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記憶喪失者 リディ に 1人が投票した。
騎士 ダーヴィッド に 9人が投票した。
測量士 アーベル に 2人が投票した。
騎士 ダーヴィッド は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、記憶喪失者 リディ が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、雑貨屋 クロエ、生物学者 ライヒアルト、宿屋主人 フーゴー、神父見習い ウェンデル、作家 ヘルムート、船大工見習い カヤ、細工職人 ヴィリー、風来坊 ユリアン、測量士 アーベル、刺繍工 ゲルダ の 10 名。
<中>
お疲れ様です。
村が始まった途端に、予定外に仕事が忙しくなったり。
そのうえさらに風邪引いたり。
そして、バファリン吊りされそうな頃にようやく体調回復するのは、仕様ですかね。
</中>
/中/
まあ、壊れた時点で、多分やばいだろうなあとは思ったけど、あの展開上壊れる以外に選択肢が無かった。うん。
しゃーないね。
元からGOODなエンドにはならなかったし、着地地点も定まらなかったし、どうも人狼騒動には向かないキャラでもあったから、早期退場は正しかったかも。
<中>
一番最後の参加な上、島外出身設定だったから拾ってくれたゲルダからの繋がり以外には絡みにくかったし…
設定失敗したなぁ、とか。何度か呟いてたw
個人的に、精神崩壊系RPは好きです。
見てるのも演じるのも(←
</中>
<中>
>フーゴーメモ
女王国の精鋭騎士団の小隊長ってことで、戦闘力そこそこ高めの設定な上に、鎧と剣装備してますからね。
キリングされるなら全力抵抗しますよ?(とっても良い笑顔)
</中>
/中/
そっちも大変そうでしたねえ。
こっちも絡みにくい設定でしたがw
人見知り設定難しい。ましてや、知り合いがほとんどいないと全然話しかけらんない。
昨今で一番動けないRPやってしまったかも知れん。
まあ2〜3年ぶりの人狼で最後に残されるのに比べれば、良かったのでは?
特に仕事がお忙しいのならば、色々と精神的負担もかかるでしょうし。
<中>
まあ、仕事忙しいのも明日までなんですけどね。
そして、連行設定になるのかな。
キリング設定なら抵抗するRPとかやりたかったなあ。
何が予定外って、新型インフルエンザのごたごたで余計な仕事が増えて日常業務後回しにしてしまったのが……
</中>
/中/
希望があるなら、進行中情報wikiで知らせたほうがいいですよ。
あくまで決定権は生きている人達にありますけど、自分の意向があるなら、言っておいたほうが。
結社員…銀を身に宿す。
[欠けていたピースが埋まる。
御伽噺に従うなら、それは疑いようの無い「人間の証」だった]
は。親父さんが、とは。
[呆れたような声が毀れた]
<中>
でも、リディは見てて可愛いなーと思いましたですよ。
鳴き声とか。
できれば早いうちに絡みに行きたかった。
久々だけど、ガチ系じゃなければ出来るかなーっと参加してみたから。
狼探しする気なかったとか、そんな事は…(←
</中>
……そっか。
[最初の疑問への答えに、小さく呟く。
言われて見れば、半ば力に突き動かされていたあの状態は、おかしくも見えたのだろう、と。
そこは、納得して]
……結社……て。
爺様の持ってた、手紙送ってきたっていう、アレのこと……。
旦那が、そこの人……って。
[二つ目の疑問への答えと、見せられた銀。
黒の瞳が一つ、瞬いた]
―宿屋―
――……、
[フーゴーが捲った袖の下。
さしもの男も、そこに見えたモノには流石に目を見張る]
……銀細工。
人狼の弱点は銀……か。
偽物じゃぁ、ねぇだろうな?
[目を上げて、結社員を名乗った男を見た]
[困ったかおをしたまま、宿のあるじであるフーゴーを見るけれど。
そこには真剣な表情と、うでの銀細工がみえるだけ。
あまりに声はかけにくい]
リィちゃん、休ませましょぉ?
[緊迫した空気をこわさぬように、しずかにリッキーを呼び、空き部屋をたずねる]
アル先輩だと、またはじかれるかしら…?
[そんな懸念もあるが、じぶんで手をのばすのはためらわれた]
ギュンターの所に手紙を確認しに行ったのも、俺が結社に属するからだ。
……説明されたこと以外に記されたことが無いか確認しただけではあるんだがな。
尤も、向こうは俺がここに居ることは知らなかったようだが。
[先に聞かれた問いに答えるように言葉を紡ぐ。偽物では、と疑うウェンデルに視線を投げると]
銀メッキなんつー安モンと一緒にすんな。
全部純銀製だぜ。
気になるなら確かめりゃ良い。
/中/
そう思われたのなら重畳です。
一応可愛い子供がイメージでしたし。
絡みは、まあ、ライヒアルトにべったりでしたしねえw
さて、死んだので今日は早めに寝ます。
お休み。
[誰にも反応を示さないリディに、それでも歩けるかなどと声をかけていたが。
フーゴーの告白に、思わずそちらを見。
そこには露になった左腕の傷、それを囲うように絡みつく銀細工がゆらりと煌いているのが見えた。]
…だから、か。
[結社、という言葉に、フーゴーが最初から人狼の存在を肯定する言葉を吐いていた理由を理解して。]
特に何をした、という自覚がないのですが。
[ヘルムートの質問に一つ首を振って]
…――手荒ですが、眠って頂きましょうか。
[そして幼馴染からも休ませた方が良いという結論を貰えば、
つぃっとリディに近寄り、抗われる前に繰り出すのは手刀。
少女のか細い首筋に落ちるか。]
[そんな会話の中、宿屋の扉が勢い良く開く。そこに居たのは複数人の自衛団員達]
…何か用か。
[何をしに来たのかは予測がついていたが、そんな言葉が口を突いて出た。そして自衛団員は訊ねる。「処刑するものは決まったのか」と]
……そうそう決められるもんじゃねぇよ。
もう少し待っちゃくれねぇか。
人狼と判別する手段は無いわけじゃねぇんだ。
[どうにか猶予の延期が出来ないかと交渉する。けれど団員達は「猶予は一日だ」と頑なに譲らない。そして先頭に居る団員が宿屋に集まる者達を見回し言う。「ならば、こちらで決めて連れて行く」と]
おい、ちょっと待てよ。
おめぇらに判断する手段はあるのか?
その連れてった奴が人狼じゃなかったらどうするつもりだ!
[告げられた言葉に声を荒げながらフーゴーはカウンターを出て来る。けれど、彼らの行動は早かった。自衛団員達が取り囲んだのは、カウンターで茶を飲んで居たダーヴィッド。鎧姿で剣を帯びている彼の動きを拘束し、武装解除する]
おい、待てつってんだろうが!
[見かねて取り囲む一人の団員の肩を掴もうとするが、勢いよく払われる。フーゴーはたたらを踏んで後ろへとよろけてしまった。他で抵抗があっても団員達は全てを払いのけ、ダーヴィッドを連行して行く。「明日もまた確認に来る」と言う言葉を残し、彼らは扉を閉める大きな音を残し去って行った]
[そしてその後どうなったかは皆の想像に難くない。ダーヴィッドの抵抗する声、それを押さえようとする団員達の声。何かの鈍い音、誰かが倒れる音]
[その後に広がるのは───静寂]
[フーゴーの覚悟を決めたような声には視線のみを送り。
捲り上げられた腕のそれを見れば僅か頷いた]
…何よりの証拠だな。
[僅かに呟いて。
それは羨望の意味を含んだものだった*]
ははん。
そう言われりゃ、納得はできるな。
[フーゴーの返答に、再び先のような笑みを見せる]
悪ぃね。
まず疑って掛かるんが性分なんだよ。
ま、確かに。
んな手の込んだコトが、獣にできるたぁ思えねぇな。
それこそどっかの組織でもねぇと。
[ひらひらと手を振る]
銀は人狼にとって致命的だって話だった。
メッキだって無理そうだ。
[頬を掻きながらフーゴーとウェンデルの遣り取りを聞き。
派手な音を立てて開いた扉に表情を引き締める]
…そうだったな。
[判別する手段がある。
フーゴーの主張に沈黙した。沈黙している間も人は、時は動く]
[話しの途中、やって来た自衛団。
彼らの口にする処刑、という言葉に無意識の内に、すぐ側にいたゲルダの腕を掴んでいた。
震えと、微かな怯えのいろは隠しようもなく。
フーゴーと自衛団の交渉は決裂し、そして。
自衛団が連れて行ったのは、ゲルダが保護した、と聞いた赤毛の騎士]
……っ……。
[止める術は、自分には、なくて。
ただ、見送るしか、できず]
えぇっ!?それはありなのぉ?
[あまりに手荒な方法に、おもわず(ひそめながら)声を上げた。
それでも、もっと荒々しい音が扉のほうからきこえ、息をのむ]
あ…っ、ダーヴィッドさ…、
[追いすがるように、手を伸ばした。
その華奢な手は、すぐにもふりはらわれて、服の端すらふれることはできないまま。
やがて、そのすがたはみえなくなる]
[自警団に連れ去られた先で。
倒れている自分の体を見下ろしながら、小さく溜息を吐いた。
動かない自分の身体は、死んでいるのか。それとも、気絶しているのか。おそらくは前者だろう。]
……やれやれ。
病み上がりで体力が落ちていたのが敗因、というところでしょうか。
まあ、今日のところはか弱いレディたちが私のような目に合わされずに済んだだけでも、よしとしておきましょうか。
[もうひとつ溜息を吐いて、空を見上げる。
その後、こてっと小首を傾げて。口元に手を添えて、何か考えていた。]
…………この騒動の結末が気になりますから、当面はここで見守るとしましょう。
ですが、すべてが片付いた後には、祖国に戻りあちらの霊能者を通じて女王陛下と女王騎士団長、それに父上にも報告をしなくてはいけませんね。
…………仮にも女王騎士であり、女王国侯爵家の者である私をこのような目にあわせたのですから。
相応の報いは覚悟しておいて貰いましょうか。
[争う音は小さくなり消えていった。
左手で口元を覆う。
命の遣り取りをしたことがないわけではない。自分の手で奪ったことすらある。だからそう取り乱しはしない。けれど]
悪い。ちと。
頭冷やさせて、くれ。
[視界が揺れた。周囲の音が遠ざかっていく。
座ったままだったからテーブルに伏せることができたのは、不幸中の幸いだった*かもしれない*]
[会話の最中、席で茶を飲むダーヴィッドをちらと見て、密かに懐に手を入れる。
……が]
あ?
[勢いよく開く扉と、入り込んでくる団員たち。
手を離し、代わりに腕を組んで動向を見やった。
やがて彼らが取り囲んだのは、男が先程目の端に捉えた――余所者]
……へぇ。
[目を細め、僅かに息を洩らすだけで、男は腕組みしたまま動かない。
彼らが扉の向こうに消えるまで、その行動を黙認するかのように、ただ静観していた]
[外から、声の交差が聞こえてきたのは、それからさして間を置かず。
訪れた、静寂。
それを待ち受けていたかのように響くのは、囁く『声』]
……っ!
