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――客室――
[どれ位眠りと目覚めを繰り返したのだろう。何度目かの覚醒に瞳をゆっくりと開ければ、日中の気配は感じられるが、外は嵐とも思えるほどの激しい雨。
少女は継続的に続く頭痛に悩まされながら、身を起こす]
――嫌な雨…。一体何時になったら…止んでくれるのかしら…
[薄紅色の唇が、僅かに色褪せる。漏れる吐息も、何処か重苦しい。]
このままでは…本当に陰気に負けてしまいそう…。
気分転換…しようっと…。
[重い体を引き摺るようにベッドから這い出れば、少女はゆっくりと浴場へと足を運んだ]
――客室→浴室へ――
[必死に何かを思い出そうとするかの様に]
[顔を顰めている]
[其の眸が潤んで]
[熱を孕み][頬が赤く]
[額には珠のような汗が浮かび]
―厨房→廊下―
[使用人からの用件は案外すぐに済んだ。男性の着替えを探し、再び広間へと向かう]
サイズは大丈夫でしょうか…
[腕に掛けた衣服を見て小さく呟きながらも、思考は別のほうへと向いていたのだけれど。
満身創痍で現れた男性。苦しげな声。
…何となく厭な感じがしていた]
[見つめる先の男の様子が変わる。
顔を顰め、熱に浮かされたように、赤く]
おい、しっかりしろって!
[それでも、声を掛けることしか出来ずに]
[ハッと]
[今初めてナサニエルが其処に居ると知った]
[そんな風に凝視して]
……殺したいのか。俺を。
[切ない][けれども凄惨な]
[微笑。]
…は?
[突然はっきりした口調で男が告げる。
その言葉を一瞬理解出来ずに。
しかしその彼の表情は真剣そのものの、何かを覚悟したよう微笑で]
…何でそうなるんだ?
俺はあんたを助けたいとは思っても、殺したいって言う理由はないぜ?
――浴室――
[夜風を孕む雨は、やはり窓を叩きつけて。
しかし、温水の流れる音に不安を掻き立てる音は緩和する。]
誰も…居ないみたいね…。
[脱衣室を覗き、人影が居ないことを確認して、少女はするりと衣服を脱いでいく。
成長の止まってしまった少女の体つきは、その全てが幼いままで。色香も纏わない自身の体に苦笑を漏らしながら、自然と視線は背筋へと向かう。]
――こんな雨の日は…忘れてしまいたい記憶と共に…傷が…疼くわね…
[くすりと自嘲気味に微笑んだ少女の背中には――左半身を大きく覆う、一見火傷と見紛うような裂傷の痕が…。今も生々しい色合いを残したまま描かれていた――]
[扉に手を掛けたまま停止している彼女には、男性の表情までは見えはしなかったけれど、その言葉ははっきりと耳に届いた]
[息を飲んだ]
―一階・書斎―
[ 平時より賑かな館内でも此処は喧騒からは遠く、周囲に満ちる空気は幾らか冷たいながらも落ち着く。窓を叩く雨滴の音すらも快く感じられた。
先程の広間での出来事等無かったかの如く、彼は一人其処に居た。緩やかな足取りで室内を歩めば濃茶の髪が微かに揺れる。書棚の一つの前で足を止め暫し背表紙を眺めていたが、其のうちの一冊を抜き出そうと手を伸ばす。]
あー……、頁、折れてなきゃ好いが。
[ 独り言ちしゃがみ込んで本を拾い上げ……ようとして、其の手が反射的に引かれる。]
……っ。
[ 眉を顰めながら掌に視線を落とせば、如何やら紙で切ったらしく、指の腹には一筋の線。大分深かったのか、次第に赤が薄く滲み始める。]
……痛ぅ……、今日は厄日だな。
[ 小さく愚痴を洩らして、薄い口唇から舌を覗かせ、指先の緋色を舐め取る。彼の御茶とは全く異なる、独特の味。]
けれども、俺はお前といき たか た
[「行きたかった」なのか「生きたかった」なのか]
[それとも]
[すうっと]
[身体から力が抜けて行き]
[ぱたり、]
[*崩れ落ちる。*]
[此方が掛けた言葉には無言のままで、男の行動が読めずに見つめたまま。
その後の呟きに気付き、何かを問おうとした所で男が意識を失う]
…おい!どうした!?
[慌てて体を起こそうとして…酷い発熱に舌打ちをして]
無茶すっから…
[そうしてようやく扉を傍に佇むネリーに気付く]
あ、良い所に。
もしかして着替え持って来てくれたのかな?
酷い熱なんだ、着替えさせないと。
[とにかくこのままではいけない、と]
……いきたかった…?
[男の呟きを反芻して、気を失った男を見つめる]
どういうことだ?
