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学生 ラッセル に 1人が投票した
教師 イザベラ に 6人が投票した
踊り子 キャロル に 1人が投票した
見習い看護婦 ニーナ に 1人が投票した
教師 イザベラ は村人の手により処刑された……
次の日の朝、踊り子 キャロル が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、村長の娘 シャーロット、冒険家 ナサニエル、お尋ね者 クインジー、学生 ラッセル、見習い看護婦 ニーナ、流れ者 ギルバート、のんだくれ ケネスの7名。
[そうして、己以外に誰が食するのかも分からぬ料理に無駄に腕を奮ってみたり]
[見事な出来栄えのオニオンパイを見て、ほんのりと満足げに微笑んだ。]
しかし。
私がこんなふうにものを作って食べることを楽しむなんて。
そんなふうになるなんて思いもよりませんでしたね……
[厨房の作業台の上に広げられたささやかな晩餐]
[ひとり静かに食事を取りながら]
[此処に来るまでの、つい先頃までの自分を思い出して、感慨深げに洩らした*]
[夜の帳の下りる頃、かれはその場から離れた。
部屋に戻り寝台に腰を下ろして天を仰ぐ。
閉じたスケッチブックはその脇に。
硝子越しの月のひかりを受けて、*物思う*]
[夜は終わり、朝が来る]
[キャロルに向けた刃のために破れた衣服は、また新しいものにかわっていた]
[引き出しの中にはまだあるのが、不気味さを覚えさせるが、男はその点を気にする素振りすらなかった]
――さて
[使者が終焉を齎した――それは二人(番人とハーヴェイ)]
[己が殺した――それは一人(ネリー)]
また死体が二つ増えたか?
それとも一つか
どちらにせよ、居ないということは無いな
[己が無事であった以上、もっとも気になるのはシャーロットの無事]
[もし無事でないのなら――と、男は考え、水差しを取る]
[喉を鳴らし水を飲むと、窓の外を眺めた]
[緋に情景が重なる]
[成す術なく狩られ、火をつけられ、町が消えた日]
[傷を負い、その目に最後に捕えたものは、緋色の髪を散らして火に沈む小さな妹の姿――]
[それは陽が落ちてからのこと。少女は焦茶色のブランケットを肩に羽織り、廊下を歩いていた。静かな廊下に小さな足音が響く。しばらくして、とある扉の前で足音は止まった。キィ、と扉に悲鳴を上げさせ中へと滑り込む。そこには既に先客が居た]
……イザベラ?
何だ、ここに居たのね。
[書庫の入り口とその奥で、お互いに僅かな驚きを見せる。イザベラも平静を装い、暇潰しが出来そうだから、と返答してきた]
そうね……ここなら時間潰しは出来そう。
私もそのつもりで来たのだし。
ご一緒して良いかしら?
[訊ねると、イザベラはしばし考えを巡らせた後に承諾の言葉を返してきた。万一があっても少女相手なら大丈夫だろうと思ったのかどうかは定かではない。礼を言いながら書庫の中へと進む。周囲が暗いせいもあってか、紫のオッドアイもイザベラに気付かれることは無かった]
[しばらくの間はお互い何も喋らず、ただ時間だけが過ぎて行った。少女は植物の事が書かれた本を開く。読み進めて、とある項目でページを捲る手が止まった]
……おなじ……。
[そのページに書かれていたのは、この城の周囲に咲き誇る緋色の花について。じっと見つめているうちに、残る左目も滅紫へと変じた]
……ねぇ、イザベラ。
緋色の花について書いてるのがあるわよ。
しかも見て、稀に白い花も咲くんですって。
[読んでいた本を示し、イザベラを呼び寄せる。花についての知的興味が働いたのか、イザベラは少女に近寄り本を受け取った]
この花、何て言うのかしら。
イザベラ読める?
[相手の意識を本へと集中させる]
[そして、小さく囁いた]
[ブランケットを左手で持ち上げ、自分とイザベラの間に垂れさせる。右手はケープの中へと滑り込み、銀に煌めく刃を掴み]
私に、見せて?