[一際大きな震え。
気づいた周囲が案ずる声を上げたとしても、今は、囁く『声』によって飲まれ]
ウチ…………みてくるっ!
[『声』を止める方法は、それしか知らないから。
外へ、駆け出した]
[ヘルムートの苦言は聴こえていないのか、
少女を抱えた学者の眸はフーゴーを見つめる。]
…―――
[何かを口にしようとした瞬間。
荒々しい音が室内に響き、ダーヴィッドが連行されて行く。]
…――後悔をするなら、動いての方が良い、ですかね。
[それはフーゴーに向けられたものだったのか否か。
自衛団に勝手に選ばれるよりは、話し合いの方が良いのかどうか。
問いかけるような視線を一度周囲に巡らせ]
それで、空き部屋はどこですか?
[非情にも思える淡々とした声で、
リッキーに空き部屋を聴いていたヘルムートに尋ねた。]
おい、ライ…あまり、無茶は…
…なん、だ?
[リディを気絶させて連れていこうとするライに、手荒はするな、と言おうとしたところで自衛団員が連れ立って入ってきて。
フーゴーと短いやり取りの後、カウンターについていたダーヴィッドがいきなり連れていかれそうになるのを見ると、待て、と。]
そいつが怪しいと、なぜ決めた。
適当に選んだというなら、俺は止めるぞ。
ダーヴィッド、こっちへ…っぐ…!?
[剣を向けられても引くことはせず、ダーヴィッドに手を伸ばすこの男の首に、別の自衛団員が剣の柄を打ち付ける。
そのまま崩れ落ちる男に、余計な真似は死に急ぐぞ、と言い残し、自衛団員は赤毛の騎士を連れていった。
響いた音は、しかし意識を落とした男には聞こえなかった。**]
ヴィリーさんの方が、無茶をしてるのではないですか。
[意識を失った幼馴染を、困った色を滲ませた碧が見下ろす。]
空き部屋は、まだありましたっけ?
[どこまでもマイペースに、幼馴染も後で運ぼうと、フーゴーにかリッキーにか、尋ねる言葉を紡いだ。]
[駆け出した先の人だかり。
行きたくない、と行かないと、がぐるぐるぐるぐる、交差する。
震えはするけれど、足は止められず。
──いろが、みえた]
……しろ。
ひとの、いろ。
[掠れた呟きの後]
……なんでっ!
[口をついた叫びは、どう受け止められたのか。
返されたのは、お前たちが選ばなかったからだ、という言葉。
それに返す術はなく、しばし、立ち尽くす]
[払いのけられた先、誰も座っていないテーブルの傍でフーゴーはダーヴィッドが連れて行かれるのを見やることしか出来なかった]
……くそっ!
連中、何が何でも日に一人槍玉に挙げろってのかよ!
んなことしたって、下手すりゃ被害が拡大するだけだってのに…!
[ダンッと勢いよく拳をテーブルに叩き付ける。静寂が訪れた刹那、クロエが外へと飛び出すのを見た]
んなっ、クロエ、待て!
[団長の時とは様子が違うとは分かっていても、また倒れてはと思いその後を追いかける]
[訊ねられたリッキーは、言い淀みながらも一番最初に死亡した旅人の部屋なら空いていると告げることだろう]
[同じようにダーヴィッドへとむけられる救いの手。
しっかりとしたそのおとこの手も、何をもつかむことは出来ず。
なすすべのない空気がひろがったように思えてくる]
こんな…ひどい。
[かすれたことば。
外にとびだすひとたちの背を追うには、ふたりぶんの注意と天秤ではかれども、かるすぎて]
――……。
[淡々とたずねるライヒアルトにめずらしくもまゆをひそめ。
それでも、リッキーに伝えられたことをそのままくりかえす]
そうかも、だけど。だけど、でも……!
[まとまらない思考は、ループする言葉を繰り返させて。
『声』はきこえなくなったけれど。
言いようのない苦しさが力を奪い、足元がぐらついた]
……どうしろ、って。
あれもこれも、どうしろって、言うの……。
ウチ……は……。
[その場に座り込みつつ、零れる呟きは泣きそうな声。
それでも、「なかない」の矜持は崩そうとはせず。
見えたものを問われたなら、ひとのいろ、とだけ*小さく返す*]
ヴィリーさんを運ぶの…手伝ってもいいかしら?
[さきほどの少女はたやすく抱えられたけれど。
大のおとなならば、そうもいかないだろうと、手伝いを申し出る]
これでも、いちおう…そういうことはできるのよぉ?
[見た目からでは説得力がないかもしれないが]
─宿屋外─
[人だかりの傍にクロエの姿を見つける。「選ばなかったからだ」と告げられ、立ち尽くすクロエの横に辿り着き]
……ダーヴィッド……。
[変わり果てた姿に視線を落とした。彼を取り囲む団員が「コイツの言ってたことどうする?」と他の団員に訊ねるのを聞く。詳細を聞くと祖国への伝言を今際の時に遺したらしい]
……だったら、伝えてやってくれ。
そのくらいならてめぇらでも出来るだろう。
てめぇらが手に掛けた奴の最期の頼みくらい、聞いてやれ。
[それは懇願に近かった。クロエからはダーヴィッドが人であると聞かされる。自衛団員達に彼の遺した言葉を伝えるように頼むのは、無為に死なせてしまった相手にしてやれる唯一のこと。心の中で謝罪しながら、彼の遺体が片付けられるのを見やった]
[ヘルムートの眉が顰められたことに
気が付いているのかいないのか。
常と変らぬ様子で、空き部屋の状況を聴くと、ひとつ頷く。]
では、リディさんをその部屋に運んで、
ヴィリーさんは申し訳ないですが、
此処に毛布なり運んで端で寝て頂きましょう。
運ぶにしても、ベッドが足りないようですし。
[申し出に少し首をかしげ]
…――二人のことがありますし、
今宵は私も此処(酒場)で寝かせてもらう心算です。
[淡々と勝手に予定を組み立てて、
スタスタとリディを空き部屋へと運んで行く。]
[暫く後に男は立ち上がった。
だがその足はクロエを追うフーゴーに続くこともなく、倒れた者を運ぶ者たちを手伝おうともせず]
……やれ。
人狼かねぇ、あの兄ちゃんは。
あぁリッキー、灰皿貰えるか。
[普段と変わらぬ風の声で青年に頼む傍ら、先程までダーヴィッドが座っていた席に腰掛けると、煙草を一本取り出す。
団長の時と同じように、弔い代わりの細い煙を*燻らせた*]
……それなら、ここの場所あけないと、ね。
[外をちらりと見るけれど、いまさら自分にできることはないだろう。
リッキーに、布団や毛布の準備をたのみ、酒場のすみに空けたスペースへ運んでもらう]
[立ち去り際、団員は「明日、忘れるなよ」と言う言葉を残して行く]
……てめぇら、他人事だと思いやがって。
きちんと見極めにゃ、後で痛ぇ思いするのはこの島のもん全員だっつーのに…!
[他の結社員からすれば、フーゴーの考え方は甘いと言われるのだろう。事実、かつての審問の系譜は知っていても、体験したことは無く、実際に審問に直面したのは今回が初めてなのだ。更には15年も結社本部から離れ、平和だったこの島に居たために非情に振る舞うと言うのも直ぐには出来なかった。
隣を見れば座り込むクロエの姿。彼女の従兄であるアーベルは疲れが出たのか机に突っ伏してしまったようで、追いかけて来ては居ない。クロエと共に居たゲルダは追いかけて来ただろうか。ともあれ、このまま座らせたままと言うわけにはいかないため、クロエを立ち上がらせるべくその肩に手を置く]
クロエ、ひとまず宿に戻るぞ。
今は、休んでおけ。
[声をかけ、応じる仕草を確認したなら立ち上がらせ宿屋へと連れて行く。宿屋に戻ったなら、ゲルダに頼み、クロエを部屋へと連れて行ってもらった]
[リディを空き部屋に運ぶと、そっとその身をベッドに横たえる。
きちんと掛布をかけ、昨晩と同じように言葉をかける。]
おやすみなさい、良い夢を…――。
[踵を返し酒場に戻ると、その場には誰がいただろうか。
ヘルムートとリッキーがヴィリーを運び終えてるのをみれば、
礼を述べるかのような目礼を。
自身はいつもと同じ場所の椅子に座り、眸を閉ざす。
誰かが、そこにいる理由を問えば、
「二人が心配ですから」と、
本当に心配してるのかはかりかねる淡々とした声音で返すだろう。
その後、酒場で何があっても基本的には口を挟まず、
眸を閉ざしたまま夜は更けて…――。]
…悪ぃ、ちと部屋に引っ込む。
リッキー後は任せるぞ。
[酒場に居る者にそう声をかけて、フーゴーは自室へと戻って行った。今後をどうするかと、あれこれ思考を*巡らせながら*]
[なにか、考えこみながらの作業は沈黙をもたらす。
気をうしなった人間のそばでさわぐほど、非常識ではないというのもあって]
こころよいねむりこそ、自然が人にあたえる、やさしく、なつかしい看護婦――……か。
[うかんだのは、とあるものがたりのことば。
この状況がこころよいねむりにつながるとは思われないが]
あたくしは…、もう、やれることもないし。
別荘のほうにもどるわ?
[だれにともなく告げて、宿屋を*出ていく*]
― そして明け方 ―
[目の前に置いていた鳥籠の中の鳥が、朝を告げる。
朝と云ってもまだ陽の登る前のような、そのような時刻。]
…―――。
[幼馴染は良く寝ていただろうか。
足音を忍ばせて、生物学者はリディを寝かした部屋へと向かう。
――学者は学者なりに、責任を感じていたのだろうか?
