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…ああ、残念ながら夢じゃない…ようだな。
昨日見た光りも…金と銀の…そう、その光球に関して…
光りをランプを通して扱うイレーネならなにか…
[そこまで言って、マグカップの蓋を外して一啜り
…しようとした所で、イレーネの言葉に噴きかける]
……悪い子…は、悪い妖精…として
檻…?王様も御乱心…?
[青年は目を丸くしてイレーネを見る]
……イレーネもリディのように……
なにか、妖精王とやらから話しをきかされて…いたりするのか?
こっそりと覗くのも、どうかと思うのだが。
[正論。]
……まあ。
まだ見るつもりならば、止めはしない。
[言って、今度こそすたすたと。ユリアンとミリィの傍から離れる。
屋台の数は少ないとは言え、広場でそんな事をしている二人は、否が応でも人目を引きそうだが]
…んー、あたしも金と銀の光についての文献は…
見たこと無いかな。
初めて見たけど、綺麗だったわね…困るけれど。
[マグカップを両手で持ち…アーベルの問いには小さく頷いて]
…んー、でも、妖精王自身からは話は聞いてないわね…
あたしもリディのように、遣いの者…の妖精から、話を聞いたの。
…でも、王様に報告できなくて困ってるみたい。
[平然と言うと、もう一度グリューワインを口に含み]
[心配だから、とユリアンに言われて、少女は、困ったような表情になる]
あの、私、そんなにドジに見えます?
[見えない方が、どうかしている]
いや、そーゆー直接的な意味だけじゃなくて。
[困ったように問われて、軽く頬を掻き]
なんつか……ほっとけないって言うか、うん。
色々と。
[何が色々なのかと]
…う。
[正論を突かれて小さく唸り、ミハエルの背中を見送った]
[幸いまだ渦中の2人には気付かれていないらしいので、もうちょっと見ておくつもり]
……そうか…特に文献なんかには…ないのか…
[専門分屋のイレーネが知らなければ
…後は妖精達本人…しか、わからないだろうな…と嘆息しつつ。]
綺麗なのは確かだが…人を攫う光球なんてごめんだ。
[嘆息に左手のマグカップに入った液体の表面が息で揺れる。
揺れた表面を口に含みつつ、イレーネの言葉を聞けば]
……遣いの妖精……か。
イレーネもリディのように、何か手伝っているのか…?
それに報告できないって言うのは……
…………現実なんだろうがわけがわからん…
[平然と話すイレーネに青年は混乱気味で。
本当に最近まで御伽噺だと思ったのものが
現実に越境している事体に溜息をつく]
[時計に目を落とすと、大分 時間が経っていて。
……別段、急ぐ用がある訳ではないから、構わないと言えば、構わないのだが]
こうしていると……
[昨日の出来事が、嘘だったかのようだと思いつつも。
現実だと再認識する為に、外套をしっかりと羽織り直して、*通りを歩く*]
ん…
[アーベルに頷いて…頬を掻き]
妖精は…あたしと波長が合ってるとかで、勝手に宿ってるだけよ?