[ブランケット越しにイザベラの心臓めがけ、突いた。イザベラの身体が突いた衝撃で僅かに揺れる。突いたまま、刃――刃渡り30cm程のナイフを抉るように捻った。ごぽり、と何かが溢れる音がする]
っ――!
[同時に左腕に走る鋭い痛み。イザベラの最後の足掻き――万年筆の先が左腕に刺さり、表情を歪めた。万年筆を振り払うようにしてブランケットをイザベラに投げつけ、突いたナイフを引き抜く。イザベラの身体は立ったままの体勢で後ろにどっと倒れた]
…っは、ぁ…。
[少し息が上がる。人を手に掛けたことに対する恐怖などではなく、単純に腕の痛みから来るもの]
……緋色の中の、白。
なん、だ、ハズレ、か。
[倒れたイザベラの周囲に広がる緋色。少女の滅紫の両目には、緋色の花に似た、夢幻の白い華が映し出されていた]
[時は流れ、外が白み始める時間だった]
[獣が緋を散らした地にめぼしい物証を見つけることは出来なかった。持ち込んであった食料を齧り、水代わりに葡萄酒を流し込んで思考に耽る]
番人はともかくとしてなぜあの男がやられた?
隠れ蓑にならない者、目障りな者、脅威になる者、狩りやすい者……どれも中途半端だな。
あ゛ー血の匂いってだけなら何の情報にもなりゃしねえか。
[苛々と髪を乱暴に掻き、ふとその手を止めた。この地に来てから身なりを構わずいた身は鼠と変わりない]
ちっとどうにかしてくるか。
匂いでこっちの動き感づかれちゃやべえしな。
[夜の帳が下りる前に水の出る一室を乗っ取り、慣れた態で水を浴びた。暗い色が並ぶ棚の中からよく似た色の古臭い衣服を拝借して身に着ける]
[目を閉じても浮かぶのは緋――それは、先に見たイザベラの死]
[人が人を殺すことに嫌悪を抱けるものがいるとしたら、それはたいそう恵まれた者なのだろう]
[水差しの中、目を覚ました時に飲もうとし、それが空になっていることに気付いた男は昨日と同じように外へ出た]
[廊下の黒ずみは少し薄く、人の死の臭いも強くは無い]
[だが進むにつれ、臭いが強くなる]
――また誰か死んだか
[そうして、夜と朝の狭間、まだ天秤は夜に傾く頃、男は戸を開けたのだった]
[夜が深まり獣が好む時間の前に浅い眠りを貪り、夜半は刃物を手に息を殺して過ごす。クインジーの企みがどう転ぶにしろ、下手に近づいて巻き込まれるつもりはなかった。ことが起こればそれなりの騒ぎになるだろうと薄く扉を開けた地下室で耳を澄ます]
[書庫の中、倒れたイザベラにかかるブランケットの端で刃に付いた紅を拭き取る。刃をケープの中に隠し直すと、痛みが走る左腕を押さえた]
……この服、気に入ってたのに。
[こぼれ落ちる言葉はその場に似合わぬ暢気なもの。万年筆の黒と自身の紅が混ざり合い、薄い翠色の袖はどす黒く染まっていた]
[ゆるりと顔を上げれば、そこにはクインジーの姿]
…ええ。
彼女も違ったわ。
[促されたことを口にし、視線を男の瞳に合わせる。両の滅紫が男を見つめた]
あ゛ー夜が明けたな。
どうやら命は拾えたようだ。
[雲間から差す光に似た明り取りの窓から廊下に落ちる光を見、もぞもぞと動き出す。毛布から抜け出た夜明け直後の寒さに大きく震えてブランデーを呷り、燃料に変わったところで慎重に廊下へ踏み出した]
野郎の野太い断末魔が聞こえなかったってこたあ、アイツは無事みてえだが…
[どう動くか考えながら階段を上り気配を探る。鼠じみて鼻を動かし感じ取った血の匂いに足を慎重に前に進める。新たな死が生まれた場所に辿り着くのは二人の話が*一段落した頃*]
当たらない、ね。
これでもう人が四人も死んでるのに。
[やや冷めた口調。僅かながら悔しさも乗っていただろうか。怪我には大丈夫と返し、瞳の変化には数度瞬いた]
両目…。
また戻さなきゃ…。
一応、制御は出来るみたいだから。
[しかし今直ぐには出来ないらしく、紅紫に戻る気配はない]
さっさと使者を殺せればいいんだが……
とりあえず、血を流して来い
その後で治療だ
殺しは初めてか? 精神が昂っているんだろう
落ち着いたら目も戻るんじゃないか?