常を知る者がその行動を見れば、
いつかのゲルダではないが、嵐が来ると云うかもしれない。]
…――リディさん、すみません。
[学者がその部屋に辿り着いて、どれほどの時が経ったのか。
人が起き出してくる時刻にはなっていたか。
血の匂いを訝しんだ人が、その部屋の扉を開いたなら、
無表情で死した少女に謝る学者の姿を見ることができるだろう。
――嵐の代わりに訪れたのは、少女の死だった。]
私は、貴女がそのようになっても、何も思えないのです。
両親が亡くなった時もそうでした…――。
[淡々と紡がれる独白。
それを聴いたものはあっただろうか。]
こうして、冷たくなった貴女に触れても…――。
[穴のあいた胸に触れると、指先に紅がつく。]
何も、感じないんです。
[困った風に吐息が漏れて…――。]
きっと、人として壊れているのでしょう。
だから、貴女が何を望んでいたのかも、よく分かりません。
望まれても、私では与えることは出来なかったかもしれませんね。
[幼馴染みがくれた言葉を思い出しての言葉。
ライにはライしかできないことを…――と。
けれど、相手が自分にしか出来ないと求めてきても、
それが自分が返せないものだったらどうすれば良かったのか。
朧げながら、死した人が求めていたものが、
自分に欠けている部分だろうということは分かっていた。
やがてその独白をする様を、誰も見かけないのであれば、
学者はリディが死んだことを伝えるために、
おそらく人がいるであろう酒場の方に*向かうか*]
─宿屋/昨夜─
[戻るぞ、というフーゴーの声。
ゆっくりと顔を上げて彼を見上げ、それから、こく、と頷く]
……うん。
[小さく呟き、立ち上がる。戻る歩みはまだ、少しふらついた。
宿に戻り、ゲルダの手を借りて部屋へと向かう。
酒場を出る直前、未だ彼らがそこにいるなら。
『占い師』たちの方を少しだけ、見て]
……ウチは、大丈夫。ツィンもいるし。
それよか、ヴィリ兄さんの方が心配だよ……。
[大丈夫か、と問われるなら、こんな言葉を返したりしつつ。
結局は、一人でいさせて、と懇願する形になるか。
一人、部屋に残ると、膝の上に上がってきたぶち猫を無言で抱きしめる]
ホントに……。
どうすれば、いいんだろ、ね。
……信じたい……けど。
[呟く声音は震えを帯びる。
それを案ずるよに鳴くぶち猫を、そう、と撫でて]
ん……大丈夫。
休もう……か?
[少しだけ、無理に笑って。
疲労に呼び込まれるよに、眠りへと落ちた]
─宿屋/翌朝─
……っ!
[浅い眠りを破ったのは、再度聞こえた『声』]
まさか……また?
[震えを帯びた呟きの後、部屋を出る。
『声』に問うまでもなく、異変の兆しは感じられた。
血の匂いに引かれるよに向かった先。開いた扉の向こうの様子に、黒の瞳が一つ瞬く]
ライ兄さん?
それに……リディ、ちゃん……?
[独り、呟く学者と、あかとしろに彩られてみえる少女。
それぞれの名を口にした所で、言葉が途切れる。
代わりに、というわけではないのだろうけれど。
ついてきたぶち猫がなぁう、と鳴いて、*尾を揺らした*]
─ 宿屋/昨夜 ─
[どかどかと酒場に流れてくる自警団員達には眉を顰めて。
フーゴーとの交渉に耳を傾ける。
間もなく連れ去られたのは赤毛の騎士。
そうさせまいとするヴィリーが倒されたのに気をとられているうちに、
騎士の姿は見えなくなっていたのだが]
……結局、疑わしきは余所者、ってか。
[重く閉ざされた扉を見つめ、ぽつり。
その目に漂うのは運命への悲哀か騎士への惻隠の情か。
やがて駆け出して行くクロエとフーゴーを無言で見送った後、意識を近くへと戻した]
リッキー、これ片付けておいて。
[紫に変色したグラスをカウンターの奥の方に差し出して。
水とは異なるグラスの縁の乾きを悟られまいとしたのか、幸い依頼主には気が付かれることはないだろう。
リッキーから了解の返事を得ると、宿の扉が開き顔色の優れない二人が視界に入った。やがて散っていく人達の後。クロエの視線は無言で受け取った]
俺も休ませて貰うわ。
あー……部屋に来てみろ。返り討ちにしてやるぜ。
[それはまだ酒場に姿があるならアーベルと、見えない相手に向けた台詞であったか。
気休めのような言葉を残し、角部屋へと戻っていった*]
― 宿屋 一室 朝 ―
[ふっと独白が途切れたのは、クロエの声に反応したのか、
ぶち猫の鳴き声に反応したからか。]
嗚呼、おはようございます。
クロエさん。ツィンさん。
[一人と一匹に向けられた碧の眸は、動揺の一つもない。
淡々と紡がれる挨拶も、いつもと変わらない。
――それをクロエは、他に目撃した人がいたなら、
学者らしいと思うのか、異常だと思うのか、
そのどちらでもないのか。]
…――大丈夫ですか?
[言葉足らずな問いかけはクロエに。
しかし、彼女の視界から少女の遺体を隠すような、
そんな思いやりは学者には*ないのだけれど*]
─回想・自室─
[自室に戻り真っ直ぐに向かったのはベッド脇のクローゼット。扉を開けて、かけてあった今はもう使っていないシュルコーの懐に手を伸ばした]
…強制的に作られたこれを使う日が来ちまうなんてな。
過去の遺物のままにしておきたかったんだが…。
[取り出したのは一振りの短剣。スコルピウスと呼ばれるとある民族が使用するもの。ただ一つの違いは、対人狼用に結社により純銀製に作り変えられたと言うこと]
……自衛団の連中に無差別に死を与えられちまうくらいなら。
[他を手にかける覚悟はとうの昔にしていた。けれど、判別する手段があるならばそれで見極めてから、と考えて居た。しかし自衛団はそれすらも許してくれない。それならばと、決意を更に固める。
短剣は鞘に入れたまま、背中側の腰のベルトへと捻じ込む。上着でそれを隠すと大きな溜息が漏れ出た]
[その後はまた酒場へと戻り。それぞれが散じるならば店仕舞いとばかりに片付けを始める。ユリアンの使用したグラスは既に片付けられ、異変に気付くことは無かった。
酒場の端に寝かせられたヴィリーについてはリッキーから説明が入り、部屋のこともあって「仕方がねぇな」と小さく息をついた。ライヒアルトも今日は酒場で休ませてもらうと言う。それならば、とライヒアルトにも毛布を貸しておいた。片付けを終えた後は酒場で休む者に声をかけてから自室へと引っ込む。けれどベッドに横になることは無く、ベッドの上で壁を背に座った状態で浅い眠りについた。周囲に危険をはらむ時の、かつての休み方だった]
─朝・酒場─
[本格的な覚醒はいつも起きる時間。眼を覚まし、支度を整えるとまず確認するのは酒場で休んだ者達。ヴィリーは確認出来たが、ライヒアルトの姿は見えず。テーブルの上に小鳥の籠が残るだけだった。ゲルダもまたヴィリーの傍に居ただろうか]
どこ行ったんだアイツぁ…。
まさかこの状態で尚フィールドワークしてるとは思いにくいが。
[それでも彼のことだからやりかねない、とは思った。ひとまずは置いておき、他にこの宿に残った者達が無事かどうかを確認すべく宿泊部屋のある方へと歩き出した]
─酒場→宿泊部屋─
[廊下を歩くとその先に人影を発見する。開かれた扉の前、立ち尽くすような姿。異変を感じそちらへと近付いた]
おい、何かあった……!?
[訊ね切る前に部屋の中が目に入った。クロエの肩越しに見た部屋には鉄錆の匂いが充満している。その中には生を失った少女と、表情を変えぬ青年の姿があった]
っ…!
……ライヒアルト、おめぇがやったのか?
[クロエを庇い、赤が目に入らないように前に出る。まさかと思いながらライヒアルトにはそんな言葉を投げかけた。今、自分とクロエ以外に身の潔白が為されている者は、居ない]
[やがて、フーゴーが現れ、学者とクロエの間に入る。]
仮に私が、リディさんを殺した者だとします。
第一発見者が一番に疑われると知っていて、
その場に居るような者だと…――。
[思っているのか?と問いかけに問いを返すように
視線をフーゴーに向ける。
その言葉を持っても、疑われるなら仕方ない
とでも言いたげに一つ無表情に溜息を吐く。]
それで、リディさんの遺体はどうしますか。
…――葬るのならば、私が運びましょう。
[言葉の内容だけは言葉足らずでも、人として死者を悼むもの。
けれど声音は無機質に事務的に*響いて*]
『裏をかいて』って言葉がある限り、それを鵜呑みには出来ん。
……今の俺は疑うのが仕事だ。
[紛れた人狼を見つけるために。『占い師』と自称する二人の力以外にも見極める情報は必要だった。猶予はそんなに無いのだから]
このままにはしておけんだろう。
自衛団の連中が葬るのを許してくれるなら、だがな。
[この状況でも普段と変わらぬライヒアルトを見て彼らしいとは思えど、それがまた異様にも見えて。向ける視線は常より冷えた、厳しいものとなっている*だろう*]
嗚呼、なるほど…――。
確かにそうですね。
[フーゴーの言葉に思いもよらなかった、という風に頷いて。
けれど、疑われることに対して負の感情は見えない。
まるで自身が疑われることに、関心がないように。]
でしたら、自衛団にお伺いを立てにいくべきですね。
一応、保護者扱いのようでしたので、
私から尋ねた方がよろしいですか?
それとも、結社であるフーゴーさんが取り仕切りますか?
[そして、そこにまだクロエが居たのなら、
彼女に視線を一度向けて、
フーゴーにまた視線を戻す。]
弔いのことばかりでなく、
他のことも貴方が取り仕切った方が良いのでは?
