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アズマ に 1人が投票した。
サキ に 4人が投票した。
サキ は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、 アズマ が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、 ミツクニ、 マリー、 ヒビキ の 3 名。
……っ。
[どん、と大きな音がした後、その直後のことはあんまり覚えていなくて。
ただ、気がつくと大朱雀はもう手になくて、背に白い三対もなく。
自分はただ呆然とした顔をして、目の前に転がる悠悟を見ていた。
自分の左の手を、僅かに握る。
重く、確かに遺る感覚。
小さく息を吐き出す]
これで…気は、すんだのか。お前は。
[久しぶりに、フードをかぶっていない姿を見たなと、ぼんやり思う。
レッドだの、ブラックだの。
大体どういう意味合いなのかは、わかるのだけれど、そのまま答えるのも腹立たしくて]
馬鹿か。
[昔だったら、イエローがいい、なんて答えたのだろうか。
昔の、同じ目線の高さで立っていた頃の自分は。
楽しかった、そう呟く声。
苛立つように、ただ、睨むのみ]
[壊れたかったのか、壊したかったのか。
何を、そうしたかったのかは聞けずじまい。
だって、彼はそれきり口を閉ざしてしまったので。
闇色の羽が消えていくのはまるで明るく光らない蛍が消えるようで]
…ったく、本当、何でどいつもこいつも、こんなに
[馬鹿なんだ。
そこまでは音にはならなかったんだけれど。
とにかく、ここに放置していくわけにいかず、自転車で運ぶにも限界がある。
そう思いながら自転車のほうに向けた視界に、ひとひらの赤]
…?
[どこかで見た覚えのある色の羽根。
少なくとも、それは自分のものではない。
転がっている悠悟のものではないことも確か]
…。
[足を屈め、手をのばして拾い上げる。
確かな、赤。
拾い上げて、月にかざして、それでもなお──赤]
[とりあえず、もう、何もかもが面倒で。
自転車は明日取りにくればいい。
赤い羽根のことは後で考えればいい。
とりあえず、この馬鹿をどうにかせねば、と]
………世話の焼けるやつ。
[ため息一つついて、悠悟を昨日の久鷹同様米俵よろしく担ぎ上げると小さく言葉を呟く。
背に三対の白炎、それは簡単に言うなら気球の原理。
強い熱は体を上に持ち上げて、なるべく人の視界に収まらぬように高い高い空を飛ぶ。
目指すは、屋上]
−→屋上−
[とん、と靴の裏が軽い音を立てる。
少しでも高度を落とさないように必死だったせいか、半ば放り投げるように悠悟をおろすと、大きくため息をつく]
…ったく、重いんだよ…!!
[男とは総じて筋肉であることが多い生き物だからして。
じ、と少しだけ見下ろしたあと]
…後は、どうにかしてもらえ…。
[ぐったりと疲れたように一つつぶやき。
かといって運動公園までまた飛んでいくのも面倒ではあるのだが、律儀に戻って自転車を回収し。
自宅に戻ってベッドに身を投げ出せば、心底疲れたといわんばかりの勢い。
それこそ、死んでるんじゃないかと思うぐらい*ぐっすり*]
[『隔離の陣』の入り口付近。
ふわりと散ったのは紅──ではなく、翠の光。
現れたのは、手に五色の輪のついた銀の錫杖を持ち、ふわふわした毛玉の如き翠のちま麒麟を連れた生徒会長──『麒麟』の拠り代]
「……あらまぁ」
[屋上の上、放り出されたよな姿に短く声を上げ、ちま麒麟を振り返る。
ちま麒麟、きゅい、と一鳴き身を震わせ、その大きさを変える。
どうやら、一時的に成体を取れるらしい。この辺り、鳳凰の使い魔よりも優秀やも。
ともあれ、成長した翠麟に身を屈ませ、手にした錫を揺らして『音』を鳴らす。