制御が出来るなら、何よりだ
[その色も綺麗だがと、口にするのにためらいもない]
しかし、うまく隠れているんだな、獣は
……あぁ、そうだ
昨日の面々の反応を教えておこうか
イザベラについてはいらないな?
[ケネスが来るのはそのころか]
[能力に興味を持っただろう者、武器に興味を持っただろう者のことを話しはじめる]
[キャロルが使者により翌日に死体で見つかることなど、その時の男は*知る由も無い*]
[血を流せとの言葉には短く承諾の言葉を返し]
…さぁ?
私がその前にどんなことをしていたかなんて覚えてないもの。
けれど、手にした牙は随分と私の手に馴染むわ。
[使い慣れた感があると告げ、自分の右手を見つめる。手には左腕を押さえた時に付いた血とインクが混ざり合って付着していた]
[昨日の各々の反応を聞く頃、無精髭の男が顔を覗かせた。話に興味が向けば、男も共に聞くことになろうか]
そうね、イザベラの反応は要らないわ。
[クインジーに答えて告げられる言葉を耳に入れる。内容の整理は後にして、まずは怪我の治療をする事になった。水場で傷口を洗い流し綺麗にしてから、大人しく治療を受ける*こととなる*]
馴染むか
案外近くで戦ったことがあったかもしれないな
[シャーロットの言葉を聞き、男はその手を見ながら言った]
[反応の話に興味があるならとケネスにも聞かせる]
[ナサニエルは武器を気にしていたということ]
[見せるつもりはなかったが、キャロルの要望をかなえるために武器を見せたこと]
[ギルバートは"見分ける方法"について、真偽を考えているようだったこと]
刃物で傷付けたというのがわかったのに、それ以上何が必要なのかもわからなかったな
発動のときを見たいとギルバートは言っていた。その目を見られないように注意したほうがいいだろう
[既にケネスは"シャーロットの次に"信頼に足る人物であった]
[理由は簡単で、シャーロットが殺されていないから]
[何か言われたらその説明は軽く語られることとなる]
とりあえずはまずその怪我だ
この体は――暫く置いておいても大丈夫だろうな。また服を駄目にするのも面倒だ
―朝・野外―
[東の方より昇り来る太陽によって夜が駆逐され、空が澄んだ青に変わる頃。]
[男は独り、緋色の原を歩く。]
[目指すは、花に囲まれた泉]
……しかし、なんで泉、なんでしょうかね。
[少しく疑問を含んだ言葉が零れた。]
[シャーロットの怪我を消毒し、包帯を巻き、男は場を離れる]
[何もない顔でキッチンへ行き、水差しに水を入れ――]
[男は回想をやめた]
[あまり特別な事でもなかったからだ]
[緋い髪の少年は無事だろうかと、再び窓の外を見た男は、ぼんやりと*考える*]
[何故犠牲者は夜に泉へ向かったのか?]
[泉の何が惹きつけるのか、]
[そんな取りとめも無いことを考えつつ、森の小道を半ばまで進んだところで]
[大輪の花が咲いていた]
[否、咲いて、散っていた。]
[紅い緋い花群のなかに広がる、ひときわ鮮やかな緋の色彩――
それに彩を添えるのは、赤に縁取られた白と波打つ豪奢な黄金]
[何よりも美しい赤を好んだキャロルが、自身を鮮赤のひと色に変えて横たわっていた。]
[引き裂かれた首筋から溢れ出した血で、長い蕊を揺らす花は茎まで赤く染まっている。]
[それの生える大地も]
[男の眼は]
[女の指先の、赤く染められた爪が欠けているのを見て取った。]
[その爪に毒が孕まれていたことを、男は知らない。]
――花も毒を持ち、手折られる際には抗う……だったか。
[確かに彼女は手折られる前に抗ったのだろう、]
[空しい抵抗だったとしても。]
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