特に手伝ってるつもりはないわね…
時々、頭の中に声が響いたり、夢の中で話してたけど。
[マグカップを置くと、はぁ、と息をつき…]
…なんでも、その悪い子を探すために来たんだけど…王様が気付かないんだって。
…このお祭に来ている妖精が多すぎて。
…まぁ、ね。
あたしも御伽噺だと思ってたけど。
…流石に、あーいうのを見ちゃうと、ね。
[少女は笑う。柘榴石色の瞳を潤ませて]
気にかけてくれて、嬉しいです。でも、本当に大丈夫ですから。
[ぴょこん、と、お下げ髪が跳ねる]
……そっか。
いや、大丈夫なら、いいんだ。大丈夫……なら。
俺が、一方的に心配してるだけだし。
[頭を下げる姿に、ぽつ、とこう返して。
青の瞳は何やら、複雑そうな光を宿していたけれど]
[イレーネの言葉に呆然と頷きつつ話しを聞く]
妖精が…宿ってる
……外見的に特徴が出たり…には見えない…な
[イレーネの言葉にマジマジと見詰める]
……その妖精との言葉だと……目的の”悪い妖精”以外にも
妖精が沢山…なんだな…そして、現在その妖精は”悪い妖精”はみつけてない…と
[イレーネの言葉をオウムのようにかえして、
なんとか青年自身の中で整理する。]
……俺としてはさ…なんかよくわからんけど…
人攫いとかは止めて欲しい…と、思ってるんだ。
リディが言うには死んではいないって言うけど…
けど、やっぱり心配だし…これから先誤認で攫われる人が増えないとも限らないし
[ここで、グリューワインを啜って喉を湿らす。]
んー、そうみたいね。変わったね、って言われてないし。
[変わってたら、外に出れなかったかもね、と小さく苦笑して…アーベルの言葉にきょとんと目を瞬かせる]
…まぁ…人攫いは辞めて欲しいけど…ね。
今のところ、王様が悪いようにしか見えないのよね。
[んー、と、顎に指を当て…視線は天井に]
一応…王様が言ってる目当ての妖精は見つかったんだけどね。
悪い妖精に、見えないの。
だから…あたしはコレについては言いたくないわ。
[少女は、じっとユリアンの瞳を見つめる。立ち去ろうとして、立ち去ることが出来なくて。言いたいことがあるような、そんな気はするのだけれど]
[そしてイレーネの目当ての妖精の発見…を聞き
続く言葉を聞けば難しい顔をし]
その”悪い妖精”…は悪くは見えない…か
まぁ…手当たり次第攫ってる王様が
良い王様…には見えないのは同意だけれど
ただ、正直王様と妖精のいざこざに捲きこまれて
これ以上攫われる者が出るのはいやだな。
その該当妖精を差し出すと言うわけじゃないが…
妖精の問題は妖精同士でなんとかして欲しいと俺は思う。
少なくても…王様が良い王様じゃなくて、
さっき言ったように御乱心?気味なら
黙ってろと言う約束を反古したことになる
リディが攫われる危険性があると思うと…
人攫いの方向が子供達に向くようなら俺は悠長には構えてられない
[言いたい事……というか。
言わないとならない事があるような気がしているのは、こちらも変わりないのだけれど。
それが上手く言葉としての形を結んでくれなくて。
結果として、こちらも柘榴石色の瞳を見つめ返すしかできず、沈黙]
[アーベルの話を、マグカップを傾けながら聞いていたが…]
まぁ、ね。
手っ取り早く、人攫いを止めるなら…見つけたのをどうにかして王様に教えなきゃいけない。
でも、その方法についてはどうしようもないわよね。
「この人が、悪い妖精です!王様、こっち見て!」
なんて言ったら、変な目で見られるのは当たり前だわ。
…しかも、その後、その人が消えたら、尚更、ね。
[前髪を一房つまみ…その一房に視線を移しつつ]
しかも…あたしは、あたしに宿っている妖精が、ホントに王様の遣いなのか…
まだ、分からないのよね。
実は良い妖精なのに、とか、してやられたりしたら…
その、悪い子って知り合いだし…あたし、後悔すると思う。
だから…やっぱり、まだ、言いたくない。
[楽しいような、苦しいような、嬉しいような、哀しいような…そんな時間が過ぎて、少女は柘榴石色の瞳を瞬かせる]
それじゃ、私、行きます。
[昨夜、子供がランプを買いに行くと言っていたのを思い出していた。きっと、あの騒ぎでは買う事が出来なかっただろうと思う]
確かにどう伝達するかは…問題だな…
……イレーネについている妖精やリディの所の妖精に
聞くのが一番手っ取り早いとは思うが……
[それから、イレーネの言葉に一つ溜息]
……イレーネの知り合いか……
…………それが誰だかわからない立場で
イレーネの知り合いの悪口を言うようで気がすすまないが…
俺はその妖精が悪いのかどうかまでは知らんが…いい奴とも思えない…な。
既に無関係な人間二人が攫われているのに黙っている奴だから。
もし、昨日エーリッヒがいなくなる場にいたのなら、
リディのはなしも聞いている筈…それでも出てこない奴なんだ。
イレーナについてる妖精が本物かどうかともかく、
何らかの関係者があの場いにいて、なにも動いていないなら
正直保身に走っているようにしか俺は思えない。
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