口許を覆う]
[辿り着いた建物を見、ひとつ頷いて]
…成程。
[多分見た目を覚えてる。道を覚える自信がないから]
私はルートを繋いでこよう。
先に行っていてくれ。
[言うなり馬屋の方へ。
さすがに目的地が見える距離、迷いはしないだろう。
きっと。多分。恐らく]
[目にする事もない、という言葉にぽむ、と手を打ち]
あ、まあそうだろねー。
つか、騎士団で飾り細工っていうと、上級騎士の儀礼用のマント止めとかくらいだろーし。
その手なら、たまに師匠に発注きてるから見るけど。
つーか、うん、騎士っつーと、武術一筋って印象だよなー。
[妙に納得しつつ、馬屋へ向かう背を何となく心配そうに見送る]
……大丈夫かね〜。
[ぽつり、呟いた後。ふと、背後に気配を感じた気がして振り返る]
[周りの会話を聞きながら、後ろのほうを着いて歩き]
[酒場の扉が開かれる前に、何気なく後ろを振り返り]
あら、…こんばんは?
[其処にいた金髪の少女に目を留めて]
[黙り込んでしまった少年に、機嫌を損ねてしまったのかな…と口をつぐむ。
元々、敬語は下手で元の主人によく怒られていた。こういう時は黙っておく方がいいと、もう感覚のない足で、皆の後ろを付いていく]
[少年の率直な感想に苦笑し]
…確かに、お酒のにおいはきついかもね。
[そういうと、ちょうど空いていたテーブルを指さし]
あそこ…空いてるから、座ろっか?
…?
[皆が振り返っているのを見て、目を瞬かせた]
[てとてと、とことこ。
子供の足音はとても静か。
マフラーは辛うじて、細い首を隠すけれど、
その白い手は、赤く染まっている。
小さなバッグを肩からかけて、子供は酒場を視界に入れた。]
ついた。
[小さく呟いて、少し、すこし、声は弾む。
前の人たちが入っていく。馬に乗った赤い人は、いなくなる。
男の人が、振り返る。
女の人が、振り返る。]
あ。こんばんは。
[よく知った、人の顔。]
[村の外れの、人の顔。]
[振り返った先に立つ少女の姿に、肩の相棒がきゅ、と声を上げる]
よ、こんばんわだな。
祭り見に出てきたんか?
[挨拶をする少女に近づいて。ぽふ、と頭をなでつつ問いかける]
[苦笑するイレーネに、口許を覆い顰めた顔のまま]
……酒、だけではない……、人の、臭いも……なんと、いうか。
[一仕事終えた男達の集う酒場では、仕方の無い事だろうが。これもまた、彼にとっては縁の無い事だった]
[座ろうかと言う言葉に、頷こうとして、同じように振り返る]
[自分よりも幼い、子供の姿。
確か、ユリアンと言ったか。あの鼠飼いの男と、親しいようだった]
[子供はこくりと頷いた。
頭に触れる手のぬくもりに、
少しの淋しさはどこかにいったような、
うれしそうな表情で、頬笑んだ]
祭りを見に来ました。
賑やかだから、僕も来たかったんです
[質素な服の金色の髪の少女に、一瞬驚いたものの。
きちんと着込まれた姿に仲間ではないのかとほんの少しの寂しさと安堵。]
こんばんは…。
[旧友を温める人々に小さな声を残し、そっと裏口へと回る]
…ベアトリーチェ…ちゃん?
こんばんは。
[少し背伸びをして、ようやく、その小さな姿が見えた。
その少女は時々、店にやってくる子で…
酒場にも来るのか、と一つ瞬きをすると]
ぁー、うん。みんなも、仕事終えてきたんだろうね…
[少年の言葉になにかしら同意する部分があったのか、頷いて]
…寒いし、中、入ろ?
[そう、軽く首を傾げると、空いているテーブルへと向かった]
[少女の言葉に笑みを返して]
[頭を撫でる青年を後ろから見。周りには施設の人や他の子等は見当たらず]
とりあえず、中に入りましょうか?
[寒そうだし、と真っ赤な手を見て]
9人目、学生 リディ がやってきました。
[月明かりの雪原。流れる音楽にあわせて、優雅に少女は舞う。
真っ白い新雪の上に足跡が作る華麗なる文様。]
銀のしずく
月よりおりて
白き風吹けば
黄金の実りを秋に待ち
そっか、年に一度の楽しみだもんなー。
[笑う様子に、何となく笑みを返しつつ、またぽふぽふと撫で]
取りあえず、一緒にメシ食うか?
ここに突っ立ってても寒いしな。
[頭から離した手で背中を押して、中へと促す]
……………
[思考する事、数秒]
[このまま帰ろうかとも思った、が。身体は冷えているし、これも人生経験だ。
そう自分に言い聞かせ、中へと一歩、踏み入る。
他者にとっては小さな一歩でも、彼にとっては大きな一歩である。というと、思い切り大袈裟に聞こえるが、それくらいの出来事だ]
[相変わらず口許は押えたまま。顔を赤らめた男達がわあぎゃあと騒ぐ声が耳に入り、其方も押えたくなったが、我慢する。
――信じられない。小さく、そう、呟いた]
[すぐさま駆け寄ってきた祭り実行委員会の大人たちが、慌てて彼女の手当てをする。
「…あー……折れてはいないが、見事に捻ったな…こりゃ。」
「無理っぽいねぇ、これは」
「どうすんだよ、今年の舞姫は…」
口々に慌てふためく大人たちの中で、少女は足首の痛みに泣きじゃくっている。
えぇ、そりゃぁもう、すっかり腫れ上がってしまって居たりとか。]
[ランプ屋のお姉さんがいる。
名前を呼んでもらって、子供はまた嬉しくなった。]
こんばんは。
[いつも優しいお姉さん。
中に入っていく姿。
女の人に言われたから、自分の手を見て、
真っ白な息を、吹きかける。]
年に一度の、祭りです。とても、とても楽しみだったから。去年より、いっぱい、知りましたから。
ご飯……食べていって、怒られないかな。
[無断外出だけでも怒られるかもしれないけれど、
ごはんも食べて、大丈夫かな?
子供はそれでも、中へと押されて、暖かさに喜んだ。]
学生 リディが村を出て行きました。
[やがて。
大きなエプロンを付けて現れた少女は、どこか困ったような笑顔で。はぅ、と小さな溜息をつくと、気を取り直したように接客を始めた。
真新しい靴下と――やや古ぼけているもののしっかりした靴で、ぱたぱたとテーブルを回る。]
あの…いらっしゃいませ。
ご注文は…?
[一緒に来た一団が席を定めた様子を見て、注文を取りにテーブルへと近づいた。]
[怒られないかな、という言葉にうーん、と声を上げて]
ま、そんときゃ俺が代わりに怒られてやっから、気にすんなって!
[にぱ、と笑って言い切る。
施設の子供たちを引っ張りまわし、怒られるのは日常茶飯事らしい]
[中に入れば、子供は、同じ年頃の姿を見つけた。
とても場違いのように見えて、首を傾げる。
それでも、頼もしい言葉が聞こえれば、
とても嬉しそうに笑った。]
はい、ありがとうございます。ユリアンさん。
[先程外で会った少女が、エプロンを纏ってやって来たのを見て、無言で視線を向ける。矢張り、手で口を押えたままではあるが。
ちら、と足元に一瞬目を向け、直ぐに戻して]
……注文?
[そう言われても、彼には馴染みの無いものばかりだ。
どうするのかと言いたげに、共に座ったイレーネやノーラへと視線を]
[少年の様子に少し考えるが、この空気を変えるには…よほどの事が起きないと無理だろう、と考えるのを止め]
…ベアトリーチェちゃんも、お祭り、楽しみたいもんね…
あたしも、お祭りに行くなら、夜の方が良いから。
[小さく笑むと、席に着き…
先ほどの少女に目を瞬かせ…微笑んだ]
…ぇと…あたしは、スープとパン、後、エール…
みんなは?
[金髪の少年が口を手で押さえている様子に]
…あの。
よろしければお水を持ってきましょうか…?
[空気だけで酔ったのかもしれないと、心配そうに小首を傾げ問いかけて]
9人目、研究生 エーリッヒ がやってきました。
−自衛団詰め所−
[いつもの物々しい詰め所の光景とは違い、
今日はでかでかと『妖精祭り実行委員会』の横断幕が貼られた建物。
村の若者たちは、それぞれ揃いの派手な色の法被を羽織って祭りの準備に忙しい。
やる気なさげに奥で暖炉に当たっていた金髪の優男に、実行委員長(例のごとく、普段は自衛団長だ)が声をかけた。]
…で、舞姫役に手ごろなお嬢さんを、ナンパしてこい、と?
そりゃまー、かわいこちゃんは好きっすけどー…それとコレとは…ぁー……。
[ギュンターは頼んだよーと気楽に言い放ち、青年はあきらめたようにため息一つ]
[嬉しそうな様子に笑いながら自分も席につき。
注文を取りに来た先ほどの少女の姿にお、と声を上げ]
えっとー、俺はいつもの……っても、わかんないか。
パンとスープと、あと鶏の香草焼きねー。
それとシードル。
[ベアトリーチェの困った視線には、に、と笑って]
飲み物ジュースにして、同じのでいっか?
[ごく軽い口調で問いかけ]
[馬を宥めるのに四苦八苦し、戻ってくるのに手間取った。
迷っていたわけではない……多分]
えーと…
[酒場の中を見渡せば、皆の姿は容易く見付かった。
が。
間近にいた村人を発端に、次第に自分……正しくは、その装具に意識が集まるのに気付けばさすがに苦笑する]
…仕方ないな。
[宿の主人のところへ行き、簡単な手続きの後に鍵を受け取って。
そのまま皆の居るテーブルへ]
すまない、どうやらこの格好は目立つらしいな。
私はもう少し後に食事を取ることにするよ。
[道案内ありがとう、と残してその場を*離れた*]
[実行委員会の机の上には、既に彼が提出した書類も置いてある。
■名前 エーリッヒ=フランツ=シュナイダー
■年齢 花も恥らう24歳
■自己紹介 村の青年団の若いもん。
(青年団とはいえ、八百屋の息子(38歳独身)とか、宿屋の若旦那(42歳独身)とかばっかりなのは田舎だから仕方が無いらしい。)
普段は村の農業試験場にインターンとして勤めていたり。]
[金髪の少女の注文も書き付けて顔をあげ、赤毛の騎士の姿はまだない事を確認する。]
…以上ですね。
しばらく…お待ちくださいね…。
[確認の為もう一度注文を読み上げて。
「貰う」という声に小さく頷き、テーブルを離れ厨房へ。]
[ふと、ダーヴィットの声が聞こえ…]
…そう、ですか…はい、では、また…
お祭りで。
[ダーヴィットを見送ると、ミハエルがまだ注文していない事に気づき…首を傾げた]
…お水の他に、何か、頼まなくて良い?
んー、また後でー。
[後に食事を、というダーヴィッドを、手を振って見送り。
イレーネの笑みには、まーあね、と言いつつにっと笑って答える]
しっかしまあ、祭りだからってのもあるんだろうけど。
いつも以上に賑やかだよなあ……。
[にぎやかな話し声を聞きつけて、人を探すなら酒場と、中へ。]
ちーっす。
今日もにぎわってるねぇ。
[へらりと人のいい笑みを浮かべる。派手な法被と相まって、似合ってはいるが見事にアホっぽい。]
[周囲から目を背け、俯き加減になっていたものだから、ダーヴィッドが去るのには気付かず。イレーネに声をかけられ、漸く顔を上げ、口を押えていた手を外し、テーブルの上に乗せた]
……夕食は、済ませてある。
[それは、本当だった。
が、庶民の食事を受け付けるかどうか解らない、というのが一番の理由で]
[不思議な服の、赤い髪の人はいなくなった。
さっきの裏口に行った、女の人は働いている。
新しく扉を開けて、入ってきた人は見知った人。
自分に紙を渡した人と同じ、法被を着ている。]
……実行委員さん。
[扉の開く音、空気の出入り、声。
それらに気づいて振り返れば、派手な実行委員の法被姿の青年が]
よー、祭事実行委員。
こんな時間に飲みに来て、祭り大丈夫なのかー?
[手を振りつつ、軽い口調で声をかけ]
やー、ぷちリーチェ♪
[にっこり笑って腰をかがめると、頭をなでなで。]
リーチェじゃ流石に子供過ぎて無理かなぁ?うん。
[きょろきょろと辺りを見回して誰か?を探しているようで。]
[ユリアンの笑みに辺りを見回し…]
ん、お祭りも…年ごとに、すごくなってくから…
人、たくさん来てるんだろうね。
[視線を戻すと、ミハエルの言葉に]
そう…お祭りには、いろいろなお菓子もあるから…
まだ、滞在するなら、少し小腹をすかせておくと良いわ。
[頭を撫でる手は優しいから、子供はまた嬉しくなる。
嬉しいことずくめの祭りは好き。]
誰か、探しているんですか?
僕、お手伝い、しましょうか?
[首を傾げて、見上げる。]
んや、俺が動かんくてもみんなやるっしょ♪
オスカーさんもヴォルフさんもこーゆーの大好きだからなぁ。
[てきとーに答えてユリアンのところへ]
んでさー、あれだ。ちーと大変なことになってんだ。
今年の舞姫ってば、ビッテンフェルトさんちのリディちゃんだったろ?
さっきリハーサル中にコケて怪我してさぁ。
…どーも祭りまでには無理っぽいわけ。
10人目、青年 アーベル がやってきました。
Moi je vis sans foi.
Je suis sans loi.
Rien ne peut m'enchainer.
Qui ma joie c'est la rue.
Seul l'inconnu me fait planer.
[異国の歌を口ずさむのは、陽気な曲調には不似合いの仏頂面した青年]
[イレーネの言葉に、彼にしては珍しく、大人しく頷く。
流石に、温室育ちのお坊ちゃまにこの人込みは堪えたか]
……妖精祭り、だったか。
母が楽しみにしているくらいだから、盛大な祭り、なのだろう。
[彼自身は、妖精等全く信じていないのだが]
わかりました…ではのちほど。
[赤毛の騎士の言葉に一つ頷いて。]
あの…どうぞ。
[この季節に氷水は辛いだろうと、酒用のレモンの端を少し失敬して数的果汁を落とした水を少年の傍にそっと置く。]
まー、実行委員がノリノリだかんなー。
[イレーネの言葉に低く笑う。
まあ、その異常な盛り上がりを、彼の師匠は嫌っているとも言うのだが]
あー、リディだったんだっけ?
コケて怪我って、そりゃまた災難な……で、代役探しか。
お疲れさんー、ま、がんばれや。
[にぱ、と笑って言い切った。そりゃもう、力いっぱい他人事口調]
ぇぇ、そう。妖精祭り。
[ミハエルの言葉に小さく頷き]
毎年、どんどん人も多くなってきてて、あぁいう、委員会まで出来ちゃったくらいだから…
[そう言って、エーリッヒを少し見て…]
あたしも、お祭にはランプを売り出してるしね。
気が向いたら、探してみて?
[小さく微笑んで…ユリアンの方を向き]
だよね…でも、頑張ってるほどの結果は出てるんじゃないかな?
毎年、知らない人、いっぱい来るし。
[舞姫が転んで、代役を探している。
聞いている分には、大変さは伝わらない。
でも舞姫は、去年も綺麗だったから、
少し残念に思ってしまった。]
子供はだめ。
[少し残念そうな声は、小さな口唇の中でとどまった]
うーっわ、激しく他人事。
ひっでーなぁ、ユリアン。俺とお前の仲じゃん?
…みつかんなかったらお前さん女装させて舞台に上げんぞ?
けっこ可愛い顔してっからいけるいける。
[にやにやしつつ、さりげにえらいことを。]
んー…ノーラちゃんは人妻だから流石にアレだし、イレーネは踊ったことあったっけ?
[祭りで賑わう通りを、白い息を吐き小さく唄いながら歩く。]
……また、今年もこの季節が来たんだな…
[青年は唄うのを止め、通りを見渡す…とそこへ自警団が現われる]
ああ…前わたされたやつね。……ほらよ
ん。
[微かに声を発し、置かれたグラスを手に取る。
喉に流し込めば、小さく音が鳴った。三分の一程まで飲んだところで、ことりと置く]
……ふう。
[漸く一息つけたらしく。目を伏せる]
助かった。
[素直な言葉は出ないものの、彼なりの感謝の気持ちだろう]
[青年は無造作に、書きこみが少ない用紙を自警団に押し付けた]
■名前:アーベル・エアハルト Abel=Erhard
■年齢:21
■自己紹介:特に無し
/中の人/
十年程前…まだ幼い頃、村に迷いこんできた。
それ以来、村で力仕事の手伝い等をしつつなんとか暮している。
村にくる前のことを一切話そうとはしない。
それ以前に、他者と深く関わろうとはしない青年
[少年の食欲のなさそうな様子に無理に注文を聞くようなことはせず、代わりに法被姿の青年へと。]
…いらっしゃいませ。
ご注文は…?
[飛び交う『妖精』という単語にどきまぎしつつも、笑みを浮かべ接客を。]
あぁいう、委員会……
[イレーネの言葉を繰り返して、その視線の先を見る]
[母に似た金の髪と緑の瞳を持ちはするものの、軽薄そうな男]
[――矢張り、目を逸らした]
そーだなー、毎年誰かしらしらねーの見かけるし。
まあ、俺は昔の祭りはしらねーけどな。
[イレーネの言葉に頷いて。
それから、さらりと無茶を言うエーリッヒを見て]
俺とお前のって、どーゆー仲だよっ!
つーか、女装ならお前の方がイケる。
俺よりお前の方が、絶 対 似 合 う か ら。
…ぁぁ、舞姫の話?
[エーリッヒの言葉に顎に指をやり…]
…一応、踊ったこと有るけど…
あたし、ランプ売りたいし。
[結構、見てくれる人、多いから、と頬を掻き…]
…ユリアンとエーリッヒが女装したら?
[先ほど話していた内容を思い出し…小さく笑って]
[舞姫が怪我をした、との言葉が聞こえ、僅かに眉を寄せて]
それは…大変そうね。大したこと無いと良いけれど。
早く代役の子が見つかれば良いわね。
[言い、女装云々の言葉にそれも良いかもとくすくすと笑う]
[金髪の法被のお兄さんと、
ユリアンさんのじゃれ合いを眺める。
イレーネさんの言葉を聞いて、
子供はランプが楽しみになってきた。]
二人、女装が良いと、僕も思います。
[きっと似合います、と、頬笑んだ]
[てっきとーにカウンターの席に座ると、注文をとりにきた娘ににっこり。]
んじゃ黒ビールとなんか適当におつまみねー。
…って、キミ新人さん?
あーのーなー……。
[イレーネと、更にベアトリーチェにまで言われ、何となく頭痛]
んなもん、似合いたくねぇよっ!
つーか、俺も自分の作品露店に出さなきゃなんねーから、ヒマナシ。
ガンバレ、エーリッヒ。
んー、イレーネもダメかぁ。
[むぅ、と考え込み。]
や、俺はダメっしょ。無駄にデカいし。
ガキの頃ならそりゃ、女の子みたいでかわいーとか言われたもんだけどさぁ。
『騒がしい……』
[聞こえる会話に出る感想は、それだけで。
頬杖を突いて、視線は壁に。周りの人間は見ない]
[「舞姫」との単語には、母親がしてくれた話を思い出したが。
妖精祭りで行うその舞はとても美しく、彼女も経験した事があるのだと言う。
しかし今年、その人物は怪我をした。残念な話だが、仕方の無い事だろう。だが、代役探しに女装はどうかと思う。突っ込みはいれないが]
[子供はくすくすと笑う。
男の人、ふたりとも、そうやって拒否しあっているから。]
踊るの、素敵なのに。
早く、見たいなぁ。
やー、ノーラちゃんが人妻じゃなきゃなぁ。
美人さんだし、最適なんだけどー。
ほんっと、こんな美人さんほっといt
[はっと、して言葉を飲み込む。
いやいやいや、流石にそれは言っちゃいかんて。]
いや、確かにあの舞はキレーなもんだと思うけどな?
[くすくすと笑うベアトリーチェに、やれやれとため息をついて]
それは、あくまで年頃の女の子とかおねーさんがやるからキレーなんであって、男が女装してやっても、気持ち悪いだけなんだっての。
あら、趣向を変えても良かったのに。
今年だけ、って。
[ノーラに相づちを打ち…ベアトリーチェの言葉に小さく頷いて]
…そうね…代役、見つかると良いんだけど…
舞、本当に綺麗だから。
[ふと、ユリアンの言葉に目を向け…]
…ユリアン、今年はどれくらい出せるの?
去年は、ハロルドさんに色々言われてたみたいだけど…
ユリアンさんも、エーリッヒさんも、綺麗だと、僕は思います。
[楽しそうに笑って、子供は言った。
それからカウンターを見る。首を傾げる。
見たことのある、人がいた。]
はい、…以上ですね。
注文入ります…。
[カウンターに座った二人の注文をさらさらと書き取り、そのままカウンター越しに厨房へ注文書を手渡して。
法被の青年の言葉には、困ったような笑顔を向ける。]
…はい。
今日一日だけ…ですけれど。
[脳裏に浮かぶのは厨房での遣り取り。
気風のいい女将さんに古物だが靴をやると言われて…断っても今日の駄賃の足しだと押し切られ。
しかし貰ってしまった以上、今日までしか働けなくて。
…明日からどうしよう、とほんの少ししょげたりしたけれど、今は仕事中だと切り替えて出来上がった品を運び始める。]
[女の子のくすくすと笑う声に、其方に目だけを向け。
こんな場所に、幼い子供まで来るのかと溜息を吐いた――とは言え、傍目から見れば、彼も大差ないのだろうが]
……舞姫無しでは、中止?
[それは困る、と思った。母親の楽しみであるのに]
[青年は騒がしいやり取りに溜息をつきつつ、
ユーディットに礼替りの会釈をしつつ紅茶を受け取り、
そこへ角砂糖を4つ5つ入れ、ミルクピッチャーのミルクを全て注ぐ。]
[ユーディットの様子に首を傾げながらも、
出来あがった元紅茶を口元に運ぶ]
祭り中断とか言われっとアレだけど、男のプライドっつーもんは譲れません。
[今年だけ、というイレーネにやや憮然とした面持ちで言い。
その後の問いには、んー、と言いつつ頭を掻いて]
去年はなー。
数そろえる事に焦って、質に問題があったから……。
まあ、数は減る。でも、その分、気持ちを十分に込めるつもり。
…あら?
舞姫無しだと中止になっちゃうんだ…
[ソレは困る…と少し悩み…]
…まぁ、確かに姫って言ってるのに、男がやっちゃ妖精さんも怒っちゃうかもね…
[ユリアンの言葉に小さく息をつくと、持ってこられた料理にありがとう、と微笑んで]
…そう、数減っちゃうの…
人も多く来るだろうし、すぐに売り切れちゃうかもね。
[用意だけでこれぐらいだし、とスプーンでスープを口へと運ぶ]
[こちらを見る少年に気づいて、子供はそちらを見る。
舞姫なしでは、という言葉が聞こえて、
困ったような顔をした。]
それは僕も……
[ふと視線をそらした先に、子供は驚いたものを認めた。
あまい、あまい。ぜったい、あまい。
あまいのは好きだけど、驚いた。
女の人の笑い声に、我に返ったけれど。]
ふぅん…舞姫がいないと中止…か
[女装可なぐらいなら、別に子供でも良いんじゃないの?]
[と、思いつつベアトリーチェを見るが意見は口にしない。]
[視線に気付かれて、逸らそうとした瞬間、女の子につられて其方を見て]
[絶句]
[紅茶に対する冒涜では無かろうか、あれは。
見てしまった此方のほうが、甘さで一杯になったように感じた。
テーブルに視線を戻して頬杖を解き、再び、水で口内を潤す]
[ひとしきり笑った後で]
嗚呼、中止は…困るわね。
年に一度なのに。
[小さく溜息を吐き、やっぱり男の人じゃ駄目かと呟いて]
[ユーディットの様子が目に入り、少し首を傾げた]
[絶対甘いものを、彼は飲んでいる。
おいしいのだろうか、おいしいのだろう。
なんだかとても興味を引かれる。
子供は少しだけ、悩んで、彼に近づいた。
とこ、とこ。てと、てと。]
あの。
[おずおずと、見上げる。]
つーか、キレイ言われてもねぇ……。
[何となく、ため息。それでも、ベアトリーチェが楽しそうにしている様子に、まあいいか、と苦笑して。
運ばれてきた料理に、ありがとなー、と笑う]
そうそう、妖精に感謝捧げる祭りなんだし。
[怒らせたらイミねーじゃん? と言いつつ。
すぐに売り切れるかも、という言葉にはまた、苦笑を浮かべる]
んー、まあ、売り切れればいいんだけど、な。
ま、とにかく、ちゃんとできてない物を世に出すなら、って考えるからね。
丁寧に仕上げねーと、素材にも悪いしな。
[青い髪の青年の元紅茶に、小さく笑んで。
法被の青年の傍らにおつまみを置く。
賑やかな一団の元にも次々と纏めてあがってきた温かな料理を運び、その他のテーブルの空きグラスも片付けて。
妖精や舞姫の話など耳に擦る暇もなく、ぱたぱたと。]
…ねぇ、キミ。
[意を決して立ち上がると、ユーディットの手をとる。
まるで愛の告白をするかのごとく、その目をまっすぐじーっと見つめ。]
…踊ってくれないか?この村のために…
いや、俺のためにでもいいけど。
[ベアトリーチェが席を立ち、カウンターの方へ行くのを見て…目を瞬かせた]
…アーベル…だっけ?