クロエさんに負担を掛けたくないのならば。
[伝承に則るならば――そうでなくとも、
その方が現状では理に適っていると。
昨夜のように勝手に自衛団に判断されることを厭うならば、
――そう言外で*告げた*]
―宿屋―
[聞こえた独白。人の死に何も思えない、感じない、という言葉。
死を身近に感じるが故に、悲しみを強く覚える自分とは、真逆とも言える視点]
……なん、で。
[そんな風に言えるの、と。
続ける声は掠れて。
常と変わらぬ挨拶に、戸惑いは募る。
大丈夫か、と言う問いにも答えられず、ただ、あかとくろとの間で視線を行き来させて]
あ……旦那。
[飛び込んできたフーゴーの声に、惚けた声をあげる。
見えなくなるいろ。
しかし、焼きついたそれは容易には消えず。
二人のやり取りを聞きつつ、自分自身を抱えるように両肩を掴む。
そうする事で、震えを押さえ込みたくて**]
[そして自身が振った話題に何かを思い出して、
もう一度、震えているクロエに視線を向ける。]
私が『こう』であるのは、
医者は、ある種の病気だろうと云ってました。
…――私は私でしかないのですけれどね。
[この時代、精神に関する研究は発展していたとは云い難い。
そんな中、仮としても『病気』と診断された学者は、
運が良いのか悪いのか。]
嗚呼、それと…――。
フーゴーさんが、守護者の存在に期待しているなら、
期待しない方が宜しいです。
亡くなってしまえば、護ることなど、きっと出来ないでしょうから。
[そしてもう一つ大したことはないように、
さらりと言葉足らずに、守護者について*述べるのだった*]
……自衛団には俺が行って来る。
アイツらに俺が結社であることはまだ伝えてなかったしな。
[何を言おうが態度の変わらぬライヒアルト。それが不気味に、そしてどこか腹立たしく思う。どうしてそんな態度で居られるのかと]
仕切りに関してはてめぇに言われるまでもねぇ。
そのつもりで明かしたんだからな。
[言葉遣いは負感情を抱いた相手へ向けるものに変化している。壊れている、と言いたくなるような心持にあった]
…阿呆。
守護者は期待するもんじゃねぇ。
存在そのものが牽制の材料だ。
それにてめぇの言うことが事実と言う証拠もねぇからな。
[ライヒアルトが何を言いたいのかを察しつつ、別の利用方法を口にする。話は半信半疑で聞き、クロエを促し酒場へと向かった]
おめぇはここに居ろ。
落ち着くのに飲み物が必要だったらリッキーに言ってくれ。
[クロエを適当な席に座らせ、言葉を紡ぐ。リッキーに状況を説明してから、「詰所に行って来る」と言い残し宿屋を*出た*]
…――そうですか。
[それは自衛団への報告と、
仕切りに関しての2つに対しての応え。]
確かにそうですけれど。
貴方は知っていたほうが動きやすいと思ったので、
お教えしたわけですが。
[相手の負の感情に対して気がついているのかいないのか、
首を傾げながら淡々と変わらぬ口調が続く。]
ええ、真実を証明することほど、困難なものはありません。
研究も小さな情報の積み重ねが重要なのですから。
[やはり疑われることには頓着した様子はない。
クロエを促すフーゴーに向ける視線は、
その小さな結果の積み重ねが彼に出来るのかと問うようなもの。
やがて彼らが去るのなら、ホツリと零れる言葉。]
…――困りましたね。
このような時、どう反応すれば良いか本当に分かりません。
奇異の目で見られることには、慣れていますけれど。
[途方にくれたように呟く表情はしかし、やはり動かぬままで。
鳥籠を酒場に残したまま、学者の歩む方向は森。
緑に迎えられた学者は、そこではほんの微かに、
穏やかな表情を*浮かべていた*]
―回想―
[フーゴーが結社の人だと言うのに、驚いたように瞬き。
口を挟むまもなく、皆が次々と喋るのをただ聞いている。
回復したらしいダーヴィッドの姿にほっとしていた所で、不意に自警団員がやってくれば怯えたような視線を向ける。
そして連れて行かれるダーヴィッド。
ソレを止めようとしたヴィリーが自警団員に殴られる姿。
あまりの驚きと怯えに動くこともできず、傍にいたクロエが震える手で腕をつかんでも、ただ呆然としていた。]
あ……
[クロエが駆け出して往くのが見える。
ドアの外の喧騒が収まり――ぎゅ、と瞳を閉じた。
これでは、まるで殺させるために助けたみたいじゃないか、と唇をかみ締める。
外に出て行く勇気もなく、倒れたヴィリーを運べるわけでもなく、ただその傍で立ち尽くしていればフーゴーとクロエが戻ってくるのが見え。]
あ、うん……クロエ、大丈夫?
[クロエを部屋へ、とフーゴーに頼まれたなら、僅かばかり色を没くした顔で頷き。
大丈夫だと言うクロエに心配そうな視線は向けるものの、無理に居座ることはしなかった。]
うん……じゃあゆっくり、休んで。
[こくりと頷き。
酒場へと戻る。
占い師と名乗った人たちももう部屋に引き上げた後だろうか。
リッキーに毛布をもらって、ヴィリーの傍に座り込む。
一人で家に帰るのも恐くて、そのまま夜を明かした。]
[うつらうつらとした朝の時間、フーゴーがやってきたことにも気づかない。
ただ、宿の部屋のほうからざわめきが聞こえれば、半分覚醒したような、寝ぼけてるような視線を一度だけ、向けた**]
―回想終了―
―回想・昨夜―
[飛び出してゆくクロエを追いかけるフーゴーの後に続くこともできなかった。
ユリアンから寄越された声に応じることもできなかった。
立ち尽くすゲルダに声を掛けることもできなかった。
戻ってきたクロエの視線を受け止めることもできなかった。
世界が紗に包まれているかのような倦怠感だけがその時の全てだった]
…っそ。
[かなりの時間が経ってからようやく身体を起こした。
酒場の片隅には横になったヴィリーと、隣で座り込み眠っているらしきゲルダ。
そして椅子に座ったままのライヒアルトが居た]
ライヒアルトさんも残ってたのか。
…怖くはねえの?
[起きていれば問いかける。
答えが返れば曖昧な笑みを浮かべ。
それよりも心配が勝つのだと聞けば下を向いただろう]
[それじゃ、と言って酒場を出て行った。
自分の部屋に戻る前、従妹がいるはずの部屋の前で足を止め]
占いじゃ自分の証は立てられない。
…親父さんには悪いが、羨ましいとすら思っちまうよ。
[苦い溜息]
可能性は一つずつ消していってやる。
少なくとも、あいつは…ユリアンは。
[誓うよな言葉に続け、小さな声でおやすみと呟いた]
―回想・朝方―
[ユリアンの部屋の反対側、逆の角部屋で目を覚ました。
荷物の中から革のポーチを取り出し、白い布の上に置かれていたカードケースを仕舞う。
後はいつもと同じに身支度を整えて部屋を出た]
この匂いは。
[鼻にかかったそれが何であるかは容易に想像がついた。
廊下の先には酒場へ入ってゆくクロエとフーゴーの背中。
扉の中を覗けば無表情のライヒアルトが死体の傍にいた]
説明、頼んでいいのかな。
[客観的な状況を聞くことはできただろうか。
感想は特に語らず、分かったと言って酒場へと*向かった*]
……。
[そこにいまだ存在していたのは何なのか。
それは、死してあらゆるモノを見ることの出来るようになった存在だったとしても、理解は出来ないものだったのだろう。
ただゆらりと蠢くそれの元に、森に住む大いなる存在が問いかけた]
『───娘よ。
お前は、何故いまだにそこに存在している。
もう分かったろう。
人間など、愚かな生き物だ。仮に彼の者が人狼だったとしても、人の知恵を持った存在などに寄り添うなど愚の骨頂でしかない。
お前がどれだけその想いを託したのだとしても、その全てを踏みにじるだけの救いようの無い存在だ。
お前の命を分け与えても、相手は一切守る気など無かった。
さあ……解き放たれて、また旅立つが良い。
お前についている鎖など、我が噛み切ってやろう』
[人狼騒ぎが一度起きれば、魂はその騒動が起こるまで束縛される。
それを、大いなる存在は、いとも簡単に断ち切ってやるとそう言っているのだ。それだけでも、この存在がとてつもない力を持っているのだということが窺い知れた]
……みゅう。
[だが、少女は小さく首を振り、それを断った]
『何故だ?
お前が守りたかったもの。そして、それ以外の全ての人間が愚かな連中なのだぞ。
同じ種族同士で殺し合い、信じあうことも出来ず、慈しみあうことも出来ない連中じゃないか。
我々は、自分が成すべきことを知っている。
それなのに、何故とどまり続けようとする?』
[その存在の言葉は、今現在だけのものではない。
遠い、遠い未来になっても何一つ変わらない人間へ向けての言葉でもあった]
―朝・酒場―
[夢現で聞いていた声がちかくなり、クロエがフーゴーにいわれて酒場にやってきたころに、ようやくのそりと動き出す。
ヴィリーはまだ眠ったままだろうか、すこしばかり心配そうな視線を向けてから、クロエや、外に出て行ったライヒアルトを見やる。]
……誰か……が?
[血の匂いは此処まで届かなくても、皆の雰囲気でなんとなく察せられるものがあり。
誰にともなく、小さく呟いた。]
……みゅう。
[それでも、少女の意思は変わらなかった。
必要としている人間に捨てられ、誰にも守られず、ただ容易く殺されたというのに、それでもなお、少女はこの場にいたいのだと。
記憶を捨て、多大なる代償を支払って会いに行った結末が、一度も幸せになることも出来ずに、不幸なままで死んでいったというのに。
感情も、想いも、記憶も全て捨ててしまったというのに。
何も、何も救われなかったというのに]
『……お前は若すぎたな。
ただ一度の気まぐれの好意を、そこまで純粋に持ち続けてしまっているのだから。
他の全てではなく、そのただ一つ持ち続けているものを捨ててしまえば、幸せになれていただろうに』
[その存在は、人間臭いため息のようなものを吐き出した]
病気……?
[返された言葉に、小さく呟く。
その説明だけで、納得できるかと問われれば、否なのだが。
それ以上追求しても、何かが変わるとは思えず]
……なんか……さびしい、ね。
[極小の呟きは、誰かの耳に届いたか。
フーゴーに促されるまま、酒場へと歩む。
ぶち猫は、ライヒアルトを見て。
それから、ちょこちょこと後を追ってきた]
『お前が愛し続けている人間どもの言葉を借りるのならば、我はこう思っているよ。
「我の愛しい娘を不幸にしやがった奴らなど、死んでしまえ!」とな。
だが、所詮は老獪の想いでしかない。
お前がそこにいたいというのならば、我にはどうすることもできん。
願うのならば……精々早くに人間に愛想がつかないかと思っている。
───さらばだ。娘よ。またいつか会おう』
[言葉はそれきり消えて、少女はただ一人残された。
いつか、森の中で一人捨てられたときのように、いつまでも、そこに居続けた]
[酒場につくと、詰め所に行くというフーゴーを見送り。
やや間を置いて現れ、外へと向かったライヒアルトを見送る]
……リっくん、なんか、甘いものほしい……。
あー……レモネード、少し甘めでちょうだい。
あと、ツィンになんか食べさせてあげて。
[リッキーに向けてこう声をかけ。
それから、ゲルダの呟きに、そちらを振り返った]
……リディちゃん、だよ……。
ライ兄さんが、最初に見つけたみたい。
[静かに返す声は、微かに震えを帯びていた]
― 宿 森へと向かう前の話 ―
リディさんの様子を見に来ましたら、
私が第一発見者になりました。
それで、おそらくフーゴーさんに疑われているのでしょうね。
[このような状態でも、
常を保とうとフィールドワークに向かおうとした矢先。
アーベルに状況を問われ、やはりいつもと変わらぬ調子で答える。]
…――昨夜、私は怖くないといいましたよね。
[相手に何故疑われたか?と問われる前に、付け足される言葉。]
私は、そういう感情――…悲しみなどもそうですね。
良く分からないのです。
どう、その感情を表せば良いのか分からない。
――とある医者からは、
おそらくある種の病気だろうと云われました。
だから、それに対して疑惑を向けられたとしても、
私は私の態度を改める気はないし。できません。
私は、私としてしかいられないのだから。
[アーベルにとっては謎かけのように聴こえるだろうか。]
それで死んでしまうなら、まぁ、仕方ないでしょう。
[説明はそれでお仕舞だとばかり、くるりと踵を返せば、
背後で「分かった」と声がした。]
―別荘―
…うたがわしきは余所者、か。
[そんなことを言っていた占い師候補のことばを思いだし、羊皮紙にむきあう手をとめた]
それが理由になるとしたら、あたくしもなのよねぇ。
生きのこるには、難易度がたかいかしらぁ。
[きのうの出来事を、ものがたりとして記したそれをかたづける。
ためいきをつき、別荘をでた]
― 森 ―
[頭上で鳥達のさえずりが聴こえる。
その音色に、碧の眸を細めて頭上を見上げた。]
嗚呼、失敗しました。
何方か、餌などあげて下さっていると良いのですが。
[思い起こすのは酒場に置き忘れてしまった、
保護をした小鳥のこと。
けれどフィールドワークを止めてまで向かおうとしないのは、
やはり学者が学者であるから。]
…――私は、さびしいのでしょうか。
[しかし、ふっと手が止まり、我知らず落ちる言葉。
クロエが零した呟きは、学者の耳に届いていた。]
分かりません。
[そもそも――さびしいという感情が良く分からない。
だから、自分がさびしいかと問えば、
分からないとしか、云いようがなかった。]
…―――。
[森を渡る風が黒髪を揺する。
その刹那微かに胸に湧いた感情は、
名を付ける前に、次の風に吹かれて消えた。]
─自衛団詰所─
……おぅ、一つ連絡に来たぞ。
[詰所の扉を開けるなり、フーゴーは団員達に言い放った]
今朝俺の宿で人狼に襲われて死んだ奴が見つかった。
リディっつー小せぇ嬢ちゃんだ。
[団員の中で一人だけ、他とは違った反応をした奴が居たか。それを目端に捉えつつ、フーゴーは続ける]
ついてはその遺体をどうするかを聞きたい。
こっちで弔って構わねぇなら、そうする。
ああ、いきり立つな。
俺はこの通り、人間である証明を持ってる。
[勝手なことをするな、と言いかけた団員に先んじて左腕の袖を捲った。見せられた銀に何人かの団員はたじろぎ、勢いを無くす。人間である証明とは言え、噛み痕は生々しく、取り巻く銀も異様に見えはするか]
…向こうの取り仕切りは俺が請け負う。
死者の弔いも、こっちで済まさせて貰うぜ。
[有無を言わせぬように言葉を紡いだ。それは今後の処刑は自衛団任せにはしないと言う宣言でもあったか。反論が無いのを確認すると、フーゴーは踵を返し詰所を出た]
―宿・酒場に向かう前―
[目を細めて説明を聞いた。自分の意見は挟まない。
何故かと問う前にも言葉が重ねられた]
…病気、ね。
感情の起伏が薄い人間ってのは他にも知ってるけど。
[確かにライヒアルトのそれは極端であったかもしれない。
謎掛けめいた言葉に僅か眉を寄せた。
何と答えればいいのか悩んだまま、分かったとだけ告げた。
部屋には少女が胸に空洞を抱え物言わぬ身体となっていた。
入口で十字を切る。しばらく瞑目するとそこを離れた]
─宿屋・酒場─
[リッキーが用意してくれたものを受け取り、ありがと、と言いつつ先にぶち猫に食べさせる。
何か食べた方が、と言われたなら、困ったように首を傾げ]
ごめ……さすがに、連続して色々見すぎて。
食欲、ないや。
[困ったように、眉を下げて言う。
こんな事言ってると、怒られるかな、という意識はあるのだが。
どうにもならないのもまた、事実だった]
―宿屋内酒場―
――……、くらい、くらいわ…。
ついでに言うなら、重いわね…。
[昨日の今日だから、と、それにしてはあまりにも。
まただれか、という想像はたやすくもあるか]
窓、あけるわね?