それに呼応したのは、僅かな砂地に根を張る植物。
ささやかな緑は急激に成長し、我妻を翠麟の背へと押し上げる。
再度鳴る、『音』。込められるのは労いの響き。
それに応じるように再び元の大きさに戻る植物の姿を見届けると、沙耶香は再び、*陣の内へ*]
─屋上─
[例によって、出入り口を通り、屋上へ。
中で転寝していた時間が思っていたよりも長かったのか、大気の感触や空の色彩は変化を始める頃合い]
……っつーか、昨日一日で色々ありすぎだっての。
[はあ、とため息を一つつき、空を見上げ]
……さて。
『封護の陣』、調律かけていかんとな……。
−自宅−
[昼頃、もそりと起き。
それからもそもそと食事を食べ始める。
自分が作ったものではないので、あまりおいしいとは言えなかったが。
そのあと部屋でしばらくぼーっとしたあと、夕方過ぎに思い出したように出かける支度。
上の姉からどこ行くの、と聞かれて]
…ガッコ。
[私服だけど。
そんな突っ込みは聞かないふりをする。
自転車に乗り、学校へ。
昇降口でアイスコーヒーを買ってから、屋上へ]
[気の流れを辿り、読み解く。
陣を張る際に力をかけすぎたのはどこか、どこを律して、正しき形となすか。
そんな事を考えていた所に感じたのは──火気の近づく気配]
お、と。
[緩く、瞬き、陣への干渉を中断して。
階段の方を振り返る]
[ぎ、と軽く扉を軋ませて朱から紫の滲み始める空へと続く場所へ。
階段を上がるたびにひしひしと感じていた気配を見つけて、ものすごく嫌そうにため息をついた。
自分が放り投げた姿は屋上にはぱっと見当たらないようだったのでどこかへ運ばれたのだとなんとなく想像がついた]
[現れるなりため息をつく響の様子に、何となくがじ、と頭を掻いた。
まあ、心理的には、似たようなものなのかも知れない、なんて思いも多少あるが]
……なんか、お探しですか、先輩?
[ともあれ、何にも言わないのもなんなので、軽い口調で、声をかけてみたり]
別に。
朝方、バカ犬を放置しておいたから、そのあとどうなったかと思っただけ。
[相変わらず不機嫌そうな様子で口にする。
相当、目の前の元後輩に対して鬱憤がたまっているのか態度はちっともよろしくなく]
[バカ犬、ってなんじゃ、と一瞬思ったものの。
ふと、従姉が陣の内に連れてきた者の事に思い当たって]
ああ……。
ここに放置されてた怪我人なら、従姉殿が保護しましたが。
手当てはした、と言ってましたし、今は応龍……宝条先輩に、付き添いを任せてるそうなんで。
大丈夫なんじゃないかと。
[そこで何が起きているかに関しては、今は意識上の接触を向けていないので、感知してはいない。らしい]
……で、ご用件はそれだけですか?
[何となく、それだけでは済まなそうな気配は感じつつ。
問う声の調子は、変わらない]
…環?
[そこで聞こえた名前にわずかに目を見張る。
小さく、息がこぼれる。
それは結果的に、自分だけが蚊帳の外にいたという事実。
三人でつるんでいたにも関わらず]
あとは…そうさな。
お前とはまともに決着がついてない気がして?
[どちらかといえばそちらのほうが重要だというニュアンスもあり。
こん、と音を立ててアイスコーヒーのパックを床の上に置き]
[残りの四端を探してさ迷い歩くうちに空が白み始めていたか。
いよいよ精根尽きたのか、路地裏で項垂れていた。
ぼうと地面を見つめていたが、ざっ、と誰かが眼前に立つ気配に緩慢に顔を上げると、そこには]
…………キュー、ちゃ、ん?
[今にも泣き出しそうな顔でQちゃんが立っていた。]
[名を呟く、その際の心理は知る由もなく。
知ったとしても、理解の及ぶ所ではなく。
故に、そちらには特別感慨もない様子でええ、とだけ頷いて]
……決着、って、この間のっすか、もしかして?
