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あら。
そうなんですか、残念です。
[いかにも残念そうな表情をゼルギウスに向けた後、]
……ひとまず、着替えていらっしゃったほうが宜しいのでは。
ローザさんも。
あまり、子供に見せたいものでもありませんから……ね。
[気遣う眼差しはローザへと向けて、提案した]
うん。実は性悪だったのです。
[ロミににひ、という笑みを見せ]
そういうのあるほうが魅力的だし?
[そして、ダーヴィッドの言葉には、ロミがまた勘違いしそうなことを言った]
[ああ、うん。
面と向かって聞いたのは初めてだったけれど、これは確かに凄い。
そんな感想を抱きつつ、地雷を踏んだことを後悔した。
表情には臆面も出さず、ブリジットに返答をするときは笑顔だったが]
それは、見事な決断でしたね。
……尖っていた、というのは意外ですけど。
[それは本音で、きょとりとしてブリジットを見る]
いやいや、できることはやれるやつがやればいいってだけだしな
俺やローザはここを掃除したが他のやつはほかの事してもらうから気にするな
[とダーヴィッドの礼についてはあっさりそう述べて、黙る
…というか横のブリジットに気圧されて喋れなくなったともいう。とりあえず耳をふさいでおきました]
あっれー…?
頭打った感じも無いっぽいなぁ。
疲労や空腹、寒さで気を失うあんな感じに近い、か…?
[女性陣から陰になるよう身体を壁にし、血に塗れた服を捲くってみる]
――…。
[肩口に見える、何か。
けれど、何も言わずに元に戻した]
釣竿遠投師になると、楽できるですね。
[ロミルダは真面目に間違ったことを言って、1人でうなずいている。
やっぱりややこしかったようだ]
[賑やかさに気は紛れていたけれど、やはりエーリッヒの事は心配のようで]
……何か、わかりました?
[会話の合間、ふと声を途切れさせたダーヴィッドに顔を向ける。
彼の陰になり、「それ」は見えないまま。
不安げな表情で、問いかけた**]
[地雷の爆発中は別方向を向いていたお蔭で、多分右から左へ流れて行った]
わ、知らなかったです。
しょーわるな人、いっぱいいるですね。
[ブリジットの言葉にしっかり勘違いを重ねつつ、何故か同意を求めるようにゼルギウスを見てみたり。
それから手伝えそうなことがないなら、しばらくはいつもの椅子で*大人しくしている*]
うん、そうだな。確かにあれが常時できるのは楽だな。家でできるしな
[実際楽だったので頷いた。
なんだか更にロミルダの誤解を助長させてます]
ってか、いたとしてもサーカスだろ。楽団でやる芸じゃない
[なんて最もなことをいいつつ、ローザを見ながら、着替えたほうがという言葉に湾曲的に自分の服を見て]
そだな…ずっと掃除して匂いに近いとこにいたし、次エーリッヒさん着替えさせるとかで忘れてた
[しかし、ユリアンからもらった湯のバケツは一つ…ま、いっか]
水でも持ってくるか。さっさと着替えるんで、エーリッヒさん運んだり着替えさせたりの手が必要なら呼んでくれ
[と、先程エーリッヒについて頼まれていたことをゲルダにいいつつ、水を汲んで自室へと*一度戻った*]
[ちなみに治療を名目に、長広舌は聞き流した模様]
まぁねぇ、理解があると言うか、当然と言うか。
簡単に好きと言わない、ゲルダちゃんのそーゆーとこも、俺は好きよ?
[拒否の様子もなんのそのと、にっこり笑う]
…ん、でも、ま。
ユーリがそこまでこだわるなら、なんか理由があるんだろうさ。
[軽い響きながら、そこは確かな信頼がある]
[意外、という言葉には]
まあ、出会う前は、まだ小娘だったし。
いやまあ、体の大きさじゃないよ。そりゃまあ、体の大きさは今でも小娘だけど、もっと精神的な意味でね?
[実際、ロミと比べればさすがに大きいが、それでも他の女性と比べても一回り小さい。
その点が一番子供を産むという行為に、悪影響を与えているのは間違いなかった]
あん時は、色々とあったもんで、色々噛み付いていたもんだよ。
[色々を二重に言って、非常に曖昧だった。
適当に言っているのか、それとも、少しでも詳細を言いたくないのか]
それだけ魅力がある人が多いってことだ。
でも無理に真似しなくていいからね。塩加減も過ぎると辛くて食べづらくなるだろ?それと同じようなものだね
[同意を求めるようにこちらをみたロミルダに、結局正すことはなく…というか嘘をついてるつもりはないので、*頷いた*]
んー…、こればっかりは素人見解だからねぇ。
とりあえず、たんこぶ無いし、頭打ったとかでは無いと思うよ?
