情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新
4人目、未亡人 ノーラ がやってきました。
[今は世界一不幸なんじゃないかって思ってしまう。
あの人がこの世を去って1年。
私はその事実を私は受け止めきれないでいた。
だって、突然すぎた。
――隣り村に出掛けた帰りに事故に遭うなんて。
朝に、急いで帰ってくるよって言って出て行ったきり、貴方は帰らぬ人になってしまった。
知っていたならきっと止めていた。
――だけど、そんな事、想像出来る筈がない。
沢山泣いた。
生活が儘ならなくなって、沢山迷惑をかけた。
そろそろ気持ちの整理を付けないといけないのに
今も私は皆の厚意に甘えている。*]
―民家―
[椅子に座る女が一人。
窓際で針仕事をしていた。
端の方に春の花を刺繍したハンカチだ。
正面にある机の上には布地や糸が入ったバスケットが置かれている。
向かいには椅子がもう一つ。
座っていた人はもういない。
黙々と作業をしている間、雪の降った所為もあって家の中で立つ音はごく少ない。
誰かの近付いてくる足音がして。
その次に訪いを知らせる扉を叩く音が数回鳴り]
…はい。
[女はハンカチと針を机の上に置いてから扉を開けにゆく。]
私が…?
[女は怪訝そうに眉を顰める。
それは自衛団による呼び出しだった。
団長からの指名で、川向こうの教会へ来るように、と。
何の用で呼び出されたのか、女には全く心当たりはなかったが]
…分かった。
片付けを済ませたらすぐに向かうわ。
[女はそう言って自衛団を見送った。*]
―宿泊施設・広間―
[寒空の下。
女は臙脂色の防寒具を羽織り、宿泊施設へと向かう。
教会には足を運ぶが、集合する場所として教えられた場所に泊る事はない。]
あの、こんにちは。
[宿泊施設へと顔を出すと、其処にいたのはシスターだったろうか。
何かの集会かと思いきや、そうでもなさそうで。
入室した後も、部屋の中を見回して所在なさげに立っている。**]
[そんな女については、役場の住民票にこう記されている。**]
────────────
■名前:ノーラ・クライネルト Nora Kleinert
■年齢:21歳
■職業:未亡人
■経歴:村で生まれ育った。
1年前に農夫だった夫を亡くし、今は畑の仕事を近所の人々に手伝って貰いながら何とか生計を立てている。
死んだ夫は2歳年上の幼馴染。4年前に結婚。
────────────
5人目、職人見習い ユリアン がやってきました。
―― 工房 ――
[コツ コツと木材を削る音だけが響く。
息を吹きかけ木屑を払い、軽く布で拭いて
そうして傍らに置いてあった椅子に出来たばかりの脚を据える。]
こんなもん、かなぁ。
がたつきはないし、後はじーさんがいいと言うかどうか、ってか。
[コト、と静かに椅子を置いて工具を片付ける。
本格的に雪が積もる前に、と持ち込まれる家具や家屋の修繕。
これで今任されている仕事は終わりで、じーさん、もとい師匠は外出中。
となれば、工房を離れ母屋で休んでもいいはずだ。
暖炉が一応あるとはいえ、工房は寒い。
木を扱う為にあまり大きな火を熾せないから。]
[村で唯一の大工兼家具職人である師匠に弟子入りして6年。
いまだに半人前扱いだが、任される仕事も少しずつ増えてきた。
修繕だけではなく、新品の家具を任される事も。
父親は猟師だったらしいが幼い頃に死んで顔も覚えていない。
母親は他所の村から嫁いで来て、父親が亡くなって二年後に子供を置いて村を出て行った。
その子供を引き取って育てたのが今の師匠夫婦で
弟子入りはその恩返しと言う気持ちもあった。
他に行き場所もなかった、と言うのが本音だけれど。]
うわ、さっむいなぁ。
[暖炉の火の始末をして外に出て思わず呟く。
また雪が降るのかもしれないと空を見て思う。
そうして戸締りをしていると、こちらに向かってくる人の姿が見えた。]
あれ? 自衛団の?
仕事なら、今師匠いないんで後でまた来てもらえます?
[弟子が勝手に仕事を請けるわけにもいかないとそう告げると
自衛団の男は青年に用があるのだと答えた。]
え、俺にって?
ギュンじーさん……じゃねえ、団長さんの呼び出し?
何でまた?
