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次の日の朝、自衛団長 ギュンター が無残な姿で発見された。
そして、消え行くもの。
運命の輪が回りだす。
紡がれるのは、如何なる結末への道筋か……。
現在の生存者は、時空 オトフリート、ちま竜 ティル、紅蓮の焔 ダーヴィッド、機鋼 アーベル、心竜 イレーネ、天聖 ナターリエ、殲滅の陽光 ヘルガ の 7 名。
[流石に一撃でも食らわそうかと思ったが]
[諌められた様子に上げかけた腰を落ろす]
……あまり本気でもなかったのだけれど、
食事の用意まで出来るのか、此処は。
[どういう場所だかもよく解っていない訳だが]
まあ、作っといても無駄にはならないし?
[さらりと言った。
仔竜と若竜が揃っているなら、食料が無駄になるなんて事はないわけで、うん]
一応、設備はあるらしいし、使わない手はないかと。
[場所に関しては多分、全く、気にしていない]
[ほう、と安堵の息を吐いて。鴉とノイを見やる]
……ありがとうござりまする。
[囁くよに声が零れる。
血が出る前に止まったのは、彼だけでなく己にとっても幸い。
アーベルの拳骨を食らわずにすんだらしき、鴉も幸い]
――…、…どういたしましてー?
[へらり。
こてんと、首を傾げながら何だかお礼を言われたから
ありがたく、受け取っておいた。
…少しだけ、こめかみが赤くなってるけど
まぁ、気にしない。アルってば、加減してくれないからなぁ。
――そんな事口に出したら、また突かれるから黙っておくけど。]
……確かに、育ち盛りもいるようだしね。
[二人の去って行った方角を見やり]
[吐き出した息は、少しばかり重く]
少し、外に出て来る。
[言うなりふらりと歩んでいった]
[イレーネの様子に小さく頷き、ふと目元を和ませて。
寝室へ向かうらしき二人を見送り、目を閉じる。
料理は出来ない……出来ても極限られる故に手伝いは申し出ず。
代わりに紡ぐは*子守唄*]
そういう事。
[育ち盛り、という表現に苦笑を一つ。
外に出る、と言って歩き出すのを見送って、自分は厨房の方へ]
さて、とー……何が作れますやら。
[暢気な口調で呟きつつ、取りあえず色々*物色開始*]
……、…ぅ。
[毛布の中で、もぞりと顔を覗かせて、首を小さくこてん。
外に出てったアーベルが、少しだけ気になったけど
聴こえる優しい唄に、…また眠くなってきたから――寝ちゃいそう。
だから、頭の上から降りたアルに、一つだけ挨拶して目を閉じた。
*おやすみなさい*。]
[歩むにつれて辺りは静けさに満ちる]
[今は“声”も聞こえることはなく]
[木の幹に背を預け、ゆるり眼を伏せた。]
……、苛々する。
[外へと洩らすのは内なる呟き]
[理由は自身にも解らぬ*まま*]
[豊かな料理の香りが漂う頃、私の子守唄の旋律は消える。
否、香りから逃れるよに、唄を終える。
育ち盛りの仔に必要な食事を、麒麟である身は忌避してしまう]
……良く眠っていること。
[毛布に包まる心竜を見、零れた声は少し掠れていて。
いつの間にか空であったグラスに吐息零し、立ち上がった。
起こさぬよう、足音抑え外へ向かう]
[ともすれば通り過ぎていたであろう気配に足を止めたのは、ふと何かが揺らいだ気がしたゆえに。
探すよに首を巡らせれば、気に背を預け静物のよに佇む姿。
遠目に、顔を上げた隻眼と目が合った気がして瞬く。
戸惑いながらも、そちらへと幾らか歩み寄り]
………ごきげんいかがなりや。
[他に良い挨拶も思いつかず、少し掠れた声を掛ける。
邪魔であれば立ち去ろうと、近づきすぎぬ距離を保って]
普通…ということでしょうか。
[その割には気だるげな気配。
疲れか空腹なりや?と心で自問しつつ、首を傾ける様を見やる]
いえ、少し…喉が渇きましたので。
ヘルガ殿の恵みをお裾分けいただこうかと参りました。
[陽光の精霊の恵みを受けた木々には、幾つものたわわな果実。
言葉通りに一つ手を伸ばし、押し戴くよに口付ける。
甘い果汁が喉を潤し、私は目を細めた]
……、
そうなるだろうか。
[茫と答え果実を採る様を眺める]
あぁ、 陽光の、か。
[裂かれた実は果実を滴らせる]
[喉の鳴る音すら聞こえる気がした]
…………美味いか。
[あれこれとやっている間に、近しくも遠い気が離れたのに気づき、ふう、と一つ息を吐く。
先ほど、疲れを感じるに至った声も今は聞こえず。
機鋼の仔竜も、落ち着いているのが感じられた]
……そいや、セレスの『同属』の方はどうなってんだっけ……。
さすがに、同じ事はやらん……よなぁ、機竜卿。
[ぶつぶつ呟くのは、二度ある事は三度ある、を警戒しているのか他に理由はあるのか]
ま、今は、目の前のやる事片しちまいますか、と。
[軽く頭を振った後、場にあった材料から、パスタとサラダとサンドイッチを作って行く。
量が特盛りクラスなのは、*言うまでもない*]
[茫とした答えは、己でもよく判ってはいない様子で。
どのように声を掛けるべきか、私は果実を齧りながら考える。
陽光の、と納得した声音に、瞼だけ持ち上げ見やる。
この人も通常の食事を避けてこちらに来たのであろうかと。
故に、問われた言の葉に瞬いた。
以前にも似たよなやりとりが交わされた気がする]
……ええ、とても。
[味がしないと聞いていたから、勧める事はなく食べ終えて。
このまま去るも惜しく、果汁に濡れた唇を指先で拭い問うた]
そなたは…そなたも、食事を避けに此方へ?