だから、気付け薬でも煽らせたらすぐだと思うけど。
急がないなら、そこのソファーに寝かせるので充分だと思う。
[そんなわけで、ハインリヒに声をかけて、二人掛かりでソファーに*運搬*]
……ん。
[ジグ!と腹痛がひどくなった
あまり無視して抑えられるようなものでもないのだが、それでも、「後、もう少し、周りみさせて……」と胸中で呟きつつ、腹痛を無視して、ブリジットが広間に居続けて、*会話を続けた*]
[診断結果は微妙なもの。何もわからなかったことに残念がるべきか、それとわかる異変がなかったことに安堵すべきか。表情もまた、複雑そうで]
じゃあ、それでお願いします。
着替え……
と思ったけど、勝手に荷物漁るわけにもいかないかな。
[そんな思案は、それとなく止められたか、請け負われたか。
ハインリヒとダーヴィッドがソファに運んだ後には、とりあえず手は足りていると、ゼルギウスに報告に向かうことになった**]
― 一面の朱の中 ―
何処だ、ここは?
視界は一色の濃淡に埋め尽くされている。
赤ん坊の泣き声がどこからともなく……。
意識を向けると、泡の中に浮かび上がる光景。
決して裕福ではないが、貧しいともいえぬ神学者の玄関口に籠に入った赤子が一人。
家から出てきた男は目の前の小さき人に驚くも、傍らの手紙を読み、結果……迎え入れる。
産湯を使う度、左腕に浮かび上がる朱。
瓶に詰められた、おびただしいまでの量の天道虫の死骸。
平たに潰されて収められている。
他の瓶には、細かに分れた蛾の死骸。
羽、触覚、胴体……。
ちぎられ、潰され、切り刻まれ。
父に見つかり戒められる。
主は命を神の写し身である我々の為に作ったといわれているが、無意味な殺生を行っていいとは述べられていないのだ……。
自分のやったことがどのような事か、わかるか?
左腕の朱は学校に上がるころにはすっかり引いていた。
それに合わせるかのように攻撃性が退いて行く。
教師の教えを乾いたスポンジが水を吸い込むかのように身につけていく。
この子は学問の才能があるのかもしれないな。
暖かな手。
─ 一階・廊下─
[クロエが足を止めるとカルメンも同じように足を止め。
けれど広間の様子は見えぬが故に何をしているのかまでは知ることは無く。
再び移動を始めたクロエに手を引かれて台所へと向かう]
─ →台所─
[到着すると、カルメンは邪魔にならない場所でクロエの作業が終わるのを待った。
時折、着せられた羽織をあちこち手で触れている。
着慣れないせいか、どこか落ち着かないらしい]
[不意にカルメンの耳に懐かしい声が響く。
しばらくの間、台所の隅に座り込んで着ている羽織を弄っていたのだが。
その声に手を止め、見えぬはずの瞳を中空へと留めた]
………くーでーんー。
みる、もの。
みえる、もの。
みちびく、もの。
まもる、もの。
……やみ、の、もの。
さがす、のー。
[声は大きくも無く小さくも無く、いつも話をする時の声量で。
思い出したかのように言葉を口にした]
―一階・広間―
[しばらくしてダーヴィッドをつれてゲルダが戻ってくる]
お、きたか。診てやってくれるか?
[そう言ってエーリッヒから離れてダーヴィッドがやりやすいようにした。
軽く文句をいいながらもやる気のある様子に、何かあったのか?とも思うが訊いてもいつもの様子で返されて]
性悪が多いな、ここは。
[ダーヴィッドがエーリッヒを診ている傍らで交わされる言葉に、ふと突っ込みを。お前もな、と言われそうではあったけれども]
[エーリッヒの様子を粗方確認したらしいダーヴィッドが所見を告げる]
やっぱそんな感じか?
見ちまったショックで、って事もあるのかねぇ。
ん?
[ダーヴィッドが不自然な動きをしたのには気付いたけれど問うことはない。
多分同じことに気が付いたのだろうから]
まぁ、頭打ってないなら大丈夫なんじゃないかね。
わかった、それじゃオレは足の方を持つからそっち頼む。
[ダーヴィッドに促されエーリッヒをソファーに運ぶ。
頭の方が重いのに、と言う文句はあったが]
[肩には触れたくないと思ったからかもしれない]
[無事に運び終えて、エーリッヒの様子が変わらないことに安堵する。
あとはダーヴィッドかゲルダがそばに付くだろうか]
少しここを任せていいか?
流石にこの臭いは、ちぃっと、な…
[綺麗な空気を吸ってくる、と伝えて広間から出る。
もう掃除も粗方済んで、臭いはかなり薄れていたのだけれど]
[広間を出て、なるべく静かな所…人がいない所へと。
人の気配が途絶えたところで大きく息を吐く]
[何かに耐えていたような吐息を]
……まいったな。本当に…
[くしゃりと髪をかき上げて小さく呟く]
[脳裏に過ぎるのは朱い花]
[ロミルダの絵本を思い出す]
まじ、かよ…
[笑い出しそうになるのを堪えて強く頭を振る]
[もう一度髪をくしゃりとかき回す]
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