[見れば、話したことは数少ないが、村の住人が居た…
…ベアトリーチェの様子を見ていたが、すぐ側に座っていたエーリッヒの行為に目を丸くした]
…
[いきなり何を言い出すの、エーリッヒ…
いや、今に始まったわけではないのだが、心の中で小さく思っていた]
[元紅茶の味に満足げに少し頬を弛めていると、
小さく軽い足音を立てて少女が近づいてくる。]
[普段の青年ならにべなく無視するところだが、
どうやら元紅茶の味が青年の態度を軟化させているようだ。]
……なんだ?
[見上げてくる少女を覗き込みたずねる。]
[ベアトリーチェが席を立つのを視線で追いかけ、ようやくアーベルに気づき。
それから、その近くで展開しているエーリッヒの行動に一瞬、呆気に取られる]
……つーか……。
アイデアはともかく、その言い方っておま……。
[気恥ずかしくね? という突っ込みは、一応飲み込んでおいた]
[いつもなら、エーリッヒの様子が気になってしまうだろうに、
今の子供の興味はただひとつ。
青年の顔と、カップとを、見比べながら、尋ねる。]
それ、美味しいですか?
[当然のことながら、子供も紅茶とは認識していなかった。]
[注文の追加? それとも何か粗相が?
驚きで瞬く彼女の耳に届いたのは「踊る」という謎の単語。
舞姫の話はもとより、祭りの伝統などろくに知らない彼女には寝耳に水もいいところで。]
…え? あの?
ここは…確かに酒場ですけれど…私は踊り子ではないんですが…?
[困ったように小首を傾げて、見つめ返した]
[料理を礼を言って受け取りながら、ベアトリーチェの向かう先をちらと見る]
[がしかし、紅茶にまつわるちょっとした事件を...は見ていなかった]
[故にすぐ興味はエーリッヒとユーディットのほうへ向かい]
…変わらないねぇ。
[最後に付け足された言葉に笑いつ、スープを掬って口へ]
[そうか。あれは、ずっと、ああなのか]
[世の中には自分の知らない事――
というか、知らない方がいい事も色々とあるらしい]
[ノーラの呟きに、内心そんな事を思いつつ、空のグラスとにらめっこ]
いいんですか!?
[子供は驚いた顔をする。
何度も何度も、青年とカップを見比べる。
やがて、おずおずと手を伸ばして、暖かいそれを取った]
……あったかい。
[少女の言葉にもう一つ頷き、
大量のミルクが紅茶を冷ましているので、
万が一カップをひっくり返しても大惨事にはなるまいと
少女がカップを手に取る様を黙って見守る。]
や、うん…えーとな?
[流石に多少気恥ずかしくなったのか、片手だけは放し…
とりあえず、祭りの事とか、経緯とかかいつまんで説明。]
[…ぁ、やっぱり恥ずかしいんだ。
エーリッヒの様子を見ていたが、普通になったので、視線をベアトリーチェとアーベルに移す]
…
[初めて見るアーベルの様子に一つ目を瞬かせ…エールを一口]
[子供は、やっぱり甘かったと思った。
それでも甘いものは好き。
それでも、紅茶も好き。]
……美味しい、です。
[多分、そうであっているだろう。
まずいとは思わなかったのだから。
子供はにこりと笑って、感謝の言葉を青年に投げた。]
……いちおー、最低限の羞恥心はあったか。
[片手を離したエーリッヒの様子にぼそ、と呟いて。
運ばれてきた料理を食べ始める。
肩の上で待つ相棒には、パンをちぎって預けておく]
[イレーネの視線には気がつかず、じっと少女を見守る]
[笑いながら「美味しい」と言う少女に、
珍しく笑みを返しながらもう一つ頷き]
……そうか、ならば良かった。
[と、言いながら少女の頭を撫でる。]
[青年は阿呆なエーリッヒと被害者の給仕の女性を見
自分用の元紅茶を作るためもうひとつ紅茶を注文する。]
[実行委員の青年に説明され、ようやく理解…すれば逆に焦らずにはいられない訳で。]
あっ、あの…それなら私よりも舞姫の名に相応しい綺麗なお嬢さん方がいらっしゃるじゃありませんか…!
[家事や炊事は得意でも踊った事など皆無であるとか。
妖精の自分が妖精への感謝の踊りなんて、とか。
そもそも人間の風習なんてまったく知りませんとか。
わたわたと慌てるも、祭りが中止と言われればどうすればいいかわからず、助けを求めるように辺りを見回した。]
[頭を撫でられて、嬉しそうに子供は笑った。
それから、はっとして、ユリアンを見る。
そういえば料理もあった。
紅茶もどうしよう。
青年は新しいのを頼んでいるし…
困ったように二人を見比べた。]
[後から説明を始めたエーリッヒに、やっぱり変わらないと笑い]
[スープをもう一口。如何なる返答が返って来るだろうと横目で見ている]
[祭り中止は困るので、軽く期待も込めて]
[ベアトリーチェの笑顔。アーベルの笑み…
…悪い気はしないので、軽く笑みを浮かべた。
千切ったパンをスープにつけ、口へと運ぶ]
…
[問題は舞姫かぁ、とアーベルの近くで話す二人に視線を移し…]
[困っている様子のベアトリーチェに、苦笑して]
あーと。
食べきれないんなら、お土産にしてもらうって手もあるから、そんな顔すんなって。
[にしても元紅茶。
師匠が聞いたら激怒しそうだ。
そんな考えがかすめたけれど口にはしない]
[少女の様子にもう1度頭を撫で]
それは持って行きたければ持って行ってもいい。
それよりも料理を冷まさない方が良い。
[と、淡々と言うと少女の肩を、少女が来た方へ軽くおす]
[持ち帰ればいいという言葉を聞いて、それも良いと思う。
子供がいる施設に持ち帰ったら、喜ばれるだろう。
それから、青年の言葉と、肩を押されたこと。
子供は困って、また二人を見比べる。]
それじゃあ、ええと、こっちにも、料理、持ってきます。
[にこにこ、笑う。ふわふわ、笑う。
紅茶だったものはカウンターに置いて、
料理を取りに、てとてと、ユリアンの元へ。]
…うーん……ダメ?
[気乗りしてなさそうな様子に、盛大に落ち込む。]
…あー……、ほんっと、どないしょ…。
[カウンターにつっぷして深くため息。]
ぁーぁ。ふられちゃった。
[逃げるように言ってしまったユーディットに、小さく呟き…]
…良かったねぇ。
[ベアトリーチェには小さく笑んで]
[料理を持って来ます、と言って戻ってきたベアトリーチェを見て]
持ってくって、大丈夫かー?
[さすがにちょっと心配になって問い。
それから、カウンターに突っ伏したエーリッヒを見て]
あ、潰れた。
[ミもフタもない]
[子供はお皿を両手で持つ。精一杯、いっぱいいっぱい。
心配そうなユリアンの言葉に、
心配かけないように笑ってみせる。]
大丈夫です。
僕、力はあります。
[いつも施設で水を汲んだりしているから。
子供は言わなかったけれど、両手にしっかり持ち、運ぶ]
[新たな紅茶を元紅茶へと変容させつつ
元紅茶をおいてユリアンの元へ向う少女を見た後
元紅茶が置かれたカウンターと、その先に突っ伏すエーリッヒをみる。]
[エーリッヒの様子に1つ溜息をつくと
角砂糖が解けきった紅茶にミルクを注いだ。]
[如何やら、ぼんやりとしていたらしい]
[グラスに寄せられていた視線を外し、顔を上げる]
[皆の呟きに、あの男の勧誘が失敗した、という事を知る]
[ベアトリーチェの往復を、ちょっと心配そうに見守りつつ。
それでも、自分でやりたいと言うのを、無碍にするのもなんだなあ、と思うわけで]
にしても、マジで祭り開催の危機かあ……?
[それはそれで困るよなあ、とぼんやり]
[そっと厨房から様子を見れば、実行委員の青年は盛大に突っ伏していて。
気の毒には思うけれども、舞姫を引き受けたとして…明日からの仕事はどうするのか、なんて事情もあったりするからには気楽に返事は出来ず。
しかし、ひきもきらない客にいつまでも厨房仕事で誤魔化せず、再び表へと]
んー。
[ユリアンの呟きにパンを口に放り込み]
…エーリッヒの様子見てると…振られた、だけじゃないみたいだねぇ…
[少し困ったように頬を掻き]
[鶏の香草焼きが乗ったお皿を、とん、とカウンターに置く。
にこっとアーベルに笑う子供は、
もう一度、ユリアンの方に向かう。
もうひとつ、もうひとつ。お皿とフォークとナイフ。]
僕は大丈夫、です。
[ユリアンににこっと笑う。
でも、続いた祭りの話には、悲しそうな顔になった。]
他に、適任はいないのか?
[自分から声をかけるのは非常に躊躇われたが。
カウンターに突っ伏したままの、舞姫の代役を捜しているという男に、そう尋ねる]
いや、あいつが女の子にフラれるのはいつもの事だし。
[さらりと酷い事を]
祭りは、俺にしてみれば、自分の一年分の修行の成果と、今の技量が試されるチャンスな訳で。
やっぱ、開催されないと困るんだよなあ……。
[だからと言って、女装とかは御免被る訳なのだが。
むう、と唸りつつ、大丈夫、と笑うベアトリーチェに、無理すんなよ、と笑いかけ。表情の変化に、笑みはやや、苦笑気味ではあったけど]
[少女が何度も往復して食事を運ぶ。
…のを、新たな元紅茶を飲みつつ見る。]
[金髪の少年がエーリッヒに声をかけるのをぼんやりと聞く]
[少年の視線に、不思議そうに小首を傾げて。
空になっているグラスに気付き、テーブルへと近づく。]
…お代わりお持ちしましょうか?
それとも…なにか…?
[気分が悪いのかしら。と心配そうに屈みこんで。]
いつものこと…だけどさ。
[さらりと酷いことを重ね]
あたしも…
こういう、お祭の時に…
その思い出として、って買ってくれる人が多いから…
[ふと、ミハエルの声に目を向け…エーリッヒの方に目を向ける]
[とてとて、こてん。
料理を置いて、アーベルににっこりと笑いかけた。
子供は転ばずに運べたようだ]
料理、どうぞ、お食べください。
僕が頼んだのではないけれど。
ユリアンさんが頼んでくれたのだけれど。
[にこっと笑って、自分も椅子によじ登る。
両手を合わせて、いただきます。
その前に、紅茶だったものに口をつけて、
甘さにやっぱり、仄かに笑った。]
[相変わらずダメージから回復し切らないらしい男から返って来たのは、今の所は見付からないだとか、このままじゃ祭りに間に合わないだとか、曖昧な言葉]
[屈み込んだ少女に、翠玉の眼差しを向ける]
いいや、大丈夫だ。
[お代わりを、との言葉には首を振り]
それより。
君は、舞姫の代役を受ける気は無いのか?
[ベアトリーチェの無事の到達にほっと安堵の息を吐き]
だよな、うん。
[さくっとまとめて頷き。
続く言葉にも、うんうん、と頷いて]
だよなあ……だから、なんとかなってほしいのは本音。
[言いつつ、ミハエルとその周辺のやり取りに注目]
[カウンターに並んだ鶏の香草焼きとその他を少女が勧めてくる。
ユリアンが少女に頼んだと聞くと、それが自分が食べるわけには…
と、困惑もしたが、無碍に断ることも出来ず]
…今は腹が空いていない…ので少しだけ頂こう。
ありがとう…えぇ…と
[と、パンに手を伸ばしつつ
村で見かけたことがあるものの、名前を知らないことに気づき口篭もる。]
[お代わりを首を振って断り、代わりに少年が返してきた言葉に焦茶色の瞳を丸くする。
どうしよう、という思いはあったが真剣に問う翠玉に嘘はつけずに。]
せっかくのお祭りが…無くなってしまうくらいなら、協力して差し上げたくはあるのですが…。
あの…私……ここで働けるのも今日だけで…明日からどうしたらいいのか………って…。
[職を探していた姿を既に知っている少年になら、引き受けきれない理由もわかってもらえるだろうと、ぽつりぽつりと。]
[エーリッヒとミハエル、ユーディットのやり取りを眺めながらグラスを呷り]
[心配そうな眼差しではあるが、酔いは回りつつあるらしく頬は染まっている]
[舞姫の代役如何を見届けるのが早いか、潰れるのが早いか。既に時間との戦いに*突入*]
[にこにこと、特別何がおかしいのかもわかっていない子供。
どうやらこういうところに来たら、自分では頼めないようで。]
少しだけ、でも、とてもおいしいです。
ユリアンさんにつれてきてもらって、知りました。
[それから、子供は、不思議そうにアーベルを見上げます。
何を言いたいのか、とても不思議のようです。]
先ず。
君は先程、「自分よりも相応しい人が」と言っていたようだが、彼は“君に”頼んだのだろう。
それは、君が舞姫に相応しい資質を持っていると感じた、ということだ。
自分を卑下することはない。
[実際のところは、あの男が自分の好みで選んだ可能性も多々あるのだが、今の彼にそんな事は思いつかない]
[其処まで述べたところで、少女がゆっくりと言を紡ぐのを聞き、眉を顰める]
……今日、だけしか?
そうか…ユリアンが
[確かにあの青年なら少女の面倒も進んでみそうだ…
と、納得しつつ…不思議そうな少女の視線に、困ったように片手で口を覆う]
……君の…名前を、俺はしらない。
[申し訳なさそうに、ポツリと。]
まぁ。うん。
[これ以上は何も言うまい。
突っ伏すエーリッヒの方を少し見て…]
…仕事すりゃ良いのに。
[まだ、酒場にたむろってるよりは外にいた方が可能性があるんじゃないか、そう思いながらも、他に任せられるような女性は居たか、と考えながらエールを口に含む]
[ああ、そんなことかと子供は思った。
施設暮らしの子供だから、覚えていなくても、と思った。]
僕は、ベアトリーチェ=ダルファーといいます。
よろしくお願いします。
お兄さんは、アーベルさん、ですよね?
[子供は尋ねるように、首を傾げて、青年を見上げる。]
[理論整然と説く少年に、気圧されてこくりと頷く。
言われてみれば確かに、賑やかな一団と彼は親しそうだった…彼女達に引き受けてもらえるのであればわざわざ自分に言ってくる理由はない。
資質という言葉にも自分が『妖精』であるゆえかと思えば納得できないこともない。
そう考えている内に、少年が眉をしかめるのが見え。]
……はい。
その…こちらには、少し、向かないようで…。
[実際には問題など何もないのだけれど。
身に付ける物を貰ってしまってはいられない定めだから。困ったように、ただ笑って。]
…………ベアトリーチェ…ダルファーか。
[憶える為、何度かその名を小さく呟く。
そして自分の名を呼びながら見上げて首を傾げるベアトリーチェに…]
ああ、俺はアーベル・エアハルト…だ。
[と、小さく頷きながら返し、頭をポフポフと撫でる。]
だよなー……。
凹む間に探しに行きゃいいだろうに……。
[イレーネに同意しつつ、シードルを傾け。
周囲で交わされる会話を聞きつつ、*注文した料理を平らげていく*]
[何か失敗でもやらかしたのかと思うが、そうでもないらしく。しかし、理由を問う権利も自分には無いと思い、それ以上は聞かずに置いて]
[代わりに足を組み、暫し考え込むように手を顎に当てる]
……ならば。
働く場所があれば、いいのか?
[困ったように笑む彼女を、真っ直ぐに見]
[子供は笑って、頷いた。
それから、2nd nameは識らなかったようで、
一度、二度、繰り返す。]
よろしくお願いします
[頭を少し、下げた。
名前をちゃんときけたからか、子供は少し、安心したよう。
頬笑んで、紅茶だったものに、再び、口をつける。
甘さに眠気が*誘われた*。]
[視界に入った足を組む動作に、なにやら思うよに俯きつつあった面をあげて。
顎に手を当てて考え込む様子に小首を傾げれば、投げられた問いに答えるのが一拍遅れ。]
……ぁ、はい。
ですが…。
[働きながら舞姫の振りを覚える時間はあるだろうか、とは思うけれども。
多少無理をすれば何とかなること、と口にはせずに見つめ返す。]
[元紅茶を飲み干した後少しだけパンを頂き、
ベアトリーチェを見れば、ゆっくりと舟を漕ぎはじめている。
カウンターにいるマスターに頼んで
ベアトリーチェが食べきれなかった食事を包んでもらうと、ユリアンに声をかける。]
[どうやらユリアンはベアトリーチェが普段どこで暮らしているのか知っているようで]
[ベアトリーチェを引き取るユリアンを見送った後、
青年も二杯分の紅茶の代金を払い外へ。]
[酒場の戸を明け通りに出る。息が白く凍る。
この寒さ…近日中に雪が降りそうだと考えつつ
祭りの準備に追われ眠りきらぬ村を通る]
Moi je n'crois en rien
J'suis un vaurien
J'en fais qu'a ma tete
Des que c'est interdit
j'en fais partie
[青年はまた唄を口ずさみながら*帰路へ…*]
…ん。
ベアトリーチェちゃん、おねむ、みたいだねぇ。
[空になったスープの皿に、スプーンを入れ…]
ん、おやすみ、ユリアン、ベアトリーチェちゃん。
[二人の背中を見送った後…アーベルも外に出るのが見え]
…おやすみ、アーベル。
[…自分のことなど眼中にはないのだろうと思いつつも挨拶を交わし…]
…んで、ノーラさん…さっきから、何言って…
[エールを口に含み…愚痴を呟くその姿に、今まで持っていたノーラのイメージが崩れた気がした]
…なんだか。何かと印象が変わる日…?
[んー、と目頭を指で押さえ…小さく唸った]
[口篭る少女に僅かばかり疑問を抱くも、そのまま言を続ける]
[会話に熱中している所為か、何時の間にか、酒や人の臭いや、周囲の喧騒は気にならなくなっていた]
この、僕――
ミハエル=フォン=エーデルシュタインが、君を雇う、と言えば?
[眼差しは向けたままに、口唇を動かす]
……僕は現在、母上と共にこの地に来ている。
使用人は一人雇っているが、その者は母上の身の回りの世話に忙しい。
其処で君には、彼女の補佐と、主に僕の世話係を頼みたい。
尚、母上は元々この村の出身で、舞姫の経験者だ。
理解は得られると思う。
[話の区切れを表わすように、一度、咳払いをして]
ただし、無論、僕の一存では決められない事だし、君が望むだけの賃金が支払えるかは解らないが。
……別に、君の為だけに言っている訳ではない。
[足を組み替え、言葉を継ぎ足す]
僕は、妖精祭りの開催を願っている。
君は、新たな仕事先が欲しい。
単純に、利害が一致しているだけだ。
とは言え、そう、悪い話ではないと思うが。
ミハエル=フォン=エーデルシュタイン様、が…?
[内心の動揺を表すように、ぱちぱちと何度も瞬いて。
少年の…ミハエルの言葉を繰り返す。
告げられた内容は、行く当てのない身には願ってもない申し出で。そのしっかりした言葉に、まだ幼い少年に甘えていいのかと迷うより前に首を縦に振っていた。]
あの…お給料と休暇を…いただきたいんです…。
それでも雇っていただけるのであれば…私……。
…ぁっ。ミハエル様のお母上がお許し下されば…ですけれど……。
[賃金、という言葉に、知らず息をのむ。
彼女にとっては大切な大切な…望み。
恐る恐る…しかしはっきりとした意思を持って口を開く。
週に紅茶一杯程度の金額と、月に二度の休み。
そんなささやかすぎる望みを口にする焦げ茶色の瞳は真剣そのもの。]
[君だけのためではないという言葉も。
利害が一致しているだけだという言葉も。
悪い話ではない、どころか行き倒れるところに助けの手を伸ばしてもらったに等しくて。
まだ決まった話ではないけれど。
にこ、と笑みを浮かべて、ミハエルの動作を見つめて。]
[首を縦に振る少女に、彼の口許に、僅かに笑みが浮かぶ。
凡そ彼の年に似つかわしくない表情ではあったが、初めての微笑だった]
[しかし、次いだ彼女の言葉を聞けば、訝しげな表情になるも]
雇うのであれば、給料を与えるのは当然の事だろう。
休暇も勿論、必要だ。過労で倒れられては、困るからな。
母上には、僕から口添えしよう。
[彼女の心中を察せてはいないだろうが、真剣な眼差しに押されたか。
やがて彼の翠玉の双眸もまた、真摯な光を宿して]
後は、君の意志次第だ。
[ミハエルの微笑に微かに焦げ茶色の瞳を見開いて。
すぐに訝しげな表情になったのを残念に思う。
お給料や休暇を当然と言い切る姿に少し涙ぐみつつ、真摯な光を宿して重ねられる言葉に、深く…深く頷いて。]
……はい。
よろしく…お願いします。ご主人様。
[ふわりと、心からの笑みを。]
[少女の返答と笑みに、満足そうに頷いて]
ああ。宜しく頼む……
[言葉を詰まらせる。未だ、紡ぐべき名を聞いていなかった]
……君の名は?
[…そう言えば。
アンケート用紙に書いただけで、この町では誰にも名乗っていなかった事に気付き、慌てて口を開く]
ユーディット…です。
お好きなように…お呼び下さい。
[言葉と共に、ぺこりと頭を下げた。]
ユーディット。
[舌の上でその名を転がして、解ったというように、一つ頷く]
まあ、詳しい話は明日、だな。今日はもう……
[と、呟くような言葉の途中、目が見開かれる。
時計に視線を遣れば、かなりの時間が経っていた。幾らなんでも、不味い。
しかし、仮にも使用人となった少女の前なのだからと、内心の動揺は隠して]
…今日はまだ、君も此処での仕事があるだろう。
たった一日とは言え、役割は役割だ。
エーデルシュタイン家の別荘と人に聞けば、直ぐに場所も解るだろう。明日に、訪ねてくるといい。
[冷静に言葉を連ね、椅子から立ち上がり身形を整える]
[ミハエルにつられて時計を見れば、かなり遅めの時間になっていて。
客もだいぶまばらになっているものの、片付けなければいけないテーブルは…かなりの数。
しかし、仮にも主人となった少年をこんな時間に一人返すのは心が引けた。]
あの…少し、お待ちいただけますか?
[ぱたぱたと厨房へ戻り、簡単な事情説明――とは言ってもあまりにも遅いので送って帰ってくるというだけだが――をすれば、お得意様になるのを期待してか、あっさりと許可は出て。
店のランタンを借りて、テーブルへと戻る。]
よろしければ…お送りします。
[帰ってきてからの皿洗いと引き換えであることは言わず、にこと笑んで。]
[よく考えてみれば、酒を口にすることのない少年がお得意様になどなる訳がないのだけれど。
舞姫の代役うんぬんの話を小耳に挟んでいた女将さんの心遣いだとは気付かぬままに、暗い夜道を照らすべくランタンに火を灯す。
酔い潰れたらしい黒髪の女性と、かなり強いのか未だ杯を重ねる灰色の髪の女性に会釈して、扉に手を掛ける。]
[待てという少女に、片眉を寄せ。
暫しの後に告げられた台詞に、更に眉を顰められる]
仕事は、いいのか?
僕と君の関係は、まだ仮のものだ。
しかし此処での仕事は、既に契約を済ませたものだろう。
[其方を優先すべきではないのか、と問うて]
[が、彼女が己の仕事をいい加減に放り投げる人物には見えなかったし、此処から別荘まで帰るのに、不安が無いと言えば嘘になった。唯でさえ、一人で出歩いた事等殆ど無いのだ。
そのような内心があったが為に、強く否定は出来ずに]
……君が、どうしてもと言うのならば。
勝手について来る分には、僕の知った事ではない。
[軽く息を吐いた後に出たのは、何とも彼らしい台詞か]
[その場に居た者に端的に挨拶の言葉を述べると、外套を翻し*酒場を後にした*]
…はい。
明日、迷子にならなくて済むように、付いていかせてもらいますね。
[ミハエルの言葉に、小さく頷いて道を照らす。
酒場に戻れば、一晩で驚くような量の*仕事を片付けていくだろう。*]
[…話がまとまるのを聞いて、祭り開催は大丈夫なのかしら、とエールを飲み干し…扉が閉まる音がすると、ゆっくりと立ち上がり背伸びをした]
んー…まぁ。大丈夫そう…ぁ、お代。
[少ないとは言えない分飲んだだけあって、払う硬貨の数も少なくはなかったが…]
…大丈夫…お祭の為に、お金は、溜めておいてあるから。
ランプも売ってるし、ね…
貴族の人って、お金、沢山払ってくれるし…
[そう言うと、マフラーを首に巻くと扉を開ける。
外の冷たい澄んだ空気に目を細めた]
…ご馳走様。
じゃあ、また…
[軽く会釈をすると、酒場の扉を閉める。
少し雪が降っていたのだろうか?
