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< 下りる視線とは対照的に、
白金の眼差しが上を向く。
消えた表情の中に何を視ているかは、
宿主たる青年すら知らず >
……なにっ!?
[弾かれる可能性も掠めた突きが伝えて来たのは、深く、他者の身体に食い込む手応え。
相手が避けなかったのだ、と。
それに気づくのが、少し、遅れた。
そして、それに思考を奪われた隙をつくよに迫る、顎。
それを避ける暇はなく──]
……ぐっ!
[伝わる衝撃。
次いで、熱さが伝わる]
てめぇ……上等、だっ……!
[激しい痛みを感じつつ、しかし、手の力は抜きはせず。
歯を食いしばりつつ、ぎり、と短剣の刃を回した]
関係なくない。
[退くアーベルの手を掴んだ。
目は真っ直ぐにアーベルを見つめ]
……私、アーベルが好きよ。
前にも言ったけど。
本気にはして貰えなかったけど。
[ふっと微笑う。]
どうして、逃げるの?
私は……傍に居ちゃ、いけないの?
ガアアアアアアアアアアッ!!
[捻られる刃に咆哮とも悲鳴ともつかぬ叫びが上がる。
叫びのために肩口から浮く牙。
全身に回る銀の毒も相まって、顎門は緩み、身体は後ろへと倒れ行く。
最期の足掻きと、横薙ぎに揮われた爪は、果たして相手へと届いたか]
[ぴくり。身体が震えて。
ぱっと丘の上の主人を見遣った。]
だから、無茶はしないでくださいって。
どうしてどの人も、自分を大切にしてくれないの?
[今の自分には何もできない。
それはよくよく判っていたから。
駆け出すことはしない。ただ、見守るしか。]
姉ちゃん!
[エーリッヒに向かっていくイレーネを捕まえようと走る。
しかし、子供の足では届かなくて]
駄目っ!駄目っ!
[腕を伸ばし、止めようとして]
[見開く、眼。
されど次の瞬間には、
赤と青とは眇められる。
暫しの沈黙。
何か物思うように、眼前の女の瞳をみる]
……後悔しても、知らないよ。
[白猫の見つめる間に、暗紅色はどんどんと薄れて。
だが以前のような翠になることもなく。
見つめる相手のような透明に紅も翠も混じる不可思議な色となる。
青年の一部であったはずのちいさきものは。
その中に何を視たのだろうか]
エーリ兄だから、ね。
[昔から知っている、
兄というより、悪友のような存在。
会わぬうちに、識らぬ事も多くなったけれど。
何処か似ていると、そう思ったことも、あった。
死者は、生者には干渉出来ない。
たとえ出来ても、止まる男ではない。
そうと、理解しているから。
故に、何も、――しない]
[不意に、腕にかかる、重み。
視線を向けた先の少女に、舌打ち一つ]
……放せっ……。
[痛みを堪えつつの言葉は、咆哮にかき消されるか。
肩が自由になる感触。
動ける。
そう思った瞬間、とっさに縋りつくイレーネを強引に横へと振り払っていた。
それで、動きが止まったが故か。
直後、振るわれる銀の爪は完全に避けきれず、熱さと痛みが腹部を駆ける]
……く……はっ……。
[声は出ず、代わりに零れたのは、真紅。
二、三歩、後ろへとよろめき、その場に膝を突いた]
……するもんですか。後悔なんて。
[微笑む。
と同時に、かち、と音がして、紅い首輪が外れた。
一瞬驚いたようにそちらに意識が向けられるも、目はすぐアーベルに向けられ、発される言葉には、ため息をつき。
丘を見る。
凍りついた。]
[どう、と仰向けに地へ倒れ。
左胸からは紅き雫が湧き出るように流れ行く]
ゲッ、アッ……ゴ、ホッ…。
[声を出そうにも喉に込み上げてくるもののせいで言葉にはならず。
ただ呻き声が響いた]
【生者は行進を続ける。
ならばこそ、輝き続ける。
死者は停滞を続ける。
ならばこそ、安息をもたらす。
光。闇。
それでこそ、世界。
それでこそ、ヒト】
【何ゆえ、生者は闇を求めるか?
何ゆえ、死者は光を求めるか?
