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そうですか。それは助かります。
[なければ自分がいくつもりであった。
ちなみに内心ではさっちゃんで誰だ。と思っているが、名前的に聡だろう。と勝手にあたりをつけつつ]
あまり多人数でいっても門前払いでしょうからそれでいいですよ
[それにしても、孝博も遅い。と同じように扉のほうを見やり]
西行院というのは、この村をとりしきっている大きい家ですよ。
次期党首は晴美という人です…そこにいきつけば、普通に家にいれてもらえると思いますがね
[涼の年齢を知らないからか説明は小難しくなく簡単なもの]
うん…あり、がと…。
史人達が、居て、本当に、良かった。
こんな、私でも、大事だ、って、言って、くれる…。
私も、皆が、大事。
だから、少しずつ、でも、出来る、ことを、していく、つもり。
頼りに、ならない、かも、しれない、けど。
[史人を見上げ、小さく笑みかけた。頼ることが出来る者が居る安堵感に、身体の震えもいつの間にか治まっていた]
[何か考え事をするように、コダマを撫で、ぼんやりと。
蓮実の姿に気付けば、ひらりと手を振り]
…聡も…だが、小百合も遅いな。
道に迷ったりしていないと良いんだが。
[覚めかけたお茶をすする]
…お邪魔します。
[旅籠の軒先、傘を閉じて扉を開いた]
あ…。
[最初に視界に入ったのは涼の姿。
小さく息を飲んで、それからスッと頭を下げた]
うーん、おおきい……
あー、はるちぃちゃんのことかー!
[はっちゃんの言葉に納得!]
じゃあ、はるちぃちゃんに言いにいったんだね、さっちゃん。
門前払いなんてないんじゃないかなぁ
[裕樹に手をひらりと振り替えし]
孝博も…遅いのですよね
[とはいえ、土砂崩れにくわえ、電話が通じないのが一時的なことなのか否かによってはそれこそ陸の孤島となるわけだが]
うーん、なんでみんなおそ――
[ドアがあいた。れーちゃんが入ってくる。
……ちょっとびっくりしちゃった。ぺこんと頭を下げる。
りきっちゃんがいないのが、いきなりつーんってきた。]
はい。そこのことですね。
晴美様にたどり着けばそういうことにはならないと思います
[はるちぃちゃんという呼び名に思わず苦笑するが
もしそれで門税払いになどなれば、この村の先は見えてくる。とも醒めた思考がいっているが。
その中扉が開く音。自然と向ければ先程遅いといっていた者の姿ではなく
声をかけようとしたが、頭を下げる様子。その方向を見て、軽く手を振るに留めた]
[向けられる笑みに、笑みで返して]
焦って一度にやんなくてもいいんだよ。
少しずつで。
それに、頼りになんない、なんて事、ねぇぜ?
……今だって、わりと、助けられてるし、さ。
[冗談めかした言葉に未だ押し隠す本心は、不安定なまま。
それでも、こうしている事で、それは途切れる事無くそこに在り続けられるのだから]
……っと。
灯りがついてる、って事は、みんないるんかね……?
[進む道の先、目に入った旅籠の建物の様子に、小さくこんな呟きをもらして]
[聡と2人、来た道を辿る。自然と早足になっていたかも知れない。
見えてきたのは、先程来たばかりの西行院邸。]
・・・静か、だな。
[扉の前でふと呟きながらも、ベルを鳴らした。]
[雨は折り畳みの傘で回避し。煙草を取りに行ったにしては少し時間が経ってから、ふらりと丘から降りてくる。]
…血の匂い。雨が降ってるのにこんなに匂うなんて。
一体何人血を流してるのかしら?
[周囲に気配がない事を確認し、それでもなお小さく呟く。
口元には皮肉気な笑みが浮かぶも、視線は厳しいものだった。
慣れているとはいえ、血の匂いは色々なものを思い起こさせる。その事に様々な不快感を感じながら、ゆっくりと旅籠へと足を向ける。]
…昨日は…その、ごめん…なさい。
[涼に向けた視線は無意識だったが故に、その謝罪は少しずれたものとなってしまったが。走り去らせてしまうほどだったのは悪いことだったと思ったから、どうにかそう涼に言って]
他の人達は?