二つの足跡が道に続いていて…頬が緩む。
しばらくその道を見ていたが、マフラーを鼻の上までずらすと、白い道に新しい足跡を*付け始めた*]
…んぁ、やっべ!寝てた!!
[すっかり途中で酔いつぶれていたらしく、店主に起こされる。
御代を払うと、慌てて出て行った。]
11人目、読書家 ミリィ がやってきました。
[深い緑の針葉樹の梢は冬の蒼天を高々と貫いて、頂きに真白の雲を被せて揺れる]
[森の奥、一面に敷き詰められた黄金色の落ち葉に埋もれて眠る一人の少女。つやつやとした赤いお下げ髪には、柔らかな陽光が光の冠を形作る]
[落ち葉の間から頭を出すのは、白い小さなキノコ達。手を繋ぎ踊る綿帽子の小人のように、朝露を弾きながら少女の周囲にまあるい輪を描く]
[鈍色の雪雲は未だ遠く、少女の目覚めの時も、今少し遠かった]
[実行委員会の先輩たちにあーだこーだ言われ、結局まだ舞姫の代役を探してうろうろ…]
…つーか、そう簡単に手ごろな女の子がそこらに落ちてりゃ世話ねーっての…。
[いつの間にか森へと入っていた彼の目に映ったのは、文字通り落ち葉の中に落ちてる少女の姿。]
…ねぇ、キミ……。
そんなところで寝てたら風邪ひく…よ?
[とは言え、あまりに気持ちよさそうな寝顔を邪魔するのも悪いかと思い…
とりあえず、余分に持ってた実行委員会のど派手なハッピをかけてやる。]
[宿の酒場で朝食兼昼食を済ませ、代金を支払う。
暫く先まで借りてある部屋の鍵を一度預けて宿を出た。
相変わらず白の装具を纏う辺り、懲りないというか]
さて、どうしようか。
祭りはまだ準備中と云うし、散策でもしようかな。
[馬はどうしているだろう。
機嫌取りに近くの森でも走ろうか。
暫く思案した末に馬屋に向かう]
[子供が眠そうに帰った時、施設の人は怒っていただろうか。
目を覚ました時、そこの記憶は飛んでいた。
それだけ眠かったということだろう。]
妖精祭り。
うれしいなぁ。
[知らず、灯った頬笑み。
昨日の賑やかさを思い出す。]
人がたくさん。
妖精さんもたくさん?
賑やかなのが、嬉しいなぁ。
[自分の部屋から窓の外を見る。
あかるい。土が白い。ゆきがきれいだ。]
[馬屋の中、彼の愛馬は眠りの内だった。
前日の疲れが出たのだろうか]
おやおや…迎えにきたんだけどね、
[苦笑を零しながら馬の名を呼ぶ。
ぴくりとも返さないのに、息を吐いて]
仕方ないな。
一人で行くとしようか。
[ぼやくように宙に向けて呟くと、そのまま人混みに紛れ]
[そうしてまた*迷うのだ*]
[さわりと冷えた風が少女の紅い頬を撫でる。黄金色の落ち葉がかさこそと音をたてて内緒話を交わし、その声に呼ばれたように、ふるりと、細い睫毛が震えた]
ふにゃ…
[小動物じみた声が、半開きになった少女の唇から漏れる。ぼんやりと開かれた瞼が、次の瞬間にはパチパチと不思議そうに瞬きを繰り返し、ゆるりと、落ち葉の敷布に手をついて、少女は半身を起こした。掛けられていた法被が、ぱさりと足下に落ちる]
[光と、相棒の声でふと目を覚ます。
んー、と唸りつつ目を覚ませばそこは作業台の上。
周囲には、研磨途中らしき色とりどりの石と銀細工の台座]
……やっべ、またやった。
[ベアトリーチェを送って工房に帰った後、昼間に集めてきた石の加工を始めて、それから、そのまま眠りこけてしまったらしい]
師匠がいたら、怒鳴られてた……。
[はふ、と一つ息を吐き、作業台の上を片付ける。
窓の外には白の広がり。陽を弾くその煌めきに目を細めた]
[少女の目の前には、落ち葉の黄金に負けない金色の髪の青年がうとうとと眠っている。どこかで見たことのあるような気もするが、名前は思い出せなかった]
風邪、ひきますよ?
[さっきまで、自分が風邪をひきそうな状態だったことは、少女の意識の上に無い]
[肩からかけたショルダーバックが、
ちょっと、重くて、思い出す。
お金払ってなかったかな。
ユリアンさんと、アーベルさんに、
お金を返さなきゃいけないと思う。]
……まずは、ユリアンさん?
[工房の外に出て、ひやりとした大気の中で身体を伸ばす。
耳に届く、祭り準備の賑わい。
ここに来てからまだ5年しかたってはいないものの、それは、既に馴染み深いものとなっているような気がした]
さてとー……森に行って、もう少し材料集めしてくるか、それとも……。
[軽い口調で言いつつ、とりあえず工房の戸締り確認]
[窓から差し込む明るい光。何度か瞬いて慣れた目に飛び込んで来る木目の天井]
[自宅では無いが、全く馴染みがない訳でも無い。むしろ懐かしい気さえする]
[さて、此処は何処だったろうか?]
嗚呼もう…本当にごめんなさい…!
[何時もの落ち着いた様子は微塵も無く謝り倒す]
[しかし実は割と何時ものことらしく]
[後頭部を擦る主人に食事代と宿代を渡し、そそくさとコートを着込み荷物を抱えて酒場を後に]
[声をかけてみたものの、青年が起きる気配はない。ふと気付くと少女の足下に、派手な色彩の法被が落ちている]
法被?どうしてこんなところに?
[少女は首を傾げるが理由は判らず、しかし丁度良かったと、その法被を拾い上げ、青年の肩に掛ける]
これで、大丈夫、かな?
[少女は小首を傾げて、にこりと笑い、立ち上がってぱたぱたとスカートの裾をはたく。大きく息を吸い込むと、湿った枯葉と深い緑の匂いが胸を満たした]
さあ、お祭りを見に行かなくちゃ。
[ふわりとスカートの裾を翻し、少女は踊るような足取りで村への道を歩き始める。取り残された青年の傍で、黄金色の枯葉がカサコソと笑った]
さぁて…
[暫し歩いて息を吐く。
勿論疲れたと云うわけではないのだが]
…此処は何処だろうなぁ…
[高々30分強で見事な迷いっぷり]
[取りあえず、アテもなく散歩して作品イメージを固めるのも悪くない、と思い立ち。
忙しげな通りをのんびりと歩いて行く。
途中、すれ違う顔馴染みたちに、今年の作品のできはどうかと問われれば、返せるのは曖昧な笑み]
イマイチこう……まとまんねぇんだよなぁ。
[はふ、と息吐いて、喧騒に紛れるようにぽつりと呟く]
ー森の中ー
[村へと続く赤土の小道で、少女は青い小さな花を見つける]
あら、可愛い。寒いのに良くがんばってるわねえ。
[道端にしゃがみ込んで花に話しかけ、楽しげに笑う]
あおは、愛の色…
[歌うように呟いて、うっとりと目を細めた少女の意識は、以前に読んだおとぎ話の国に飛んでいる]
[何処だろうと言いはするものの、周囲を見回す様は楽しげに。
何だかんだと言いつつもこの状況を楽しんでいるらしい。
騎士の癖にそれでいいのかという突っ込みはきっと受け付けない]
さて…ルートがいないのに森に行くのは無謀だし…何処へ行こうか。
[何処へ行くのも無謀だし、そもそも辿り着けないだろう可能性は一時的に忘れ去っている]
[と、また何やら視線――村人が向けてくる騎士に対するものとは違う――を感じ、周囲を見回して]
……ユリアン?
[に見えた気がする。見間違いでないのなら]
[結構飲んだ割に後を引いてはいないが、変わりに昨夜の記憶も無い]
…変な事言わなかったかしら…
[別の意味で頭痛がして、前髪をかき上げて額に当てる。先程まで暖かい場所に居たせいか、手は熱を帯びていた]
[昨夜のメンバーと顔を合わせるのが少し怖い]
[名を呼ばれれば、ああ、やっぱり、とか思いつつ。
喧騒の中で一際目立つ白い姿へと近づいて声をかける]
やほ、こんちわー。
今日は、一人?
[で迷子、とはさすがに続けなかったが]
[見知った姿を見れば安堵はするのか、表情は僅かに緩む]
こんにちは。
ルートは馬屋から動いてくれなかったのでね、今日は私一人だ。
[『やっぱり』とか『迷子』とか考えられているなんて露知らず]
[そんな事を考えている矢先に]
…は。
[見覚えのある青年と騎士を発見してしまったのは不幸なのか。先に見つけた分まだ幸運なのだろうか]
[しかし家に帰るには其処を通らなくては他に道は無く]
[何とかやり過ごせないものかと近くの建物の影に隠れ、様子を伺う]
[傍から見れば明らかに不審な黒コートが一匹]
動いてくれなかったって……。
[そんなに疲れてたんかな、あの馬とかふと思いつつ]
まあ、こんな人ごみの中、馬連れて歩くのも、大変だろーしね。
んで、これからどっか行くの?
ー森の中ー
[道端でしゃがみ込んだまま、おとぎ話の国で遊んでいる少女のお下げ髪を、ひゅると風が揺らす。その同じ風が、一枚の紙きれを少女の目の前に運んで来た。まるで、夢見る少女を促すように]
アンケート?
[パチパチと瞬きして、少女は白い紙を拾いあげる]
ああ、お祭りの。
[にこりと笑って、少女はスカートについた大きなポケットから、小さな木炭の欠片を取り出すと、手近な平たい石を下敷き代わりにして器用にその紙を文字で埋めていく]
■名前 ミリィ=カーティス
■年齢 18歳
■自己紹介
普段は両親と一緒に遠くの街に住んでいます。この村は母の産まれた村で、祖父は森番をしています。
妖精祭りの時期には、毎年一人で祖父のところに遊びに来ていて、今年は一週間前から森の中の祖父の家(森番小屋)に滞在中。
趣味は本を読むことと、森のお散歩。
寝ているだけだとは思うけどね。
もしかしたら拗ねているのかもしれない。
[今日も機嫌取りにいかなきゃ行けないかな、と笑い]
言われてみれば確かにそうだ。
この中を馬連れで歩いたら危ないかもしれないね。
何処に行くとかは特に決めていないんだ。
まだ祭りの準備中だと言うし、可能な限り覚えて回ろうかと思って。
[とか言ってる内に迷ってるんだから世話がない]
[何となく、向こうの建物の影に知った気配がある気がするのだが、どうにも上手く見えなかったり]
んー、馬の事はよくわかんねぇけど、元気になるといーな。
[にぱ、と笑って言って]
うん、たまーに大荷物とかも通るしね、この通りは。
で、覚えてって……まあ、そんなに広くないから、目印覚えれば大抵のとこには行けるだろっけど。
[覚える以前の問題があるんじゃ、とかふと思ったのは、心の奥底へ。昨日の様子からして、言ったらがっくんと凹みそうだから。
その肩の上では、こちらを伺う気配に気づいたらしい相棒が怪訝そうに首を傾げていたりする]
壁|・)o〇(何かすごいものを見たのでひょっこりと。
ミリィさん、act数大丈夫ですかー?
心配なようなら、一度補給かけますよー?)
[声に建物の方に向けていた視線を戻して]
ああ……そうだな。
[拗ねているとしたら元気云々の話ではなくなるが。
笑みにつられたように此方も笑んだ]
なら尚更だな。子供も通るだろうしできるだけ控えよう。
そうだな…一応数箇所の目印は記憶したが…
[頭の中で地図として組み立ててみる。
その地図通りに歩けるかどうかは運次第かもしれない]
[目が合った]
[真っ直ぐに見上げる翠玉の瞳]
[昨晩の女かと、内心納得しつつも]
ああ、こんにちは。
[しかし]
何をしているんだ?
[最終奥義は、彼には通用しなかった]
壁|・)o〇(と、actの数をカウントしたらミリィさん完全に尽きているようなので。
メモが使えないと大変だと思いますので、補給かけますー)
村の設定が変更されました。
定員に達しなかったため、村の更新日時が24時間延長されました。
村の設定が変更されました。
[最終奥義看破]
…あ、いや、…ええと。
[何だか怖い。この子怖い]
[視線を泳がせたところで、その背後に立つのが昨夜見た少女だと気付いた]
あら?
確か昨日は酒場のほうで…
[意図的に話を逸らした訳ではない。…きっと]
まあ、馬走らせたい時は、大通り通んなくても外出れる道もあるから。
良かったら、後で、教えるよ。
ん、まあ……村の人はみんな親切だし、道聞けばちゃんと教えてくれるから。
そんなに気負わなくてもいいと思うけどねー。
[言い方に何か頼りないものを感じたのか、フォローするようにこんな事を。
相棒は相棒で見ていた方向に何か見つけたようで。
きゅぅぅ、と不機嫌な声を上げていたりするが]
[ノーラが視線を泳がせる様子と声とに、首を一度斜め後ろに向け]
ユーディットが、どうかしたか?
[首を傾げ、問う。怖がられている事等、意に介さない]
[詳細は省くが。
雇用の問題は予想外に、というか、拍子抜けする程スムーズに行った。
それどころか、(彼自身は知らない事であるが)母親はユーディットに向かって「ミハエルの事、よろしくね」と笑顔で頼んだのだった。そんな経緯もあって、彼と少女とは行動を共にしていた]
[先輩の方に貸してもらった大き目の侍女服を纏い、笑みを浮かべて主の後ろに控えていたが。
視線を泳がせたゆえとは気付かず、黒髪の女性の言葉に、ぺこりと頭を下げた。]
はい。
こんにちは…。
[そうして、にこ、と小首を傾げて]
何を…してらっしゃるのですか?
[主と似たような言葉を、さっくりと。]
[とてとて。お店を眺めながら、
子供はバッグの中のお金を考える。
そんなに多くはないけれど、
祭りで遊べる分は持っているかな。
いっぱい店が並ぶ様は、とても楽しい。]
お礼に、何か、買っていこう。
何がいいかな。
アーベルさんには、甘いもの?
ユリアンさんには……
[首を傾げて、あたりを見回す。
何を買っていけばいいだろう……?]
そんな道が…ああ、是非とも頼むよ。
[それをちゃんと覚えていられるかどうかはおいといて]
そうだな…出来る限り自分でとも思っていたが…
それで逆に迷惑をかけたこともあるしな。
[明らかに一度やらかしたことがある言い方を。
肩の鼠の様子に、もう一度建物の方へ視線を向ける。
増えた気配に不思議そうに首を傾げながら]
[ユーディットに改めて礼を返した後]
嗚呼…いえ、別に…
それより如何して此処に?
[そんなに仲良しさんだったかしら、と首を傾げ]
[不審者してた件については話を逸らす方向で行くことにした様だ]
ま、そんなにややこしい道じゃないから。
[それすら覚えられなかったらさすがにヤバクね? という疑問は沈めておいて]
……絶対、無理しない方がいいから。うん。
[言い方から何となく察した事に、声が真剣になったかも。
それから、相棒の様子と、相手の視線に建物の方に軽く視線を向け。
あ、確定可愛くねぇガキ、とか思いつつ、なだめるように相棒を撫で]
僕が彼女を雇った。散歩の途中だ。
[何の不思議が。何か問題が。腕を組んで、そう言いたげに]
……表に出ないのか?
建物の影は冷える上に、どこからどう見ても不審者だ。
[きっぱり。]
そうか、なら助かる。
[それすら覚えられないから真性なのだが。
宿までの一本道で迷ったのは伊達じゃない。威張れないが]
あ、…ああ。
[声の真剣さに気圧されつつ頷いて。
人混みと角度になかなか見えなかった建物の陰。
其処に集う人々がようやく視界に入る]
……何をしているのだろう。
[思わず、ぽつり]
嗚呼。
[漸く納得がいった様で]
[それから不審者の言葉に内心ショックを受けるが、何を今更]
[向こうにも完全に気付かれた様で、額に手を当て軽く溜息]
…出ましょうか。
[このヒトよく一人でここまで来れたなあ……とか、思わずしみじみと考えつつ。
何をしているのだろう、という呟きには肩をすくめて]
街角で立ち話……じゃね?
あんな日陰でしなくてもいーだろーと思うけど。
[少なからず馬に助けられてたなんてそんなまさか]
あそこでは寒かろうにな。
日に当たるところに出れば良いのに。
[自分たちを避けていたなんて微塵も思わない。
そもそも彼女が酔い潰れたなど、彼はともかく自分は知らない]
[振り向いたミハエルに、にこと笑んで。
主と黒髪女性との遣り取りを大人しく見守っている。
「ミハエルの事、よろしくね」
酒場を惜しまれながら後にし、向かった屋敷で。
こんな大きな子供がいるようには見えない美しい女性は、彼女を見て少し驚いたよに瞬いて――そう笑顔で告げた事を思い出す。
舞姫であったというあの方は…何か知ってらっしゃるのかしら?
そんな風に思いつつ、主の後ろ姿を温かく見つめて。]
[日の当たる場所に出たところで、昨日見た姿を発見して]
[立ち止まる]
[途端、何時もの不機嫌そうな顔]
……また、会ったか。
[ぼそりと、鼠飼いの男を見ての呟き。すっかり、天敵]
ほんとになー……って、あ、出てきたっぽい。
[こちらも避けられていたとは全く気づいていない訳で。
何してたんだか、と呑気に考えていたりする]
……ええと。
こんにちは。
[頭を小さくさげて、子供は物陰から現れた。
綿菓子と苺飴。
なんともいえない組み合わせを、両手に持ったまま。]
……あんだよそれ。
[ぼそり、と呟かれた言葉に思わずこちらもぽそ、と。
それから、肩の相棒がじぃぃ、とジト目になっているのに気づいて、ぽふぽふ、と頭を撫でてやる]
[本当に、と頷いて。
出て来た皆の姿に小さく笑みを零しながら緩く頭を下げる]
[と、何やら二人(+一匹)が険悪な雰囲気。
やれやれとでもいいそうな表情で苦笑した]
はいはい、そーでっか。
[さらり、返す。
この手を相手にすると疲れるのは、経験済みらしい。
それでも、不機嫌そうな相棒を撫でる表情は格別優しいもの]
[物陰から現れた姿に、あぁ、昨日の…と小さく頷いて。
こちらもぺこりと礼を返す。]
こんにちは…。
どうか…されましたか?
[甘い香りを纏う少女に、小首を返して問いかけて。
ふと、既に物陰から出て立ち止まっている主と…それに対している青年に、ぱちくりと瞬く。
そして、納得したのか。少女の手を優しく引いて表へと促した。]
[騎士には恐らく昨夜何をしたとしても見られていないのだが、彼女にそんなことに気付く余裕はない]
[やや伏し目がちに出たところで、背後からの声に振り返り]
…嗚呼、こんにちは。
[少女の姿に微笑んだ]
[さらりと返されると、なんとなく、ムッと来るものがあるが。
ここで何か反応しては、負け――のような気がする。我慢、我慢]
[男と鼠の様子を視界に入れないよう顔を背け、腕を組んでいる]
[不審者だったから見てました。
なんて本人たちの一人に言えるわけもなく。
子供は、困ったようにしたままで。
そしたら、手を引いてくれる、その様子に、
なんだかうれしくて。]
僕はどうもしていません。
ええと。
[しかし表に出ると、青年と少年が、言い合っている。
なんだろう、なんだろう。
でも、ユリアンさんにはこれをあげなきゃと思って、
苺飴を持つ手、引かれた手、ユリアンの顔、ユーディットの顔
四つを見比べて、どうしようと悩むよう。]
[何か意地になってるような様子に。
あ、やっぱガキだな、とかさらりと考えつつ。
ユーディットに引かれて出てきたベアトリーチェに気づいて、よ、と声をかける]
今日は大荷物だなー。
[にぱ、と笑って声をかけ。相棒も挨拶するように、きゅ、と鳴く。
態度の温度差があからさまなのはまあ、必然か]
[生憎今日は馬を連れてはいないのだけれど。
少女の視線が此方を見上げるのに気付き、人より高い背を合わせるように片膝をついて笑みを浮かべた]
はじめまして、だね。
君はこの村の子かな?
[僅かに首を傾げるようにして問いかける]
[少女の保護者と認識している青年へと、少女をそっと押しやって。
少女が迷う様子には気付かずに、主の姿を見守る。
ふと。
元凶らしきネズミに気付き、焦げ茶色の瞳で見つめ。]
[女の人の微笑みは、やっぱり優しいなと思った。
子供は昨日の、彼女の様子を、微妙には知っているけれど。
それからユリアンにぺこり、小さく頭を下げて。]
大荷物、じゃないです。
ええと、昨日のお礼です。
[苺の飴を、子供は彼に差し出そうとする。
それから、馬の赤い人が、視線を合わせてくれる。
こくり、と小さくうなずいた。]
僕は、ここに住んでます。
ベアトリーチェ=ダルファーって、いいます。
よろしくお願いします。
[後から出てきたユーディットに気付き、つい、遅いと口を開きかけたが、使用人に八つ当たりするとは、主人として――男として、あるまじき事だと、またまた我慢。鼠飼いの男は無視決定。
彼女の連れてきた女の子を見て、という事もあっただろうか]
……………
[我慢すると、無口になる訳で]
[少女が頷くのに此方も頷いて]
私はダーヴィッド=ブラウンフェルズ。
祭りの間、暫くご厄介になるよ。
[その言葉には、もしかしたら迷ったときの厄介ごとも含まれているのかもしれない。
子供にまで助けられる可能性があるのか、騎士なのに]
お礼って……気にしなくていいのに、そんなん。
俺が好きでやってんだからさ?
[ベアトリーチェの言葉に僅か、苦笑して。ぽふぽふ、と頭を撫でてやる]
でも、ありがとなー?
[それから、にこ、と笑って飴を受け取り。
……肩の相棒はと言えば、向けられる視線に気づいてそちらを見返す。
じぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ、と。
妙に真剣]
祭りに、来たのですね。
馬さん、今日は、いないですか?
[名前を、しっかり、頭にいれる。
子供は、しかし、それより気になっていた。
何が……そう、馬のことが。
それから、ユリアンに頭を撫でられて、
うれしそうに目を細めた。]
いいえ、ええと、本当にありがとうございました。
でも、お金……
いくらですか?
[首を傾げて、尋ねる。食事のお金が分からなくて。]
[視線を先に逸らした方が負け。
そんな暗黙の掟を知ってか知らずか真っ向から見詰め合っていたが。
声の聞こえなくなった主の様子の方がそんな勝負より遥かに大切な訳で。]
…ご主人様?
遅くなって…すみません。
[後ろでちょこんと。小首を傾げて。
独りじゃありませんよと言うように、にこ、と笑んだ。]
馬は今、宿の馬屋で休んでいるよ。
[己の纏う装具とは対象的な青毛の馬を思い出す。
今頃どうしているだろう、などと考えながら]
て、お金?
[一瞬言われた意味がわからなくてきょとん、と瞬き。
それから、ああ、と気づいてぽんと手を……打とうとしたけど、手に飴があったのでやめといて]
別にいいって。昨夜のは、奢られとけ。
[そも、一緒に、と言った時点でごく当たり前に奢る気だったらしい。
一方の相棒は、視線が外されたので、きゅ、と短く鳴いた。
状況的に勝った気はしていないらしい。ちょっと不満気]
[ユーディットに声を掛けられ、瞬きをするも]
……別に、何も言っていない。
[微笑む様子に、こういうときばかり、その意を悟ったのか。
むすっ、と擬音の聞こえてきそうな程の、顰めっ面]
[不満気な鼠の声が耳に届いて、ほんの少し、気は晴れたか]
[ダーヴィッドの言葉に、こくり、とうなずく。
子供は色々考えて]
きっと、疲れているのですね。
[それから、ユリアンの不思議そうな声と、
続いた言葉に、目をぱちくり。]
でも……
お金、貰ってます。
ユリアンさんに、悪いです……
[困ったように、子供は見上げた。]
[周りでは和やかな会話だったり水面下(?)の戦いだったりが行われているが、昨日の事もあって何となく入りづらい]
[不満げに肩の上で鳴く鼠に何気なく目が行き]
祭りまだこれからなんだし、金は取っとけよ、な?
[笑いながら言って、頭をぽふぽふと]
んー、別に俺は悪いとは思ってないんだけど……。
[実際、そうなんだから、こうとしか言えず。
それでも困ったような表情に、無碍にもできず]
あー、じゃあさ。
今度、川原に石拾いに行く時に、それ手伝ってくれよ?
先払いの手伝い賃って事でさ?
