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[エーリッヒへと向けている視線は、心配げなまま。
だけれど、ブリジットの言葉に、視線を彼女へと向ける。
うん、と頷いて。
不安そうな様子に、困ったような顔をした]
君のことを信じようかなってね。
思ったんだ。
[そういって、ストールを外す。
外してもすぐには髪が邪魔をして見えないけれど。
そして多分、声はカウンターの方まで届くまいと、小さく落として]
僕がね、死んだら。
鞄の中にレシピとか入ってるんだけど、他はエルにあげておいてほしいんだ。
[言う言葉は、少し躊躇ってから、申し訳なさそうにして]
私のしたいように……。
[クレメンスの言葉を繰り返すように紡いだ。
一緒に過ごす時間が長いと考えまで似てしまうのだろうか。
彼の述べる考えに微かな苦笑を漏らして]
おにいさまなら誰から見極めようと思ったのかしら。
[ライヒアルトかもしくはナターリエか。
目をかけているエーリッヒかもしれない。
そんなことを思いながら独り言ちる。
誇らしげな微笑みは自然と綻ぶ表情。
女は彼のその表情をみるのが好きだったかもしれない]
─カウンター─
お、おいゼルギウス!!
[無理矢理エーリッヒに薬を飲ませようとするゼルギウスを見て、オレは驚きの声を上げた。
え、おい、これ大丈夫なんか!?]
[だけれどそんなことを言っていると、大きな声。
カウンターへと振り返る。髪も、首の後ろも、気にする余裕がなかった]
エーリッヒ?
[ゼルギウスの行動が見える。
相当具合が悪そうな様子に、思わず、立ち上がった]
─ 二階/自室 ─
[腰に下げていたナイフを、留め金を外し取り出して、光にかざす。
そこには文字が書かれていたが、掠れて所々読めなくなっていた。]
皮肉、だよなぁ。
芽が出ないからって捨ておかれたのに。
捨てられてから巻き込まれんだもんネ。
[くすくすと、笑みが零れた。]
さてと。
自衛団が五月蝿いだろーから誰か殺さないとネ。
誰にしよっかな。
朝一番最初に会った奴、とかでいっかな。
[容疑者として集まった面々の顔を思い出しながら、そんな物騒な事を楽しげに考えていた。]
―二階・廊下―
[二階にあがると妹はヴィリーと話している様子で、
自分はというと、よぎったあれこれに一瞬固まりかけてから足を踏み出す]
どうした?
[問いかけの言葉は短くエーファの隣に並ぶように移動する]
―二階/個室―
ラーイが一緒なら私も安心できる。
ふふ、寂しいのは私の方かもしれないね。
[ライヒアルトにこくりと頷きを返して。
部屋を出ようとする兄の言葉には]
私がしっかりみてるから大丈夫よ、おにいさま
[そんな言葉を掛けて常の笑みを向けた]
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