答えなど、分かりきったこと。
運命。宿命。
そのようなものは存在しない。
ただそれこそが現実であるという事実のみ
事実が分かれば、結果など、容易に想像出来る。
いや。結果があるからこそ、事実になる。
それだけのこと】
ぅ、あっく!!
[遠慮なく思い切り、振り払われ丘に叩きつけられた。
聞こえる咆哮、血の匂い。苦悶の声、そしてティルの声。
それが遠くに聞こえるほどに、表の意識が一瞬霧散した。]
…、ぅ。
ぅ…ん…、―――!!!
[ほんの数秒、消えた意識を取り戻すと、草だらけの体を起こし、倒れた主の傍らへと膝をついた。]
ユリアン、ユリアン!
ぁ、あ、ユリアンっ!!!
[銀の短剣からは血が溢れ出て。この毒を抜かなければいけないのだが、今抜けば確実に今以上の血は溢れるだろう事は理解できて。ただ今は、傷口をストールで押さえるだけ。]
ユリアン、しっかり、しっかりして―!
[呻く主の名を何度も呼びかける。]
――馬鹿、
此方に来たら、笑ってやる。
[己も、あんな風だったのか。
そう考えたら、笑いが零れた。
楽しいわけでは、なかったけれど]
【そう。事実。事実なのだ。
世界を変えようなどとは、おこがましい話でしかない。
されど、少女は夢見た。
されど、少年は希望した。
世界は変わらない。誰にも変えられない。
もし変わるとするならば、
―――ここが、幻や夢の舞台であったということか】
笑えないわよ、あれは――
アーベル!
[掴んだ手に力を込める。]
行かなきゃ。もう、黙って見てられない。
判ってても……無理!
[アーベルの手は握ったまま、駆け出す。]
[響く、声。
それは、いつかも聞いたもの。
その時は、自身のした事への覚悟もなく、押し潰された。
だが、今は。
心揺らされる事もなく、静かにそれを見て、聞いていた]
……ち。
さすがに……効いた……。
[勿論、動けぬ理由には、肩と、腹の傷もあるのだけれど]
[白銀の姿はいつしか元の人型へと戻っていき。
瞳を彩っていた紅い光も鳶色へと戻る]
ごほっ…!
っは……、イ、レー……ネ……。
[どうにか発した言葉は、己を上から覗き込み、傷口を押さえる愛しき者の名。
大量の失血と、銀の毒が身体に回ることにより、徐々に視界が霞んでいく。
滲むイレーネの姿。
やはり死ぬのか、と心の中で呟いた。
僅かに残る力を振り絞り、震える右手を持ち上げて、目の前の少女の頬に手を伸ばす]
行って――何を、しようってのさ。
[ユーディットに手を引かれて、丘を往く。
胸中に抱いた感情が何か、己でも解らぬ侭]
[やっと追いついたけれど、その場は入り込める雰囲気ではなくて。
傷ついたエーリッヒの姿を見て、青ざめる]
エーリッヒ兄ちゃん!大丈夫!
[エーリッヒに向かって駆け寄った]
[ふと、空いていた手が上がった。
僅かに唇に触れる。それが最後まで残っていた彼の心]
[同胞の血が流され、世界が再び動き出すのを知る]
[ここが幻でも夢でも。彼にとっては現実であったのだから。
だから彼が伝えたかったのは]
ユリアン…
いや、いやだ…
せっかく、やっと、会えたのに、
待ってたのに、ずっと、待ってたのに、ロスト様と、エウリノと、
私の、私の愛するご主人様、どうか、どうか、死なないで―――
[涙は溢れ止まらない。
頬に赤いぬめりとした感触を感じ、細い指でそれを包んだ。]
わかんない!
わかんないけど、放っておけないじゃない!
[人の身ならざる足で駆ければ、その場所に辿り着いたのはすぐで]
エーリッヒ様。
[膝をつくエーリッヒの傍らに跪いて、その傷に手を当てようとするけれど、それは叶わない。]
Tut mir leid. ――
―― Auf Wiedersehen.
[それは同胞であった者達へ向けて]
[それは隣人であった者達へ向けて]
[呼びかける、声。
は、と一つ息を吐いてから、そちらを見る]
ティル……?
なんだよ、ついて、来たのか……?