[もちろん返事は返らないが。
判ったのは男が殺されかけたらしい、という事と、誰か仲間が居たらしいという事]
これ以上無理させるわけにもいかねーしな…。
[いずれ判る時が来るんだろうか?とはただの希望]
[酷く戸惑ったかのように彼女の瞳の奥は揺れていた。
けれど]
あ、…はいっ
[ナサニエルの声に慌てたように頷いて、そちらへと歩み寄る]
─二階・客室─
雨……やまないな。
[ベッドの上で、膝を抱えるようにして座り込みつつ。
窓の向こうを見つめて、ぽつりと呟く]
……ばーちゃんに、相談したいんだけど……いつ、戻れるかなぁ……。
[はあ、と。
言葉と共に零れ落ちるのは、重苦しいため息で]
[熱いお湯をその体に掛ければ、少しだけ身を竦めて汗を洗い流す。
傷自体に痛みはなく。ただ皮膚を抉らた為に感触が通常とは違い全てが過敏に反応する。
香り高い泡に包まれれば、戻りたい過去の記憶が蘇る。しかし少女がその苦悩を口にする相手は…居ない。]
そういえば…ヘンリエッタさんって…今日はどうしているのかしら…。
[塞ぎこむ心を留めるように、少女はわざと接点の無い事柄を口にし、思考をシフトする。
自らに目隠しをするとは言え、少女が彼女の名前を口にしたのには、何処かでヘンリエッタの事を気に掛けているからなのだが。]
夕食の時間には…会えるかしら…
[お湯で泡を流し、浴槽に足を入れる。身を沈めて僅かに上気した頬を指でなぞりながら、少女はヘンリエッタの事を考え僅かに楽しそうな笑みを*浮かべていた*]
ちょっと、ごめんよ…
[とりあえず着替えさせる為に男の体を持ち上げ服を脱がせようと。
あちこちに巻かれた包帯が痛々しく、ほんの少し顔を顰め。
ネリーが持ってきた着替えを受け取り]
ありがとう。
ちょっと手伝ってくれるかな?
[流石に一人では気を失った大人の扱いは難しく。
二人掛かりで着替えを終えれば、そのまま床に、という訳にも行かず、かといって部屋に運ぶにも無理があり]
……ここで良いか?
[目星を付けたのは暖炉の前のソファで。
何とかそこまで運んで男を寝かせて。
自分も近くの椅子に腰掛け*様子を伺って*]
……まあ、落ち込んでても、仕方ないよね。
[小さな呟きで、ループを続ける思考を一先ず区切って。
ぴょん、とベッドから飛び降りる]
あ……あれ?
[直後に襲う、視界の揺らぎ。
何か……霞がかかるような、そんな感じがするものの、それも一瞬のこと]
今の……感じ……。
[嫌な予感が掠める。
軽く、唇を噛みつつ、右手が無意識に左胸へ当てられ。
何かを掴もうとするような、そんな動きを]
……考えすぎ、思い過ごし……。
[掠れた呟き。
それは、何とか自分を納得させようとしているかのような、そんな、焦りめいたものを帯びて]
……大丈夫、きっと。
何も……何も視えたり、しない……。
[雨は未だ止む気配もなく。
温室の硝子窓の向こうには、
雨に濡れ、風に揺れる冬薔薇の茂み。]
That's my tears.
Though it's not yet cured, my sorrow be charmed by a sigh of a month…
My voice does'nt reach you.
Though the last words that you gave are still these places and continue crying.
Though I decided not to grieve, the moon cries in a night sky.
[*届くことの無い、微かな歌声。*]
ダメだな、こんなじゃ……。
しっかりしないと。
[小さく呟いて、ゆっくりと部屋を出る。
その足はごく自然に、音楽室へと向いて]
─…→音楽室─
─音楽室─
[楽器たちの空間に滑り込み、静かに佇むピアノに近づいて。
白い鍵盤に、そ、と指を落とす。
紡がれる音色は、いつもと変わらず、澄んで。
その響きは、ほんの僅かながら、気持ちを鎮めてくれた]
……早く、雨、止まないかな……。
[小さく、小さく独りごち。
緩やかに、緩やかに。
旋律を紡いで行く]
[頷き、けれど脱がせた服の下から顕になった包帯の跡を双眸に映せば、やはり眉を顰める。
着替えを終え、ソファーまで運ばれた男性を見ながら]
……違います、よね…
[無意識の低い呟きは、傍にいる者にも聞こえたかどうかは定かではない]
済みません、有難う御座います。
[ 使用人の女に然う感謝の言葉を述べて頬笑み、軽く右の手を振ってみせる。人差し指には白いテープが一巻きされ、赤い軌跡は既に隠されていた。本来ならば救急箱の場所さえ訊けば充分だったのだが、晩餐会の下準備は殆ど終わり、後は広間に運ぶだけだからと態々手当てをしてくれたのだった。]
あー……っと、序にもう一つ。
……煙草って有りますか?
[ 未だ諦めていなかったらしく僅かに眉尻を下げて問えば、侍女は頬に手を添えて考え込む素振りを見せ、主に訊ねなければ解らないと答えた。其れを聞けば其れでは食事の際にでも尋ねて見ますと云い、会釈をして仕事に戻る彼女を見送る。]
[ 扨、広間に向かおうかとすれば、微かに零れるピアノの旋律が耳に留まる。
青年が此処で其れを聴くのは初めてで、雨音に混じる音色は書斎の静けさとは違う快さを齎す。誘われるように何と無しに其方へと歩みを進めれば、或る部屋の前迄辿り着いた。彼には縁の無い場所であるが為に足を踏み入れた事は無いが、確か音楽室だっただろうか。]
─音楽室─
[緩やかに、旋律を紡ぎつつ、ふと、記憶を過去に彷徨わせ。
家の事情で祖母の元に身を寄せたばかりの頃。
連れて来られたこの場所は、それまでとは余りに違っていて。
最初は、何もかも怖くて、祖母の後ろから出られなかったのだけれど。
いつの間にか。
ここに来て、ピアノを奏でる優しいひとと。
話すのが楽しい、と思うようになっていたのだ、と思い出し]
……幽霊、かあ。
[小さな声で、ぽつりと呟く]
出てくるのが、優しいひとだけなら……それなら。
視えたって、聴こえたって……全然、気にならないんだけど……ね。
[ふ、と伏せられる、瞳。
碧のはずのそれは、何故か。
淡い紫へと変貌しているようにも見え]
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