[聞いてはみるものの、男は詳しい事は聞いておらず
人が集まればそのときに団長が話すだろうと言った。]
ふーん、まあいいけどさ。
今すぐじゃないとダメかい? わかった。
仕度してなるべく早く行くようにする。
[そう伝えると自衛団の男は去って行った。]
[母屋に戻り、居間へと顔を出す。]
あ、婆ちゃん。
なんかギュンターさんが俺に用があるとかで、川向こうの教会に呼び出されてさ。
だからちょっと留守にするって、師匠に言っといてくれる?
[師匠の奥さん、婆ちゃんと慕う人にそう声をかける。
何故かと聞かれたがわからないと答え自室に向かった。
作業で汚れている服を着替え、いつも出歩くときに持ち歩く肩掛け鞄を持つ。
外套を羽織って玄関に向かうと、婆ちゃんが焼き菓子の入った籠を青年に渡した。]
シスターに? ん、わかった渡しとく。
それじゃ、行ってくる。 話が終わり次第戻ってくるよ。
[そう言って外に出て、なるべく急いで教会へと向かった。]
―― 宿泊施設・広間 ――
[指定されたのは教会の隣の宿泊施設。
集会場としても使われているからなんら不思議に思うこともなく。]
こんにちはー。
団長さんに呼ばれて来たんだけど……
[中にいるのはシスターと管理人>>26、3年前から村にいついている青年>>34と
そうして、所在無げに佇む見知った女性が一人。>>31]
どういう集まりなの、これ。
[思わずぽつりと零したが、自分が言われたように皆も言われているならきっと理由はわからないのだろう。]
あ、そうだシスター、これ、うちの婆ちゃんから。
[そう言って焼き菓子の入った籠を渡す。
そうして、お茶を一杯頼んで近くの椅子に腰を下ろした。
この青年について、村役場ではこう記録されている。**]
────────────
■名前:ユリアン・バーゼルト Julian Baselt
■年齢:22歳
■職業:木工職人見習い
■経歴:村の出身。
両親はなく、幼い頃に村の大工兼家具職人の師匠に引き取られて育った。
その恩を返すべく職人見習いとして修行中。
────────────
─ 宿泊施設・広間 ─
[管理人と言葉を交わしながら紅茶を楽しみ、クッキーを口にして。
一通り楽しんだ後は持って来ていたレース編みを続けていた。
その手が止まったのは、新たな来訪者>>31と働き者>>34が戻って来た時]
こんにちは、ノーラさん。
寒かったでしょう、暖炉の前にどうぞ。
[椅子から立ち上がり、暖炉の前を陣取っていた白猫を拾い上げる。
白猫は不満げに、にゃあ、と鳴いたが、大人しくナターリエの腕の中に収まっていた]
アーベルさんもお帰りなさい。
[管理人へ呼びかけるアーベルにも声をかける]
[次いで現れたのは大工作業や家具製作を行う職人の見習い>>40。
紡がれた疑問は誰しも思うものらしい。
白猫を床へと下ろしていると、ユリアンから籠を差し出された>>41]
いつもありがとうございます。
[彼の育ての親からの差し入れと聞き、微笑んで籠を受け取る。
籠からふわりと焼き菓子の香りが零れた]
良い香り。
折角ですし、皆さんで頂きましょうか。
[一人で食べるのも勿体無い、と。
籠を広間のテーブルに置き、皿を持って来て取り分け始めた*]
村の設定が変更されました。
―― 宿泊施設・広間 ――
[指定された広間にいたのは4人。
管理人とシスターとアーベルは元々ここに住んでいるからいても不思議ではないけれど]
やっぱり、呼ばれた口って事だよ、ね?
[などと一応確認してしまう。
でなければ、シスターがここでレース編みをしていないだろうから。
そのシスターが先客の一人に声を掛けたのは、青年が顔を出すほんの少し前。>>42
先客…ノーラは席についていたか、それともまだそこに佇んでいたか。
彼女が呼ばれていた事は少し意外だったけれど、ギュンターが来ればわかるだろうと今は聞かない事にして
焼き菓子の籠をシスターに渡して、皆でと言う言葉に笑って同意する。>>43]
婆ちゃん、いつも多めに寄越すからさ
遠慮しないで食べても大丈夫だと思うよ。
[なんて言いながら自分でも皿を受け取って、ひょいと摘んで口に運ぶ。
先に手をつければ後の人も手を出しやすいかな、なんて考えて。
ちろりと指先を舐めながらノーラの方を見る。
一つ下のノーラと一つ上の彼女の旦那
自分も含めて年が近かったから、彼女たちの馴れ初めもよく知っていた。
結婚するというのもとても自然に思えて、誰からも祝福される二人だった。
「ユリアンも早くいい人を見つけろよ」なんて、笑っていたあの人はもういない。
早く元気になって欲しいけれど、こればかりは
「時間だけが解決してくれる物ですよ」と婆ちゃんが言うから
こうしてお菓子を勧めるくらいしか出来る事がない。]
にしてもさ
人のこと呼んでおいて団長さんはまだ来てないの?