[風をとりいれようと、足と手をうごかす]
[こちらをみたクロエの声に、きょとり、と瞬く。
それはリディの名前が一致しなかったから。
ライヒアルトがつれていた記憶喪失の少女だというのは、ライヒアルトが見つけたと言うことでなんとなく繋がって。]
ああ、あの子……
[薄情だろうか、それでも親しい人じゃなくてよかった、と僅かに安堵の吐息をもらした。]
─宿屋・酒場─
あ、ルーミィさん……。
[やって来て、窓を開ける様子をぼんやりと見やり]
ん……。
爺様の時よりは、酷くなかった……かな。
[安堵の吐息を漏らすゲルダの言葉に、また黒の瞳をそちらに向けて微かに苦笑する。
いろの記憶はそう容易くは抜けず、それはそのまま、食欲減退に繋がっていた]
リディちゃんが、どうしたの?
[かえってくるこたえは予想がつくけれど、それでも問いかける]
って、クーちゃんだいじょうぶぅ?
ごはんはきちんと食べなきゃダメよぅ。
[ぷー、と頬をふくらませてみたり]
ゲルダちゃんのほうは、だいじょうぶ?
[こちらにも気遣いの声はわすれない]
[ヘルムートの問いかけ。
小さく、息を吐いた]
リディちゃん、が。
ギュン爺様と、同じ……に。
[返す言葉は、短いもの。
頬を膨らませての言葉には、ふにゃ、という感じで眉を下げ]
そういわれても、食べたいって、思えないんですもん……。
[ぼそぼそと。
口調は段々言い訳めいてくる]
─酒場─
…っ…
ここ、は…?
[ゆっくりと目を開けると、視界には見慣れた、だが記憶よりもやけに高い天井が広がって。
辺りに視線を向けて、自分が酒場の床に寝ていることに気がついて体をゆっくりと起こす。
何故ここに寝ているんだろう、と記憶を遡り、気を失う前のことを思い出し。
赤毛の騎士の姿を探して、辺りを見回した。]
―酒場―
そっか。クロエが無事でよかった。
[ほっとしたように呟き。
やってきたヘルムートに軽く首をかしげた。]
あたし? あたしは大丈夫だよ。
[自分が拾った相手が連れて行かれても、見知らぬ少女が死んでも悲しまないように見える女は、僅かに自嘲するような笑みを浮かべて答える。]
〈中〉
へろへろと鳩から見物中。
そして空気読まずに中の人の思考垂れ流す。
ふと思ったけど、襲撃はともかくとして。吊りは、事前にメモなんかで投票先知らせといて、吊られる先に死亡RPさせたりしたら、面白いかも?
って、人狼審問の過去ログの「チキレ」シリーズを思い出したから思っただけですが。
〈/中〉
―教会―
[昨夜はいつ帰ったものか、朝には男は教会の個室にいた。
真っ先に腕を通すのはいつも通りの聖なる黒衣でなく、私服。
着替えが終われば、少しの間瞑目]
……ハ。
[緩く頭を振って、開いた視線は枕元へ。
そこに置いたモノ――煙草と、古い銃を懐の内に収めて、部屋を出て行く]
─宿屋・酒場─
[無事でよかった、というゲルダの言葉に、浮かんだのは、曖昧な笑み。
状況的にも、自分が無事、というのは、悪い事ではない……のだろうけれど。
素直に喜んでいいのか、迷う部分はあって]
……ん、ありがと。
[小さく呟くように言って。
目を覚ましたヴィリーの何かを探すような様子に、軽く、目を伏せた]
[再びふよふよと漂っていると。
目を覚まして辺りを見回しているが見えた。]
ヴィリーさんだ、ヴィリーさんだ。
[そのそばに寄り、様子をみている。
そのなつきぶりは、どことなく、たぱたぱと尻尾を振っているようにも見える。
人狼でもないのに、尻尾などあるはずがないが。]
―宿屋内酒場―
……ギュンじーさま?
あぁ、もしかして、団長さん……?
って、ことは。
そぅ……。
[べにを塗った、くちびるにゆびさきをあてる]
まぁ、たべないほうが……。
魔女あいてなら、たべられないわよねぇ。
[ものがたりの発想をして、少しばかり息をはく。
まゆを下げる表情がかわいらしかったので、頭をなでたり]
[辺りを見回せば、ゲルダやクロエ達の姿が目に入り。
少なくとも、今ここに居る者は無事だったのだと思い内心安堵の息をつく。
だが、赤髪の騎士の姿はなく。]
………俺は…止められなかったん、だな。
[そう呟くと、目を伏せて。
血の臭いに、気付いた。]
―酒場―
ヴィリーさん……。
起きられました?だいじょうぶですか?
[慌てるでなく、そちらへと声をかける]
……案外に、おつよいのねぇ。
舌戦もおつよかったようですし。
[焦げ茶のひとみが正面からゲルダをとらえた。
それが自嘲とはいえ、笑みのかたちを成していることに感嘆を]
[くーん、と鳴きそうな表情で様子をみながら。
周囲の人たちの様子を眺めている。]
ヴィリーさんも、ゲルダさんも、フーゴーさんも……無事でいてくれるといいのですが。
[そんな事を呟きながら。世話になった人の様子を*眺めている*。]
─宿屋・酒場─
[短い説明で合点が行ったらしいヘルムートに、こく、と頷く。
続いた言葉には、曖昧な笑みを浮かべるに止め]
……というか、なんで、みんなウチの頭撫でるんですかぁ……。
[口をついたのは、場違いな文句。
廊下側の扉が開く音に気づくと、ふと、そちらを見やり。
それから、何となく、視線を下げた。
下げた視線は、足元のぶち猫の目と、ちょうどかち合う形に]
[出掛けには子供に昨日と同じ言付けをして、宿へと向かう。
途中で向けられる視線は相変わらず気には止めない]
― →宿屋―
……あ?
[扉を開く。
いつもの挨拶をするより先に、リディの死を告げる声が耳に届き、男は片眉を上げた]
─詰所外─
[詰所を出たところで目に入った港方面を眺める。未だ天候は不安定で、海に出れるような状態には見えない]
……結社の連中もこの天候じゃここにゃ来れねぇよな。
俺よりゃあ本部の連中の方が……いや、んなことは言ってられねぇか。
[ふぅ、と息を吐いて緩く首を横に振った。周囲には未だ見の証明が伝わっては居ないために怯えた視線を向けられたが、それを気にしている暇は無い。今日の処刑をどうするか考えながら、フーゴーは宿屋へと戻って行った]
[ヴィリーが起きたことに気づけば、ほっとしたように笑みを向ける。]
よかった……自警団の攻撃がつよすぎて起きないかと思った。
[ダーヴィッドのことを悔やむ様子に、僅かに瞳を伏せる。
ヘルムートの声に軽く瞬き。]
強い? あたしが?