[どこかわざとらしく、瞬き一つ。
あの時は本調子ではなかった事と、結界を揺らがせる訳にはいかなかった事。
そして、一撃を受けた事から、引いた訳だが]
俺は、別にこだわりないんですけどねぇ……。
ほかに、何か?
[風にあおられて髪が揺れる。
夏とはいえ、夕暮れを過ぎればそれなりに涼しい]
…俺の平穏な日常を奪った代償は大きいんだよ。
イライラしてるから、今なら平気で女相手でも殴れそうだし。
だから別に、お前相手じゃなくてもいいといえばいい。
…九条院だって、お前らの一味なんだろ?
[従姉殿という言葉、指している人物が想像どおりであるならば。
僅かに目を眇めて]
まあ、ないっすね。
部活在籍時は、立ち合いもしてなかったですし。
[さらりと返しつつ。
続けられた言葉に──表情が、明らかに、変わる]
……確かに、従姉殿は麒麟──俺たちと同じく、『四瑞』を宿す者です、が。
そっちに手ぇ出すってんなら……俺、黙っちゃいませんよ、先輩?
[低くなる、声。
それは滅多に響かせる事のない、鋭さを帯びる]
[くすり、と。
予想以上の反応に、思わず唇が歪んで笑う。
『墜ちたら泣かせる』という言葉。
あれからたまたま時間があった時に少し考えてみたのだが、予想外にあてはまる人物がいてカマを掛けてみただけなのだけど]
…お前の意見なんか、聞いてたまるかよ。
[今の気分なら、本当に九条院を殴り飛ばすぐらいのことはできそうだったから。
漆黒の瞳を丹朱に染めて]
そんなに九条院が大事なら、テメエが力尽くで止めて見せろ…!!
[左の手には鞘のない小朱雀。
ひゅ、と小さく空気が鳴ったかと思えば、幾分か距離があったにもかかわらずその姿はすでに目前へ。
ぐ、と近づいたと思えば左の上腕を狙った突撃を繰り出そうと]
聞いてもらえるなんざ、思ってませんがねっ!
[吐き捨てるよに言って。
丹朱に染まる瞳を、真紅のそれでき、と睨み返す]
んなもん、わざわざ、言われなくたって──!
[瞬間に詰められた、距離。
舌打ちしつつ、大きく右方向へと飛び退き、突撃をかわす]
こちとら、ずっとそう、決めてんだよっ!
[着地と同時、翳す手に握られるのは天凰刀。
躊躇いなく引き抜いたそれを、両手で構えつつ、呼吸を整える]
は。
[笑う。嗤う、哂う──嘲笑う。
これが、自分の知っている鳳光邦と同一人物なのだと思えば思うほど、かすかではあるけれど笑いがこぼれて仕方ない]
笑わせてくれるもんだな。
[丹朱の瞳に感情は薄く、柄を握る手には籠る微かな力。
うすくうすく、つめたくわらう。
文書に載っていた文言を思い出す。朱雀は凶将。
招風神または飛火とされ陽の気ばかりで陰気の不足を招き、華やかな分プライドが高く周囲との和合に問題がある、と]
何を決めてんのかは知らないけど。
黙ってないんだろ?止めるんだろ?なら───
[薄く、唇がつりあがる]
少しはしかけてみろよ。
[昨日の大朱雀錬成の余波のせいか、体の動きは先日にまして軽く、早く]
[向けられる笑い。
それは、ほんの少しだけ、記憶の奥底の何かを刺激して]
は……上等。
[低く、呟く。
『封護の陣』を正し、解するため、麒麟の癒しを受けて来た事もあり。今は、心身ともに、万全に近い状態。
その状態をこう使うのはどうなのか、という冷静さは、今は感情に打ち消され]
……はっ!
[短い気合の声。
屋上を蹴る、乾いた音が響く。
低く構えつつ、一度開けた距離を詰め、放つは左下段から、右上へと抜ける斬り上げの一閃]
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