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…………ん?
[しばらく探していると、馴染みのあるペンシル型注射器と小さなケースを見つける。]
これは…………南無三。
[私はそう呟くと、僅かばかりの希望を乗せてケースを開く。]
えっと、49番目…。
[ノーラの指示に素直に従っている……。]
えーっと、47、48、49……。これか……。
[取り出したのは…真っ赤な……ワンピースで……。]
あー……これはちょっと……
[途方にくれている。]
アーベル、さん。
[名乗る彼の声に、そういえば自分は名乗っただろうかと思い出し]
ツヴァイさんから名前は聞いていたけど、私そのままだった気がするの。
ベアトリーチェ・グレイ、よ。
ちょっと、大広間に行ってくるね。
[二人にそういうと、大広間の方へ歩き出す]
[あえて名字を呼ぶ青い色彩の少し年上だろうか、
青年に、また零れる苦笑。
それでも、呼び名を改めて欲しいとは願わない。]
アーベルさん……。
[何処かで聞いたのではなく、見たことのある記憶。]
失礼ですけど、有名人か何かですか?
[少し首を傾げて、薬の行方を見るとはなしに見る。
その問いの答えはあっただろうか。
どちらにしても]
うん。誰か起きたみたいだね。行ってみる?
[ベアトリーチェに問いかけながらも、
自身は其方に行く気にすでになっていた。]
-2F・廊下-
[狭い廊下に多くの扉。
選択肢の多さはまるでこれからの運命を試すくじの様に見えた]
うーん、なやみます、ね。
どれにしよう、かな?
[腕を組んで扉を見つめた]
―衣裳部屋―
この量を1人で選ぶのは大変。
貴方は良い服と巡り合えたようね。
[ブリジットの抱く青色で赤い宝石が見えた
ワンピースを見てそう言い]
そう、何か防寒出来るもの。
そして、子供用の服が…あるといいわね。
[言いながらも、じ、と衣装を眺めていた。ダーヴィッドが言われた通り探し当てた服は――]
あら、それは…
[それは彼女とは反対に赤色――とはいえかなり色あせていたが――のマーメイドラインが綺麗な服。]
…荷物はなかったから
期待してなかったけど…あったのね。
ん……?
[少し大広間に行くタイミングを逸してしまったこともあり、薬品庫から聞こえた音の方に意識が向く。]
リディさんどうしましたか?
[足は大広間でなく、薬品庫の方に動き出そうと。]
―衣裳部屋―
[一歩踏み出して、右から8番目の服に手を伸ばせば小さな子供用のピンク色をした服。すぐにベアトリーチェの姿が浮かんだ。
ブリジットが手慣れた様子で服を手にしていくのを見れば頼もしいそうな視線を向けただろう。]
…下に持っていかなければね。
―― 医務室 ――
[そっと開く二つの蒼]
[初めに捉えたのは無機質な天井]
[顔を覆っていた腕は寝ている間に動いていた]
…。
[ぱちり]
[ぱちり]
[未だ、ぼぅやりする頭を少しずつ慣らす様に
蒼がのんびりと瞬いている。]
―二階/部屋5―
[痛みはまだ感じられた。だから驚いた。
けれどその指先は確かに裂けているのに、紅が滲んでこなかった]
指…。
[いつも気をつけていた指を怪我したという事と、傷を作っても血が滲んでこないということに、呆然と指先を見つめる]
ベアトリーチェ。
[白杖を持つ少女の名前]
[これで少しは名前を呼べる人数が増えた]
───有名人?
[青灰簾石]
[瞬き、相槌に似た声]
[ああ]
俺の写真を見たことがあるのかな───リヒは。
[そういうことか]
[納得がいった]
[ベアトリーチェを追いかけながら、こたえる]
─二階・(5)の部屋─
[似てる、という言葉>>511に天鵞絨には一瞬怪訝ないろ。
しかし、それを問いただす事はなく]
ん、ああ。
掛け合わせで、色を作るのが主体だな。
[研究について問われれば、さらりと返した。
『学者』と呼ばれなければ、特に機嫌を損ねる事もなく]
『黎明』と『夕暮れ』なら、写真が無事に残ってる……って。
[返した矢先の小さな悲鳴。
は、と一つ息を吐いた]
……だから、気をつけろと。
手当てできる設備があるとはいえ、怪我は控えた方がいい。
ん、元気そうだね。
[しっかりとした様子にニコっと笑って。
…まだちょっと目元真っ赤だったりしたけれども。]
えーと…
わたしたちは、みんな…起きちゃった患者みたい。
全部で17人くらいだとおもう。
ここの建物、茨に埋まっちゃってて外に出られないの。
お医者さんたちとか居ないし…
あとね、さっきゼルギウスって人が、クスリ打ったからねって通信してきた。
…その人、誰だか知らない?
[なんだか偉そうな人だし、と思って聞いてみる。]
[>>514エーリッヒの声が聞こえた時には既に扉のところまできていて、振り返ったところで頷き――薬品庫から聞こえた音に、びくりと肩を震わせた]
何の、音?