[にぱ、と全開の笑顔で提案する。
相棒は相棒で、また視線を感じてそちらを見やり、きゅ? と首傾げ]
[少女に問われた言葉にきょとんとして]
いや、私は大丈夫だよ。
充分に休めたし、あれくらいなら大して疲労もしない。
馬は存外デリケートだからね。
[ミハエルの顰めっ面に、あわあわと両手で口を覆い。
それでも穏やかな瞳のままで、静かに見守るつもりで。]
[ネズミの不満げな声に、一瞬だけ視線を向けたけれど。勝負はまた今度、とすぐに元に戻した。]
[また頭を撫でられて、子供はやっぱりうれしそう。
続いたユリアンの言葉に、こくこくとうなずいた。]
わかりました。
いっぱい、お手伝いします。
僕、がんばります。
[にこにこと笑う。
それから、その頬笑みのままで、
ダーヴィッドの言葉を聞いた。]
疲れてないですか。それならよかったです。
[妙に酒場に入ってくるのが遅かったことは知っているけれど、
まさか道に迷っていたなんて、思いもしないから、
そのことについては言わなかった。
知っていたら、疲れてないのに、驚いただろう。]
[青年と少女の様子に笑みを浮かべていて。
此方を向く少女に変わらぬ微笑みを返す]
これでも騎士だからね。
丸一日山奥を歩くようなことがあっても耐えられるよ。
[その丸一日も迷子の結果なんてそんなこと言わない。
言わないったら言わない]
んー、期待してるからなー?
[こくこく頷く姿に、楽しげに笑う。
なんか、妙に和むらしい]
[肩の相棒は同じ方向に首を傾げられたのに気づいて。
かく、と反対方向に首を傾げつつ、また、きゅ?]
[皆の話に加わるでもなく。彼の眼は通りへと向けられて。
賑わう声、行き交う人々、立ち並ぶ店。辺りを包む陽光に、自然の香りは、柔らかい。高き蒼穹に、冷たき空気は、何処までも澄んでいる]
[未だ彼には馴染みのないものだったが、昨日よりは慣れた所為もあってか、落ち着いて眺める事が出来た]
[徐々に動かしていった視線は、一度ノーラを認めて。
鼠と見詰め合っている様子に、何をしているのかと思った。
無論、彼はときめく筈もない]
[丸一日……ダーヴィッドの言葉を聞いて、とても驚いた。
子供はそんなことできない。]
すごいです。すごいです。
騎士さんってすごいですね。
[騎士=丸一日山奥を歩ける人だと認識したようだった。
誤認かもしれないが気にしない。
それから、ユリアンの言葉に、にこにこ笑顔。]
いっぱい、がんばります。
[ふと耳に入った丸一日山奥、が、『丸一日山奥で迷子』に変換された気がしたのは置いといて]
ま、何にしても祭り終わってからだなー。
しばらくは、細工の方が中心になるから、俺も。
[ミハエルからの視線には気付かず]
[(自称)冒険家の妻だけあって(?)基本的に動物は好きらしく]
[少し近寄って、鼠に向かって人差し指を伸ばしてみる]
[驚いた様子にくすくすと笑う]
騎士は体力勝負なところがあるからね。
それくらいはできなくては。
[言っていることは嘘ではない。
実際にやらかしたのが自分一人だけと云うだけで]
[少女と話している青年が見事に正解を導き出してることに気付く筈もない]
[子供は、ミハエルの言葉に、もう一度、綿菓子を見る。
これのことだろうか?
そう思って、少し、考えた。]
これは、綿菓子です。
あまくて、おいしいです。
ええと、食べますか?
[アーベルさんにはあとでもうひとつ買っていく。
そう思って、少年に、渡してみようと思った。
ユリアンの言葉に、子供は目をきらきらとさせる。]
細工、ユリアンさんの、好きです。
楽しみにしています。
[主の後ろに控えて様子を見守りつつ、皆の話に耳を傾けてそれぞれの名を心にとどめていく。
初めての人間の世界に、見るもの聞くもの全てが新鮮だけれど。一番気になるのは主の事で。
金の髪の少女――ベアトリーチェとの遣り取りを、ただ、静かに。笑みを浮かべたまま見守る。]
……お?
[近づく気配に気づいて、ノーラの方を軽く見やる。
指を差し出された相棒はきゅ? とまた首を傾げ。
それから、身体を伸ばして指にてち、と自分の手を乗せてみた]
[騎士というのは体力勝負なのだと聞いた子供は、
感嘆のまなざしでダーヴィッドを見た。]
すごいです、すごいです。
僕も騎士さんになりたいです。
[間違った認識をしているけれど、
子供は子供ながら、そう思ったようだった。
……残念ながら誤認を解ける人は、いないだろう……]
[細工が好き、と言われれば、やっぱり悪い気はしない訳で。
凄く素直な笑顔を浮かべて、ベアトリーチェの頭を撫でる]
ありがとなー、そう言ってもらえると、やる気が出てくるぜ。
[実の所今一つ不調気味なわけで。
それ故に、素直な言葉は嬉しかった]
綿菓子。
[確かに、綿のようにも見える。解り易いネーミングだ]
[あまくて、おいしいと、勧める幼い少女に、彼は首を振り]
……いいや。
それは、君の物だろう。
[相手が女子供、それも、母親を思わせる金の髪と瞳であった為か。断りの返事]
[…もそ。毛布が形を変える。
ゆっくりと瞼が開けば、ぼんやりとした目は仄暗い店の中を映した]
…あれ…
[ふぁ、と小さく欠伸をしてベッドから降りる。
スリッパを履き、毛布をベッドの上に置いた。
その姿は寝間着に着替えていて、確かに寝る前の記憶も残っているのだが…]
…
[カーテンを開ければ、冬にしては明るい光が差し込んできた。
…すでに朝ではないだろう]
…飲み過ぎたかしら。
[感嘆の眼差しと、その後の言葉にさすがに驚いて。
けれどその後、くすくすと笑った]
そうだね、君みたいな子が頑張ってくれるのも良いけれど。
これでも結構辛い仕事だし、挫折する者も多い。
体だけじゃなくて心も強くなければ、騎士になることも…もしなれたとしても、その後が続かない。
[装具を鳴らして立ち上がり、少女の頭をそっと撫でて]
それに、私としては君には、此処の仕事をしてもらいたいな。
細工やランプ、他にもここには沢山の技術がある。
武力などより、そういうものを大切にしてもらいたいと思うよ。
『か、って何なんだ、か、って』
[何か様子がおかしい?ノーラの様子に、首を傾げつつ。
相棒はてちてち、と小さな手で指に触れている。
……どうやら、挨拶のつもりらしい]
[――綿菓子。
一つ増えた知識を、大切に脳裏に仕舞いこむ。
お給料をいただいたら買ってみようかな…と思いつつ。]
…ぁ。はい?
どうか…ですか…?
[不意に問いかけてきた主に、動揺して瞬く。
何が、どうしたのだろう?
見守る事自身が違和感と取られているとは思わず、不思議そうに小首を傾げる。]
[カーテンを閉めると仄暗い店の中を歩き出す。
服を手に取ると、微かに頭が重い感覚を覚えた]
…まぁ…良いか。
[その重い頭を気にしながらも、服を着替え終える。
店内を移動し、七つのランプに火を灯すと、スリッパから靴下…ブーツに履き替え、人と面しても恥ずかしくない格好になった。
…その跳ねた髪の毛を除いて。
す、と作りかけのランプに手を伸ばし…組み立て始める。
毎朝の日課なわけなのだが…]
…
[出来上がったランプを棚に置くと、小さく息をついた。
あまり気にしないとは言っても、何か物事に集中すると煩わしいのか、額に手をやり…赤いマフラーとコートに手を伸ばした。
…しばらくして、ガラスのベルが店内に響いた]
[ユリアンの言葉に、にこにこと笑う。]
がんばってください、ユリアンさん
[本心からそう言った。
それから、ミハエルの言葉に首を傾げる。
自分のものというよりも、アーベルさんにあげるもの。
でも、もう一度、悩んで、差し出す]
ええと、まだ、いっぱい買えます。
だから、どうぞ。
[そして、ダーヴィッドの言葉を反芻した子供は、
じっと彼を見上げた。]
ダーヴィッドさんも、つらいですか? 大丈夫ですか?
[頭を撫でられて、心配そうな顔を見せる。]
細工もランプも、僕はあまり得意ではないのです。
[指を差し出したまま微妙にかたかた震えている]
[何この生き物撫で繰り回したい否むしろうちの養子に…!とかいう感情が彼女の中では渦巻いているとか]
[しかし声には出さない…というか出せないのかも知れない]
[当然飼い主の不審気な視線にも気づくことは無い]
[問い返すようなユーディットの声に、考え込む所作]
……いや。
[しかし、上手く言葉にする事が出来ずに。
暫しの間を置いて、何でもないならばいい、と告げようとして]
……………
[金髪の少女から、差し出された柔らかな白い菓子]
[つい、受け取ってしまって]
[如何したものか]
[困った]
[ベアトリーチェの言葉に、おう、と頷いて。
それから、かたかたと震えているノーラにちょっとぎょっとする。
その理由なんて全くわかってない。
当事者……もとい、きょとん、としながら首を傾げている当時鼠もまた、御同様で]
て、言うか……どしたの、だいじょぶ?
[それでもさすがに心配になって、声をかけた]
[ノーラとネズミの様子には気付かないままで。
気付いていたらきっと…今にも叫び出しそうな危機を感じて、主の耳を両の手で押さえていたに違いない。]
[見上げて告げる少女の言葉は予想できたものだったのか、僅かに笑むだけで]
私は大丈夫だよ。
確かに辛いことは幾つもあったけど、辞めようとは思わなかった。
[心配そうな顔に、しまったかなとは思ったが]
…そう。でもまだ決めるのには早いだろう。
色んな仕事を見て決めるといい。
勿論、騎士の仕事も確りと見てから、ね。
……は。
[声を掛けられ、すんでのところで漸く我に返った]
……嗚呼、ええと。
大丈、夫。はい。
[ちらと其方を見るも少し気恥ずかしい]
[指は鼠の前に掲げられた侭]
[子供は、綿菓子を受け取ってもらえて、うれしそうだった。]
あまいのです。しあわせなお菓子です。
[ふわふわにこにこと笑いながら、
今度は何か、女の人とねずみの様子が気になった。
……やっぱり不審者だと思った。]
[…冷たい外気も今は心地よくて、何処を目指すわけでもなく足を動かしている。
祭りの準備はまだ続いていて、法被を着た男達が慌ただしく動いていた]
…でも、もうすぐ…始まる…
[舞姫も見つかる、だろうし…
昨晩の様子を思い出し、微かに頬を緩める。
また、足を動かし始めると見覚えのある集団が居た]
…こんにちは。
今日は、祭りの始まってない…村の、観光?
[(方向音痴とは子供は知らない)騎士の言葉に、
子供は、少しうつむいた。
それでも、安心させてくれるような言葉と、
続いた仕事の決め方に、
こくこく、何度も、大きくうなずいた。]
いっぱいみて、決めます。
いっぱいいっぱい、ちゃんと、見ます。
[騎士さんにも甘いものをあげようと思ったけれど、
手元には何もない。
あとであげよう。そう決めた。]
[そんな危機には気付いていない。
取り敢えずは、目の前のこれを如何するかが、ある意味では危機か]
[嬉しそうな少女の様子に、返すのは躊躇われたか。
何より、彼自身、それに興味がない訳ではなく――否、多分にあって]
そうか。
……何れ、礼はしよう。
[素っ気無い物言いで、再び、視線は手渡された綿菓子に]
いや……大丈夫ならいいんだけど。
[ホントに大丈夫かよ? という問いはどうにか飲み込んだ。
相棒は両手をてちっと指に乗せて、不思議そうに首を傾げてきゅ? と鳴き]
[主の考え込む様子に、自分の態度は人間の世界にはそぐわないのだろうかと、ほんの少し不安が過ぎる。
年齢よりもしっかりした少年は、未だ半日の付き合いとはいえ彼女の手を煩わせることなど何もなくて。もしかして役に立ってないのかもとか内心で思っていたりもする。
けれど。
綿菓子を手に、困っている様子を見て。微笑んで。]
幸せを…分けていただいたのですね。
ありがとうございます。
[言葉もない主の代わりに、ふわりと笑んで頭を垂れた。]
[ふ、と呼びかける声に気づいてそちらを見やり]
よ、こんちわ。
取りあえず、俺は気分転換の散歩の途中……かな?
[軽く手を振って、イレーネに答え]
[ランプのかわいいお姉さん。
子供は、ぺこりとお辞儀して、ご挨拶。]
こんにちは。
ええと、祭りはまだでも、お店はいっぱいです。
[にこにこと笑う。
そしてミハエルの言葉に、驚いた。
目をまあるくした。]
お礼なんて、いらないです。
幸せになれるから、良いのです。
[理論破綻に子供が気づくわけもなく。
次いだユーディットの言葉に、にこにこと笑った。]
お姉さんも、一緒に、幸せですか?
[ランプ屋の少女に気付いて、軽くお辞儀するもやはり微妙に視線は合わせない侭]
[鼠に視線を戻し、さっきよりは幾分か落ち着いた様で]
[鼠に掴まれた指を握手するかのように軽く上下に動かす]
[ユリアンに軽く手を振り返し]
…気分転換…
あたしも、似たようなモノかも。
[もそもそ。マフラーの下で小さく笑みを浮かべる]
お祭だからって、始まる前から、飲み過ぎちゃ…いけないわね。
[…風に跳ねた毛がユラユラと揺れるが、本人は気付いてはいない]
[新たに現れたイレーナに気付き会釈して]
こんにちは。私はそんなところだよ。
[その途中で迷ったなんて言わない]
[当然ながら騎士として辛かったことを挙げているのだが、それよりも迷って辛かったことの方が恐らくは多いのだろう。
何度も頷く様子に此方ももう一度頷いて]
そう、それでいい。
そうして一番、自分がやりたいと思う仕事に就くといい。
[きっと綺麗なことばかりじゃないけれど。
その言葉は今の少女に伝えることではないだろうと飲み込んだ]
…はい。
あまくて、しあわせなお菓子…だそうです。
[だから、と二人の子供を優しく見比べて。]
ご主人様にも、その気持ちを味わって欲しくて…幸せを分けたくて。くださったのかなと……思います。
[主の瞳を見返して、そう告げる。
最後はほんの少し…自信無げな小声になったけれども。]
そう言う訳には、いかないだろう。
[理論破綻が如何こうと言う前に。
彼には、礼はいらない、というのが納得出来ないようで]
……僕は、ミハエル=フォン=エーデルシュタイン。
君の名は?
ベアトリーチェ、ちゃんも…こんにちは。
そうね…お菓子とか、食べ物は…一足先に出店で出してるわね。
お祭が始まっちゃうと、お店出す人は、忙しいから。
[小さく頷いて…ノーラに軽く頭を下げ…
視線が外れたことに、一つ瞬きをするが、ユリアンの肩に視線を移すのを見るとなるほど、と小さく頷いた]
ダーヴィットさんも…ぇと。
ルート、さんは…機嫌、なおりました?
[馬の名前を思い出すのに、しばし視線を空に移し…戻すと微かに首を傾げた]
[挨拶をかえしてもらった、と判断したのか、嬉しげにきゅきゅっ、と鳴く相棒の様子に苦笑しつつ]
ていうか、動物好きなんだねー。
[軽く、声をかける。ちょっとだけ、嬉しそうかも]
ま、工房に籠ってても、アイデア煮詰まったりするしなー。
てきとーに、息ぬかねーと。
[似たような、というイレーネに向ける笑顔は、ちょっと苦笑気味]
[遣って来たイレーネに遅れて気付き、ちらと目線を上げるも。
此方を見返すユーディットへと、視線を戻して]
そういう、ものなのか?
[お菓子を食べると幸せ、なんて考え方は、彼には理解出来ない]
[未だ手に持ったままのそれを、くるりと回す。
貴族の少年の手に、綿菓子。それも、ほぼ無表情に。奇妙な光景かもしれない]
[ベアトリーチェが頷くのに満足そうに微笑みを返す]
[イレーナが少し言い淀む様子に首を傾げたが、馬の名が出なかったと気付いて小さく笑う]
ルートは…どうだろうね?
出てくるときに声をかけたのに何も返してくれなかったから、まだ機嫌は悪いかもしれない。
寝ていただけかもしれないけど。
[ミハエルの言葉に、子供は困った。
お礼、お礼……
貰ったほうがいいのかな? と、困った。]
僕は、ベアトリーチェ=ダルファーです。
よろしくお願いします。
[ぺこりと頭をさげる。
そしてイレーナの言葉に、こくこくと頷いた。]
イレーナさんも、楽しみです。
お店、楽しみです
[にこにこと笑った子供は、ふと、思い出す。
そろそろ、アーベルさんへのお礼の食べ物、
買いにいかないと、と。]
ええと、綿菓子、もう一本、買ってきます。
アーベルさん、どこにいるかなぁ……
[後半の言葉は、小さくて。
ペコっと頭を下げると、てとてと、とことこ、
*走っていった*]
[灰色の髪の女性に気付いて、ぺこ、と頭を下げる。
そして、ベアトリーチェの言葉に、概ね間違っていなかったかと安堵の笑み。
妖精である彼女が、理論破綻などに気付く訳もない。]
幸せ…そうですね。
そうだと…思います。
[自分の心に問いかけながら、ぽつ、ぽつと答える。
そういうものなのかと問う主には、にこ、と笑んで。]
食べてみれば…わかるかも……しれません…ね?
[そう言う彼女自身、食べ方なんて*知らないけれど。*]
…うん。
ランプは…光がともせれば、最後には、どんな形でも…良いけど。
細工は、そうも…行かないだろうし。
…頑張れ。
[苦笑混じりなその表情に小さく頷いて…
ミハエルの手に持つ物に小さく笑みを零した。
…綿菓子に向けているためか、少年の表情は確認できなかったが…]
…うーん…寝ている、だけだと、良いですね…
お馬さん、が、喜びそうな物…少し、思いつきませんから…
[何が喜ぶんでしょう。
ランプと馬はほとんど縁はなく…荷馬車で見るぐらいだった
軽く首を傾げるが、全然想像は付かなかった]
[ベアトリーチェの言葉に小さく頷いて…笑みを零す]
…ぇぇ。
去年より、数が多いから…見てて、楽しい…と、思うわ…
[綿菓子、と言う言葉に一つ瞬きをするが、ミハエルの手にある綿菓子を見て、小さく、ぁぁ、と呟いて]
うん。行ってらっしゃい…
[微かに聞こえたような声には一つ瞬きをした]
[指をちょっとずらして、鼠の頭を軽く撫でてみたり]
[掛けられた声には軽く笑って其方を見]
昔からね。
農場の手伝いをさせて頂いた事もあるし。
[主に小動物の世話だったけど、と]
[言いながら少女が去るのを見送り]
ベアトリーチェ=ダルファー。
覚えておこう。
[少女の名を繰り返し、走り去るのを見送って]
[食べてみれば、というユーディットの言葉に、再び綿菓子とにらめっこ。
手掴み、ましてや齧り付くなんて食べ方は、彼に思いつける筈もなく]
[イレーネの視線に気付いて、顔を上げる]
そうだね…彼女は本当に…
[言いかけて口を紡ぐ。彼女は妙に地獄耳で、聞こえない距離にいる筈なのに不機嫌になられたことが何度もあったから]
私も彼女の好みはわからないよ…
[何年も付き合っているんだけどね…と天を仰いだ]
[ミハエルが顔を上げるのを見ると、小さく笑んで]
…ベアトリーチェ、ちゃん、から…貰ったの?
お祭、の時、ぐらいしか…食べる機会無い、食べ物も、多いから…
[…貴族、と言うことは大体分かっていた。
しかし、食べ方が分からない、とは思っていなかった]
…そう、なのですか…
[天を仰ぐダーヴィットに一つ目を瞬かせる。
何年も付き合って好みが分からない、と言うより、雌だったことの方が驚いていたようだ]
ランプだって、装飾に凝ると大変なんじゃね?
ん、まあ……何となく、造りたい物のイメージはあるんだけど……こう……巧く、それを、形にできないっつーか。
まあ、あせらねーで、やってくよ。
焦って、去年の二の舞にはなりたくねーし、な。
[後から散々な目にあった去年の祭りを思い返しつつ、肩をすくめ]
あ、なるほどー。
それで、ヴィントもあんま警戒しないわけね、何か納得。
[撫でられて、嬉しげな相棒を見やりつつ、こんな事を言って]
……と、さて、俺もそろそろ本来の目的果たしに行くかぁ……。
あ、騎士さん。近道聞きたい時はいつでも声かけてくれなー。
俺、ここの通りにある、『ハロルド宝石細工工房』に住み込んでるから。
[ふと思い出してダーヴィッドに声をかけ。イレーネとノーラにじゃ、と手を振りつつ、*通りをふらりと歩いて行った*]
[馬の性別の点で驚かれていたなど気付かずに]
そうなんだよ…
今のところわかっているのは、彼女は自然を駆けるのが好きだと云うことだけでね。
[やはり村の外を走ってこようかなどと呟いた]
……ああ。
綿菓子、と言うらしいな。初めて見た。
甘くて、幸せになれるのだと言っていた。
[よく解らないが、と付け足して。イレーネに答える]
……………
[それから。尋ねるのは、非常に躊躇われたのだが]
これは、何かにかけるものなのか?
[そのまま食べるだなんて、思いもしていない]
[騎士さん、と呼ばれて振り返る]
『ハロルド宝石細工工房』…成程。
わかった、そのときには寄らせてもらうよ。
[其処まで無事に辿り着けるかも問題だが。
ひらと手を振りユリアンを見送った]
[ユリアンとその相棒をまた、と見送って]
[それからふと空を見、口許に手を当てて]
嗚呼、いけない。一度家に戻らないと。
…と、紅茶も買って。
[呟けば、未だ話しているらしい人々に頭を下げ。大通りを抜ける]
[此処に来る前に気にしていたこと等、既に*忘却の彼方*]
…そう?
確かに…作って欲しい、って言われたら…大変、だけど…
あたしの、好きなように…作るなら、楽しい…と、思う…
[焦らず、と言う言葉には小さく頷いて]
…頑張って。
[その背中に軽く手を振った。
…ダーヴィットの言葉には一つ目を瞬かせ]
自然…を、駆ける…ですか…
綺麗な、馬、でしたし…走ってる、姿も…映えるんでしょうね…
[青の毛並みを持つ馬を少し思い浮かべ…もそもそ]
[そして、少年の言葉に小さく頷いて]
ん…甘い物、食べると…幸せ、になる…ね。
ベアトリーチェ、ちゃん…甘い物、好きだから…
[そして、一つ瞬き]
…かける?
うぅん、これは…
[微かに首を振ると、ぽす、と綿菓子からひとつまみ取って]
このまま、食べるんだよ?
[はい、とミハエルに差し出した]
[不意に少年から言葉を投げられて思わず失笑する]
私もそう思いますよ。
けれど…彼女の好みはころころと変わるので、なかなか掴めず。
昨日喜んでいたものに今日は見向きもしないことがよくありまして。
何時でも彼女が好きなのが駆けることなのですよ。
そのまま?
[目を瞬かせる。]
手が、汚れるではないか。
[ひとつまみ、千切られた綿をまじまじと見詰める]
[革の手袋を嵌めた、その下にある彼の手は、穢れ等知らないと言ったふうで]
[去り行くノーラに会釈と共に「気をつけて」と]
ああ、彼女の走る姿は綺麗だよ。
今は自分が騎乗しているばかりだからあまり見れないが…
其処の森で一度離そうかな。
自由に走るところをもう一度見たい気になってきた。
[明日にでも行こう、と心に決めたらしい]
気紛れ、なのだな。
[失笑する騎士に、ふむと頷きを返して]
まるで、君が、試されているかのようだ。
好きな事が一つ解っているだけでも、僥倖と考えるべきなのか。
[独り言のような言葉。
頭を下げて立ち去るノーラを見、彼も時間の経過に気付いたようで]
……ん、夕餉の時間か。
[少年の言葉に一つ目を瞬かせて…]
…まぁ、手が汚れるのが、嫌だったら…
囓る、って言うのも…有るけど…
千切って、食べた方が…汚れない、と、思う。
…パンだって、千切って、食べるんだし。
[確かにそうかも知れないけど…
小さく思いながらも、他の食べ物を引き合いに出してみる]
[ダーヴィットの言葉に小さく笑んで]
…へぇ…やっぱり、綺麗、なんですか…
確かに、乗っていたら…見れませんよね。
…あまり、遠くまで、行かないと…良いですね。
[馬の体力と人の体力はかなり違う、と言うことは流石に分かっているので、小さく笑いながら言った]
[試されていると言われれば頷くしかなく]
ええ、私もそう思っています。
…気長に構えるつもりではありますよ。
[闇に変わる空を見上げ、冷たくなった風に目蓋を伏せて]
…そうですね、もうそんな時間でしょうか。
お帰りになられますか?
