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[白い指先で千花を撫でつつ、アマンダは一人ごちる。
本当は、気にしたくなんてないけれど。
この町は居心地が良かったから、出て行く気にもなれなくて]
うん、そうだね。
したいように、するしかないかな…
[木を隠すなら森、石を隠すなら土の中。
鍵の書の力ゆえか、影輝の王の力ゆえか、精霊のアマンダには居心地の良かった空間。
出て行きたくないなら、出て行かずに済むように、戻せばいいだけ]
あの子には、悪いけど。
もう少し…眠っていて、もらおうか?
[出来るか否かは、わからない。けれど]
[広場を抜けかけて、千花が小さく鳴く。
その視線の先、時計塔の傍にわだかまる影と白梟に気付き瞬く。
柔らかな羽で助け手は拒まれたから、邪魔することなく微笑んで]
おやすみ、オト。いい夜と、いい夢を。
[小さな囁きだけ残して、ゆっくりと家路を辿る]
[青みがかった月は、アマンダの願いを叶える気があるのかないのか。ただ静かに全てを、*見守っていた*]
[ゆっくり、目を開く。
今の自分の状況が掴めず、暫く薄く目を開いたまま動かずに周りを見回す。
体が痛い。]
…寝て、しまった。
[ようやく状況を飲み込むと、ゆっくりとソファから体を起こした。
まだ、夜も深いようだ。]
[鳥の鳴き声で、目が覚めた。
夢も見ずに寝たようだ。さっぱりとした目覚め。
少し、背中が疼いた。]
…くぁ…
[大きなあくびをひとつすると、熱いシャワーでサッパリする。
手早く着替えて階下に降り、サンドイッチとコーヒーで朝食を済ませると北東の墓場近くの自宅へと足を向けた。]
[朝の冷たい空気が肌に気持ち良い。
せわしなく通りを歩く行商人や学校へ行く子供達、屋根の上を歩く猫や二階から洗濯物を干すおばさん。
ふと視線を上げると、そんな光景が目に入った。]
「おはよう」
[自宅に入ると、爺がいつも通り挨拶をする。
その奥から、たくさんの笑い声が聞こえてきた。
…きっと、息子とその仲間達だろう。
その笑い声は、墓場の隣にあるこのランプ屋にはとても不似合いに思えた。]
…おはようございます。
[彼女は爺に挨拶をすると、棚の上のランプをひとつひとつ丁寧に拭く。]
[ランプを拭き終えると、裏手の大きな油瓶の、上の透き通った部分を小さな壷に移す。
その後、背負う用の大きな瓶に油をたっぷり移して背負い、壷は手に持って町へと向かった。]
「…遺跡へ………鍵が……」
[家を出る背中に、奥から声が聞こえた。
やはり冒険者達なのかな、と思いながらも、話かける事もせずに自宅を後にした。]
−北の工房−
[朝。ベットから身を起こし、上着を羽織りかけて。
薄くヒビの入った腕へと応急処置に包帯を巻き、階下に降りる。
精霊であるアマンダに睡眠は必要ない。
けれども、アマンダはその本質ゆえか、眠るのが好きだった]
…おはよう。
[階下に降り、時間をかけて十分に冷まされた玉を取り出し、柔らかい布で拭く。
現れる焔と火花、青い稲妻を、光に透かし目を細める]
きれいだよ、愛しい子。
だけど、もしも…気に入られなかったら。
私の所に、還っておいで?
[アマンダは玉に優しく語りかけ、飴色の布に包み、懐へと仕舞う。
蘇った玉を渡し、それから腕は直すつもりだった]
-町-
[街灯ひとつひとつに、油を足して行く。
町の門の所で大きめの街灯に油を足していると、警備員から呼び止められた。]
「ランプ屋の姉ちゃん、遺跡の方にも行ってくれないか」
…遺跡?
「どんどん人が増えててさ、色々危ないから自警団が増えたんだよ。
夜の為に灯りを増やしたんで、油足しに行って欲しい」
…終わったら、いく。
「頼んだよ」
[頷いて、返事をした。]
[そのまま街灯をめぐりつつ、アマンダの工房へと向かった。
ゆっくりとした足取りで、ひとつの漏れも無く街灯をめぐる。
ここ暫くは人の増えと比例して街灯がついている時間が長く、油の減りが早かった]
−北通り−
[暖かな日差し、大気には濃い花の香りが漂う]
…後で、見に行こうか。
そろそろ、見頃だろうし。
「チッ」
[町一番の桜の木を想い、千花に微笑む。
アマンダが一番好きなのは、散り際の大地へ降り注ぎ還り行く様。
けれど、今を盛りと咲き誇る姿も、生命の息吹が感じられて美しい]
[そんな事を思いながら、服の上から玉を撫でる。
この子も、美しいと言って貰えるだろうか。
賑やかを越えて、騒がしい遺跡付近とは真逆へと、のんびり歩いた]
[アマンダの工房にたどり着くと、いつも通り外に出されているきっちり空になった油壷に、壷に入れてきた透き通った上澄みを足した。]
…今日のは、良い。
[ひとりごとを呟いて、きっちりと蓋をした。]
[油を持ってきてくれたイレーネに、歩み寄って声を掛ける]
おつかれさま、精が出るね。
[壷を戻すイレーネの呟きに、嬉しそうに微笑む]
そう、イレーネが言うなら、上物だね。
次の玉は、透明にしようかな。
[すっかり次の構想に夢中で、腕の事は忘れてしまいそうだ]
[嬉しそうなアマンダの顔を見て、少しだけ口の端を僅かに上げる。と、ふと気がついて]
…腕。何か…?
