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そして、物語は動き出す。
目覚めたものが何処へ向かうか、それは一人一人の思うがままに。
どうやらこの中には、村人が8名、人狼が1名、囁き狂人が1名いるようだ。
─中央エリア・高層ビル屋上─
[その姿はいつ、そこに現れたのか。
漆黒なる流星を束ねる者──『動かざる支配者』は、静かにそこに佇んでいた]
……我らが『遊戯』へようこそ、強き『力』を秘めし者よ。
[朗々たる声は、各所に設置されたシステムを介して、『舞台』全域へと伝えられる]
この『舞台』に集められし理由。
それは今更語るまでも無き事。
……貴公らの持つその『力』……それを、存分に振るうがいい。
最後の刻まで崩れなかった者には。
その『力』に見合う、対価を与えよう。
……良き『力』の『交差』が成される事。
期待している。
[言葉の最後の部分には、愉しげな響きが乗り。
それきり、放送は途絶えた]
……さて。
此度は如何なる『交差』が成されるか。
お前も、機会があれば動いてみるか?
……『魂喰い』。
[呟きながら、腰の剣の柄をつ、となでる。
その言葉に応えるように、唸るような音がしばし、大気を震わせた**]
─中央ビル前─
[ビルの中へと入る少し前。ユーディット達の最後尾を歩いていたオクタヴィアは一度足を止め、とある場所へと鶸色を向ける]
……………。
[そこは遥か先、視認するには難しい高層ビルの屋上。その場所を見詰めてから、オクタヴィアは最大の礼を持って頭を垂れた。まるで主に傅く配下の如くに]
───この先は、わたくしめにお任せを。
[その一言の後、再び中央ビルへと向き直り、既に中へと入った彼女達を追うようにしてビルの中へと入って行った]
─ →中央ビル内─
―中央ビル内―
ココアですね。
ローザさんはどうなさいます?
[ロミに頷いてビルの中へ。
入るか入らないかの所で朗々と響く声を聞いた]
…始まるのですね。
[小さな吐息が零れ落ちた]
―中央ビル・一階―
『あはははは、兄さんの悪名はうちら内で轟きまくってたもんネェ。』
[その後の手間含めて、色々とこっち側でその後話を聞いたものではある。
聞けば聞くほど、主の方は苛立ち募らせていったわけだが、それもまぁ些細な事なのかもしれない。
鴉の笑みにはぎろと、ひと睨みして。
良く言えば自分に正直、素直。悪く言えば単純な主人の様子に、剣は楽しげに刀身を揺らした。]
『あはははは、俺らも一応嘘ツキの身分だシ?
色々知っちゃってる人とはやりたくないネェ。
ま、そんなこんなで色々含めてヨロシクね、兄ーさん。
あそーそ、ベネディの旦那の事ぁ、可愛くヴィリーって呼んであげてねー』
グリーーーズ!
[更にもう一撃、がんと拳が柄に落ち、剣はまた悲鳴をあげた。]
[不意に聞こえてきた男性の声に視線を上げる。
暫しその言葉に耳を傾けていたが]
…………へえ、今のが『総統』様ねぇ。
なるほど、確かにカリスマだぁねぇ。
うちの社長に負けず劣らずですわぁ。
[そう呟いてクスクスと楽しげに笑う。]
─中央ビル・一階─
あれだけ派手になんかやるってのは、俺としちゃ珍しかったからねぇ。
[そもそも、闇に潜む稼業なのだから、当たり前だが]
は、そこはお互い様、か。
……ああ、名前については、一応な。
どーせ、そんなにしないでバレるだろーけど。
[そも、自分がデータの齟齬から気づいたわけで。
他の者も同じ結論に達するのは容易いだろう、という判断は既にあった]
って、いつもの事だけど、そんなにカッカと……。
[カッカとしない、という言葉は。
不意に響いた放送により、遮られた]
――中央ビル・入り口付近――
[ユーディットがこちらの注文を聞き届けた直後であろうか。
響く声に、放送機器によるものだと思いつつも顔を上げる]
この声……。
これが、『Schwarzes・Meteor』の……?
[機械を通してさえ伝わる、彼の言葉の心動かす強き響き。
言葉にするならカリスマという事になろうか。
いずれにしろ、"フェー"の長には決して感じる事のなかった畏怖の念を覚え、微かに身震いするのであった]
─中央ビル内─
[ビル内のみならず、隔離空間全てに響く『総帥』の声。口許で朱が弧を描く]
……始まると言っても、今すぐに、と言うわけではありませんわ。
今のひと時くらいはゆっくり過ごしませんこと?
[口調は変わらず穏やかなもの。『総帥』の声に反応する面々にはどのように映るか]
―中央ビル内―
うちはなんでも、お任せしますわ。
[飲み物の種を訊かれればゆると首を傾げた後、そう答えた。
娘は他同様に中へ入り、少し後に虎が続く。
届く男声に娘は瞬き、虎は耳を峙てる]
あら。
今の声が、『総統』はんどすか。
[口調は常と違わず呑気そうなもの。
けれど何か考えるように、他の所在には目を向けず]
―中央ビル・食堂―
[聞こえた声には放送のようなもの、本人の気配はここからは感じ取ることはできなかった]
道楽?それとも力自体を目的?