危ないから、ついて来させないように……黙って出てきたのに……。
[まったく、と。
浮かべる笑みは、いつもと変わらず]
大丈夫……って、言っても、説得力は、ない、が。
どうにか、生きちゃ、いる……。
[唇の動きが止まると、辛うじて持ち上げていた右手から力が抜け、するりと地面へ落ちた。
イレーネを映していた鳶色の瞳は、もう何も*映していない*]
[此れは、望んでいたことだったか。
見たいと、願ったものだったか。
一つの結末。
近づく終焉。
――解らない。答えも、存在しない]
[駆け寄ってきたティルに向けられたエーリッヒの言葉に、
ほっと息をついて]
貴方はいつまで私に心配かけさせる気なんですか!
[届かないだろう声をいつものようにエーリッヒにぶつけ]
もう、安静にしててください。本当に……。
[――もうひとつ、倒れている影にも目を遣る。
手が落ちるのを見届ければ、顔を伏せた。]
【……なるほど。
この舞台だから、笑えるのか。
望みは叶うというのか。
一瞬であり、永遠である終わりの後の舞台で。
時は迫る。
世界が、変わる瞬間が。
全てが、集う宴が】
[「彼女」が満足げに頷いた。
姿を認識できるはずのない観測者が]
アーベル。
[傍らの存在に声をかけ、見上げる。]
これで、終わるんだよね……?
もう、誰も死ななくて済むんだよね……?
[聞こえない声は確かに聞こえて。
支えていた手が、ずるりと地面に落ちていく。
もう呼びかけても何の反応もなく。
いくら探しても、あの赤い世界に愛した人の欠片もない。]
あ、あ…
ユリアン、ユリアン、私…
[光の消えた瞳を覗き込んでも、優しい言葉は返ってこない。]
ああああああああああああああああああああ!!!!!!!
[酷い絶叫が唇から漏れた後、少女はかくりと肩を落とし、それっきり、*動かない。*]
……ざわめき。
ざわめき、が……
塔が崩れしは怒りによって。
なれば怒りとは何か。
黒き影は怒りであり、怒りとは黒き影でありしか。
ただ、……
[静寂が広がる宿の中、ふと、水滴のように落ちる呟き。視線を落としていたノートの空の頁に指先で触れ、なぞる。ペンを取り出してはおもむろに線を引き始め――少しずつ、細い、だが強い筆跡で文字を書き込んでいく]
[あとはただ無言で。
どこまでも静かに、穏やかに。
暗紅と翠のどちらにも光る、透明な瞳で。
時が流れてゆくのに身を任せていた]
終わるだろうね。
少なくとも、
この場での、人狼による惨劇は。
けれど。
残された人間が、如何するか。
そして、生きる人々が、何を為すのか。
……それは、また、別の話になるのだろうけれど。
[存在を異にするもの達が、いる限り。
全てが終わることは、無いのだろうと]
うん…ごめん。出かけるの、見えちゃったから…
[そして、いつもと変わらない笑みを見ては、思わずつられて笑顔を向ける]
そ、そうだ。早く誰か呼んでこないと。兄ちゃんの治療しないと。
[そう言って駆け出そうとすれば、聞こえる悲鳴。
何が起きたかを理解して。その場を*離れるだろう*]
[人へと転じ、動きを止めた姿。
響く、絶叫。
左腕の熱が、少しずつ、鎮まるのが感じられた]
……ああ。
終わった、な。
[零れ落ちたのは、小さな小さな、*呟きだけ*]
< 白猫は、聴く。
齎される言葉の、一つ一つを。
何を視るか、何を想うか。
それは、誰も識ることはなく。
―― すっと、眼を閉じた >
[やがて開かれた二頁に渡って書き込まれた文字。端から端まで、殆ど隙間なく密集したそれは遠目に黒く塗り潰されたようにも見え、判読は難しかった。
最後に。その「文章」に終止符を打とうとしたペン先が、滑る。頁を外れ、テーブル上に抉るような線を引く。
じわりとペン先から滲んだインクは、黒ずんだ*血のようだった*]
……そっか。
残された、人たち。
エーリッヒ様、ブリジットさん、ハインリヒさん、ティル、……イレーネ。
[彼らの名前を順に呟き。
胸の前で手を組んだ。]
――みんな、どうか、しあわせになれますように。
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