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[手に何かが触れる感触に視線をやると、パトラッシュが鼻を摺り寄せていて]
…あ、心配させちゃったかな。
今はもう、大丈夫。
ディは傍に居てくれてるし、君も居る。
[大丈夫、ともう一度告げてにこりと笑みを浮かべる]
…んや、なんでもねぇよ。
[見上げて、少し微笑む。]
ほら、メシさめちまうからさっさと喰っとけ?
せっかくマスターが美味いのつくってくれたんだしさ。
そう?
[聞こえた気がしたんだけど、と呟いて]
あ、そだね。
ちゃんと食べないと怒られるし……それで、御師様に告げ口されたら、後が怖いし。
[冗談めかした口調で言いつつ、サイドテーブルを見やり。
食べ易いように、と気を使ってくれたらしい粥を手にとってゆっくりと食べ始める]
[返事をするようなパトラッシュの一吼え。それを聞くと笑んだまま残る料理を平らげる]
ご馳走様。
お金ここに置いておくね。
[カウンターの置くの主人にそう声をかけて。それから改めて酒場の中を見回す。何だかいつもより人が少ない]
…やっぱり、皆ここを避けてるのかな…。
[人が2人も死んだ。小さな村だ、話はすぐに広まるだろう。寂しげに見回して、小さく息を吐いた]
[昼間の村の様子を思い返す。
ディーノの推測は多分に当たっているのだろう。
ほぼ同じ場所で、2人の人間が死んだ。
1人は人狼だとして殺された。ではまだ人狼が残っているなら、矢張りここに潜んでいると考えるのが妥当だ。
普通は、巻き込まれたくないだろう。
立ち上がって伸びをする。
それにしても、他の連中もここに来ないのは。珍しい。]
…今のうちにお風呂行ってこようかなぁ。
[ぽつりと一言。いつも人が居ないのを見計らって入っていたらしく、この様子なら風呂場に誰も居ないと判断したようだ]
[呟きに反応したパトラッシュが行って来いと言ってるように見えて]
じゃちょっと行って来るね。
[パトラッシュの頭を一撫ですると、一旦自室に戻り着替えを持って。また降りて来るとそのまま風呂場へと]
[食事を済ませ、薬も飲み。
ぼんやりとした視線を、窓の向こうへ投げかける。
不安と安堵と、それらが複雑に絡み合った心情を抱えつつ、胸元の蛍石を握り締めて。
頭痛は今は静まり、ただ、微熱による、ぼんやりとした感覚があるばかり]
[風呂場に誰も居ないことを確認すると、脱衣所で帽子を取り、服を脱いで。中に入ろうとするところで鏡に映った自分が見えた]
……同じようで、違う。
僕はディであって、ディじゃない。
[鏡に向かって手を伸ばす。鏡の中の自分は同じようにこちらに手を伸ばし、手と手が重なる。瓜二つだった双子の片割れ。生きていたら自分と同じこの顔になっていたのだろうか。その姿を見ることは既に叶わず。瞳を伏せ、顔を逸らすと風呂場へと入って行った]
[気配だけで、ディーノがいなくなったことを感じると、シャロンは、ゆっくりと立ち上がり、パトラッシュの横へと]
・・・。
[冷たい目で見下ろす。
パトラッシュの目の中を見つめる。
何も言わず、ただジッと。
―――ややして、フッと小さく笑うと、元の席に戻っていった]
〔帰ってくると、工房に書置きがあった。自警団からで、即席でいいので、杭を作って欲しいとのことだった〕
…まだ、復旧が進んでないんだな。
〔明日すればいいだろうと思い、着替えを持って風呂に入る。湯船につかるとそのまま溶けてしまいそうなほどであり、全身が強張っていた事を気づかされる〕
[唐突にシャロンに瞳を覗き込まれ。
その目の冷たさに、ぞくりと背筋の毛が逆立った。
――今の表情は。 何、だ?
ディーノが向かった方を、振り返り見る。
何故、そちらが気になったのかも、判らないまま。]
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