……齧る。
[余計、彼には出来ない事だ]
パンと同じと考えれば、理解出来なくもないか……
解った。帰ってから、挑戦してみよう。
[それ程、大層な事でもないのだが]
ああ、とても。
何度見ても、闇に奔る風を思い出すよ。
[遠くまで、というのに少し苦笑して]
彼女は利口だから、どんなに遠くまで駆けて行っても必ず私の許へ戻ってきてくれるよ。
[自分とは違って、とはさすがに口に出来なかった]
ああ。
夕餉は、母上と共にしなくてはならないからな。
[赤髪の騎士にそう答え。
眼を彼方に向けて、自分の帰りを待つ母の事を思う]
ユーディット、君も、準備を手伝わねばならないだろう。
僕達はこれで、失礼する。
[傍に控えていた少女に声をかけ、踵を返す。
――尚、帰るまでに綿菓子が無事であったかどうかは、*定かではない*]
…うん。
囓るのは、流石に…ね。
[ベタベタつくのは好きではないのか、小さく頷き]
…そっか、もう、こんな時間…
[どれだけ自分は寝ていたんだろう、とこめかみを掻き…微笑んだ]
…うん。年に、一度の、お祭だから…
色々、楽しむと、良いよ。
[ミハエルに、ばいばい、と軽く手を振り…]
闇に、奔る…風…
[小さく呟く]
…すごい、良い子…なんですね。
なら…凄く、手間のかかる子、ってワケじゃないみたい…
[小さく笑むと、ぺこりと頭を下げ]
…ありがとうございます。
なんとなく、イメージが、湧いてきました…
闇に奔る風、で…作って、みようかな、と、思います…
お気をつけて。
[ミハエルに向けるのは儀礼的な一礼。
下級騎士とは云え、多少は身に着けているらしい]
[ふ、と苦笑を零して]
頭はとても良いんだがね。
その分…此方が遊ばれてしまうと云うか。
[そうして頭を下げるのにきょとんとして]
そうか…思わぬところで協力できたみたいだな。
闇に奔る風、楽しみにしているよ。
…遊ばれる…
頭が、良すぎるのも…考え物、ですか…?
[小さく苦笑すると頷いて]
…闇に、奔る、風…
今まで、イメージして、作ったことがありませんし…
すぐに、出来るかは分かりませんけど…頑張ってみます。
ぇと…もうそろそろ、暗くなってきましたし…
あたし、お店に、戻りますね…では。
[もう一度、ぺこり、と頭を下げると*帰路についた*]
まぁ、そういうところかな。
[軽く肩を竦め、やはり苦笑したまま]
急ぐ必要も焦る必要もない。
思うままにゆっくりと作っていけばいいさ。
ああ、そうだな。気をつけて。
[片手を振りイレーナを見送って。
ふ、と空に息を吐く]
…夜駆けもいいか。
[呟き、宿屋と思われる方向へ*歩いていった*]
12人目、学生 リディ がやってきました。
―――よ、っと…! はー…着いた着いた。
途中の道が雪で凍結してるとか、どうしようかと思っちゃった。
[村外れの街道に、馬車から飛ぶように降り立つ小さな影。
少々多い手荷物を降ろして、振り向き様に従者に短く礼を告げれば
馬車はそのままゆっくりと来た道を戻っていった。]
さって。この荷物どうしよう。
…っつっても、まぁ頑張って家まで運ぶしか無いんだけど。
[地面に並んだ自分の手荷物を眺めてうむ、と小さく唸り。
…と使い帰りなのか、此方へと駆けて来る自衛団員の姿が目に留まった]
………いぇーい。あたしってばラッキー?
[1年離れていたとはいえ、地元だ。
祭りの開かれるこの時期に自衛団員が取る行動など、
少女には容易に想像が付いたらしかった。]
おにーさん、祭りの参加者アンケートってある?
[笑顔で尋ねれば、肯定を示す様に差し出してくる用紙。
すぐに渡すからちょっと待ってね、と団員を待機させると
手荷物の中からペンを取り出して、さらりと記入を開始する]
■名前:Liddi=Thielemann
リディ=ティーレマン
■年齢:16
■自己紹介:職業・高校生。
去年(…ん?今年度?)から、都会の高校に通ってるよ。
祭りだから帰ってきたの。
/中補足/
都会の高校入学と同時に寮暮らしを始めた為に、村を出ていました。
言葉通り、年1回の精霊祭りの為に帰省。どうやら祭り好き。
村の住人なら(1年以内に来た等ではない限り)顔見知りかと思われます。
[アンケート用紙の隙間を動物の絵やら落書きで埋めれば
満足した様にペンをカバンへ戻して。
記入し終わったのを見計らってか、団員が用紙を受け取ろうすれば、
少女はその手を避ける様にひらりと用紙を取り上げた]
ねー、おにーさん。
…このアンケートを渡す代わりにさぁ?
[不思議そうに眉を寄せて少女を見つめる団員に、にんまり。
―――笑みを向けて。]
―――この荷物、運んでくれない?
[どうやら、彼女の帰省はとりあえず無事に済みそうだった。
―――自衛団員の青年の、体力を大幅に*引き換えとして*]
ー村の入り口ー
あら、もう日が暮れてしまったのね。
[少女の歩いた距離は、子供でも三十分程度の道のりだった。しかし、野花を見つけては語りかけ、虫を見つけては語りかけ、小鳥を見つけては歌いかけ…更に、その度ごとにおとぎ話の世界に旅していたので、優に数時間が過ぎていたわけだが…当人にとっては日常茶飯事であったから、みじんも気にはかけていない]
こんばんは、お疲れ様です。
[少女は、村の入り口で話しかけてきた若者に、手にしたアンケート用紙を手渡すと。相変わらず踊るような足取りで、ランプの灯りに浮かび上がる村の広場に歩み入る]
まあ、今年も綺麗な灯り。まるで本物の妖精のお祭りみたいだわ。
[きらきらと瞳を輝かせ、赤や青の硝子に透ける灯の色をうっとりと少女は見つめる]
[夕餉が終り、ご主人様親子が寛いでいる頃。
厨房では、ぱたぱたと手早く食器を片付けていく新米侍女の姿があった。
人間の世界の給仕はまだ不慣れだけれど(主が貴族であるゆえに余計に難しいとは知らずに)、片づけなら得意分野で。
のんびりしてる雰囲気からは思いがけない速さで、食器や調理道具を洗い、拭き上げていく。]
…ふふ。
[今頃、今日の出来事を話しているのかな、と。
主と綿菓子の一件を思い出して、小さく笑みを零す。
先輩が食後のお茶の給仕を終えて戻ってきた時には、全てがぴかぴかに*片付いている事だろう。*]
[あれから。
無事、綿菓子を別荘に持ち帰る事は出来た]
[白い雲を思わせる菓子はビニールで丁寧に包まれ、夕飯の後に食べるという事になり。其処まではよかった。
そして、外での出来事を語りつ、母子団欒の時を過ごすのも、ユーディットの想像した通りだっただろう]
[――問題は]
……母上……
[緑の貴石を思わせる瞳を伏せ、小さく息を吐く]
[それを見詰める母の眼は、優しい色を帯びていて。
微笑を浮かべる彼女を見られるのは、嬉しく思う、のだが]
自分で食べられます、から。
[千切った綿菓子を、それはそれは楽しそうに、彼の口に運ぼうとするのは。
止めて欲しかった]
[暫しの、硬直状態。
にこにこと笑む母に、流石の彼も、――負けかけた]
[が。
タイミングよく、給仕に現れたイザベラにより、彼は、何とか難を逃れたのだった。
ほっと、胸を撫で下ろした。
一方、母親が非常に残念そうな顔――
というか、内心舌打ちしていたのを、幸いな事に、*彼は知らない*]
[ちらつく雪は屋根や木には積もるが、
人通りが多い石畳に積もるほどの威力はなく、
祭りの準備に駆り出され、一仕事終えた青年は傘もささず歩く。]
Je suis un enfant
Je vais en chantant
Je m'elance en plein vol sur la clef de sol...
[いつもの表情にいつもの唄、
祭りに向けて急ピッチで増える屋台をする抜けていくが…]
煤c……………!!
[青年の足が”ある屋台”の前で止まる。険しい表情…]
[目の前の屋台からは甘い香りが漂う。群がるのは少女達。
足を止めただけでも明らかに異質な己の姿に、
青年は屋台に近づくことも出来ず]
[かといって、誘惑を振り切って歩を進めることもかなわず。]
[子供はしばし、悩んだ。
むしろ声をかけていいのか悩んだというより、
あまりの不審者ぶりに悩んだ。
だが、一応、目的の人物ではあった。
多分、昨日とは、だいぶ違うような……
否、あの紅茶だったものを飲んでいたのを思い出せば、
やっぱり同一人物だと思う。
そこまで真剣に悩んで、躊躇いながら歩をすすめた。]
……あ、の?
[アーベルに声をかける。
視線の先に、何があるかは、さっきから分かっていたけれど。]
……雪、月、花、羽、風、星……。
あー……きーまーらーねーえー……。
[妙にウラミがまし気な、低い呟きがもれる。
そんな彼の頬を、肩の相棒がてち、と小さな手で叩いた。
曰く、落ち着け。そんな感じで]
……はあ……まとまんねぇなぁ……。
[思わず、ため息をついた時、前方に目に入るのは見慣れた金髪と見知った青髪]
……何してんだ、あいつら?
[青年の視線は目の前の屋台に注がれていて
近づくベアトリーチェに気づけるわけもなく。]
…………
[最初、青年は自分に声がかけられたと認識できず]
[けれど、記憶に新しい、柔らかな金糸の髪と、穏やかな声]
…………
………………
……………………
[少しづつ、映像と音声が脳内で情報に結び付き情報を呼び覚ます。]
[ものすごい沈黙だった、と思った。
やっぱり不審者だった、と思った。
不審者には近づいちゃいけないといわれてた。
子供はそう思ったけれど、もう遅かった。
でも、そういった表情はまったくださずに、
こくり。うなずいた。]
こんばんは、アーベルさん。
ええと……
…………昨日のお礼です。
[これをほかの人にあげて、
彼には、案外、パフェを買ったほうが喜びそうだと
*思わなくもなかった……*]
……昨日の…?
[差し出された綿飴を、覚醒したばかりの脳みそはつい受けとてしまったが
礼をされる理由がわからず首を傾げる。]
[ベアトリーチェ曰く、元紅茶の礼のようだが…]
俺は、既にパンをもらったのだが…
[そう言っても、ベアトリーチェはにこにこと
…でも、けして綿菓子の返却を許す様子は微塵もなく。
あれな所を見られた後とあって、なんとなく弱みを握られた気分で
青年は大人しく綿菓子を受け取る。]
[それはそれとして、と。
果たして青年が何に気をとられていたのか、を改めて見やり]
…………。
[沈黙数瞬]
固まってないで買いに行きゃいいだろーに。
[素でぽそ、と呟く。
あの状況でいけるのか、と問われれば、素で何か問題?と返せるこいつもどうかと言うか]
たっこやーき♪ たまねーぎ♪ ピーマンにんじん…
[謎の唄(作詞作曲・出鱈目)を口ずさみながら、喧騒満ちる通りを歩いていく。
……どうやらあの後、無事に帰省したらしい。
親に貰った小遣いをポケットに早速祭りへと繰り出した彼女の手は、
たこ焼きのパックの他にも、既にリンゴ飴やら風船やらで埋まっていた]
次は何食べよっかなー。……とと、おろ?
[育ち盛りの彼女の胃は、まだまだ満たされない様子。
品定めの様に並ぶ屋台を見回して、ふと見覚えのある姿が目に入った。]
―――ユリアンにぃ?
に、アーベルにぃ…と、ベアちゃんだー。
[覚えてるー?と ひらりと手を振って近づく。
…馴れ馴れしい呼び方なのは最早彼女の癖らしい]
[笑むベアトリーチェの頭を撫ぜつつ、ユリアンの方を向く。
ユリアンは青年の視線の先を追って、硬直の理由を悟ったようで。]
[硬直した理由は察したようだが……]
……行けるわけ…ないだろう
[ユリアンの呟きに憮然と言い返す。
女装で舞台に立つことだって気にしない(違)彼には他愛がないことでも
青年にとっては、とんでもない無理難題で]
[屋台の前で不審者然と硬直する隙に買いに行った方が
断然恥ずかしくない…ことには気がつく様子はない。]
[不意に、陽気な声で呼びかけられ]
……お?
[瞬き一つして、そちらを見やり]
リディかぁ。祭り見に戻ってきたんか?
[色々と抱えた様子に、笑いながら問いかけ]
ていうか。そこにぼさっと突っ立ってる方がはるかにどーかと思うけど。
[憮然としたアーベルの言葉にこう返す。肩の相棒も、同意するようにきゅう、と鳴き]
[夜の帳が下りて陽の光は消え失せるも、未だ賑やかな村内は、天に満ちる星だけでなく、ランプの灯とそれを受けて煌めく装飾の色とりどりの輝きで、幻想的な美しさを魅せる]
……………
[彼はその光景を、人込みから少し外れた場所で眺めていた。
薄明かりに照らし出された横顔には、長い睫毛によって作られた影が下り、些か物憂げにも見える]
認めたくない事実だ。
[小さく、口唇を震わせ音を紡ぐ]
[認めたくない事実ではあるが、――迷った]
[食後の休憩の後、体調の優れない母親に代わり、彼は、彼女の生家に挨拶に行く事になった。
明日に回すべきだったかとも思ったが、妖精祭りの準備に向け、益々忙しくなる事は目に見えていた。それに彼と祖父母とが顔を合わせるのは初めての事で、前々から早く顔が見たいと言っていたと、母から伝えられたのだった。
夜分にという不安はあったが、侍女であるユーディットもいるのだし、と。
そういう訳で、彼は再び、村の中を歩いていたのだが。
ユーディットとはぐれ、うっかりと地図を無くし、迷ってしまったのである。
彼とて、何処かの騎士とは違い、人並みの方向感覚は持っていたが、何分土地勘が無いのだし、この人込みである。迷ったって、仕方が無いのだ――多分]
[屋台を存分に楽しんだと言わんばかりの少女が
ユリアンとベアトリーチェと…そして青年を愛称で呼ぶ]
……確か…ティーレマンさんの所のリディ…だったか
進学で村を離れた…と聞いたが…退学したのか?
[舞姫候補だったリディと同名の少女の名を思い出す。
そして、彼女の背景も思い出し、それと彼女が村にいることが噛み合わなかった為
口をついて出たのは失礼な言葉]
おーう!祭りを見に、遠路遥々戻ってきましたともっ!
[笑いながら問いかけられれば、けらりと笑みを返し。
と、彼の肩に鎮座する山ネズミに気づけば小さく声を上げる]
わー!ヴィントだ!元気?あたしのこと覚えてる??
ヴィントもたこ焼き食べる?というか食べれる?
[きゃあきゃあと手に持ったたこ焼きを差し出しつつ、
アーベルの言葉を聞けば、ばっと勢い良くそちらを見やり]
なっ…!アーベルにぃってば、酷いー!
重い荷物を抱えて、短い休みに遠路遥々戻ってきた勤勉学生にっ!
……えっへへー、祭りがあるからわざわざ帰ってきたのっ!
[実際に荷物を抱えたのは、馬車と自衛団員の青年だが知る由もない。
むぅ、と膨れっ面を向けるも、次の瞬間には笑みを返して]
そのままずーっといたら、マジで怪しいヤツだっての。
[視線を逸らすアーベルに、さくっと一言。容赦なんてありゃしません。
それでも、一応切り上げたいのは察したらしく、ま、いーけど、と呟いて]
つーか、おま、ほんと賑やかだなぁ。
ま、祭りで元気がねーよりはいいけどなっ。
たこ焼き……食えると思うけど。ヴィント、大抵のもんは食べてるし。
[リディの明るい様子に、つられるようににぱ、と笑う。
肩の相棒は大きな瞳をくるっとさせた後、覚えてる、と言わんばかりにきゅきゅ、と鳴き声を上げる]
[ランプの灯りはきらきらと、柘榴石色の少女の瞳に光を映す。少女はゆっくりと辺りを見渡し、楽し気に歩き出す。ちらりちらりと落ち始めた雪が、紅いお下げにまとわりついて、白い粉砂糖をまぶした苺のようにも見えただろうか]
[…工房。竈の火は外と比べられぬほどに部屋の温度を高くする。
その中で、溶かした二色の色ガラスを合わせ…ゆっくりと膨らませていく]
…
[ある程度の大きさになると、くるくると棒を回しながら、雪水の中に浸した。
…ジュワァァァァ…
噎せ返るほどの水蒸気に目を細めながらも、棒を持ち上げると…すっかり冷めた濃い青から明るい緑へと色を変える球体のガラスがあった]
…ん。
[小さく頷くと、こん、と叩き…球体のガラスを落とす]
[周囲に視線を巡らせる]
[村の入り口だろうか。彼のいる布巾には特に灯りや装飾が多く、花を沢山あしらわれた、大きな門がある。恐らく、妖精を迎え入れる為のもの、ところか]
[となれば、目的の場所からは大分離れている事になる。
人の少ない方へ逃れようとしたのが、災いしたか。
冷静に、そんな事を考え。誰かに尋ねるのが手っ取り早いかと思う]
そうか…では、学校は随分静かになっただろうな
[賑やかに表情をコロコロかえるリディに、
短いながらも静かになる学校を思う]
しかし、祭りのためとは言え、重い荷物は大変だったろう。
お疲れさま…………お帰り。
[青年はそう言うと、リディの短い茶色の髪をかき混ぜるように一撫で。]
[妖精の国を彷徨う、異郷の姫のような気持ちで、色とりどりの飴細工や、ふわふわゆらめく風船の群れを眺めながら歩いていた少女の目に、柔らかい黄金の光が映る。どこか憂いを秘めた翡翠色の瞳に引き寄せられるように、少女は少年の方に足を向けた]
こんばんは、小さな妖精さん?
[先に作っておいた、持ち手の部分は馬の頭を模したガラス…
底の部分は芝が渦巻いているようなガラス…
その二つを球体のガラスの近くに置くと、球体のガラスに刃物で線を引く。
こっ…
軽く叩けば、線に沿ってガラスは二つに分かれた。
その断面をヤスリで削っていく。
…しばらくして、ガラスを置くと、手を振った]
…疲れた。
[四つのガラスをそのままに、竈の扉を閉める。
出てきた汗を拭うと、小さく息をついた]
折角のお祭りに戻ってきたのに、凹んでるっきゃーマシでしょ?
一人でも賑やかなのがあたしの取り柄だし、
ってゆーかあたしが暗いとか、自分でも想像付かないし!
[ユリアンの言葉にけらけらと笑いつつも、その口から否定の言葉は出てこない。
まぁそれは場合によっては、"煩い"とも分類出来る訳だが
本人にそれを言った所で、恐らくこの性格は変わらないのだろう]
わ、わ。覚えててくれて嬉しいっ!
よーし、あたしを覚えててくれたご褒美にたこ焼き上げちゃうっ♪
[山ネズミの様子に、にぱっと笑みを向ければ、
半個に割ったたこ焼きを割り箸で山ネズミに向ける。
割ってから暫く時間も経ってるから、火傷もしないだろうと考えて。]
んー…久しぶりに帰ってきたし、学校が静かになったのも1年ぶり?
[自分が賑やかな事に、幸いにも自覚はあるらしかった]
…祭りが終わっちゃったら、すぐにまた学校に戻るけど
それまでは目一杯楽しもうかなーと思って!
……うん!ただいまっ!
[...よりも大きな手に撫でられれば、笑みを浮かべながらも
どこか擽ったそうに目を細める。]
そういえばアーベルにぃ…は、この通りに来てるのに手ぶらだね。
何か買わないの?
[怪訝そうな少年の様子に気付いているのかいないのか、少女はにこにこと微笑んだまま、口を開く]
妖精を招くお祭りですもの、妖精さんが混じっていてもだあれも気付かないわ。
私はミリィ。妖精さんのお名前は?
ていうか、自分でそこまで言うかあっ?
……全然変わってねーっつーか何つーか……。
[まあ、一年足らずでころっと変わってしまうのもどうか、と思うわけだが。
明るい様子につられて笑う内、ほんの僅か抱えていた鬱々としたものが晴れ、自然に笑みが浮かんでくる。
一方、肩の相棒は向けられた笑顔とたこ焼きにきゅう、と嬉しげに声を上げ。
声から察した意図に答えるように、彼は相棒を手に移動させ、向けられたたこ焼きに近づけてやる]
つーか、こいつも食い意地はってるよなぁ……。
[嬉しそうな相棒の様子に、思わずぼそ]
[――ぽつん。
楽しそうな表情の人々から逃れた裏路地で、独り立ち尽くす。
ご主人様とははぐれてしまい…手がかりは踏みくちゃになってしまった地図が一つだけ。]
……早く…行かないと……。
[きゅ、と手にした紙を握り締め…慌てて皺を伸ばし直して。再び人々の間を*捜し歩く。*]
[その単語を発した少女――ミリィへと、翠玉の双眸を向ける]
[二つに分けた紅い三つ編みには疎らに真白の雪がかかり、微笑を湛えた少女の、何処か現実感の無い雰囲気と相俟って、砂糖菓子のような印象をも覚える。
眼鏡の奥の瞳は、きらきらとした輝きを放っていた]
そういう祭りだと、聞いてはいるが。僕は、人間だ。
[続いた言葉に、漸くそれが自分を指しているのだと気付いて、声を返す。
少女の笑顔とは対照的に、訝んだ表情のまま]
……僕は、ミハエル。
ミハエル=フォン=エーデルシュタインだ。
[…カーテンを開き、外の様子を見つめる。
見れば、雪がちらついていて…]
…寒い、かな。
でも、もうそろそろ…ランプも、移しておいた方が良いかな。
[出店が多くなっていたのを思い出し…
自分に割り当てられた場所…とは言っても、店のすぐ近くなのだが、すでに用意は出来ていた。
コートとマフラーを着込むと、ドアを開ける。
ガラスのベルが冷たい風と共に音を運ぶ。
マフラーを鼻の上までずらすと、店の中のランプを出店まで運び始めた]
祭りが終るまで…か
[それで、あの祭りを楽しみ倒そうと言わんばかりの姿だったのか
と、内心一人納得しつつ、手ぶらを問われれば
先ほどパフェの屋台の前で硬直していたのを見透かされたようで
慌てて、ベアトリーチェにもらった綿菓子を見せる。]
……先ほど”ベアトリーチェに貰った”綿菓子だ…
[””の内部を心なしか強調しつつ。
ユリアンの鼠にたこ焼きを上げるリディに答える。]
自分でここまで言っちゃうのが、あたしって事で!
…ユリアンにぃは、毎日参考書と睨めっこしてる様な
あたしって想像できる?
[に、と笑みを向ける。
…返ってくる答えなんて容易に想像出来るのだが]
はい、たこ焼きどうぞー。
落とさないように気をつけてね?
まー肩の上で零しても、汚れちゃうのはユリアンにぃの服だけど。
[たこ焼きの方へ寄ってきたのを見れば、
嬉しそうに、そっと山ネズミへとたこ焼きを持たせる。
後半、少々無責任な言葉が飛んできたが、本人に悪気は無い。多分。
食い意地、との言葉にふいに顔を上げると]
…飼い主とペットは似るって言うよ?
[人間だという少年の名乗りにも少女の夢見るような笑顔は変わらない。まるで、人間のフリをする妖精を見守るように]
そう、ミハエル。
このお祭りを楽しんでくれると嬉しいわ。
[少年の背に合わせるように、少し屈んで片手を差し出す]
どうぞ、よろしく。
[一体何に納得したのか判らず、笑みを浮かべたまま小さく首を傾げながらも
綿菓子を見せられれば、あぁなんだ、と小さく頷いて
ふと、心なしかに強調された言葉にはた、と気づく]
……ベアちゃんから貰った、綿菓子なの?
アーベルにぃが買ったんじゃ無しに?
[お金ないなら貸そうか? と何気に失礼な内容を真顔で問う]
[想像できるか、と言われれば答えは簡単明瞭で]
……できねえっ!
[きっぱり、笑顔で言い切った。
たこ焼きをもらって嬉しげな相棒も、一瞬頷いた……かもしれない]
……ていうか、それってどーゆー意味だ?
[それでも、最後の一言にはちょっと笑顔が引きつったか]
ほら、ユリアンにぃもそう思ってるじゃん!
[想像通りの答えに、気を悪くした様子も無くくすくすと笑って。
小さな頷きには気付いたのか、小さくその頭を撫でる]
えー?えっとー…判りやすく言うなら
『ユリアンにぃも、このたこ焼き欲しい?』
…かな?
[引きつった笑みに気付きながらも、
臆した様子も無くへらりと笑みを向ける。]
[飼い主とペットは似る…に、鼠とユリアンを見比べ1つ頷く。
が、自分に向けられた言葉に、ユリアンと鼠の相似性どころではなくなる。]
あ…いや……金は、多くはないがある。
[強調したことが、逆に墓穴を掘ったらしく
なんとも歯切れが悪い返答を返す。]
そりゃまー、そうとしか思えねーし。
[くすくすと笑う姿にさせっと返し。
それから、次の問いには何となくかくん、となって]
……ちゃうわいっ!