何か、落としたのかな。
[エーリッヒが見に行くのを足音と声でわかると、そのまま大広間の方へと身体を向けた]
―― 大広間 ――
[金髪の男に近づきながら、どこかで見た顔だと思う]
はじめまして。私は、オトフリート・フェヒナー。
ここに来る直前まで小学校教員をしていました。
それから、現状は――
[どう説明しようか、と少し悩んで口ごもる。
そうしているうちに、ゲルダやアーベル、ベアトリーチェがやってくるのが見えた]
ああ、違ったら申し訳ありません。
あなたは、もしかしてエールラー議員ではありませんか。
[彼女たちに会釈をしながら新聞やニュースで、見た記憶がよみがえる]
嗚呼、写真家――ですか。
アーベルさんの写真集、見たことがあります。
[写真家の青年とは行く先が真反対。
交差するときに、頷いて]
貴方の写真、好きだと思いました。
[空を飛ぶ鳥の写真があったなら、おそらくそれが一番。
向かう先の途中、目覚めたカルメンの姿を緑の眸は捉え]
おはようございます。
[ひとまず挨拶だけは述べた。]
……どうした?
[呆然とした様子>>524。
ただならぬものを感じて、瞬いた後、異変に気づいて眉を寄せ]
……大丈夫、とは。
聞くだけ無為、か。
取りあえず、縛っておく方がいいか?
[もう一つ、息を吐いてからこう問いかける]
[大広間へ来ると、声を頼りに歩いていく]
新しく起きた人なの?
こんにちは。おはようかしら。
[途中で足を止めて、相手の声を待った。
オトフリートやゲルダの声も聞こえると、ほっとしたように笑む]
ダーヴィッド。
この服を…ベアトリーチェに。 [それはピンクの子供服]
…
[は、と息を吐いた。足が重い。
赤い服を抱きしめたまま顔を上げて]
ブリジット…
私の事は構わないから
2人で先に――。
−大広間〜医務室−
[ベアトリーチェを追いかけて]
[そのまま大広間へと顔を出す]
[声の主はあの零れるような金の男]
───元気そう。おもったより。
[あれだけ声を張り上げられるなら]
[大丈夫だろう、きっと]
[そこに以前笑っていた人もいて]
[そちらのほうにも視線を向けた]
…えぇ。
[「これ以外を――知らない。」
彼女と近い位置にいながら言葉を交わす事が少なかった理由。
それはどこか似ていると本能的に悟ったからかもしれない。]
…解るわ。
[『ノーラ。――貴方は、星詠みになるために、生まれてきたのよ。』]
[それ以外を、知らない。]
……………………………
……………………………
……………………………
………………………ぐう。
[寝息が廊下に響く。
考えすぎて寝てしまったようだ]
[咳が納まってくると、何故だかもう一つ寝息が聞こえます。
なんとなく予期しながらそちらを見ます。]
……
[呆れたような溜息が、零れた。]
[後ろから聞こえたアーベルの声に]
アーベルさんは知ってる人なのね。
[とだけ声をかける]
ずっと、安置所にいたのかしら。
ツヴァイさんとブリジットさんは知ってたのかな?
カプセルを叩いて確かめてたし。
オトフリート。
[彼の名乗りは、確かに患者だと言う事を示す。]
嗚呼、確かに、私は、ヘルムート・エールラー。
おそらく、一番最後に──、
コールドスリープの対象に選ばれた者です。
[おそらく、正当な抽選の結果では無く、誰かの席を奪い取る形で。エールラーの名、二世議員であるヘルムートの顔はある程度ニュースを見る者なら誰でも認識しているだろうから、敢えてそれ以上の言葉を添えず。小学校教師だと言う男性が現状説明に惑う様子を見守っているうち、ゲルダが口を開いた。]
有り難う、お嬢さん。
17人程度、20には満たない数か……。
ここまで茨に覆われた場所は見た事が無い、確かに。
[冷凍装置のある部屋の荒廃した様子からすれば、随分多くの者が生きて動いている、と言った認識を持つ。サファイアブルーに煌めく瞳を細め、ゲルダを見下ろした。話の続きに首を傾ける。]
ゼルギウス。
クスリ……。
[首を横に振った。]
残念ながら、心当たりが無い。
私達が冷凍装置に横たわってから、100年以上経過していると仮定すると、まったく未知の人間が此処を管理している可能性が高そうに思う。
>>529
[ブリジットから手渡されたジャケットはありがたく受け取った。]
>>536
ああ、これか。了解。助かる。
[ノーラからピンクの子供服を受け取った。
と同時に、ノーラの顔色があまりよくないのを見て、神妙な顔になった。]
写眞集───どれだろ。
[何冊か出した覚えがある]
[古いものならある特定の人物を中心としたもの]
[二十歳を過ぎてからのものなら特定の風景ごとに]
ありがと。
[飛ぶ鳥の姿も空の写真集の中にある]
[舞いあがろうとする鷲]
[軌跡を描く中天の鳶]
[早暁の鴉、水辺の翡翠、雪原の白鳥群]
[中には海中の勇猛なペンギンの姿も]
[後ろから聞こえた女の声]
[視線を向けた]
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