まさか……ただ逃げてるだけだよ。
[ふるり、と首をふる。
現実を認識することから、死と向き合うことから逃げて、ただ親しい人の無事だけを喜ぶことのどこが強いと言うのか。
ヘルムートの言葉にただ否定だけを返した。]
―宿屋・酒場―
こっちに居たか。
[ヘルムートとクロエの会話を耳にして、僅かに笑う。
こちらを見たクロエと一瞬だけ視線が合い、そらされた。
笑みは消え、少し離れたテーブルの椅子を引いた]
誰も止められなかったよ。
[ヴィリーの言葉に答えるともなく言った]
─回想
[皆のやりとりを聞きながらも『処刑』の事が頭を巡り落ち着かず。誰に何を告げるでも無く静かに部屋に戻って頭から毛布を被る。実際はそれは逃げでしかないのだけれど。そのまま気が付けば眠りについて。目が覚めて聞かされたのは一人が連行され処刑された事。そして次に聞かされたのは、あの少女が襲撃された事。]
…夢とか、御伽噺じゃないんだね。
実感沸いてなかったけど…。
[その瞳にほんのりと暗い光が灯る。それは生きる覚悟かそれとも、違う覚悟なのか]
[ルーミィから声をかけられれば、あぁ、と頷き。
ゲルダへの言葉には、自分の見てきたルーミィらしくないな、と眉を顰めた。
ゲルダから、よかったと言われればその顔を少し和らげて頭に軽く手を置き]
…心配を、かけたな。
― 宿屋・自室→酒場 ―
[眠った、というよりは何度か意識を落とした程度のまま朝を迎え。
身支度を整え部屋を出れば、いつかの路地と同じ匂いに眉を寄せた]
[その匂いが一番強く混じる部屋の前、一度立ち止まれども。
そちらの方は見ず、酒場へと足を向けた]
[酒場での話題は容易に想像出来たものであったが。
いつものように、リッキーに水を求める以外は無言で目を伏せたまま]
……ひでえことしやがる。
[暫くの後、零した]
……ち。
まぁだいるってコトかい。
[遅れて届く血の香。
舌打ちをし、だが2階の様子を見に行くことはしない。
やや乱暴な動作で、カウンター席に座った]
─宿屋・酒場─
[少し首を傾げ、じい、と見上げるぶち猫。
物言いたげな目に、困ったようにわらった。
昨夜、扉越しに聞いた言葉が浮かんで消える。
聞きたいのに聞けずにいる事が多すぎて、でも、どう聞けばいいのかわからなかった]
[アーベルから、誰も止められなかった、という言葉を聞けば表情を翳らせて]
…そう、か。
この、臭いは、なんだ?
[先程から鼻をつく、鉄錆の臭いを聞いた。]
─宿屋─
[宿屋へ戻るとだいぶ人が集まっていて。「戻った」の言葉を発するも、いつもの定位置であるカウンターへとは入らずに]
…ライヒアルトぁ居ねぇのか。
嬢ちゃんはこっちで弔うって話をつけて来たってのに。
[顔触れを眺め、目的の人物が居ないことに軽く眉根を寄せた]
[ヴィリーの手の感触に、軽く瞳を伏せる。
ゆるゆると首を振って。]
ほんと、よかった……
ヴィリー兄、なんかのむ?
[安堵の吐息を零しながら、軽く訊ねる。
ヴィリーが目覚める少し前に起きたばかりで、なにも口にしていないことを思い出した。]
きっと、とめたいのなら。
ほんとうにとめるつもりでいるのなら。
みつけるしかないのよ。
[それが決まりというが如くに、ヴィリーにつげる]
……ダーヴィッドさんが狼だったのなら。
ある意味ではとめた、といえなくもないけれど……。
[今もなお、血のかおりはただよって。
それでもいくぶんは、窓をひらいたことで軽減されているが]
― 森→宿へ ―
…――帰りましょうか。
[海も見て行こうと思ってはいたのだが、
戻らねばならないとは感情でない部分で理解しているから。]
…―――っ。
[不意に襲った頭痛に、少し眉を顰める。
ゆるりとした――それは足が重いようにみえるか、
足取りで宿の方へと学者は歩を進めている。]
―宿屋―
[帰ってきたフーゴーにいつも通り片手を挙げる]
……あぁ、そいやいねぇな。
先生のコトだ、また観察でもしてんじゃねぇの。
[今朝の顛末を知らぬ男は、気の無い口調で言った]
[新たにやって来た者たちの気配に、顔を上げる。
ユリアンの方は、一瞬見ただけで、やっぱり目を逸らして。
ウェンデルには小さく手を振った]
……ん、ライ兄さんなら、まだ戻ってない、よ。
いつもみたく、森、行ったのかな?
[眉根を寄せるフーゴーの言葉に、小さく呟いて。
ヘルムートがヴィリーに向けた言葉に、緩く瞬いて]
……ひと、だった、よ。
あの、騎士さん。
……狼……減って、ない。
[小さな声で、ぽつり、と告げた]
クーちゃんがあいされてるからかしら?
ざんねんながら、あたくしの本命ではないけれど。
[そういいながらも、やはりあたまをなでつづけ]
そう思っただけ。
ごめんなさい、ふかくは気にしないでちょうだい?
[ゲルダから返る否定のことば。
おおくはつげずに、謝罪を述べた。
ヴィリーがまゆをひそめるのに気付き、むけるちいさな笑み。
それはどのようにもとらえられる類のもの]
……だろうな。
[ウェンデルの言葉には嫌悪に近い表情で声を漏らした]
さて、勝手ながら現状について纏めさせてもらう。
聞きたくねぇ奴は耳塞いどけ。
昨日連行されたダーヴィッドは人間だったそうだ。
そして今朝嬢ちゃん──リディが人狼に襲われた。
人狼はまだ居る。
だから、また誰かを処刑せにゃならん。
……だが自衛団に適当にしょっ引かれるのは勘弁だ。
それを決める前に『占い師』の二人にゃ誰かを調べて欲しいんだが…?
それか、もう調べたならその結果を教えて欲しい。
[言い終えると視線は『占い師』を名乗った二人へと向く]
[ゲルダから何か飲むか、と問われると、そうだな…と頷き。]
水を、くれるか。
[そう言った所で、ルーミィから言われた言葉に目を伏せて]
…俺は、それでも、止めたかった。
言っていたんだ。国へ帰ると。
[ダーヴィッドと交わした会話が、彼の願いが果たされなかったことが、悔やまれて。
だが、アーベルの言葉に、目を見開いて]
リディ、が…?
ライ、は。
[言葉が、続かない。幼馴染の安否はどうなったのか。]
ベルちゃんに、リアちゃん。
[かるく片手をかかげることであいさつの代わりに。
二人の「占い師候補」を、今はまだ対等にあつかって]
……それに、神父さまに。
おじさまも。
[あっというまに増えるひとの数。
それぞれの顔を一度ずつみくらべていく]
[クロエの、ダーヴィッドが人間だったという言葉。
ルーミィの、自分へ向けた笑み。
フーゴーの、占い師二人への結果を問う様子に、言葉を出せず。
ただ、フーゴーの幼馴染に関する言葉への嫌悪に疑問を抱いた。]
― 酒場 ―
…――遅くなりました。
[扉をあける前、ひとつ息を吐くと、
頭痛に寄せた眉を戻した無表情となる。
その表情のまま、酒場に集まった人々を一瞥すると、
スタスタといつもの場所に向かい、腰を下ろす。
鳥籠の小鳥が小首をかしげて、
そんな学者を見てひとつ鳴いた。]
……あいされてる、ってなんですかぁ。
ホントに、なんでこう、みんなして子供扱い……。
[ヘルムートの言葉にぶつぶつと呟く。
それから、耳に届いたアーベルの宣と、フーゴーの言葉に。
黒の瞳で、二人の『占い師』を見比べる。
瞳は、最終的にはややためらいがちに、従兄の方へと。
黒に宿る、不安と、揺らぎと。
何か、願うよな、いろ。
微かなそれらは、見て取れるか]
[クロエには軽く手を挙げて返した]
……んぁ。
なんだい、何かあったのか?
[いつもと違う声の調子に気がついて、顔を上げてフーゴーを見る。
すぐに男の視線も占い師たちへと流れる為、答えが無くとも然程気には止めないのだが]
[ヴィリーの言葉にうん、と頷き。
リッキーのところへと向かい水をもらう。
その際、ちょっとでもいいから食べるようにと無理やり押し付けられたスープ皿を困ったように見やり。]
……まあいいか。
誰かたべるだろうし。
[小さく呟き。
トレイをもってヴィリーの近くへと戻る。
つぎつぎ宿にやってくる人たちには、軽く挨拶の声を掛けながら。
占い師へと指示を出すフーゴーの声には、なにも言うことはなかった。]
[戻ってきたライヒアルトの声と、鳥の鳴き声に、ぶち猫がにぃあ、と一鳴き。
近づかないのは、鳥籠の小鳥に遠慮しての事か、他に理由があるのか、それは定かではないのだが]
……クーちゃん、そういうの、分かるの?
[そういえば、だれかがそんなことを言っていたような]
それで、よけいに辛いのね。
ごめんなさい。
[やわらかく、クロエに謝罪のことばをむけて。
みつける、と、宣言するアーベルにはうなずきをかえす。
フーゴーのまとめには、かるく眉根を寄せ。
二人の「占い師候補」のようすをうかがう]
あぁ、噂をすれば。
[現れたライヒアルトに視線を投げる。
ヘルムートの視線に気がついて、そちらにもちらと目を寄越すか]
……おぅ、ライヒアルト。
嬢ちゃんの弔いはこっちで請け負うことになった。
てめぇがやるなら後ででもやってこい。
[戻って来たライヒアルトには事務的に結果を告げるだけで。ウェンデルからの問いは「……ちょっとな」とここでは言わずにおいた]
ライヒアルトさんが、第一発見者だと。
…出かけて、戻ってきたみたいだね。
[ヴィリーの途切れた声に答える。
答えている間にライヒアルトの挨拶が聞こえてきた]
……まだ視てない。
そっちは?
[フーゴーに答え、ユリアンを見つめたまま問いかける。
カードケースを取り出してテーブルの上に乗せた]
[いつもなら真っ先に人の輪に飛び込むところだが、今日はどこに居れば正解なのかを見極めきれず。酒場の隅の壁際の席に壁にもたれるように一人でポツリと座っていた。ダーヴィッドの事、リディの事。それらがポツポツと耳に入っては流れていく]
…誰を信じたらいいんだろ。私は。
それとも…皆を疑えばいいのかな。
[幼い頃に止めたはずの爪を噛む癖が再び顔を出していることにも気づかない]
[ふと遠のいた意識を戻すと、フーゴーの声が聞こえ]
俺はまだ占ってねえけど。
それは好きな奴を占っていい、って解釈していいのか。
[場を取り仕切る姿勢を見せた男に問いかけながら、体を部屋の中央の方へと向けた。
その視線はちらりとアーベルへも向けられ]
…ライ…。
[普段と変わらぬ様子で戻ってきた幼馴染の姿を、無事な姿を見られた安堵と、リディの事を知っているのか問うて良いかどうかの苦悩の混ざった感情で見つめ。
ゲルダが水とスープを持ってきてくれたなら、礼を言って水に口をつけ。]
……あんまり、嬉しくない、力、だけど。
[ヘルムートに、小さく、呟くよに返す]
謝らなくて、いいです……。
大丈夫、だから。
[大丈夫、と言いながら。
声の揺らぎは、押し隠せてはいなかった]
嗚呼、そうですか…――。
でしたら、きっと、あの場所が良いと思います。
[森の中の、一際大きな切り株がある、あの場所。
フーゴーを見つめる碧は、ハタリと一度瞬き。]
でも、随分と乱暴な物言いですね。
死者はもっと悼むべきものなのではないのですか?