確かな力は感じますね。
[声から読み取れるのは愉しげな色、けれどもその本心を見抜くには材料は足りず、推測はそこまでに。
パンを食べながらその味をしっかりとかみ締めて、
コーヒーに口をつける]
ふぅ……、どこにいってもこればかりは変わらないのですよね……。
─中央ビル・一階─
……は。
『総帥』閣下、自らルール説明とは恐れ入る……。
[ふと零れ落ちたのは、小さな呟き。
右の瞳──詳細を知るものには、『龍眼』などとも呼ばれるそれの奥に、微か、険しさが宿って、消えた]
――中央ビル内――
[オクタヴィアの言葉に瞬いて]
今すぐ始まる訳ではない……。
まだ準備時間ってことだかいね?
オラ、『遊戯』がどういうもんだか良く知らねえからさ。
[訊ねるようにオクタヴィアを見たのは、何やら彼女がこのイベントに詳しいように見えたからだった。
カードや試合時間も決まっていないようだし、どうも自分が参加したイベントとは勝手が違うように思えた]
―中央ビル・一階―
そうですね。
常に緊張していても疲れてしまいますし。
[オクタヴィアの言葉に肩の力を抜く。
ロミとローザの反応を見る黒瞳に藍色が浮かんで消えた]
ではローザさんも同じものを用意しましょうか。
オクタヴィアさんも普段と違うものにします?
食堂は上の階でしたか。
[階段の方へと歩き始めた]
―中央ビル内―
同意見どす。
焦ってもええことなんかあらしまへんしなぁ。
[穏やかな声を如何見たか、娘の態度は変わらず。
見つめる虎の警戒もある意味では変わらない]
まぁ、うちも詳しいことはよう知らんのやけど。
[少女に視線を向けて]
─中央ビル・一階─
あぁ?
[積もり積もった不機嫌は、ライヒアルトの言葉により更に増えかけて――突然流された声により、毒が抜かれた。]
…これが、総統か?
『総帥、だネェ。』
[こそっと訂正しながら、剣は飾り紐の先で柄をすりすりと撫でた。]
『熱いのは旦那の長所と短所だからしゃーないネっと。
さぁて開始の合図は華麗に鳴ったけど、とりあえず水でも飲みたい所だねェ。
それとも、そんな悠長な事言ってられないってか?』
[グリズはそれとなく、周囲の様子に警戒し。ふと、ライヒアルトの瞳のそれを感知した。主の方にもそれは伝わったか。
ワケアリ?とは思ったものの、今は肩を竦めるばかり。主の方は、興味なしといった素振りで。]
…今すぐに開始ってわけじゃないだろう。
なら先に少し、何か腹にでも入れてくる。
食料置いてある場所は何処だ?
[とは、グリスと鴉、双方に尋ねるようにして向けられた。]
─中央ビル内─
そうですわね、準備期間と考えて差し支えありませんわ。
相手の力量、仕掛けるタイミングを計る準備期間。
その分、明確な開始も決まっておりませんけれどね。
[ロミの視線と問いには簡潔な答えを返す。最後の言葉に至っては、急に仕掛けられる可能性もあると言う、やや先の言葉と矛盾するようなものを紡いだ]
わたくしはいつもの珈琲を。
ええ、食堂は上ですわ。
二階は居住空間ですので、そのさらに上ですわね。
[ユーディットに返し、案内が必要なら先に立つようにして歩を進める]
─中央エリア・一階─
ま、確かに『あつさ』がポイントではあるな。
[妙な含みを持たせて同意する、その時には態度も異眸も常と変わらぬ様子]
んー、そんなに慌てなくてもいいんじゃないの?
着いたばっかり、っていうのも多いだろうし、少しはのんびりする時間もあるだろうさ。
[軽い口調で言いつつ、肩を竦め]
ああ、四階にラウンジと、あと、食堂があるらしいから、そこで食べられるんじゃね?
二階の個室にも、それなりに設備整ってるようだし。
……一応、日常生活の保障はしてくれるらしいよ。
[向けられた問いには、端末から得たデータを思い返して答える]
……ま、とりあえず、だ。
俺は、さっき躾の悪いわんこの世話して、ちょっと疲れもあるし。
部屋もらって、休ませてもらうわ。
んじゃ、またな…………『狂犬』の旦那?
[ひらり、と手を振りながら言って、歩き出す。
偽装された名を呼ぶ前に妙な間があったのは、多分*意図的なもの*]
――中央ビル内――
なるほどなあ。端末の情報だけじゃわからねえ事もあるだし。
様子を見るも仕掛けるも自由って訳だな。
[オクタヴィアの言葉に、素直に感心したように頷いた]
今はまだ良さそうだけども、もうしばらくしたら警戒を始める必要もあるだな……。
[開始の気配があるなら、有利な場所に移動する必要もあろう、などと思いつつ。
先導するオクタヴィアに続くように、階段を上っていく]
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