早くしないと、ほら、また雪が降ってきそうじゃん。
[窓の外はさっきまでよりも雲が厚く重く見えて
雪が降る中帰るのは嫌だな、なんて思いながら
残っていたお茶を飲み干した。*]
─ 宿泊施設・広間 ─
はい、集まるように、と。
[ユリアンの問いかけ>>44に是を返し、盛り付けを終えた焼き菓子を皆の下へと運ぶ。
ノーラからの申し出>>50が聞こえれば、皿は手分けして運ばれることに。
受け取ったユリアンは早速焼き菓子を口にしていた>>45。
彼の言葉から、気遣ってのことだというのは窺える。
ナターリエもまた自分の分を手に、レース編み一式を置いた椅子へと戻った。
自分にも寄越せ、と擦り寄ってきた白猫には、サツマイモで出来た間食用の餌を与えておく]
[団長の不在や天気のことが耳に入ると、自然と視線は窓へと向かう]
折角アーベルさんが雪を片付けてくださいましたのに。
[広がる曇天に気付いて零すのはそんな話]
自分が仰ったことを反故にする方ではありませんから。
間も無くいらっしゃるのだと思いますよ。
[団長が何を思って召集をかけたかは知らないが、真面目な方だから、と。
窓の外を窺いながら取り分けた焼き菓子を口にする。
口に広がる仄かな甘さに口元を緩めた*]
[ノーラ>>48に声を向けられた白猫は、返事をするように、にゃあ、と鳴く。
仕方ないなぁ、と言うように尾を揺らし、ナターリエに運ばれ暖炉から離れて行ったのだった]
[おやつを貰った白猫は、それを平らげると大きく伸びをして、その場にいる者達を観察するように見上げていた*]
6人目、宿屋手伝い ゲルダ がやってきました。
― 教会前 ―
[綺麗に雪かきのされた道を歩く影が一つ。
教会の前で一度足を止め、ステンドグラスを見上げた。
薄く開く唇から白い息が漏れる。
それから視線を下ろし、宿泊施設の方へ再び歩き出す]
7人目、学生 リディ がやってきました。
― 民家 ―
えぇ。ちょっと待ってよ。
お婆ちゃんとも久しぶりに会えたんだけど、あたし。
まだまだ話したいことがいっぱい…。
[突然の来訪者から告げられた内容に、彼女は唇を尖らせた]
…そうだけど…うん…。
[それでも、同じく困惑顔の祖母に抱き締められ。余程の事なのだろうと諭されれば、諦めて大きく溜息を吐いて]
ここの冬は長いしね。
分かったよ。いってきます。
[そうして寒空の下を渋々と歩いた彼女は、教会の宿泊施設の扉を叩いた]
― 宿泊施設・広間 ―
[何やら深刻そうな顔の自衛団長に、理由も告げずに呼び出されたのは数刻前の事。
深く問うこともせずに従ったのは、どのみちこの場所に来れば分かるだろうと考えての事だったか。
しかしていざ来てみれば、その空間には年の若い男女数名と、猫が1匹]
なに、お茶会?
[眉根を寄せ不可解そうに呟いた、娘は名をゲルダと言う。]
────────────
■名前:ゲルダ・フーベルトゥス Gerda Hubertus
■年齢:19
■職業:宿屋店員
■経歴:赤子の頃に村の前に置き去りにされていたのを拾われて以降、16を過ぎるまでは教会の世話になっていた。
現在は宿屋を手伝っており、主に部屋の掃除等の裏方作業をしている。
不愛想。
────────────
[役場に収められた彼女の記録は以下の通り]
────────────
■名前:リディ・ウェーバー Liddi Weber
■年齢:17歳
■職業:学生
■経歴:村生まれ村育ち。
父は幼い頃に他界。4年程前に母親の都合で引っ越した。
村には祖母が残っている。
────────────
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新