[彼らしくないな……と、思い。
次に、嗚呼、そうか自分が嫌われているからかと、
一人納得して、無言で頷いた。]
はい、ヴィリー兄。
なんかスープも渡されたから、食べたい人は食べると良いよ。
[適当なテーブルにスープを置いておいて、自分も椅子に座って水を飲む。
巡りの話しをただじっと聞きながら。]
……各々好きに決めて良い。
それもまた、『情報』だ。
[アーベルとユリアンにはそう告げる。対象を決めたのなら始めてくれ、と視線を向けた]
嬢ちゃんを蔑ろにしてるわけじゃねぇ。
今朝てめぇが申し出たんだろうが、弔うのを。
[ライヒアルトへと向けたのはそんな言葉だった]
[視線は幼馴染に向けて移り、視線で云いたいことをくみ取る。]
…――私が第一発見者で間違いないです。
第一発見者は、疑われるものと相場は決まってますから。
それに…――
[私は『こう』ですから。と声にださなかった語尾は、
幼馴染には通じただろう。
両親の死の時すら涙を流せずに、奇異の眸で見られたと、
語ったことのある彼ならば。]
……やさしいのね。
[ヴィリーにむける感想はやわらかい。
また、そのまなざしも。
けれど直ぐにまなざしがむくのは、酒場のとびら。
なまえを呼ぶことは、しなかった]
クーちゃん。
こどもはこどもでも、おんなのこあつかいよ?
そういうの、されたくてもされない人間もいるんだからっ。
[ちょっとばかり拗ねるしぐさを見せてみたり]
……あなたも来たのね。
ええと、カヤちゃんだっけ?
[あまり声をかけたことのない相手にもおくせず声をかけてみる]
[アーベルの問いには、そういうことだ、とでもいうように視線で返し。
相手の行動を静観する]
ああ、分かった。
[フーゴーの返事にはアーベルから視線を外さないまま応えた]
[ユリアンと視線がぶつかりあう]
それでいいなら俺は。
…ユリアンを占う。不安の芽を潰す。
[自分の中の何かを振り切るように告げ。
手に取ったカードをきりはじめた]
ふぅん。
[フーゴーの返答にはそちらをちらと見遣るだけで、すぐに目は2人の青年へ]
バラバラにやるのかい。
[フーゴーの指示を聞きながら、占い師たちの動向を見守る体勢で]
――Ich verfolge die Wahrheit.
[昨日と同じに並べられてゆく札。
最初に捲られたカードに描かれていたのは、水場の傍らに膝をつく乙女。
ただしその図柄は地が天に、天が地になっていた]
星、逆位置。
[低く呟く。
前回とは比にならないほどカードを睨む。
厳しい表情のまま、手を1枚だけ置かれた段へと伸ばす]
剣の…3。
[そこから何を読んだか。
そっと置かれた涙のよな真珠は、何も変わらずそこに在った]
[声をかけらればビクりと身体が反応し]
えっ、はい。んと。カヤです。
えーと…。
[とっさに名前が口を出ない。ただ何かしらの違和感だけが頭に残り]
えーと、お姉さんも来たんですね。
[無難に名前を出さずに逃げた]
私が弔うのは異存ないのですが…――。
[続けようとした言葉は空に消える。
それは二人の占い師が動き始めたからか、それとも……。
動かない無表情で、二人の占い師の動向を見つめた。]
……でも、女の『子』でしかなかったら、やっぱり素直に喜べないですよぅ。
[拗ねたように言われ、場違いと思いつつも、本音が出た。
それから、ヘルムートの言葉に、カヤが来ていた事に気づいて]
カヤ?
どしたん、そんな隅っこで。
[クロエからも声をかけられ。頭にとっさに浮かんだ言葉が『見つかってしまった』だった自分に驚いて]
ん、んーん。色んな事がいっぱいあってさ。
でもって、私、なんにもできないから。
邪魔しないでおこうって思ってね。
[帽子をひっぱって目線を隠してうつむいた]
[ゲルダの様子に声はかけず、ただ隣に座って。
幼馴染の視線を正面から受ければ、だからこそ俺は心配なんだ、と感情を込めて。
ルーミィから、優しいと言われれば、そんなことはない、と頭を振った。
そして、ただ占い師二人の動向を見守って。]
不安の芽?
[表情は変えないままに]
[目の前の占いには興味がない様子で視線を流すと、隅っこで更に小さくなっているカヤを視界に捉える。
おいで、と手招いた]
[ウェンデルからの視線には、くびをよこにふり、なんでもないというように。
あらためて、クロエにむきなおる]
……えーと。
あんまり、そうはみえないけどぉ。
[強がり、ということばが、内心でうかんだ]
なんにもできないから、って。
[俯くカヤの様子に、軽く首を傾ぐ]
でも……姿、見えないと、心配するよ。
何か……あったのかな、って。
[そうは見えない、という言葉。
また、表情がへにゃ、と崩れた]
……そんな事、ないですよぉ。
[指摘しないでほしいのに、という言葉は心の奥底。
揺らいでいるのがわかっているから。
迷っているのがわかっているから。
言わないでほしかった]
おねえさんだなんて、うれしいよびかたしてくれるのねっ。
[場にそぐわないとわかっているので、はしゃぐのはあくまでも小声である。
なにより、占いはもうはじまっているのだから]
ルーミィって呼ぶのでもいいけど。
……って、あらぁん?
[ユリアンにカヤが呼ばれるようすをみて、身をひく]
[カードを開いたきり、物言わぬアーベルには吐き捨てるように]
んで?
[変わらぬ真珠をちらと確認ながら。
いつもと変わらず、飄々とした表情は崩さない]
どうした?失敗でもしたか?
[最後にはひんやりとした笑みを浮かべて]
[「心配する」という言葉が嬉しくて。続く「何かあったか」という言葉で、今がそういう時なのだと気付き顔が曇る。それでも帽子から手を離し、幼馴染へと顔を上げた所で、思いもよらぬところから招待が]
へ?わ、私?
[今までの沈んだ様子を忘れたような気の抜けた声が出る。と、同時に傾くように座っていた椅子からずり落ちかける。転ばぬようにバランスをとって立ち上がり、その勢いで2,3歩前へつんのめる。]
え、何?私、何か駄目だった?何?
[やや涙目になりながら手招かれた方へとおずおずと歩を進める]
[アーベルの動きが止まったのを見]
……なるほど。
[告げられる言葉に目を細くし、腕を組む。
ユリアンにカヤが手招かれるのを目端で捉えて、そちらに視線を向けた]
[カヤの反応に、首を傾ぐものの。
ユリアンの方に行くのを見て取れば、特に強く引き止める事はせず]
……ひと。
[アーベルの占いの結果が耳に届くと、小さく呟いて。
カヤを追うようにしてユリアンに向けた視線を、従兄の方へと向けた]
クーちゃん……!
[眼がきらきらした。
場が場でなければ、おそらく問いつめていたことだろう。
表情がくずれるのには、再度の指摘もかんがえるがやめておいた]
それなら、ごはんをたべるといいんだわ。
[たべなくても、なにも言いはしないのだが。
ヴィリーが、首をよこにふるのには、また笑みを見せるだけ]
[歯噛みするアーベルの様子に、どんな結果が出たのだろうと思うも問いかけはせず。
ユリアンが手招きしている相手を見止めると、そちらに意識を向けたところに、アーベルの声を聞き。]
…そう、か。
…アーベルの結果はユリアンは人間、か。
アーベルが本物であるなら、ユリアンは人狼に与する人間、ってことになるな。
[ぽつりと独り言のように漏らす。カウンターに入らぬままに居たフーゴーは、残るユリアンの動向を見やりながら腕を組んだ]
な……なん、です?
[唐突にきらきらした眼に、久しぶりにヘルムートからどん引きたくなった。
追求がなかったのは、よかったと言えばよかったのだが。
やっぱ、ちょっとニガテかも……なんて。
過ぎったのは、否定できない]
[静かに眺めていれば、ユリアンが人だと告げる声が聞こえる。
ヘルムートとクロエのやり取りは耳を素通りし、こちらを気にするヴィリーには大丈夫というような笑みを浮かべておいた。]
……ユリアンが人なら、アーベルは……?
[長年の喧嘩友達が、よく知っているつもりの相手が、マッタク違うもののように感じられて、小さな声で呟いた。]
[とはいっても、どうしようもないですし…――、
とヴィリーに視線でチラリと返したところで、
アーベルの占いの結果が出た。]
…――なるほど。
[ついっと碧はカヤを手招くユリアンに向けられる。]
こちらはどうでるでしょうか。
[学者が首を傾げると、籠の中の鳥も同じように首を傾げた。]
[ため息と共に聞こえてきた返事。
視線は合わせぬまま]
生憎、俺にはお前より占いたい相手がいるんでね。
今夜はカヤを占う。
[手招いた少女が皆より少し近い位置に足を進めたならば。
リッキーに用意させたグラスワインを片手に向き直る]
……いいかい、カヤ。この真珠をよく見るんだ。
[それは昨日のそれと同じように。
落とされた真珠に注意を向けさせると、グラスの縁に指を滑らせる]
[ぱちん]
[鳴らした指の音の後には、じわりと広がる緑]
緑は穏やかな様。
怯えなくていいよ、カヤ。
カヤは自分の信じたいことを信じればいい。
[そういう表情はほんの寂しげにも見えたか。
中から真珠を取りあげると]
カヤは人狼じゃねえぜ。
[パチリと鳴らされた指の音に、ぼぅと真珠を見つめていた目に光が戻る]
私…の信じるもの。私が信じるものって何かな…。
[ついでユリアンが告げた「人狼じゃない」という言葉に、安堵からホゥとため息が漏れた]
あ、あの。ありがとう。
[その礼は人間であると占ってくれた事への礼か。もしくはその前の言葉に対する其か。おそらくはその両方で]
がんばってね。
[ぐ、っと、握りこぶしをクロエにみせる。
こういうところも変人であるといわれる所以であることを、当人は気付いているのかいないのか。
占い師候補二人の結果をきいたなら、焦げ茶のひとみをフーゴーへとむける。
その頃には、まなざしはさすがに真剣なもの]
[ユリアンの結果を聞いて、ふぅ、と短く息をついた。ひとまずは人狼では無いと言う結果が出たことを喜ぶべきか、人狼を引き摺り出せなかったことを悔やむべきか。二種の感情が綯い交ぜになる]
どちらも人狼は当たらず、か…。
どうしたものかな。
[呟き、身の証明が出来て居ない者達を順繰りに見やった]
[アーベルの占いも、ユリアンの占いも、人狼ではないという結果に終わった。
昨日のようなことをまた繰り返すのか、とフーゴーに視線を向ける。
答えは、己も出せるわけはなくて。]
……こっちも、ひと。
[ユリアンの告げた結果に、また小さく呟く。
それはそれで、信じたい結果。
幼馴染を疑うのは、辛い事だから]
……て、あの。
が、がんばる、て、何を、ですか……。
[なんて言ってたら、何故か激励された。
やっぱり、調子狂う、と思いつつも。
ヘルムートがフーゴーへと向ける真剣な眼差しに、居住まいを正した。
膝の上にとん、と飛び上がったぶち猫を一つ、撫でるとそのまま両腕で抱え込む]
[この少ない人数で、人狼ではないと言われる人が増えて行くにつれ、視の潔白ができていないものが疑われるのは当たり前のことで――、そして未だ己が潔白を証明する術のない女は、けれど騒ぎ立てることなく、ただ淡々と周囲を見ている。]
今日も自警団員がやってくるのよね……
「人狼」を始末しに……
[誰が連れて行かれることやら、と僅かに吐息をもらす。]
ふぅん。
[細めたままの目で、カヤを見遣る]
人間、か。
……まぁ、
偽者だったら、何の証明にもならねぇが。
[声は何処まで届くか。
軽く目を閉じ、息を吐いて。
次にその目が捉えるのは結社員の男]
…――なるほど。
[ユリアンの占い結果にも、アーベルと同じ言葉を零し。
すっと碧はフーゴーへと向く。]
嗚呼、でも何もかもフーゴーさんに寄りかかっても、
とは思いますけれどね。
[周囲も同じ動きなら、また微かに首を傾げた。]
[自分への占い結果が人間と出たが、それでどうなるのか?と考えてみれば何が証明されたわけでもなく]
んーと。アーベルが本物の占い師なら、ユリアンは人間で…ユリアンが本物でもやっぱりユリアンは人間で…?てことは、ユリアンは処刑しなくてもいい人って事なのかな?