[思わず大声で主張し、ついでに、頷いてるアーベルにジト目を向けて]
そこも納得してんなっつーの。
[憮然として言う。
話の発端となった相棒はそ知らぬ顔でたこ焼きかじかじ]
[少女の視線に、また、違和感めいたもの。
とは言えども、ユーディットと彼女では“見守る”の意味は異なるのだろうが、どちらにせよ、彼がそれに気付く事はない]
……ああ。
参加する以上は、楽しませて貰う。
[屈まれれば、怪訝そうな表情は、一瞬、むっとしたものに。
差し出された少女の手と、革の手袋の嵌めた自らの手と見比べて。僅かに躊躇いはしたものの、礼儀に欠けると思ったのか]
手袋のまま、失礼。
……宜しく。
[言って、同じように手を差し出す]
[少女は手袋をした少年の手を取って、笑みを深める]
ミハエルは、寒がりさんなのね。それに紳士だわ。
王子様のようね。
[そしてその手を離さぬままに、ゆっくりと広場の中央に向かって歩き出す]
そうよ、せっかくのお祭りですもの、楽しまなければいけないわ。
ミハエルは何が好き?私は、綺麗なものがとても好き。
このランプの灯りは、とても綺麗。妖精の粉の光に似ていると思わない?
[歌うように、さえずるように、少女は言葉を奏でる]
えー?…お金持ってるなら、買えば良いのにー。
…お腹すいてないとか?
[アーベルの返事に、腑に落ちない様子で言葉を返し。
自分はまだ食べ足りないのかきょろりと視線を巡らせる。
そして、きの一番に、目の前のパフェの屋台で視線が止まった]
……おいしそー…。
[ぽつりと呟きながら、ポケットに入れた小銭を確認する。
どうやら買う気の様だ。
…と、力尽きた様子のユリアンに首を傾げる]
え?ユリアンにぃ違うの?
てっきり、「俺も食べたいなー」って事なのかと…。
ほら、飼い主とペットは似るって言うし。
[先ほども言った言葉を再び繰り返して
たこ焼きを頬張る様子には、へらりと笑みを向ける]
[子供は頭を撫でられて、しばらく悩んでいた。
不審……もといアーベルと、
その視線のむく方を見て。
やがてタタタと、意を決して駆け出した。]
えと、パフェください。
イチゴのと、チョコのと、キャラメルのと、バナナの。
[四人分を頼んだ子供だった。]
[憮然とするユリアンに首を傾げ]
いつも肩に乗せている鼠は美味しそうにものを食べる
…俺は、そう言うのはみていて好きだが…
ユリアンはそう言う相棒に似ているのはいやか?
[と、素直にたこ焼きを追いしそうに食べる鼠と見比べる。
明らかにリディとユリアン間の認識とずれがあるが
そんなことに青年は気づくわけもなく]
[ある程度のランプを運び終えた時、ふと、見かけたことのある姿が視界に入った]
…?
[一人で居るようだけど…
一つ瞬きをして、彼女の方を見つめる]
腹は…………
[一仕事終えた後で減っていないわけではなく]
[リディもパフェの屋台に気づき「おいしそう」と呟く言葉に
思わず青年も同意するように頷き、慌てて我にかえると
先ほどまで大人しくしていたベアトリーチェが、
パフェの屋台に向って駆けだしていったところで]
[もしかして、主の姿を見かけていないかな、と淡い期待を抱いて、イレーナへと近づいていく。]
あの…。
[ふと。お仕事の邪魔かもしれないと言いよどんで。
…けれど、少しでも手がかりが欲しくて、口を開く。]
……あの。
ご主人様を…ミハエル様を、見かけてはいないでしょうか…?
それなら自分で買ってくるってーの。
っとに……あと、ヴィントはペットじゃなくて、相棒だって言ってんだろー?
[っとにもう、と呟きつつ。
屋台のパフェに自分もちら、と視線を向ける]
……まあ、確かにあれはうまそーではある。
俺も買うかなー。
[さらり、平然と言ってのける。
相棒はたこ焼き完食して満足げに顔を擦り]
[アーベルの問いに頭を掻いて]
いやま、うーん。
ヴィントは大事な相棒だから、似てる言われるのはいいんだけど。
食い意地が似てると言われるのはさすがにアレな訳で。
[まあ、実際には大食漢ではあるのだが。
なんて言ってるところで、屋台に向かったベアトリーチェに遅れて気づいてやれやれ、と]
……冬は、寒いからな。防寒具を纏うのは当然だ。
それから、僕は王子ではない。
[握手だけだと思っていたが為に、手を取られたまま歩みを進められ、緑眼が見開かれる。しかし少女は意に介した様子もなく、寧ろ楽しそうに広場へと向かって]
好きな、もの?
特に……まあ、綺麗なものは、嫌いではないが。
[彼女が妖精の粉の光と喩えるそれを見遣るも、美しいという以上は思えず]
……そう、言われても、解らない。
[奏でられる言葉とは違い、淡々とした、戸惑いの篭った声]
[…こっちに近寄ってくる姿を見ると、やはり、あの少女で…]
…別に、もう運び終えたから、構わないけど…
ミハエル…さん?
[一つ瞬きをすると、微かに首を揺らし]
…あたしは…見てない、けど…
[少し考え…]
広場。とか…
人混みの、少ない所…ミハエルさん、好きそうだから。
うん、りょーかいっ!
[笑みと共に頭を下げられれば、へらりと笑う。
店の人からパフェをまず2つ受け取れば、
それをベアトリーチェに差し出して]
ただ、あたしの手も2つしかないから、
ベアちゃんも2つお願いして良い?
広場…ですか…?
[手元のくしゃくしゃの地図を覗き込んで、広場を探す。
ひときわ大きな空白であるそれは直にわかったけれど、基点である位置がわからない。]
あの…ここは、どこでしょうか…?
[途方にくれたように見つめるこげ茶色の瞳は、どちらが迷子に見えるだろうか。]
[…くしゃくしゃの紙。
それが地図だと分かるまで、少し時間がかかった]
…此処は、ランプ屋「Fairy's fire」の前、だけど…
[何だか、頼りなさ気なその瞳にこめかみを掻き…]
…あたしも行こうか?
あなた、も…この、村に来て、間もない、でしょう?
あら、男の子はみんな王子様になれるのよ?
そして、女の子はみんなお姫様になれるの。知らないの?
[くすくすと笑いながら、少女は少年の手を引いて歩く]
好きなものがわからないの?それじゃあ探してみましょう。
ミルクセーキにアップルパイ、ランプの光にふわふわ風船、男の子なら、七色に弾ける花火が好きかしら?
[一つの屋台の前に立ち止まり、少女は今しがた口にした、花火の束を買い求める]
[パフェを分担して持つベアトリーチェとリディを見ながら]
食い意地がはっていると認識してもらえれば、
この鼠みたいにことある語とに美味しいモノが食べれるが…
[たこ焼きを食べ終えて満足げな鼠に目をやる]
そう認識されるのが好きではないのならしょうがないな。
[そういって、鼠からユリアンに視線をずらした後
軽くポフポフとユリアンの頭を撫でる。]
うん、じゃあお願いね?
……ベアちゃん、一人でコレだけ食べるの?
[ベアトリーチェにそっと手渡せば、
自分は残りの2つを屋台の人から受け取り。
………かと思えば、見当違いな事を言い出した。
と、遅れて近づいてきた2人に気付いて]
[屋台前の少女たちを見やりつつ]
……それって……なんか、虚しくねーか?
[事ある毎に美味しいモノが、というアーベルの言葉に素で突っ込んだ]
いや、つーか、撫でるな。撫でるなって。
[何がしょうがないのかと突っ込みつつ、手を退けて]
[一人で食べられるわけはない。
子供はあわてて首を横に振った。]
リディさんのと、ユリアンさんのと、アーベルさんのと、僕の、です。
[にこにこ、笑ってそう言った。]
それが通用するなら、世の中には王族だらけだ。
[少女の言葉の意味は解っていない様子で、彼は呟く]
好きも嫌いも、特には無いというだけだ。
己の好みばかりで選んでいては、上に立つ者としては失格だろう。
[あまり乗り気ではないように言いつつも、手を振り払う事はせずに、引かれるままに。しかし、ミリィの買い求めた見遣れば、眉を顰め]
……火の扱いは、危険だ。
[首を横に振る様子に、きょとんと数回瞬きして。
続く言葉に、え。と小さく声を上げる]
わ、え?そうなの!? うっわー…ベアちゃんありがとっ!
ってか、そうだよね!一人で食べられるわけないよねこの量…!
[思わず口走った言葉に猛反省。
…きっと、自分だと4つ食べてしまうのだろうけど]
あ、ちゃんと後でキチンとお金払うからね?
ってか、アーベルにぃもユリアンにぃも、
ベアちゃんの手伝ってあげてー!
[パフェを両手で掲げつつ、訴え]
そうか……?肩の上の鼠は幸せそう…だが?
[と、こちらも素で…見える人には頭の上のクエスチョンマークが見える勢いで。
が、手を退けられればわずかに苦笑し、それ以上は手を出さず。]
ランプ屋…フェアリィ…ファイア……。
[指で辿り探すも、踏みしだかれ汚れた地図では細かな字はわからず、大体の位置を示してもらって地図とにらめっこする中。
耳に届いた申し出に、ぱっと顔を上げる。]
いいの…ですか……?
あ、でも…ランプ達が……。
あの、私…がんばってみます…。
[店に並べられた色とりどりの美しいランプ達を置いては行けない、と眉尻を下げて。ゆるゆると首を振る。]
[とても元気な彼女の言葉に、子供はびっくり。
それからわたわたと首を横に振って、
必死で言葉を捻りだした。]
えぇと、あの、
会えて嬉しいし、楽しいです。
だから、ええと…
いっぱい遊びたいから、わいろです
[なにか違う。]
いや、まあ、ヴィントはそうかもだけど。
[素で返してくるアーベルにため息をついて]
[それから、ベアトリーチェとリディの言葉に頷いてそちらに近づく]
はいはい、わーってるよっと。
[リディには軽く声をかけ]
わざわざ、ありがとなー?
[ベアトリーチェににぱ、と笑いかけつつ、頭を撫でて、パフェを受け取った]
[…やはり、その地図では無理があるのだろうか。
見慣れたこの村でさえ、何処か遠くの森の地図に見えた]
…そう?
別に、今日は、売り出さないし…
周りの、お店の人達が、見張っててくれるし。
元々、小さな、村だから…泥棒なんて、まず儲からないわ。
[実際、青年団が最も活動するのはお祭…の準備と片づけである。
微かに首を傾げると、少女を見つめる]
[リディに言われれば、コクリと頷き
青年はユリアンがベアトリーチェから受け取るのを見て
リディから…一瞬苺とキャラメル迷ったがキャラメルの方を受け取る。
なんとなく、苺を取ると良からぬことが起こるような気がしたから。]
そうそう、ベアトリーチェ…代金
[片手にズボンのポケットを探り
パフェの代金に相当する小銭を取り出す]
[周りの店の人達が見張っててくれる、という言葉に、焦げ茶色の瞳で辺りを見渡せば。同意するように頷く人が数名いて。
目頭を熱くしつつ、ぺこりと頭を下げる。]
あの…でしたら…お願いします……。
[潤んだ瞳でイレーナを見つめ返せば。
くしゃ、とまた手元で紙が無残な姿になっていたり。]
[どこか慌てた様子に、きょとんとしながらも
何処か拙い言葉を聞けば、へらりと笑って]
あたしも、ベアちゃんに会えて嬉しいし楽しいよっ!
賄賂なんて贈らなくたって、幾らでも遊んであげるしー…
ってゆーかむしろ、ベアちゃんに気を使わせちゃったって事で?
[に、と笑みを浮かべる。どうやら、当人は奢ってもらう気は微塵も無い様で。
アーベルがキャラメルのパフェを手に取ったのを見て取れば、
手元に残るのはイチゴのそれ。……内心ガッツポーズをしたのは此処だけの話]
……あ、ベアちゃん。
こっちにイチゴのパフェあるけど…どうする?どれがいい?
[少女の潤んだ瞳を見つめ返し…小さく頷く]
…じゃ…よろしく、お願いします…
[周りの出店の人々にペコリと頭を下げると、ユーディットの手を握り]
人、多いから。
人混み、慣れてないなら…こっちの方が、安全だよ?
[行こ?と軽く首を傾げ…]
…地図は…まぁ、見つかったら、描いて、あげるから。
だめだ…例え小さな村でも、
公職選挙法は守らなくちゃ…な?
[ベアトリーチェのわいろ…の意味には気づかず
ベアトリーチェに目線をあわせ、頭を撫でながら言い聞かせるように]
[それとも、何か物で…も思いついてあたりを見渡す]
[わいろを拒否されて、子供は困った。
リディの言葉に、すこし悩む。
どれも好き。]
僕は、これで。
[今、手にもっているものを、
じぃっと見てみる。
……なんとなく本能がいちごを拒否したようだった]
[ベアトリーチェとリディ、アーベルのやり取りにくく、と笑って]
っとに……そんな気ぃ回さなくてもいいってのに。
[賄賂なんてどっから覚えてくんだか、と苦笑。
別にそんなもんなくても、自分から構いに行くのだが、彼の場合は]
[手を握られて、あぁ、こうすればはぐれないのかと瞳を丸くしながら。
イレーナの言葉に、こくり、頷く。]
はい…。
色々と…ありがとうございます…。
[頭だけ振り返り、辺りの店の人達に、にこ、と笑んで。
手を引かれるままに、歩き出す。]
違う。
[即、否定]
火の扱いには気を付けるようにと、言われているだけだ。
[眉を寄せて少女に言う様子は、意地になっているようにも見えるか]
[僅かに困った様子に、んー…と考え込み。
はた、と思いついた様に顔を上げると]
じゃあさ、また祭りの間にお出かけしようよ!
そのとき、ベアちゃんの好きなもの買ったげるー♪
っとと、そのパフェでいーの?
そっか。じゃああたしはイチゴでっ!
[何気ない物言いイチゴを選びつつ、内心ごっさ大喜び。]
あ、ユリアンにぃ、チョコ味一口ちょーだい!
こっちのも、一口あげるから!
壁|・)o〇(*業務連絡*
先ほどアーベルさんがメモで疑問視されてましたが、どうも開始の情報が上手く回っていないらしく。
ただいま、まとめサイトにて連絡待ちをしております。
一応、遅くとも1/10の00時には開始する予定です。
それ以前でも状況が整い次第、開始して行く方向で考えておりますー)
ん…気に、しなくても…良いよ。
[舞姫になってくれるみたいだし。
これは口には出さなかったのだが]
…そういえば…地図、持ってたって事は…
どこか、お目当ての所でも、あった?
[ミハエルの様子からして…お目当てになるのはどんな出し物だろうと、少し、興味が湧いたのか、手を引きながら問いかけ]
[リディの言葉に、
嬉しそうに何度もうなずいた。
買ってもらう、より、
一緒におでかけできることがうれしい。]
祭り、僕は楽しみです。
[それから子供は、
バナナにフォークをつきたてた。
*あまいものはしあわせのあじ*]
[一口、というリディの言葉にそちらを見やり]
んー、じゃあ一口だけ、先になー。
あ、お返しはいい。
さっきのヴィントのヤツの返しってことにしとけ。
[言いつつ、ほら、と差し出して]
[小首を傾げたまま、少女は笑う、楽し気に、軽やかに]
それなら大丈夫、私は一人で焚き火を守って森の中で過ごしたこともあるもの。
ほら、こっちよミハエル。
[ひょい、と掲げられたランプを一つ手に取り、屋台から離れた暗がりの方へと少年の手を引いていく]
うん、あたしも楽しみ!
[ベアトリーチェの言葉に、相槌を打てば
何度も頷く様子にへらりと笑みを向けて。
と、ユリアンから差し出されたパフェと言葉に、
きらりと僅かに目の奥が光る]
……うっわ、マジで!?お返しもいいの?
わ、じゃあ遠慮なくいっただっきまーす♪
…あ、アーベルにぃも一口ちょーだい!
[付属のスプーンで一匙掬って、口へと運びながら
もう一人にもせびるのは忘れない。]
[手を引かれて、ぱた、ぱた、と歩く。
辺りに興味はあるけれど、視線は手を握り導くイレーネの髪を追っている。
はぐれてしまったのも、祭りに浮かれていたせいではなく。
賑やかなお祭り騒ぎは妖精郷でもあったけれど、屋敷しもべ妖精の身では楽しむことは出来なくて――慣れてなくて。…主を見失ってしまった。]
…ぁ。はい…。
その…訪問の約束があるのだと…聞きました。
[ふと、時間が気になり不安げに辺りを見回す。
はぐれてから、それなりの時間がたっている…大丈夫だろうかと、きゅ、と胸が締め付けられた。]
[結局うやむやになってしまった小銭に苦笑しつつ
バナナパフェを突つき始めたベアトリーチェの頭を撫で]
[リディに一口せがまれれば]
……ん?…あぁ
[と、言葉すくなに、キャラメルパフェを差し出す]
[少女の言葉を聞き…]
ぁ…訪問…の、約束…かぁ…
どちらさんの、お宅に?
[手を引っぱりつつ、視線は辺りを見回し…ミハエルの姿を探す]
もし、行く先にあるなら…先に、断っておいた方が良いかもね…
あちらさんでも、探してくれるかも、知れないし…
ああ、ヴィントもそれでお返しにって言ってるしな。
[嬉しげなリディに頷いて。
一口もって行かれたパフェを自分でも食べ始める。
肩の相棒がきゅーきゅーと騒げば、トッピングを取って齧らせて]
[きょとり。笑う少女の様子が、理解出来ない]
一人で? 焚き火を守る? ……森の、中?
[豪奢な屋敷で、使用人に囲まれた生活を送っている彼にとっては、想像も付かない。鸚鵡返しに、その単語を呟く]
……っと、僕は、まだ、行くとは……
[揺れるランプの光に気を取られ、言葉が最後まで紡げない]
[チョコパフェを一口、嬉しそうに頬張りながら、
ユリアンの言葉に、驚いたように相手の肩へと視線を移して]
…ありゃ?
あれは、あたしを覚えててくれてありがとっ!って意味のお礼だったのに、
さらに返されちゃった? えへへー、でも嬉しいっ♪
[ありがとーね、と小さく頭を撫でれば、
口の中に残るチョコを飲み込んで。
アーベルから差し出されたパフェをえい、と一突き。]
アーベルにぃも、イチゴ一口食べる?
花火は暗いところの方が綺麗に見えるし、ここなら、危なくないから、理想的なの。
[少女が少年を連れて来たのは、屋台の群れから少し離れた小さな井戸の傍。手慣れた様子で井戸から手桶に水を汲み、ランプの横に置くと、少女は花火を一本、少年に差し出した]
はい、どうぞ。最初の一本は、あなたに。
[焦げ茶色の瞳が一瞬うつしたのは、鮮やかな紅と金。
二人の、まだ大人とはいえない背丈の――]
ご主人様…!?
[思わず声を上げるのと、イレーナの訪問先についての問いかけの声と、どちらが先だったか。]
…あ。
[気付いた時には、ひかりの軌跡は消えていて。]
…
[微かに光が見えたような気がしたのだが…
少女の声に振り向き]
…ミハエル、さん…だった?
[行くなら、早い方が良い、と少女を見つめ]
ま、細かいことは気にすんなって。
[チョコの甘さに和みつつ、リディに返し。
撫でられた相棒は、嬉しそうにきゅうきゅうと。
何か平和だなあ、と思いつつ、*ふと空を見上げてぼんやりと*]
[リディが勢いよくキャラメルパフェにスプーンをつきたてるのに笑みつつ]
え…苺味のを…食べて良いのか?
[リディの言い出しに目を丸くしつつ
社交辞令とは思いつつも、生クリームにかかる赤い苺シロップは美味しそうで。
青年はその魅力に抵抗できず、リディに礼を言うと
慎重に苺自体はさけて一口分をスプーンですくう]
[聞き覚えのある声に、一瞬視線を余所へと向けるも、出所は解らずに]
[気付けば、人込みからは遠ざかった場所に連れて来られていた]
そういう問題ではなくて、だな。
[さくさくと準備を進めて行く少女には、何を言っても無駄なような気がして。手渡された花火を見詰め、むぅ、と小さく声を洩らす]
……少しだけ、だぞ。
[少女の勢いに負けたのか、好奇心に負けたのか]
[振り向いたイレーナに、揺れる瞳を向けて。]
…ご主人様かは…わかりません。
わかりません…けれど……。
[ひかりが消えた方向へと視線を向ける。と同時に、
一歩、二歩、足は勝手に動いていて。
明らかに、行きたいのだと訴えていた。]
…ん。
まぁ、ミハエル、さん…この村じゃ、目立つし…
多分…そうでしょ。
[逆に手を引っぱられる立場になっていることに小さく苦笑し…その暗闇に足を踏み入れる]
…ランプの光…と、出店の灯り…を、目印にすれば、また、戻ってこれるから。
[奥に踏み居る前に、少女の方を振り向き…それだけ言うと、行こう、と手を引いた]
ええ、少しだけ。
[少年の言葉を否定することは無く、少女はそっとランプの傘を上げて、少年の手にした花火の先に近づける]
[ちろちろと、最初は弱々しく瞬いていた灯火が、やがて七色の火花をぱちぱちと闇の中に散らし始める。さながら、地上に落ちた小さな彗星のように]
[イレーナの言葉に力を得て、手を引かれるままに暗闇へと足を踏み入れる。
ひかりのない場所へと入った刹那、焦げ茶色の瞳に金色の虹彩が入って消えたのは誰にも見咎められる事はなく。]
ご主人様…どちらに……?
[ひかりの軌跡を探すも、見当たらないままに歩いて。
――やがて、耳に入ってきたのは、ぱちぱち、という小さな音。]
[ランプの焔が揺らめき、彼の手にした花火に、その灯火を分ける。
――音を立て、薄闇の中に姿を現す、七色の花]
……………
[ゆらり、手を動かせば、花もまたその形を変える。
花びらのように、咲いては散るその色は、儚くも美しく。
火で象られたそれに目を奪われ、彼は、言葉を失くす]
[暗闇の中、足下に注意しながら歩いていく。
…店の中とは違い、ランプの温かい光はなく…
その手に握る、少女の手だけが頼りで]
…
[一度振り返り…出店の灯りがまだ見えることを確認すると、耳に入ってきた微かな音に立ち止まる]
…花火…?
[辺りを見渡せば、視界の隅に入ったのは微かな…色とりどりの光]
[少年と同じように、花火をうっとりと見つめながら、少女は自分の手にも、一本の花火を持って火をつける。闇の中、新たな星が産まれて弾け、少年の持つ火の花を彩るように揺れる]
わーい、キャラメル味ー…って、甘!結構甘!
[一匙掬って口に運べば、キャラメルの甘さが口に広がって。
イチゴとの2択で、あえてキャラメルを選んだアーベルに若干驚きつつ]
ん?そりゃー一口貰うんだし。食べていいよ?
[ん、と差し出したところに、相手のスプーンが刺さる。
イチゴが避けられた様子に、内心ほっと一息吐きつつも]
アーベルにぃ、甘いの平気なんだねー?
[逆に、甘いのは弱いと思っていたから
ふと思ったことをポツリと口に出しただけなのだけども。]
[花火に見入る二人の表情に、壊してはいけないような気がして。
それ以上は言葉を紡ぐ事が出来ずに、きゅ、と繋がれた手を握る。]
[他に目印になるような光はなく…少女の声に振り返り]
…
[強く手を握る少女に、微かに首を傾げ…]
…どうしよっか。
一応…挨拶だけ、しておく?
−自警団詰め所(臨時妖精祭り実行委員会詰め所)−
……ふぇ、っくしゅ。
[奥の暖炉の前で毛布に包まって盛大にくしゃみ。
儀式用のトワミドリの枝を取りに森に入った団員が彼を見つけなければ、今頃凍死していたかもしれず。
あれこれ叱られたりからかわれたりですっかりぐったり中。]
…いや、うん…それがまー…記憶がさっぱりで。
昨日呑んだからかなぁ?
「キツネか妖精にでも化かされたんじゃないか?」
いやいや、そんな非科学的な。
[毛布に包まったまま、寒そうに甘酒を啜る。]
「そういやおまえ…ちっこい頃にも祭りの始まる前に森で迷子になってたっけなぁ?あんときも森んなかでぐーすか…」
えぇ?なんすかそれ?全然覚えてねぇっすけど…
[囁かれた言葉は、風に乗り、彼の耳に届いたか]
……っ、
[我に返り、はっと目を見開く]
[力の抜けた手から花火が落ち、地に触れた。
幸いにして、殆ど消えかけていた為に、少女に害をなす事は無かったが、星から焔に戻ったそれは無残にも散り、唯の燃え尽きた紙の束となった]
[キャラメルパフェを食べて甘いと騒ぐリディに目を丸くし]
…パフェだから甘いに決まっているだろう
[と、呆れながら、自分もキャラメルパフェを一口
ベアトリーチェとユリアンものんびりパフェを食べてるのを見ながら
つづく、リディの言葉に首を傾げ]
甘い物は美味しいじゃないか。
[と、当然とばかりに答える。]
[少年が落とした花火を見つめた少女は、自分の手にあった花火も地面に落とし、手のひらで掬った水を零して消した。濃くなった闇の中、ふわりと微笑む]
お迎えが来たのね、ミハエル。
[イレーナの声に、ゆるゆると瞳を向けて。
迷った末に…こくりと頷く。]
待って…心配して、ますよね……。
[主を待つ、訪問先の人の事を思い浮かべ、困ったような笑みで、もう一度こくりと頷いて。]
そいで、舞姫は結局どーなって…
[既に候補見つけた、との言葉に、目をぱちくり。]
…ロックフェラーさんとこのお嬢さんの息子さんの侍女さん?