[アマンダの腕あたりに、違和感を感じた。]
−朝/ベアトリーチェの部屋−
[あおいそらの遠くには金の薔薇が咲いており、柔かに降り注ぐ日ざしは、ベッドの上に座り込んだベアトリーチェの横がおを照らします。けれども前髪に隠れてしまって、その眼の輝きを窺うことは出来ません。
小さなてのひらの上に乗せられた輪はへんに捻れていて、裏も表も、そして果てもありません。それが無限を意味しており、時空の属性を象徴するものであるとベアトリーチェは知りませんでしたが、触れていると、ほっとするような、ざわりとするような、不思議な感じがするのでした。]
【悠久なる領域を司りし力よ。
無限の輪より解き放たれて、此の世界に出でよ。
そして、愛し児のうちに――天の子のうちに、還り給え。】
[零れた声はすきとおっていて、まるでベアトリーチェのものではないようでした。
お日さまよりも眩ゆい光が輪の中から溢れ出して、昨日の夜のようにあたりを包んだかと思うと、小さなからだへと吸い込まれてゆきます。ふわり金糸が揺れて、顔があらわになると、眼が閉じられているのがわかりました。]
[光が消え、神の御子はゆっくりと眼を開きます。ほんの少しだけ、気をつけて見なければわからない程度に淡くなっていた髪のいろが、眼のいろが、肌のいろが、元のとおりのいろを取り戻していました。]
……お早う。
[宙に眼を向けながら、ベアトリーチェは微笑って、朝の挨拶をします。]
うん、 。
きっと、それがいいのだろうね。
[ひとりごとのように云って、首から提げていた指環をきゅっと握りしめます。
そしてベッドから下りて朝の仕度を済ませると、扉を大きく開いてぱたぱたとお父さんとお母さんのもとに向いました。朝ごはんを食べたあとには、いつものとおり、教会へと*駈けてゆくのでしょう。*]
[イレーネが微笑むのにも気付かずに、扉を開けて壷を中に仕舞う。
冒険者と言う名のごろつきに、せっかくの油を零されては敵わない]
ん? ああ…大丈夫だよ。
明日には、直るから。
[怪訝そうなイレーネの視線と声に、さすがは生命の愛しい子だなと感心しながら笑う。
けれど、アマンダは上手く説明できないし、する気もない]
お仕事の邪魔して、ゴメンね?
御代はまた後で、宿に届けるよ。
[上着の袖の下、微かに見える包帯の手を振って、踵を返そうと]
―昨夜・Kirschbaum―
[カウンターの隅から、一連の騒動を黙って眺めて居たが、やがてオトフリートが立ち去り幾つかの談笑が戻って
子供がするように、アイスティーに浮かんでいた氷を口へ含んだ。注文してから長く経って居たが、グラスの中の氷に溶けた様子は無く、運ばれたときの角を残したままだった。]
[短い挨拶を交わし、空になったグラスの横へ代金分の小さな銀貨を置いて店を出た。]
[少女の放った、強い天聖の力。
この街へ来てから何度か聞いた神童、という言葉とこの日の朝感じた強い天聖の気配とが、ベアトリーチェへ繋がった。]
[袖から包帯が見え、その白さに暫し目を奪われる。
そっと指を伸ばそうとしたが、アマンダが早口に話した事や肩がもう後ろを向こうとしている所を見て、]
…邪魔、じゃない。
気を、つけて。
[伸ばそうとした手を胸元に引き寄せ、そっと手を振った。]
―昨夜・広場、時計の下―
[夜は静まりかえっていた。大時計の、歯車が軋みあう律動までもが消えたように。]
ティル、ベアトリーチェ=ブルーメンガルテン、そしてお前。私もおまえたちの事など何を解るでも無いが……給仕が訳も分からず呆けていたな。
[遠巻きに眺めた蹲る姿に、寄り添う白梟が夜闇の中、さえざえと映える。]
[舌の上に残っていた氷欠を、噛み砕いた。]
[咎めるように、淡々と抑揚無く。]
[アマンダは、イレーネの伸ばされかけて戻された手に気付かない。
けれど、その言葉はちゃんと耳に届く]
そっか、うん。それなら、よかった。
またね?
[顔だけ振り向いて、小さく振られる手に笑う。
千花も円らな目でイレーネを見つめ、小さく鳴いた]
−→Kirschbaum−
―朝/Kirschbaum2F 東の部屋―
[ベッドの上に日が刺した。
白い肌はそれに照らされ、色素の薄い睫毛がかすかに震えた。
開かれたのはあおの瞳。
昨夜、意識を失うように眠ってしまったからか、今もだるそうに右を向く。
そうして服が破れたのを思い出した。]
着替えないと。
[ゆっくりと起き上がり、服を脱ぎすてる。
今まで長い袖に隠れていた右の腕は、枯れ木のように細く、乾いて、固くなっていた]
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