孝博さんとか、小百合さんとか…聡、さんとか。
[蓮実と裕樹にも軽く会釈をしながら、中を見回してそう言った]
さて。ということは、だ。
[そう言うと古老どもを無視、はては足蹴にもして奥の部屋へ。]
……。
[障子に手を掛け、わずかに逡巡するものの、意を決して扉を開けると]
……ああ。矢張り、な。
[そこには父親と数人の使用人の死体。
ただ、それを目にして漏れた言葉はどこか冷めた響き。]
うん、少し、ずつ。
琉璃にも、言われたんだ。
謝る、癖を、直すのも、何を、するにも、少しずつ、やれば、良い、って。
……私、今、助けてる、の?
[不思議そうに史人を見上げる。その真意は分からず、詳しい返答ももらえないだろうか]
灯り…人は、居るって、ことだね。
皆、居ると、良いけど。
[史人の言葉で視線を進行方向へと。言われた通りに旅籠には灯りがついている。気は急くが、自分が歩いているわけではないために、視線は再び史人へと]
ええ。様です。
偉い人ですから…とはいえ涼さんがそういう必要はありませんよ。
私の場合は昔からの癖のようなものですから。
[と説明。
そしてはるちぃちゃんと呼ばれたときの姿を見てみたい気がするとか]
孝博も?
こういう時に、携帯電話の有難みを思い知らされるな。
どうにも不便に思えて仕方な――…。
[扉の開く音に、声を途切れさせて視線を向ける]
や、玲ちゃん。
今日はまた、随分変わった格好だね。
う、ん。
だいじょうぶ。
わたしも、ごめん、ね。
[だいじょうぶ、だいじょうぶ。れーちゃんの言葉に、頷く。
りきっちゃんもいるし、]
たかちゃんも、おねーちゃんも、さっちゃんも、そと、だよ。
[でも今はいないから、おかしく思われる前に、お茶をぐいって飲む。うん、…だいじょうぶ。]
…ふぇー。
[はっちゃんを見るときは、ちょっと落ち着いた。ほっとする。ちょっとだけど。]
なんてよんでもいいって、はるちぃちゃんが言ったんだよ。
[響くベルに緩慢に振り向くと]
……これをやった殺人者がご丁寧にベルを鳴らす、というのはあり得ん話、か。
[そう呟くと、玄関へ向かい、扉を開ける。
血の池を横断した影響でズボンの裾は紅く染まっているか。]
小百合さんは外。らしいです。
孝博と聡は西行院家に連絡に行っていますよ
琉璃さんとは榛名さんを家に送った後わかれました
[玲の問いに己が説明できることのみ説明し]
不便は不便ですよね…まあこういう村ですから。趣はありますけどね
[と裕樹に微苦笑のようなものを浮かべ言う]
そうですか。ならいいんですよ。呼びたいようにで。
それほど狭量でもないですから
[涼のほっとした様子には気づくわけでもないが、柔和に述べた]
ん、それがいい、少しずつで。
[静かに繰り返して。見上げる視線と、疑問の声には、微かな苦笑]
ああ。
こうやって……生きて、ここにいてくれる事で。
救われてる、かなり。
[消え入りそうな呟きは、雨音にかき消されたか、それともぎりぎりで届いたか。
いずれにしろ、瞬間の陰りは、すぐに掻き消え]
いると信じて、急ぐとすっか!
[早口の言葉とともに、足を速めて旅籠の前へと向かい]
あ、やべ。
おーい、誰か、いるかあ? いたら、開けてくれっ!
[現状、両手が塞がっているので戸が開けられないと今更気づいて声を上げる。
榛名を下ろして開ける、という発想は、何故か抜けているらしい]
孝博は分からないが。
小百合さんは、落し物を探しに行っていて。
聡には、西行院家に伝言を頼んだんだ。
村と外を繋ぐ、一本道に崖崩れが起きた、とね。
[ふうっ、とわざとらしく溜息]
ま、俺は玲ちゃんの細工を見せてもらうまで帰る気はなかったから問題はないんだけど。
ここの電話も故障しててさ。色々変な感じなんだ。
変わって…いますね。やっぱり。
ちょっと必要があって。
[裕樹には苦笑を返す。仕来りを知らなければ通じないであろう、この時期の白姿。さてどう言えばいいものかと少し悩んで]
外…?