なんかまー…複雑な。
[聞き覚えのある苗字に、凍りかけの頭はしばらく考えてから気が付く。]
って、フィー姉さん帰ってきてるんすか!?マジで!?
うーわ♪挨拶しにいかなくちゃっ!!
[母の従姉妹であり、幼少期の憧れの人であったその人を思い出して、思わずテンションあがりまくり。]
…うん。約束、したなら…ね。
[もそもそ。小さく頷くと、七色の光もなくなり…淡いランプの光だけが見えた]
…ちょうど、終わった…みたい、だし…
[ゆっくりとその光の下へと歩み寄る]
こんばんは…。
…遅くなりました。ミハエル様。
私の不手際ではぐれてしまい…すみません…。
[彼女は彼の付き人で。付いていけなかったのだから、はぐれたのは彼女の方という認識のままに。謝罪の言葉を口にする。]
や、パフェが甘いってのは判ってるんだけどー…
こう…イチゴパフェだと、ソースが甘酸っぱいでしょ?
けどキャラメルパフェは、甘い上に甘さが、どばっと…。
[こう、わたわたと説明をしながらも、
首を傾げられてあまつ当然のように言われてしまえば]
………そっか。
[…言葉は続かなかった。]
[微かに、水の零れる音]
[――お迎え。その言葉に、ぼんやり霞がかっていた思考が、徐々に明瞭になる。
そうだ。此処で、こんな事をしている場合では、なかったはず]
[ミリィの微笑みから顔を背けるかのようにして振り向いた先には、頭を垂れる侍女の姿があった]
……ユーディット?
[天の星とランプの光を受けて浮かんだ彼女に、まばたき]
…こんばんは。
[一応、少し後ろに立っていたが、驚かせるのも悪いか、と軽く手を振って…]
…
[成り行きを見守ることにしたようだ]
……………?
[わたわたと言い募ったかと思えば突然静かになって
リディの反応に首を傾げつつ、パフェを口に運ぶ]
…………うむ…
[溢れる甘さに、ほんの少し口元をほころばせ。
屋台において異質極まりない青年は、ますますもって異質となる]
まぁ…甘酸っぱいのも悪くはない…が
純粋に甘さだけを味わえると言うのも良いものだぞ?
[そんな異質になっていることに気づかず
青年にしては珍しく饒舌にキャラメル味を語る。]
[イレーナに勇気付けられるように、手を繋いだままで。]
……はい。
お迎えに…上がりました。
[主の声に、頭を上げて。こくり、頷く。
暗闇の中でもよく見える彼女の瞳は、主の表情の変化を捕らえていて。
安堵させるように、にこ、と笑みを浮かべた。]
[彼女の謝罪に、暫し、動きが止まる]
[再び聞こえた、お迎えという言葉に、ああ、と小さく息を吐いて。金色の髪を掻き上げるようにして、額に手を当てる]
……いや。
一度別荘に戻るなり、人伝に聞いて目的地に向かうなり。
僕の方からも、何らかの手段を講ずるべきだった。
[彼の瞳には、彼女の表情はよく見えていなかっただろう。
寧ろ、見えていたならば、目を逸らしていたかもしれない]
だから、その……君だけが、謝る事はない……
[続けて発しようとしたのは、彼にとっては慣れない言葉。
酷く、言い辛そうにして]
……すまなかった。
[顔は僅かに、俯き加減に。
目は微かに雪の残る地面へと向けられていた上に、極々小さな声だったが為に、他者に聞き取れたかは解らないが]
…いやー、そりゃーもう…フィー姉さんったら俺の女神っすよ、絶世の美女っすよ。
ほんっと、人妻にしておくにゃもったいない…。
[どっかの眼鏡さんみたいな夢見る瞳で、ほぅ…とため息。]
「お前熱でもあるんじゃねぇか?」
うん、30度以上はあるとおもう。
「…いや、そーでなくて。」
[額に手を当てられて、さっさと帰って寝ろと怒られたりとかして。]
そっかー…確かにね!
甘さだけで味わうって、なかなか出来ないもん。
キャラメルは美味しいし。パフェも甘くて美味しいし。
あ、それはそれで何だか贅沢な気分かも。
[記憶の青年より、幾許か饒舌になった様子に
んん…?と首を傾げつつ。
キャラメル味語りにはどうやら同意するらしい。
何だかんだ言って、甘いものはキライではないし]
っとと……あっちゃー。もうこんな時間?
おかーさんに怒られる、かなぁ…。
[ちら、と腕に嵌めた時計に視線を向けて、
それが指し示す時間にうげ、と小さく呟き。]
[髪を掻き揚げる主の様子に、やはり邪魔をしてはいけなかったかと心を痛めるも。
彼女は悪くないという言葉にはゆるゆると首を振って。
彼女にとって、主からの叱責は当然の事ゆえに。
彼がいいづらそうにしている言葉には気付かないままにイレーナの手を離して、主へとそっと近づき。
――少年の、手を握ろうとして。]
……ぁ。
[ミハエルの極々小さな声は、人ではない彼女には確かに届いていて。
ぱちぱち、瞬いて……俯きがちな主の様子に、確かに気のせいではないと…理解、できて。]
よー、早速夜店で買い食いかね?良い子の諸君。
[とかいいつつ、祭り委員会の法被の上に毛布を羽織った姿じゃ全くさまにはならず。]
…っと、ティレーマンさんちのリディ?
あー、お前も帰ってたのかー。ふーん。
[某ミハ母との扱いとはえらい違い。]
[リディの言葉のコクコクと頷き]
………ん?門限…があるのか?
[そう言えば、日が落ちてから随分時間が経って。
ベアトリーチェにも門限があるらしく(小さい子なのだから当然なのだが)
過ぎた時間に気づき、あわあわと慌てはじめる。]
[ベアトリーチェの様子に見かねたユリアンが小さく笑うと
彼女を安心させるように頭を一撫で。]
[――それから、ベアトリーチェはユリアンに連れられて
その小さな手を青年とリディに振りつつ帰路へ……]
[青年はそれを見送りつつ通りを見るとそこには…]
………げっ…エーリッヒ…
[そのまま、主の手をきゅ、と握って。]
…私、知らなかったんです…。
こうやって、手を繋いでいれば…はぐれる事は、なかったんですね……。
[だから、もう、大丈夫です。と、柔らかく言葉を紡ぐ。]
[青年はどこからか取り出したハリセンを
また何処かへとしまいつつ]
……風邪をひいたのなら、大人しく寝てる
[と、エーリッヒに言い捨てる。]
や、門限はあるけど……おかーさんも多分宛にしてないし?
[門限破るのは毎年のことだから、とけらりと笑う。
言っていることは滅茶苦茶だが、此処は田舎で。
そして祭り中なのだから、大目に見てもらえるだろうし。
と、ひらりと手を振る青年の姿を視界に捉え、相手を認識すれば
毛布を被る姿に眉を寄せつつも挨拶。]
あ、エリにぃだー久しぶりー!
…って久しぶりに返ってきた勤勉学生に対して、
何だかスッゴイ冷たくない!?「ふーん」って何なの「ふーん」って!
いーもん、エリにぃにはイチゴパフェあげない。
[ぶーぶーと文句をつけつつ、大した事無い仕返し。
と続く言葉を聞けば、尚更眉を顰めた]
……イチゴパフェ、本当にあげないでおく。
風邪ひいてるなら、寝てればいーのに!
…せやねー。熱っぽいし、さっさと帰って寝る…。
[珍しく素直に殊勝な返事。]
…あ、アーベル……、鼻の頭にクリームついてっぞ。
……………
[その微笑に、届いてしまったと、理解した]
[右の手を取られ、――再び、瞬いて]
うるさい。
[何が煩いのだか、一言、呟く。
彼女の笑みを見ないように、額に当てていた、左の手を外して、手首に巻かれた時計に目を落とす]
……すっかり、遅くなってしまった。
全く。どうにかしなければ。地図は、どうなった?
[袖を戻し、乱れた髪を撫で付ける。紡ぐ言葉は、些か早口か]
後、手は繋がなくていい!
[不機嫌さを露にした声で言って、その手を振り払おうと]
[次いで、ミリィへと顔を向ける]
……今日の事は、他言無用だ。
[役目を忘れ、遊び呆けていた等、彼にとっては恥に違いなく。
最後に、漸くイレーネの存在に気付いて、何とも言えない表情]
……ああ。君も居たのか。
ユーディットに、協力してくれていたのか? ……助かった。
[述べる言葉に、等閑感は否めない]
意味のない門限…か
[悪びれないリディに苦笑しつつ、
最後のエーリッヒに向けた言葉に賛同しつつ]
[珍しくおとなしめなエーリッヒに
「…熱、高いんだな…」と思いつつも発言に1つ頷く。]
ああ、悪化したら祭り所じゃなくなるぞ…
……て、鼻?
[エーリッヒに指摘されて、自身の鼻に指を伸ばす]
[翡翠の瞳を向けられて、少女は、にこりと微笑んだ。そして、軽い足取りで、少年の前に歩み寄り、手にした花火の束を差し出す]
それじゃ、今夜の秘密の証拠を預けるわね、ミハエル。
だって折角の祭りで、久しぶりに帰ってきたのにさ。
門限に縛られるとかつまんないじゃん?
[苦笑を向けられても、さほど着にした様子を見せずに
えへへ、と言葉を返せば、エーリッヒの言葉に僅かに言葉が止まった]
……今は、イチゴでもブルーベリーでもなく
お粥派にした方がよさげ。
[最早パフェでもないけれど]
…すみません。
[謝罪は笑顔でするものではないのだが。そんな事は気にせずに。
しかし、地図はと問われれば、振り払われるままに手を離して、よれよれになったそれを苦心して伸ばして渡す。
不機嫌な事にはさすがに気付いているけれど、それでも笑みはどうしても零れてしまって。
なんだか、知らずに悪循環?]
…ん。どういたしまして…
二人とも、この土地には、慣れてないようだから。
[もそもそ。言い訳をそっと教えるように言うと]
…手は繋いだ方が良いよ?
ホント…お祭に、なれてないと、はぐれる人が、多いから…
毎年、人も、増えるけど…迷子も、増えてる…らしいし。
[事実を述べると、ポケットからメモとペン…出店の帳簿…を取り出した]
…えっと、どちらさんのお宅?
…祭り本番の日は…特に夜遅くまで催しがあるしな。
ある程度遅くなるのもしかた…ないのかな。
ただ、余り心配させないようにな。
[そう言ってリディの頭を撫でる
…余り遅くなるようなら送って行った方が良いのだろうか?]
[そう言えば、北の異国のデザートで
甘く煮たお粥を冷やしシナモンで香りづけしたものがあったなと思いだしつつ]
[怪しげなパフェを呟くエーリッヒに溜息1つ]
………悪いことは言わん…
大人しく自宅で寝ろ
[と、鼻についているらしいクリームを拭いながら、そう命令口調で言う]
去年とかもバッチリ遅くなったけど、
「まぁ祭りだしね」っておかーさん全っ然気にしてなかったかな?
……うん、けど心配はさせないようにする。
ちゃんと遅くなるなら出かける前に言うことにするし。
[大きな掌が頭に触れればコクリと頷いて。
と、エーリッヒの呟きが耳に入れば]
………そこの屋台で、作ってもらえるか、聞いてみる?
[心なしか、真顔]
……僕に預けたら、秘密にならないと思うのだが。
[差し出された花火の束と、目前の少女とを見比べ。渋い顔]
[ユーディットから地図を受け取るも、彼女の笑顔からは顔を背けたままで。……しかし、くしゃくしゃになったそれは、地図として機能するのか、甚だ怪しかった]
ロックフェラー家だ。
……仕立て屋を営んでいると、聞いた。
[イレーネの言葉は、何処まで聞いているのだか。
それには敢えて言及せず、端的に、それだけを告げる]
[…少女に微笑まれ、その言葉を言われると…内心どう答えれば分からなかったが…
微かに…どっちに動かしたのか曖昧に、首を揺らし…]
…ロック、フェラー…ぁぁ。
[仕立屋、と聞くと頷き…メモにペンを走らせていく。
…しばらくして、メモを破き、ミハエルに差しだした]
広場…の、場所…この森、出たら、すぐに見つかると思うから…
広場の、場所が、分かれば…この地図、分かると思う…
……………
[少女のくすくすと笑う声が、妙に耳に付く]
……要らない。
第一、君が、自分で購入した物だろう。
[自分が貰う理由は無いのだと、言いたげに]
[イレーネの差し出したメモを受け取り、説明を聞きつつ、目を通す。
最早、元・地図となった手元の紙に比べれば、ずっと役に立ちそうだった]
……解った。
[広場の場所ならば、彼にも解る。小さく頷きを返して]
…………………………………………
[青年はエーリッヒの様子に溜息をつく。
…”これ”は一人で自宅に戻れるのだろうか…一抹の不安。]
…おい、自宅まで歩ける…のか?
[エーリッヒを覗きこんだまま、ゆっくりと聞く]
ん。
[小さく頷くと、マフラーの下で微笑み…]
じゃ、あたしはこれで…
まだ、人も、いっぱい、居ると思うし…
気をつけて、ね?
[ふと、赤髪の少女…何処かで見た気がするのだけれど。
しかし、暗闇の中、淡いランプの光じゃ良くは分からず…
ばいばい、と、軽く手を振ると、一人…少し寂しかったが…出店の灯りまで*歩いていった*]
だって、あなたに見せたくて買ったんですもの。
でもいらないのなら、仕方がないわね。
[少女は、大きなポケットに花火の束を収めると、スカートの裾を摘んで、優雅に正式の礼をした]
それでは、ごきげんよう。
[ふわりとスカートの裾が翻り、紅いお下げが後を追うように閃いて、少女は軽やかに、闇の向こうへと駆けていく]
またね!妖精さん!
[遠くから風にのって届いた声は、*誰に向けてのものだったのか…?*]
[手を振って立ち去るイレーネと、軽い足取りで駆けて行くミリィを見送る]
[耳に届いた声には、矢張り、訝んだ顔をしたが]
……行くぞ、ユーディット。
[そう告げて、広場へと足を向ける]
ありがとう…ございました…。
[去っていくイレーナに、ぺこりと頭を下げて。
姿が消えるまで、見送る。
…こんどこそ、はぐれたら御終い、と。こっそり主のコートの端に、手を伸ばして*握り締めながら。*]
[リディの問いにコクリと頷き…かと言ってリディを放置するのも…]
こいつの家とリディの家は…近かったか?
[自分の家が遠いのはこのさい置いておこう。
…青年はどう言う順番で道を辿ればいいか考えつつ]
…んぁ?
[ワンテンポどころか一小節くらいは遅れた反応。
寒そうにくしゃみ。]
…戻って寝る。
[自宅へふらふらと。
たまに街路樹にぶつかったりとか]
[外套の端が引かれる感覚に、気付かぬ筈もなく。
けれど、無理に払う事もせずに]
[メモと周囲とを見比べながら人通りの多い方へと歩み、
屋台の前に群がる人と、布団を被った奇妙な物体を見た。
――否。
見なかった事にしたかった。
その直ぐ傍を、さっさと通り過ぎようと思った]
家?…家なら…。たしか、この通りを…
…って。あ。エリにぃー…?
[街路樹にぶつかる様子をみれば、あーぁ…と小さく声を上げて]
……うん、確か…ここからエリにぃの家の途中に
あたしの家があるから…。
途中まで、あたしもエリにぃ送ってく…事にする。
そうか…じゃあ…これ…
[そういって街路樹にぶつかってフラフラしているエーリッヒを見]
引っ張って行くか…?
[リディの言葉に頷こうとするが
エーリッヒが昨日酒場にいた金髪の少年にフラフラと声をかけている]
[その毛布を被った物体の発した音が、自分に向けられたものであると理解するのに、些か時間がかかった。しかし、理解をしても]
…………は?
[出たのは、素っ頓狂な声]
[まだ声変わりのしていないボーイソプラノは、少女のものに聞こえなくもないか]
引っ張っていくしか…。
[ないんじゃないかな、と言葉を続けようとして。
はたと、何かを呟くエーリッヒに気付いて
そちらへと視線を向ける。 が。]
………「姉さん」?
[視線の先は、明らかに少年だった。
訳がわからない、といぶかしげにエーリッヒを見やり]
[風邪でボケボケのエーリッヒを放置すべきかどうか
とりあえず、倒れた場合は拾うぐらいでいいか…と、ぼんやり思いつつ、
青年はエーリッヒと金髪少年の会話を*見守った*]
………。あー…。
[突然の手をとったり唇を寄せたりの行動に、
…あぁこりゃダメだ、と内心思ったか思ってないのか。
ため息と共に小さく声が上がる。
傍観姿勢に入ったアーベルに倣う事に決めたのか、
"見知らぬ少年ファイト!"と声援を心の中で送りながら、
底に残っていたイチゴパフェの残りを、無言で*口へと運び始めた*]
[何が何やら解らぬうちに、その物体(人と認識していない)は彼の前に跪いて、手を取り、甲に口付ける。革の手袋をしているのだから、その感触が直に伝わってくる訳ではない。が、そもそもこの行動は、紳士が淑女にするもので]
……………
[思考が止まる。今日は、訳の解らない事ばかりだ]
……フィ姉さん?
[漸く口に出来たのは、その単語のみ。
後ろに控えていたユーディットは、驚いた様子でそれを見守っている]
……離せ。無礼者。
[寝惚けているのか、何なのか。毛布男(仮称)は動く気配が無い]
……………
[視線を移す]
[傍らに、困り果てた様子のユーディット。
少し距離を置いた所に、昨日の元紅茶男と、明るい茶髪の少女]
……知り合いか?
[恐らく、目は据わっていたのだろうと思う。彼の問い掛けに、少女の方が、何とも言えない微妙な表情で、曖昧な頷きを返して来た]
これを、どうにかして貰いたいのだが。
[言って、件の男の手を払い、軽く頭を小突く]
[と。
――ばったり。
突然、その物体が、倒れた。
青年が、言わない事じゃないと言ったふうに、それに歩み寄っていく。
それを眺めながら、ああ、今日の訪問は無理だなと*今更ながらに、思った*]
[――真夜中は、人ではないものの時間。
『ぽむり』
本来の姿――1メートルほどの小人の姿――に戻り、音もなくベットから飛び降りる。
ふわり。一拍置いて、栗色の長い髪が踊る。
ぱたぱた。ぱたた。
別荘中を軽やかに駆けて。ぴかぴかに磨き上げてく。]
[――するり、部屋へと入り込む小さな影。
疲れているのか、昏々と眠る主の顔をそっと覗き込む。
焦げ茶色の瞳に、金色の虹彩が踊り。
静かに、額に、触れて。]
−自宅・自室−
[カーテンから差し込む日光に目を細めて寝返りを打ち、さらさらの金髪をくしゃくしゃしつつお目覚め。]
…あれー?
[此処暫くの記憶がすっかり曖昧で、自分でも夢と現実の区別がついてない風味。
パジャマは汗でべっしょりしていたが、熱は下がったらしく気分はだいぶ良くなっていて。
オートミールの粥を持ってきた母親が、あれこれ説教してくるのを、寝たふりして聞き流したり、*そんな日々。*]
―工房・自室―
[静寂。
外の喧騒は、今は耳には届かない。
青の瞳が見つめるのは、手の中の小さな煌めきたち。
いつもは側を離れぬ相棒も、この時ばかりは近付けない]
[丁寧に、丁寧に。
煌めきに手を加えていく。
美しく澄んだ水晶。
それを、浮かぶイメージのままに。
自然の結晶から。
造形へと。
ゆっくり、ゆっくり。
作り替えて]
おっけぃ……。
[息の後に、呟きがこぼれる。
手の中には、水晶を抱く三日月を象ったペンダントトップ。
作業台の上には、星や花などの意匠に、水晶や翡翠をあしらったアクセサリが並んでいる。
それらを、一つ一つ、布張りの箱に入れて、はふ、と息を吐く]
取りあえず、考えてたのは大体できたなぁ……。
何とか、祭りの出店には間に合ったぜ。
っても、なあ……。
[作業台の上を片付けて、ため息一つ]
やっぱこう……巧く形にならねぇんだよなあ……。
[ずっと考えているものが巧く形にならない事に、ふと*ため息*]
「アーベル、もうその辺りで良いぞ〜」
[ギュンターがそう声をかけつつ、
雪をかく手を止めた青年に湯気がのぼる大ぶりのマグカップを持って来る。
青年は、今まで雪かきに使っていたスコップを片手で持ち
そのマグカップを、礼を告げながら受け取る。]
[昨日降り始めた雪は弱いながらも一晩中降って、村全体を薄く白に塗りあげた。
人通りがなくなた後、広場に、市庁舎前に、民宿が集まる一帯にも雪は積もり
それは、多くの観光客の妨げとなっていた。
……そんな時に駆り出されるのは自警団や、村の若い男手で。
まだ、観光客がまばらな午前中に雪かきを済ませてしまおうと
手が空いている者をかき集めて一斉に雪かきを始めた。
青年も当然のことながら駆り出され、
朝早くから、今まで労働を余儀なくされていた。]
[さすがに、昨日風邪で倒れた
(そして青年がおぶって運ぶはめになった)
エーリッヒの姿はなかったが。]
[雪の方は昼に入る前には降り止み。
元々威力が弱い降雪だったこともあり、
雪かきの方も、今時分にはあらかた完了することが出来た。]
[自警団長のギュンターが、雪かきに参加した男達に
グリューワイン…赤ワインに香辛料とシロップを入れて沸騰直前まで温めた物…を
振舞っている…青年はさらにシロップを追加してもらいつつ、それを受け取ると
賑やかな一団からは、少し離れたベンチに腰を下ろした。]
[昼食の時間も過ぎ、観光客が増え始めた通りをぼんやりと見る。]
[この村は、豊富な自然資源と、温泉と妖精祭りの二大観光スポットのおかげで
小さな村ながらも村の規模にしては豊かだ。
……おかげで、青年のような、身寄りもない者が
大きな苦労はせず、今まで暮してこれたのだから……]
[目の前の屋台…屋台とは言っても年に一度×それなりの期間使用するため
結構しっかりとした作りで、土台部分を見れば小さな木の車輪がついている。
…では、村の名物菓子シュネーバルを売っているようだ。]
[小麦粉を練った生地を細く伸ばし丸めて揚げ、
そこに粉砂糖をまぶしたり、チョコをかけたりしたお菓子だ。]
[昼食替りに幾つか買い求め…ふと思い立ち、
昼食替わりにするには多いと思われる量を追加購入しつつ
グリューワインを飲み乾し、昼食分を食べ終わる頃には
次の祭りの準備に*駆り出されるだろう*]
[――窓から降り注ぐ、冬の陽射し]
[随分と長く、眠ってしまっていたのだろうが。太陽の位置は、大分高かった。
降り積もった雪が光を反射して煌めき、夜の闇とは違う美しさを見せる。
おかげで、疲れはすっかりと失せていたが……屋敷に居た時の自分と比べると、]
……怠惰だ。
[向こうでの、殆ど休む間も与えられない勉学の日々よりも、此方での生活の方が、彼にとっては余程大変だった。自由な時間があっても持て余してしまうばかりだし、外に出れば出たで、予測不可能な事態ばかり起こる。
矢張り、此処に来るのは止めておくべきだっただろうか]
[既に午後の御茶の時間らしく、広間では母を含めた女性三人が、にこやかに――一人は些か緊張気味の様子で――談笑していた。平民の出である彼女は、貴族にしては随分と気さくで。束縛の無いこの場所では、余計、自然に振舞えるのだろう]
[その姿を認め、挨拶の言葉と共に恭しく礼をする]
……申し訳ありません、母上。
役目も果たせなかった上、このような時刻まで眠ってしまうとは。
[彼の謝罪に、母は穏やかな深緑の瞳を細め、楚々とした笑みを浮かべる。自分が、寝かせておくようにと言ったのだと。昨夜の事情も、大体は侍女から聞いているようだった]
[取り合えず座るようにと勧められ、彼も席に着く。
侍女は慌てて、食事の用意をと、広間をぱたぱたと出て行った]
[それにしても、と。
母は頬に白い手を添え、考え込むような仕草をする。
肩にかかった金糸の如き髪が、ふわりと揺れた。
「その毛布を被った男の人……」
何か覚えがある気がする――
そう呟いた彼女の言葉は、*彼の耳には届かなかった*]
[ぱた、ぱた。ぱた、ぱた。
雪かきが済み、歩きやすくなった道を、辺りの店を見比べつつ、ゆっくりと歩く。
片手には大きな籠。
反対の手には、表は買うべき物を、裏には店の地図が書かれた一枚の紙。]
……ぁ。
ここ…ですよね…。
[紙片と店を見比べて、一つ頷き。扉に手をかける。]
[――からん。
古ぼけたベルが鳴る、その内側は、様々な匂いが満ちていて。]
…こんにちは。
[ひょっこりと顔を出した店主に、挨拶して。
彼女の分が増えた為に、次の配達予定よりも早めに減りつつある食材のいくつかを買い足していく。
――やがて、再びベルが鳴って。
少し重そうに両手で籠を下げて、店を後にする。]
[ぱた、ぱた。ぱた、ぱた。
行きとは別の意味で、ゆっくりと歩く。
その足がある角を曲がろうとして、ぴた、と止まり。]
…あぁ。
ここ、でしたか…。
[視線の先には、行きには目的地の方角ばかりを見ていて気付かなかった、『Fairy's fire』の看板。
辺りを見回し、一つ頷いて。
再び、足を動かして、別荘への帰り道を辿る。]
[別荘の裏手から厨房へと入れば、ちょうど先輩であるイザベラが、食器を下げてきた所で。
主が軽食を兼ねたお茶を終え、一旦部屋に戻った所だと聞かされて。]
遅くなって…すみません…。
[ぺこぺこと慌てて頭を下げるも、気にせずとも大丈夫だからと言われて。
何処に置くかまだ詳しくは知らない食材の入った籠を手渡し、代わりに手早く食器を洗い上げていく。]
[洗い上げた皿を拭きながら思うのは、先程の、主の母上様と一緒にお茶をいただいた時の事。
先輩は今までにも一緒にお茶を飲んでいる様子だったけれど、自分は…なんだか色んな意味で落ち着かなくて。傍目にもきっと緊張して見えたに違いない。
――主が起きてきたのを幸いに、厨房へ逃げたと気づかれはしなかったろうか。]
[身体の弱い、元舞姫の、ご主人様の…お母上。]
……まさか、ね…。
[ぽつり。
小さく呟いた声は、誰にも*聞きとめられることなく。*]
――はい、では。
御身体に気をつけて。皆さんにも宜しくお願いしますね。
[今日は特に頼まれる事も無かったから、バスケットの中にはクッキーやマフィンが一つずつ丁寧に包まれて]
[だいぶ軽くなったそれをちらと見て、また歩を進める]
[余った分は如何しようか、なんて考えながら]
…あの人でも風邪引くのねぇ。
[先程立ち寄った詰所で、差し入れついでに聞いた話を思い起こせば]
[ぽつりと呟いた言葉は失礼にも聞こえるものの、本人に悪気は無い。多分]
[ぎゅ、ぎゅ。]
[小さな軋み音を立てて、雪の上へと足跡を並べていく。
屋台通りの雪かきは、村の人たちに寄って既に済まされた後だったけれど
少し裏道へと入れば、まだ真新しい雪が残っている場所は多々あった。
…雪は好きだ。都会では滅多に見られない様だし。
冷えた空気と白い色が、見慣れた村の顔を変えて見せてくれるから。
囁く様に息を吐けば、白く形作って。――そして直ぐに空へと消えた]
っはー…。…幸せ。
[先ほど屋台で買った瓶詰めの中から、ピンク色の星屑を一粒選んで。
口に放り込めば、カキリと砕けて甘い味が広がる。
この甘さが堪らない、と言わんばかりにクスリと口元を押さえれば
瓶の中で小さな星々が跳ね返って、チリン、と小さく音を鳴らした。]
[チラリと、通りから続く自分の足跡を振り返って見やれば
闇に紛れて、屋台の灯がと揺れているのが見えた。
―――昨夜よりも幾つか増えた屋台の数]
さって。……今日は何買おっかな?
