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こわないの?
[だけれど続いた言葉にこくり]
[頷いて、わらう]
いやなこともさせんよ!
おらぁ、絶対にせんよ!
おらを怖いんから助けてくれたんはふうれんじゃ
じゃけ、おらがふうれんの嫌なことをどっかうっちゃるよ!
ふうれん、笑ってなぁ
おら、ふうれんが好きじゃよ
ふうれんが笑うてくれたらほんまにうれしいん
なぁ、ひとりでくるしまんで…?
おっと!
[崩れ落ちた男の身体を、地に落ち切る前にようよう支えて]
旦那?…ちょいと、旦那?!
[肩を揺するが答えは返らず。途方に暮れて辺りを見回す。子供等に助けを期待するわけにもいかず]
やれ…是非も無し。
[苦笑と共に、肩にその身を背負い上げる]
…望む、まま…?
[微かに問いかけの言葉は細く]
…望みなど、叶うのだろうか。
叶わないからこそ、望みなのではないのか?
[傍らに座る姿に諦めの色濃い声音で尋ねようか]
…望んだところで叶うわけもない。
我の望みなど、叶わぬ。
我は…我、は、「本物の揺藍」になりたかった。
叶わぬ夢とわかっていても、それでも───
[ひどく表情をゆがめれば、それこそ風連や音彩と変わらぬ年のころの子供のように、うつむいたまま、ただ、泣きじゃくる]
[風漣と音彩の様子が、気にかかりはしたが、二人の心は二人にしか解らぬと、静かに目を逸らして]
俺は旦那を運んでゆくから、坊達も、遅くならないうちにお帰り。
[ただ、そう声をかけて、歩き出す]
どして……。
やぁだ、て……いって……。
[投げられる言葉は、無垢であるが故か。
痛みすら伴う、響きで。
それは、いつか向けられた露草色の若人の言葉と良く似ていて。
似ているからか。
それでも異なるとわかるが故か。
他には沿わぬとの誓いがもたらす、小さな錯乱。
それに弾かれるよに。
跳ね上がって駆け出して。
鞠は抱え、仔うさぎは置き去りに]
空の君、心次第だよ。
叶わぬと思うて望むなら、
叶うはずもあるまいな。
[返す女の声は淡々として、鈴を転がすようで]
本物とやらになる必要はあったのかな、
此方に其方の事はわからぬけれども。
人の世にては叶わじとも、
妖の世にては叶う願いもあるかも知れぬね。
[ゆるり、伸ばした手は、そうと、その髪を梳こう]
[幼すぎる言葉に]
[小兄がどう思ったかなどもわからずに]
あ!
ふうれんっ!
[走り出してしまった小兄を]
[止めるなどできず]
[慌てて立ち上がって]
[仔うさぎにも目を留めず]
まってっ!
まって、ふうれんっ!
[その後を追って、走り出す]
[白い花が、そよそよゆれて]
[白い仔うさぎは、ただ見ているか]
[鎮守の森で笛を吹く。誰そ聞かせるためだろか。]
[ピィー…ヒャララ…ピィー…ヒョロロ…]
[否、人影は他になし。
濃い緑の木の上に、白の衣が揺れるだけ。]
[駆けて、駆けて、ただ駆けて。
足元はおぼつかぬよで、確りと。
それは、森に隠れ住みし暮らしの賜物か]
……いらないのにっ……。
[振り絞るような呟きは、恐らく誰の耳にも届くことなく。
駆けに駆け、目の前に館を捉えれば、白の内。
紛れるように、身を翻して違う方へと。
巡り、駆け、求める先は、慕わしきものと暮らせしその地に良く似た場所か]
[時間をかけて、館へと辿り着き、雅詠の身体を上がり口へと座らせる]
誰か…
[と、声をあげる前に、わらわらと駆け出て来た童子達が、軽々と男を抱えて行く様に、ぽかんと口を開け、見送った]
やれやれ…今も昔も…天狗の里には不思議が多い。
[吐息をついて、肩を竦めた]
[その姿は白の花に紛れ]
[一瞬見失えば]
[はたと立ち止まる]
[目前に館]
あかんよぅっ……
みんな、かなしいの、やじゃぁ……!
[きょろきょろと]
[あたりを見回して]
[どちらにいったのか]
[あの仔うさぎならわかろうか?]
[視界の端に先にわかれた大兄をとらえども……]
[ピィー…ヒャララ…ピィー…ヒョロロ…]
[面は被衣に隠されて、僅か覗くは飴色に寄せる撫子色。
さあ、と木の葉揺らして風吹けば、音色を乗せてゆくだろか。]
[ピィー…ヒャララ…ピィー…ヒョロロ…]
[緑の帳に駆け込んで、はあ、とひとつ息を吐く。
数度、ふるふると首を振り、気を静めれば]
……笛……?
[そう、遠くなき場所より響く、静かな音色。
それに惹かれるよに、ゆらり、深き緑の闇の奥へと踏み込んで]
……だれか、いるの?
[梢に向けて、そう、と問いを投げようか]
[ふいに届くは幼き声。笛はぴたりと歌うをやめる。]
誰そ? 我は我…ゑゐかじゃ。
そなたこそ、誰そ。
[声の主を探すがごとく、身を乗り出して下見やる。
緑の中で月白は、ふわりゆらりと風吹かれ。
幽玄のごとく見えようか。]
[梢に投げた声、それにこたえるように笛の音が止まり。
返るよに、誰何の声が降ってくる]
えいか……?