[眉が寄る。それは疑い半分、心配半分の心]
…いいえ、戻ってくるでしょうね。
でなければ探すまでもなく、ということ。
[呟きは不安で思ったより大きいものになって。
慌てて口元を押さえた]
ッ晴、
[開いた扉から見えた姿、その名前を呼ぶ前に、
臭い故か色故か、片手で口許を覆った。]
な、
・・・・此処も?
[視線を逸らせば、塊が一つ。
つい先程、傘をくれた使用人が転がっていた。]
[生きていることで。その呟きは耳に届き、聞いて視線を少し落とした。
史人も、身近な者を失った。自分も肉親を失った。何を示すかはすぐに理解出来た。何も言わず、同意するように小さく頷いた。
急ぐと言う言葉に再び頷き、旅籠の前へと着く。開けてくれと中へ叫ぶ史人を見上げ]
私、下ろせば、良いんじゃ…。
[至極真っ当な突込みを入れた]
風情があるのは認める。
俺も、そういう村だから来た訳だしな。
でもさっき電話を借りたときに、黒電話だった瞬間に、時代とのギャップに驚きはしたよ。
留守電とか、入らないんだろう…あれは。
[何か、違和感を感じて、少し首を傾げた後]
蓮実。
ま・た、敬語に戻ってる。
[ちょっと睨んでおいた]
ああ、連絡に。
それなら大丈夫ですね。
だとしたら晴美さんと一緒に来られる、かな。
[裕樹の言葉に軽く頷いて。まっさきに疑いがその人に向いてしまうのは、流石にどうしようもない]
電話も途切れています、か。
ええ。
…全部が。
……落ち着いたら。
[細工を見せる、には少しだけ遠い微笑を浮かべて。
外から響いた声に驚いて振り返り、扉を開けようとした]
[閉じられた扉の先に視線を投げる。
噂となっていた人物の誰とも異なっていて]
…まあ、誰かあけてやってくれ。
お客さんが増えたし、増えるし、ご主人にお茶を頼んでくるさ。
[告げて、厨房の方へ歩き出す]
―――。
[飽きるまでタバコを吸いだめしておき、数十本を消費してから、やっと利吉が会話に参加しようと、みなの周りに移動した]
宮司の死亡。
崖崩れによる閉鎖。
やれやれ。全くマンガの世界だね。
そうすっと、次の展開は「この中に犯人がいる!」かな?
[冗談交じりに言うが、あまり精彩はない。
―――と。そこで、今まで会ったことのない人物―――玲―――の顔に気がついた]
お……っと?
初めて会う人かな?
俺の名前は九重 利吉。探偵をやってる。
まあ、殺人事件の解決とかは、俺の手に余ると思うがね。
ええ、確かにはるちゃんでは紛らわしいですね。
[ぐっとこぶしを握っていう涼を子供を見るように微笑ましく見ながらも
旅籠の外から声が聞こえたが玲が応対するようで任せつつ]
電話があるだけいいほうです
ない家もありますからね
[時代のギャップについて更に深めさせたが]
癖というのもあるが、村に戻ったのだから仕方ないでしょうが
[思わず反論。怯みながらだけど]
[帰りぎわに、一応村の中を見て歩いた。
予想通りと言ってよいのか。匂いの元には死体、屍、骸。大小いくつもの肉の塊が転がっていた。]
…思ったより多いわね。
まさか村人全員、って事はないだろうけど。
[そう確認し。ようやっと旅籠へとむかう。]
[開いた扉の向こう、兄の両手が塞がっていた理由は]
…うん、まあ、そうね。
でもこの雨の中だし、正解だと思う。
[榛名の的確すぎる指摘に小さく笑いつつ、扉を支えて]
[そこにいたのは孝博とたしか聡とか言った青年。
息を呑み、玄関に転がっていた死体を見る孝博の言葉に]
ああ、どうやらそうらしいな。
此処もと言うことは。そうか、被害は村全域か。
[そう言って目を伏せる。]
玲ちゃん。
[無事な姿に安堵するように微笑んで。しかしすぐにいつもとは違う姿に瞳を瞬かせた]
何で、その、格好…?
[不思議そうにじっと見つめる]
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