[ふふ、と小さく笑みを零して踵を返せば、
今度は自分の足跡を辿るようにして、雪の上へ平行線を付けていく]
[ふわふわ気分。祭りの空気。
子供は今は、部屋の中。
昨日のことを、思い返して、
とても嬉しそうに笑った。]
あまいお菓子はしあわせの味。
[それから今日も、部屋をでる。
とっとっと、階段を降りる音。
いってきますと子供は笑い、
ぱたんと扉は閉められた。]
[子供が出て行ってしまった後、
施設の大人たちは顔を見合わせる。]
「なんだかビーチェ、いつもより元気ね。そんなに祭りが嬉しいのかしら?」
「そういえば去年もそうだったわね。おばあさまが亡くなった後だったけれど。」
[そんな話はすぐに終わる。
どの子はどんな子で、と話し合う。
施設の大人たちは、子らが好き。
だけれど、盗み聞きする悪い子ら。
うんうんと頷いた。]
「にぎやかなの好きだよな、ビーチェ」
「うん。あ、ビーチェと温泉行く約束してるんだ!」
「ずるいっ、わたしも!」
[そうして子らは、
ゆっくりしずかに
閉じた扉を、
ひらいて、しめた。]
Moi je tends la main
Oui serre-la bien la vie est si breve
Juste un petit refrain dans un long reve
[今日も一仕事終えて、青年は暗くなった通りを歩く。
隅に除去しきれなかった雪が凍っている石畳を
低い声で唄いながら通りすぎる。]
[昼に買った菓子が入った紙袋を片手にぶら下げつつ。]
[青年は道すがら思い出す。
今日最終段階に入った舞台の準備で耳にした噂を。
どうやら、舞姫の代役がみつかったそうで。]
[何処かの貴族の元で働く女性らしい。
その女性について、色々聞こえた気もしたが、
たいして興味がなかったので詳細は憶えていない。]
[とりあえず、ユリアンとエーリッヒの女装で場を凌ぐ…
必要はなくなったようで、この村に暮してはや10年以上。
村を恥じるような事体にならなくて良かった…]
[青年はそんなことを思いながら酒場の戸を押し開ける。]
壁|・)o〇(*業務連絡*
村たてねこのmixi・SNS日記にもありますが、ちょっと予定メンバーと連絡つきそうにないので、1/10に日付が変わった頃にか開始ボタン押します。
ロムラーさんで参加したい方、おられましたら定員埋まるまで飛び込みOKです。
誰か連れてくるのも可、という事で)
[戸を開ければ、そこには中に外気が入ってこないようにと
かけられたぶ厚いカーテン。
青年はしっかり戸を閉めてから、カーテンを割り店内へ。]
[カウンターの席に座り、
適当に腹にたまるものを見繕ってもらおうと店内を見渡す。]
…………おや?
[一昨日現われた給仕の女性がいない。
てっきり、祭りの間忙しくなる店内のピンチヒッターだと思っていたのだが…
…それとも常時雇いになった人で今日が給仕の女性の休暇なのだろうか?]
[青年は昨日貴族の少年の後ろに、
その給仕の女性が立っていたことには気づかなかったようで
……気づいた所で余計混乱しそうだが……
少し首を傾げつつも、マスターに適当な物をと注文する。]
─工房・自室─
……っだあああああああああっ!
やっぱ、まとまんねぇぇぇぇぇぇっ!!!
[絶叫が室内に響く。
目の前にあるのが作業台でなくちゃぶ台なら、確実に引っくり返しそうな勢いだった]
あー、ちっきしょー……。
なんで、コレだけうまくモチーフきまんねぇんだよぉ……。
[作業台の上にばたりと伏せて、視線を、奥の方に置いた石に向ける。
深く、ふかく。
どこまでも深く澄んだ、紫水晶が、そこで静かに煌めいていた]
ったく……。
[深く、ため息。
その様子に、離れていた相棒がちょこちょこと近づいてきて、てち、と頬を叩いてきた]
[出来あがった元紅茶で身体を温めつつ、
まずは運ばれたオニオングラタンスープを頂く。]
[店内は祭りの前…と、言うことも有って、
普段見慣れた顔以外にも、あきらかに観光客と言う人間も多く
なんとなく、落ち付かない空気を作り出している。]
―大通り―
はー…寒い。さむい、さむーい。
[口に出す言葉とは反比例に、笑みを浮かべたまま通りを歩く。
…昨夜とは対照的に、手に持つのは甘い星屑の入った小瓶が一つ。
とは言っても、屋台を定める様に辺り、
今日もそれなりに買い込むつもりなのだろうけども]
[湯気がほわほわ、白くのぼる。
温泉の湯は子らが揺らす。
ぴちゃぴちゃ、ぱちゃん。
聞く人が聞けばやかましいと思うだろう。
しかし子らは楽しげに、
ぴちゃぴちゃ、ぱちゃん。
湯を揺らして、遊ぶ。]
そろそろ逆上せてしまうよ?
[子供は心配そうに言って、白い湯から上がる。
子らを置いて、脱衣場へ向かった子供は、
外の景色に、ほぅと息を飲む。
ここらへんには人が来ない。
温泉に来る人しかこないから、
木々の下の白い雪は、月の光に輝いている。]
綺麗……
「ビーチェ?」
[子に声をかけられて、子供はやっと戻ってきた。
目をぱちぱちとさせて、首をゆるく横に振る。]
大丈夫。
湯冷めしちゃうから行こう?
[子供が笑うと、子らも笑う。
一緒に、お風呂を出たら、
やっぱり脱衣所はとても狭かった。
総勢十人、騒いで、暖かいうちに、着替えていく。]
[店内に響く話し声はこの村の妖精伝説…に関する物が多い。
「助けた妖精によって、災厄から救われた」…ことから妖精と縁がある土地]
[そうは言っても、伝承された昔話に残されているだけで
本当にそんなことがあった…とは青年は考えていない。]
[きっと観光PRの一環で生まれたものなんだろうな…と
近所の温泉宿が「妖精さんが掘ってくれた”元祖妖精温泉”!」等と
言ってPRしていたのを思い出し、
「妖精と温泉の関連ってなんだ…?」と、ぼんやり考えながら、
スープの中のパンにスプーンを刺しながら考える。]
[…最後の仕上げ。
深い青色のガラスの蔦で、馬と芝を繋がれた。
馬の頭から深い青は続き…芝に行くほど明るい緑へと色を移す。
その球体には一本の緩やかな曲線が通っていた]
…
[皮の紐を手綱に、馬は闇の中、一閃の光を零すだろう…]
…闇を奔る風《ルート》…
[小さく呟くと、針で芝に文字を綴った]
ここで咆えてても、イメージが天から落ちてくる訳でもねーし。
取りあえず、何か腹に入れるか……。
[そうは思えど、何か作る気力はないわけで。
必然的に、向かう先は……酒場となる]
……………
[スプーンでふやけたパンをすくい食べる]
[いまでこそ、青年は妖精とこの村…に関する伝承を
大分冷めた思考で捉えてはいるが……]
……幼かった頃の話しだ……
[青年は誰に言うとでもなく、そう呟くと
溶けきらず形を残した、オニオンをスプーンで口に運んだ。]
[針を置くと、小さく息を吐き…その馬を見つめる]
…ん。
[その馬を指でつつ、と撫で…]
…名前までは、彫らない方が良かったのかな…?
[その問いを聞くのは目の前にいる青い馬。
しかし、その口は堅く閉ざされて]
[男は宿の寝台で死んだように惰眠を貪っていた。
昨日は雪の降る中深夜まで。
今日は雪の積もる中を朝から昼まで通して。
そんな風に駆け通しではさすがにバテた]
[それでも空腹はやってきて。
眠りに沈み続けた意識は静かに浮上する]
…あぁ……夜か…
[窓から入り込む光は色とりどりのランプの灯。
それを見遣る目は――半分以上開いていないが]
おなかすいたー。
……空いたけど、何食べよ。
[たこ焼きは昨日食べたし。お好み焼きは似てるから却下だし。
むー、と唸る様に思考を巡らせて。]
……綿菓子で腹を膨らます、とか。
[無謀すぎる。金銭的にも、健康的にも]
[子供はどこに行こうか考える。
手土産を持って、酒場に行ったら、
昨日の人たちに会えるだろうか。
それとも、屋台のところを歩いていたら、
誰かを見つけられるだろうか。
少し考えて、一人、ふわふわと、歩いた。
昨日より増えた、お店を見る。]
[ぼふ、と枕に頭が落ちる。
そろそろ起きなければとは思うも、眠い。
いい加減腹に物を入れなくてはとも思うが、眠い]
……〜〜〜〜…
[声無き声が枕に埋もれた顔から上がった]
[小さく笑みを浮かべると、そのランプを開き…中に小さな火を灯す]
…
[仄暗い店内…置かれた机の上に、緑の草原を映し出す。
辺りには微かな青い光を照らした]
…
[…馬が駆ける芝の上…一つの切れ目から微かな強い光が漏れだしていた]
…妖精祭り、だから…お前は、お留守番。
また、外に…出して、あげるから…ね?
[もう一度、馬を撫でると、マフラーとコートを手に取った]
[祖父母の家への訪問は、無事……
と言っていいかは解らないが、取り合えずは、終わった。
……色々な意味で、疲れたが。流石は、彼の母親の両親、と言った所だろうか。酷く可愛がられてしまい、そういった事に慣れない彼にとっては、戸惑いの連続だった]
[陽が落ちるまでには帰る筈が、いざ外に出てみれば、空には目映い星。
昨晩同様に、否、それ以上に、村は幻想的な光景を見せていた]
……………
[祖父母に見えない所まで移動すると、溜息を吐く]
[祭りの前夜に賑わう村内では、彼のような貴族であっても、その存在は大勢の中の一に過ぎない。それが何とも、奇妙な感じだった]
[外に出れば、出迎えるのは色とりどりの光。
一瞬たりとも、同じ様相は見せぬ、光。
……そこから、何かつかめそうな気もするのだけど]
……イマイチ。
はっきりしねぇ、なぁ……。
[零れ落ちるのは、場に似つかわしいとは言えない、嘆息で]
[ふと気づく。さっきからスープばかりで、元紅茶に手を出していない。]
[青年は、きっとそれがいけないんだ。
と、ばかりに一つ頷くと、
元紅茶の入ったカップを手に取り一飲み。]
[……………………やはり、甘いものは最高だ。]
[ゆらゆらと揺らめくランプの灯りの下を、少女はゆっくりと踊るように歩いていく。菓子を揚げる香ばしく甘い匂い、どこかから聞こえる手回しオルガンの音色、祭りの開幕の時は、刻一刻と近付いている]
まあ、可愛い。
[屋台の一つに置かれた、美しく彩られた小さな陶器の天使や妖精の置物に目を止めて、少女は立ち止まる。その瞳はうっとりと細められ、目の前の妖精達が踊り回る様を少女にしか見えない世界で見つめている]
んー、んー…。どれも美味しそうなんだけど。
[まさか、ベアトリーチェが着いてきているとは思わずに。
新しく増えた屋台を、時々立ち止まっては一つ一つ確認していく。
口元が寂しいのか、空腹を紛らわす為なのか。
手に持った小瓶の蓋を開けて、星屑を一口。]
ユリアンにぃー?はろー?
[場に不釣合いな息を吐く見覚えのある青年の姿に、
首を傾げつつもひらりと手を振って]
[てとてと、とてとて。
リディのふらふらにしたがって、
子供もふらふら、屋台を見ている。
きらきら光る、ひかりのしずく。
てとてと、とことこ。
名前を聞いて、前を向いた子供は見た。
ユリアンの姿と、その後ろにしのびよる、ちいさな男の子。
腰の位置にタックルする気だろう、後ろから。
注意するか否か、子供は悩んだ。]
[ああでもない、こうでもない、とイメージを模索していた所に、聞きなれた声で名を呼ばれて我に返る]
……って、ああ。リディか。
今日も、食べ歩きかー?
[振り返り、声の主へと片手を上げて挨拶。
肩の上の相棒も、きゅ、と言いつつそれに習った]
いやもう平気〜。熱下がったし。
[心配そうな母親の制止を振り切って、きらびやかににぎわう祭りの中へ。
それでもやはり寒いのか、もこもこに着膨れていたりする。]
食べ歩き、と言いたいところなのだけどねー?
夕食代わりに何を食べようかと悩んでいるのですよっ
目ぼしい主食になりそうなものは、昨日食べつくしちゃったし!
はーい、ヴィントもこんばんはだよっ♪
ユリアンにぃは、今から何処いくの?………って、わ!?
[金平糖の入った小瓶をからから鳴らしつつ、
肩の上の友人とも挨拶を交わして。
途端、相手の腰目掛けて繰り出されるタックルに驚愕]
……んなっ!?
[いつもなら、簡単に気づきそうなものなのだが。
今日は物思いに囚われていたためか他に理由があるのか。
タックルはまともに決まり、バランスが崩れる。
……一応、転ばなかったのは意地のなせる技か]
ってて……。
[バランスを立て直しつつ、くるり、振り返れば。
施設で顔見知りの少年のしたり顔]
くおら、いきなり何すんだよっ!
[声は怒っているようだけど、表情には、微かな笑み]
[ぼんやりとしていると、屋台の男に声を掛けられる]
……僕か?
[そうだと言うように、男はにこやかな笑み。
どうやら、食べ物を売っているらしい。屋台に並んでいるのは、ランプの灯りを受けて艶やかな光を放つ、赤くて丸い菓子。見る角度によっては、紅玉のようにも見える]
[何かと問えば、りんご飴だという返答が帰って来た]
りんご飴。
[初めて聞いた。興味深そうに、繁々と眺める]
[…ガラスのベルが鳴り、店の主は外に出た]
…綺麗…うん。良かった…
[見れば、ランプは吊されており…祭りの時を待ちわびるかのように淡い光を闇に映していた。
…一年一年、ランプの数は増えていった。
もう、何年も前から、祭りの時にだけ顔を出すランプも珍しくはなかった]
…でも。綺麗な光、放てるなら…
[もそもそ。マフラーの下で呟くと、ふと、マダ始まっていないで店の前で、ランプを見つめる観光客の姿が目に入り…小さく笑みを零すと、光を灯されるのはまだかと待ちわびるランプ達を背に、出店が並ぶ道を歩き出した]
[子供はじぃっと三人を見ている。
男の子はとても満足そうに見えた。
ユリアンも楽しそう。
リディは……いつも楽しそうだけど、
今日はおなかが減っているのかな。
苺を買っていけば喜ばれるかな?
そう思いながら、屋台を考える。]
「へっへーん、勝ったー!」
[何が勝ったのか、男の子はそういって、ユリアンになついている。
子供はその様子にうれしくなった。
頬笑みが灯る。きえない、ともしび。]
あー、アイデア煮詰まったんで、気分転換の散歩がてら、メシ食いに行くかな、って。
[リディの疑問に答えつつ。
タックルしてきた少年を捕まえて]
なぁにが勝った、だこのやろっ!
[首抱え込んでぐりぐりと。勿論力は入ってない。
一しきりそれをやってから、少年を解放し]
男なら、勝つか負けるか二つに一つ、真っ向勝負で向かってこーいっ!
[なんか違う]
[道行く途中で旧友に出会い]
[談笑が終わった頃には、とうに日は落ち灯は点り]
[それでも準備で賑わう通りに惹かれてか、すぐに帰る気はせずに]
[吐き出す息は白かったけれど、そのまま通りを歩いて回ることにした]
[何やら賑やかな、そして、どこかで聞いたことのあるような声を耳にして、少女は夢想の世界から戻って来る。振り向いて、視線を向けた先には、子供達と戯れる職人見習いの青年と、顔見知りの少女の姿]
あ…
[一瞬、声をかけようとして、少女は思いとどまった。流れる空気の暖かさに微笑んで、楽し気に見つめている]
[うきうきと、フレンチドッグの屋台に並ぶ。
ピンクの柔らかいソーセージに串を刺し、ドーナツ生地をつけて揚げたものだ。]
んー、シュガー2本とケチャマスタ5本、ケチャップだけのが1本な。
[一応色々迷惑かけたので、差し入れる気らしい]
えぇ?今年は苺ジャムとチョコソースもあんの?マジで!?
[買おうかどうしようか迷い中]
なーるほどっ!あ、じゃああたしも一緒に着いてっていい?
あたしもお腹空いてるから、ご飯食べたいし。
[疑問系で問いかけるも、本人の中では既についていく気満々らしい。
突然のタックルに一時は驚きつつも、
少年とユリアンのやり取りにけらけらと笑いながらも
そのままユリアンの進行方向へと踵を返せば
こっそり後を着いて来ていた少女の存在に漸く気付いた]
……はれ?ベアちゃんはっけーん!
[男の子はぐりぐりされて笑っている。
子供は面白そうにそれを見る。
ユリアンの言葉に、くぅっとうなった男の子。
やっぱり、面白いと思った。
お決まりの言葉は、やっぱり、
そうだろうと思ったものだった。]
「次は完璧に負かしてやるーーー!」
[負け犬の遠吠えと、子供は思った。
それでも子供の視線を感じたのか、男の子は子供を見る。
そしてにっこりと楽しそうに笑って、
手を振りながら、施設に走る。
子供も右手をぱたぱた振って、]
今日も遅くなるよ。
[聞こえないだろうけれど、言っておいた]
[煌めく赤に魅せられて、一つ、購入して]
[くるくると、それを回して]
[色とりどりの光を受け]
[――と]
[横から聞こえた騒がしい声に、意識が現実に戻る]
……騒がしい。
[ぼそり。]
[ふ、と。
こちらを見つめる視線に気づいたのか。
肩の上でバランスを崩してじたじたしていた相棒が、きゅ、と声を上げる。
大きな瞳がくるっと回り、見つめる先にはお下げ髪の少女の姿が]
[そういえば今日…正しくは日が変わった瞬間から妖精祭りが始まると聞いていた気がする。
寝台から離れたがらない体を勢い付けて起こし、窓に近付いて。
カーテンを引き忘れていた窓を押し開く]
……寒い…
[纏うのは部屋着のみ、寒いに決まってる。
けれど身支度を整えていて始まりの瞬間を見逃すのは惜しくて]
[リディが振り返ったから、子供はぺこりと頭を下げる。]
こんばんは、リディさん、ユリアンさん。
[それから、声に気づいていたのか、ミリィを見つける。
子供は頬笑む。]
こんばんは、ミリィさん。
やれるもんならやってみやがれっ!
挑戦は、いつでも受けるぜっ!
[楽しげに走って行く少年を威勢良く見送ってから、リディに向き直り]
んー、まああれだ。
みんなで行った方が盛り上がるし、一緒にいこーぜっ。
[軽い口調で言うのと同時に、リディの後ろのベアトリーチェに気づく。
まあ、施設の子供たちがいる時点で、いない、と言う事もないのだろうが]
よ、祭り、本番だな?
[にぱ、と。そちらにも満面の笑みを向ける。
煮詰まりの憂いは、大分薄れた様子で]
[運ばれたカツレツを食べつつ、観光客な人々が慌しく席を立つ。
……多分、後少し出祭りが開始する時間なのだろう。
窓から見える人々も、広場の方へ流れていく]
[にこにこと見つめていた少女の柘榴石の瞳が、パチパチと瞬く]
ヴィント!元気だった?
[嬉しそうに手を振って、最初に声をかけたのは、ネズミにだった]
[夜の闇をものともせず、屋台は明るくきらびやか]
[普段は静かな村だからこそ、一年に一度のこの雰囲気も嫌いではなかった]
もうすぐか。
[これではもう始まっているようなものだけど、と笑みを零し――]
[ふと、目の前の姿に足を止めた]
[祭り、本番。
本番。
子供は聞くと、こくこくうなずく。
目はきらきらとして、
とてもうれしそう。]
もうすぐ、もっと賑やかになります。
僕、うれしいです。
[相棒の声と、ベアトリーチェの挨拶。
それから、相棒を呼ぶ声にふ、とそちらを振り返る]
お、よぉ、ミリィ。祭り見に出てきたのか。
[軽い口調で呼びかける。
肩の上の相棒は、呼ばれて嬉しそうにきゅきゅ、と鳴いて手をぱたぱたと]
[…折角、出店が出ているのに…酒場で食事というのも勿体ない気がする。
軽い足取りで辺りを見回し…目に付いた屋台に入る]
…こんばんは。景気は…どうです?
[声をかけられた男が振り向くと、笑みを携え…上々だな、と手早く温めたパンに焼いたソーセージを挟んでいる]
ん…よかった…
ぁ、ケチャップと、マスタード…後、オニオン、入れれる?
[モチロンだ!
大きく頷くと、男は新しく温めたパンにソーセージを挟み…手慣れた様子で炒めた刻み玉葱とケチャップ、マスタードをかけ…]
…ありがとう。
[その包みを受けとると、硬貨を数枚手渡した。
屋台から離れると、ふと、周りの声が大きくなった気がして…]
…もうすぐ…ね。
ありがとユリアンにぃ!よーし、皆でご飯ごっはんー♪
ってことで、ベアちゃんも一緒にご飯食べに行こうっ!
[ユリアンの言葉に気を良くしたのか、
挨拶もそこそこに、発見した少女の巻き込みも決定して。
と、ベアトリーチェの言葉に不意に顔を上げる]
……―――ミリィ?
わ、ミリィだ!久しぶり、元気だった!?
[やっほー!と嬉しそうに手を振って]
村の設定が変更されました。
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