[答えを求めず味を問うた青年と同じく、半ば間違っていると知りながらの問い。
気になった故に、このまま去るを選ばずに。
遠慮がちながらも、距離を近づけるべく歩を進めた。]
[特盛りサイズも一瞬で消えると知っているから、時間稼ぎではありませぬ*]
そう、
……それなら、果実も喜ぶのだろう――
とは、“彼”の言だったかな。
[らしくないと思ったか、]
[一拍の間を置いて言い添える]
食事、 あぁ。
そうだね……
[肯定を呟けど異なっているのは明白で]
[去るかと思えば近づく気配に眼を向ける]
…………否、
[薄く開いた口唇は]
[音なく空気をかいて]
[それから、言葉を、紡ぐ。]
少し、 離れたかった、……からかな。
[一拍の間。
添えられた言葉に瞬いた。
遅れて、彼であって彼ではなかった事を思い出す。
分かたれたとは言え元は一つの魂ゆえかと、仄かに口元が綻ぶ。
耳に届くは、肯定でありながら否定の響きを帯びた呟き。
目を向ける青年の側立ち止まり、私は紡がれる言葉を待った]
………少し…、そう…でしたか。
[少しわかったよな気がして、静かに見上げる。
一人になりたかったでなく、離れたかった。そは誰と?]
[聞いてはならぬ事であろうと、目を閉じて。
そのまま、頭を垂れる]
……なれば、お邪魔してはいけまぬの。
私は失礼いたしまする。
[頭を上げて、青年に背を向ける。
このまま此方で時を過ごそうとも、心配される方がいるであれば見かけた事を知らせればよいであろうと]
別に――
[邪魔でもない]
[恐らくはそう続いたであろう言葉は、
音にはならぬまま虚空に消え失せた。]
否、此方こそ、食事の邪魔をした。
[代わりの台詞を口にして、*その背を見送る*]
[泉の水の冷たさ故か、私の心も凪いで。
窓の外、彼の仔達が喜びそうな料理の香りが風に乗って届いた。
無意識に風上に回り、そちら側から室内へと入る。
未だ育ち盛り達の姿はなく、睡眠の欲求を満たしているよであった]
ただいま戻り……ました…
[物思いに耽る姿に、声を潜めて。
私はどうすればいいものかと睫毛を伏せ、瞳を揺らした]
[小さな声にふと我に返り、瞬き一つ]
ああ、お戻りですか、と。
……何やら、沈んでるみたいだけど……どうか、した?
[問いかける声は、気遣うよな響きを帯びて]
[挨拶の声はやはり、物思いを途切れさせてしまったようで。
なれど気遣われる響きに、私は言葉を迷わせた。
機鋼の魔との遣り取りなどが脳裏を過ぎる。
聞いてもいいのか、邪魔となるのか。
踏み込みすぎては、離れたいと思わせるであろうかと]
………、
[薄い唇が、幾度か音なき声を漏らして。
一度目を閉じて、心落ち着かせてもう一度言葉を紡がんと試みる]
………その、
……とは…難しいものだと………
[濁された言葉の意味は、やっぱり捉えどころなく思えて。
異眸をきょとり、とさせつつ、対ならざる対を見やる]
……ええと。
なんに対するそれが難しい……のか。
それがわからんと、俺もなんとも言えないんだけど……ね。
[対成らぬ対の疑問は最もで。
なれど正面きって言うのはなかなか難しく。
かといって、勝手に人様の事を例に出すわけにもゆかず。
困って見上げた異眸はきょとんとしていて、思わず瞳が揺れた]
…………。
[相手を困らせて己も困る悪循環を断ちたくて、私は瞳を揺らし
―――見つめ返せぬまま、無理に勢いをつけて言葉を紡ぐ]
あの、私……
過保護にしてしまったり、心配しすぎてしまったり…
適切な距離をとるのが………上手く出来ませぬ。
[声は段々小さくなり、それにつれて視線も床へと落ちた]
[告げられた言葉に、がじ、と軽く頭を掻いて]
過保護……ってのは、セレスの事か。
でも、それはそれで、あなたの「らしさ」だと思うし。
そんなに気にしなくてもいいんじゃない、かな?
[言葉を選びつつ、返す。
距離の事に触れなかったのは、多分、自分も答えを出せずにいる事だから]
[俯いたまま、時の竜の声をゆっくりと受け止める。
頭を掻く仕草を見たなら、困らせているのであろうと余計に落ち込んだであろうけれど。
今は見えなかったから、ただ言葉とその響きだけを追って]
………はい。
急には変われないのも…私らしさなのやもしれませぬ…の……。
[俯いたまま、小さく頷く。
心司る竜のノイ殿も、いいといっていたから。
時の竜がいいのであれば、少し甘えるも…許されるであろうかと。
髪の間から覗いた人の耳が、*薄く染まった*]
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