[のねえさま、と。それは寸前で口にせず]
ええと……風漣……。
[自身の名を告げつつ、上を見る。
緑の帳、その内に浮かぶ色彩に、ひとつ、まばたいて]
……邪魔をして、しまった?
[続く問いは、どこか不安な響きを帯びるか]
[ゆると首を振り]
[どこへいったかもわからないけれど]
[小兄のあとを追おうと]
あ。
うさぎ
[あの仔ならわかるだろうかと]
[元いた場所に戻り始める]
…ああ、そなたか。
[風漣と聞けば僅か安堵したように、視界遮る被衣を肩へと落とす。
表れし面には、涙の痕も笑みもなく。
いつものように愛想のない――表情乏しきままだろう。]
…否、なにも邪魔などしてはおらぬよ。
我こそ…邪魔をしてしもうたか?
[上からではよく声が聞こえぬのか、笛を仕舞いて身を空へ。
とん、と地へと降り立てば、首を傾げてみせようか。]
[戻った場所で]
[うさぎは草を食べ]
……ふうれん、どこいったんじゃろなぁ
[小さな声で呟いて]
どこだか、わからんかなぁ……?
[仔うさぎは首を傾げる]
[子供も同じく首を傾げる]
元気にのうて、
笑うてくれたら、
みんながそうであったら、良いんに……
[ふわりと降りる、えいかの姿にわあ、と声を上げ]
ううん、風漣は……ただ……。
[逃げてきただけだから、と。
小さく呟き、ふる、と首を横に振る]
[雅詠が運ばれていくのを見送り、ひとつ息を吐いて、座敷へと入る。縁側に並ぶ二人の様子に、僅かに首を傾げて、少し離れた場所に腰を降ろした]
なんも違わんに
[それはそうだと信じたいと]
[願いが多く含まれて]
みんなわらっとったら、きっと幸せじゃに
[呟きと、草を食む音]
……やっぱり、 。
[返りし答えに、琥珀はひとつ瞬いて。
首振る姿にあわせるように、ゆらりと揺れる。]
逃げて……そうか。
…怖いものでもあったのか。
[怯えることなきように、そうと目線合わせてかがみこむ。
優しく触れもせず、宥める笑みもない。
されど琥珀は真摯に紅緋と向かい合おう。]
あ。待って!
[うさぎがぴょこぴょこと跳ねていく]
[その後を追う]
[だけれど、どこかそれはゆっくりと]
[やがて兎は草葉に隠れ]
[そばにあった樹に登る]
[館まで戻るのも可能なのに]
[*あまり戻る気にはなれずに*]
〔髪を梳く手はいつしか背へと下ろされて、
撫ぜるは母が子をいつくしむのと同じやう。
朱唇から零れしは懐かしきこもりうた、
風に乗りて聞こゆ笛の音も途切れれば、
微かな鈴の音と合わさりて静かに響く。
涙零す蜜色が閉ざされれば眠りに落ちしか、
身体を離して童子らに寝床の用意を頼む。〕
[真直ぐに向き合う琥珀に。
紅緋は揺れて。
労るような様子がない事が、逆に、安堵を呼び込んだか。
ほろ、と。
紅緋から雫がこぼれ]
……逃げるものでは……たぶん、ないの。
こわがるものでも、きっと、ないの。
[でも、と。
掠れた声が、こぼれ]
風漣には……こわいことなの。
やさしいものは、こわいこと。
…涙零せるならば、泣くが良い。
心の澱を流してくれよう。
[紅緋から雫がこぼれるを、琥珀は静かに見つめたまま。
拭うことなく頬伝うに任せて、擦れた声に耳傾ける。]
…そうか、そうじゃな。
冷たいは怖いが、優しいも怖い。
[想うことでもあったのか、琥珀はどこか遠くを見やる。
ややあって紅緋へと視線戻せば、琥珀は僅か潤もうか。]
ただ冷たいなれば、こちらも心凍らせよう。
されど、優しゅうされれば情移り、離れられれば…何をやいわん。
…我も、未だ優しいは恐ろしきかな。
[ぽつりぽつりと言の葉零すも、涙の雫は零れはせぬ。]
[泣くが良い、と。
言われるまでもなく、というところか。
紅緋からは、先ほどまで堪えていた雫が零れ続けて。
それは、既に抑えるには至らぬ様子]
うん……つめたいの、かなしい、けど。
やさしいのは……あったかくても、いたくて……だからっ……。
だから、いらないのに……たくさんは、いらないのに……。
[ほろほろほろろ。
雫と共に、止め処なく。
零れ落ちるは、押さえしこころか]
ああ、まあ、ちょいとね。
おかげで、身体が痛い。
[くす、と笑って、首を回す]
坊達も、何やら困っているようでしたがね。
[視線は、未だ虹佩く空へと移る]
それは御疲れさんだね。
[手の甲を口許に当てて真似するように笑いを零す]
皆、惑い、迷っているのだろうね。
ゆくもかえるも、心次第とは言えど、
己があり、他がある以上、心揺れずには居られぬ。
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