[と、ここまで考えて一つ当たり前に浮かぶはずだった疑問が今更頭に浮かぶ]
ねえ?どうして私だったの?
[その問いは目線と共にユリアンへと向けられて]
[皆にそう言って聞かせれば、グラスをリッキーに渡し自らは真珠を木箱へとしまって。
ポケットにそれを押し込んだ後はフーゴーへと視線を戻した]
悪かったな、引き当てられなくて。
[呟けば、聞こえてきたゲルダの声に顰めた]
……今日も誰か、あいつらに殺されるのか?
[集う面々を確認するようにして]
[ゲルダの漏らした言葉に、昨夜、自衛団に言われた事が脳裏を掠める。
「選ばなかったから」
選ばないとならない。
けど]
……ウチ、は……。
[言葉が途切れるのは、選ぶ事への忌避か、それとも、その後に訪れるものへの忌避か]
……また自衛団に任せるわけには行かない。
連中はおそらく最悪疑いのあるものを全員手に掛けるつもりで居るだろう。
そんな方法じゃ余計な犠牲者が出るのがオチだ。
───俺達が決めて、疑わしきを刑するしかねぇと、俺は思ってる。
自衛団の連中任せじゃ後悔も後を絶たん。
自分らの納得の上でやった方が、まだ後悔も少ねぇ。
[考えていたことを口にし、一度大きく息を吐く]
かと言って俺の独断でやるつもりも無い。
俺自身、見えてるものは少ねぇからな。
……皆が思う『疑わしい者』が誰なのか投票で決めるっつーのも考えてる。
『疑わしい』の判断基準は、各自に任せる。
[そこまで言って、「どうだ?」と言うように周囲を見た]
[カヤがユリアンへ向けた疑問。
それは、自分が抱えているものと、全く同じで。
あっさりと聞ける事を少しだけ羨みつつ。
フーゴーの言葉に、ゆっくりと、そちらをみた]
それも、それで。
……物凄く、難しい、けど、ね。
[口をついたのは、こんな呟き]
………。
疑わしいと思える奴がいなくても、選べと?
[フーゴーの言葉にしばし逡巡した後、そう聞いた。
フーゴーの言うことは解る。
そうでもして、探さなくては、ダーヴィッドの二の舞だと。
だが。
信じるのだと、自衛団長の亡骸に誓った。
あの自分の言葉を裏切るように思えて。]
[ユリアンからの答えを待ちつつフーゴの言葉が耳に入って]
…でも、誰がどうなら怪しいの?
それに、間違ってたらどうするの?
その時は私達…人殺し…だよ。
[フーゴに直接ぶつける事はできなくて、口ごもるように呟いて]
…それでも、そうしなきゃなんだよね。
[それもやっぱり口の中だけで呟いて。フーゴの目を見て頷いた]
[カヤに声をかけられれば]
ああ、誰の目にもそういうことにはなるらしいな。
[その後の疑問には、はたと黙して]
……可愛かったから。
[相手の反応を見遣ってから]
嘘。なんとなくだよ。
[目に付いたからさ、と笑って見せた]
それって、結局殺し合いをしろってことだものね……
[自分で手を下すにしろ、ただ口で疑わしいと言うにしろ、それは相手を死へと一歩、押し出す作業に他ならない。]
――誰も選べなかったら、自警団の人がまた無理やり連れて行くだけだろうし……
[それで得られるのは自分は手を下していないと言う安堵と、相手が人間だった場合の罪悪感。]
……なやむこと?
[応援の内容は、はぐらかしたつもりらしい]
って、あたくしもなやまないとなのねぇ……。
[反対をする人間がいるのなら別だろうかと、あたりをみまわす]
しんじたいものをしんじるなら。
そうして、えらんだあと、最後にのこる人かしら。
えらばれそうな自覚はあるけれど…。
[それでも声高に反対を述べることはない]
ほぉ。
[腕組みしたままで、片眉を上げる]
それで。
選ばれた奴にゃぁ、誰が手を下すんだい?
[投票そのものに、否定は返さない]
……悩むのって、頑張るようなことじゃないような……。
[それ応援されても、と、ため息一つ]
……しんじたいものを、しんじるなら……。
[それから、続けられたヘルムートの言葉に、酒場の中をぐるり、と見回した]
決めねぇと、手を下さねぇと、また連中が勝手に誰かを連れて行く。
連中が誰かを連行して行くなら確かに俺らの手は汚れねぇ。
だがそれで良いとも思えねぇ…。
決めた結果、誰も手を下せねぇってんなら、汚れ役は俺が買って出る。
そのための覚悟は、もう出来てるからな。
手を下すことに対して強制はしねぇ。
[どうせこの手は既に汚れているしな…、とは口にはしなかった。皆が惑う気持ちは良く分かる。だが決めなければいけないんだと、言葉を繰り返した]
ユリアンは──俺にしてみればまだどちらが本物かが判別出来てねぇ。
推奨はしねぇな。
[アーベルが紡いだ言葉にはストップをかけるかのように言葉を紡ぐ]
[ゲルダの言葉に表情を曇らせながらも、そうだな、と頷いて。
ルーミィの言葉には、否定を吐こうとして、出来なかった。
そんな中聞こえた、アーベルの声に知らず眉を寄せる。]
アーベル。
お前にとっては、ユリアンは人狼に与する者、だろう。
だが、俺達にとっては、ユリアンは人間というだけ、だ。
それを示したのは、他でもない、お前だぞ。
お前の感情だけで、手を汚そうとは…するな。
[ユリアンからの返答に頭の中の全てが飛んだ]
あ、あんたは何を言ってるんだ!この、こんな時にぃ!
[渾身の力を込めてユリアンに蹴りを放った]
俺はいうまでもねえな。
[ちらりとアーベルを見遣る]
なんだ、やろうってのか?
人間を殺ろうってのか、穏やかじゃないねえ。
[やるなら相手になるぜ、と立ちあがる。
徐に手を懐へと]
ベルちゃん…。
[殺したい、とまで、率直なことばに眉根をよせる]
狼だけでも、いいんじゃないの?
[そのひとは人間ではないのか、と。
そのことを理由に逡巡を]
さて、困りましたね…――。
[各々の反応を見ながら、無表情でポツリと呟く。]
嗚呼、けれど、疑うという視点なら、
判断が何にしてもついてない人の中なら、
私が選ばれそうだと思いますよ。
[ヘルムートに向かって、感情的ではなく、
客観的に見てそう思い、滔々と告げた。]
おや、まぁ…――。
[そして占い師2人が争いだすと、無表情で、また
「困りましたね」と呟いた。]
[立ち上がった手前、飛んできたカヤの足をすかっとかわし]
はい、カヤはいい子にしてなさい。
[両手でカヤを持ち上げると立ち上がった椅子へと腰を降ろさせる。
落ち着けと言わんばかりに頭を撫でてやれば、再度振り返り相手を窺った]
……旦那……。
[本気、なんだと。改めて思った。
信じる事も疑う事もできずにいる自分が、少しだけ情けなくなって、軽く、眼を伏せたものの]
アーベル。
……ひとだって、いうなら、ウチは……あんまり、みたくないよ。
[周囲も静止をかける中、零れたのは、小さな呟き。
でも、それは同時に偽りのない本心でもあり]
……アーベルが、殺されるのも……や、だけど。
当てられなかったのは俺の未熟だ!
認めるよ。俺は占い師として力が足りないっ!
[フーゴーとヴィリーに諭されて、叫ぶ]
親父じゃないんだ。もう何年もカードに触ってなかった。
それでも他に誰もいないなら、やるしかないと思った!
読みやすいところから視ちまったんだよっ!
お前ら、二人とも。
お前達二人が殺し合って、何になる。
人狼を探せると、言うのなら。
好き勝手言うのは、せめて、その力を示してから、言え。
[信じたいんだ、という思いを込めて二人を睨み付けて]
やれやれ。
相手以外にゃ何も見えねぇ、ってのかい。
[占い師の争いに、揶揄するような言葉を向け。
視線は他の者たちの間をぐるりと一周する]
[ただでさえ茹であがっているところを抱き上げられ、撫でられて。もはや頭は完全に沸騰していた。座らされた椅子から動くこともできず、顔を、全身を真っ赤にして硬直している]
なら、尚の事。
お前の力で、見つけてみせろ。
自分には出来ないなどと、甘えるな。
俺には、その力すら無いんだ。
[そう、アーベルを睨み付け一喝した。
知らず、悔しさを眼に滲ませて。]
[アーベルの様子に僅かに眉を寄せる。
けれど声をかけることはせず。
ユリアンとアーベルを見比べるようにみやり。]
アーベルとユリアン、どちらを信じるか、か……
[もっとも、それよりも切羽詰った問題もあるのだけれど、人を殺す問題から逃避するように、そちらにはあまり思考が向かなかった。]
…アーベル、おめぇのその態度は信頼を落とすぞ。
自分が視て人間と判断した者を殺そうとするんだからな。
確かにおめぇからすればユリアンは人狼に与する人間になるだろう。
だが今俺らが手にかけなきゃならんのは人間か?
違うだろう?
[アーベルに対し厳し目の視線を向け、静かな低い声で告げた]
お前が、本当に力を持っているのなら。
無駄に命を散らせるような真似は、するな。
[アーベルにそう言うと、目を伏せて。]
…これ以上、ダーヴィッドのように殺される人間を、増やすな。
[ためらいは、まだあるけれど。
椅子から立ち上がり、アーベルの所へと向かう]
……まだ、なんか、ぐるぐるしてる、けど。
ウチは……信じたい、の。
だから……自棄、起こしたら、やだ、よ。
[小さく呟いて。
そ、と。アーベルの手に手を伸ばした]
……さて。
[無論他の者から『選ばれた』とて、大人しく殺されてやるような男でもないのだけれど。
組んでいた腕を解いた]
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