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あんまり酷い嵐にならないといいけど…。
[嵐になると言う夫には、少し困ったように見上げて。]
クロエちゃん、家に戻ってるかしら。
急に降り出したから、小屋のほうのままなんてことにならなければいいけど。
[湖の近くであれば、そこも荒れるかもしれないと。
彼女の事を心配そうに今は思った。
その思考は、一時幼馴染の声で中断はされる。]
ライ、いらっしゃい。タイミング悪い時に来ちゃったね。
[幼馴染の訪問に、一旦は嬉しそうな顔を見せたものの。
外の様子を思えば、やや困ったような視線を彼に投げたのだった。]
うん、さっき終わった所。
[商談の話をされれば、>>7立ち上がる前に、代金は受け取っており。
雨宿りの旨は、どうぞ遠慮なくと笑顔で承諾を返した少し前の事を思った。]
―工房『Horai』/客室―
[カルメンの挨拶にゆると目を伏せる]
ごきげんよう。
人形作家殿。
――…そろそろ名を覚えては頂けませんか?
[肩書きで呼ばれた事に苦く笑うのは
彼女が村に来てもう三年も経つから]
…そうだね、こんなこと聞かれても困っちゃうね。
今度、君の足に飼い主さんへのお礼のお手紙でも括らせてもらおうかな。
[困ったように首をかしげてみせる蒼鷹に苦笑してこちらも首を傾げ。
怯える自分を励ますような仕草や鳴き声には、青褪めながらも大丈夫だよと微笑んでみせた。]
…でも、今日は。
ちょっと、いつもより荒れがひど…きゃあ!!
[また雷鳴が轟いた。地を揺るわせるようなそれに、叫んで目を瞑り蒼鷹にしがみつくように抱きついた。]
―――――は、は…っ、驚いた……!
幾ら夏場は天候が安定しないからって、
いきなり嵐になる事無いじゃない
[二度目の吃驚に心臓が飛び出しそうになる。足元が縺れかかりそうになると肩を抱きとめられ半ば寄りかかるように凭れ]
ユリアン――――あ、りがと…?
本当、吃驚したよ… あんまり大嵐だとお店が倒壊しかねないや
[助平と想う間も無く、ふらつきが収まる頃合いを見計らい手を借りた。その間指摘するまで肩に手が添えられていると、何故だかくすぐったい気がして。娘は二度三度瞬き暫しの間ユリアンの手指を見つめていた。]
ン――――… いいよ
助かったのだよ、有難う
[転びでもすればまた傷を増やす所だったかもしれない。想うところは有るものの先ずは礼を述べた。]
ごめん、商談の途中だったね…僕のお肌は高いのだから、
君が下心で触れるとすってんてん、間違い無しさ
[そう冗談めかして瑠璃細工の値切りには少し考えたのちに、]
…ふむ、絹織物が此処で売れるか如何か解らないけれど、
担保として貸し付けるのは十分にありだね。
[スカーフを見せてもらうと手触りの好さそうな素材と意匠に、
ほう、と嘆息を漏らす。銀を織り込んだ其れは間違えるまでも無く
高価な物と知れる。]
―宿屋―
あぁ、出ることはできないかもしれないけど、なんかが来る心配もないんじゃないか?
[去り際にけらけらっと笑いながら冗談めかしてそんなこと言ってから、
風呂を沸かしながら]
まぁ、このままずっとってわけには、いかないよな…
[小さく呟いて、ため息の変わりに一息釜に噴いた]
―工房『Horai』/客室―
[身を引き寄せて、流石にそのままとはいかずとも、手を握られ傍にイレーネがあることでやっと本当に安堵したという表情を見せる。]
だって、奥さんは大事なのだもの。
[遅れてやってきたライヒアルトの言葉に、少し拗ねたように唇を尖らすも]
……ん。でも、皆、止まってくれてて良かった。
帰してしたら、ずっと無事かなってやきもきしてたと思うから。
嵐が過ぎるまで、狭い我が家だけど、好きにしていいからね?
[すぐに子どものような笑みを浮かべて、そう告げた。]
紅茶好きな人は多いから喜ばれるはずだよ
ライヒ君なんかは飛びつくかもしれないね
[瓶の中の茶葉はさらさらと白砂のように細かく香り豊かな物。
仕入れるとの言葉に何度も頷き、そうしてほしいと云わんばかり。]
好いなあ…何処の地方で作られたのだろう
[村を出たことのない娘は外の世界に想いを馳せる。こうして品を手に取り、村には無い地方独特の形に触れるこの時期は忙しくも大変有意義なものでもある。ユリアンが持ってきた品々をそれぞれ見つめ、愉しげに瞳を猫のように細めた。]
―工房『Horai』/客室―
濡れなかった事を考えればタイミングが良かったかな。
まぁ、直ぐには帰り辛くなっちまったけど。
[幼馴染たるイレーネに向けるのは仄かに優しい笑み]
そうか。
……なら、直接渡すとしよう。
[商談が済んでいないのであれば待つ気であったが
終わったと聞けば遠慮はしないようで
腰の布袋からジャムの小瓶を取り出しイレーネへと差し出す]
ローズヒップのジャムだ。
お前さんとおなかの子の為になるはずだから
ゼルギウスに紅茶でもいれさせて溶かして飲むと良い。
─工房『Horai』客室─
……あら、ごめんなさい。
[ライヒアルトの苦い笑いに一度瞬きをし。
ややあって口許に手が行き、同じような表情が女の顔にも浮かんだ]
つい癖で、ね。
憶えてはいるのよ、ライヒアルトさん。
あ、あぁ、ごめんね?
私まで驚かせちゃったね。
[腕の中で驚いたようにばたばたと羽ばたく蒼鷹を慌てて解放して謝って。
こちらを心配するような仕草を見せる様子には、少し苦笑混じりに微笑んでから、うん…と曖昧に頷いて]
…ほんとは、大丈夫じゃない、けど。
でも、君がいてくれるから。
一人で居る時より、怖くないよ。
[そういって、感謝を伝えるように今度はそっとその羽を労わるように撫でた。]
―宿屋―
アーベル、風呂入れるぞ。
背中流してやろうか?
[風呂を沸かしてから、アーベルを呼びにそんなこと言いながら戻ると、何人かが雨宿りに来ていて]
おや、いらっしゃい。
今タオル用意するから。
[そう言ってタオルを取りに再度その場から離れた]
―雑貨屋―
ここまで酷い雨が来るとは思ってなかった…。
[支えていると結局抱きとめる形になって。
宥めるように肩から腕を撫でていた。
指摘されるまでそれは止まらず]
旋風の通り道に当たってたかな。
あの揺れは流石にドキッとしたね。
[自分の鼓動も早まっていた。
礼を言われてようやく肩から手を離す]
―工房『Horai』客室―
ラピスラズリを?
それは綺麗な人形になりそうね。
[ミハエルの説明に、興味と期待を込めてカルメンを見て。
それから、ライヒアルトから差し出された小瓶を、あいていた手で受け取った。
中身を聞けば、嬉しそうに青い目を細めて中を見て。]
わぁ……嬉しい。
ありがとう、ライ。
[体を気遣っての贈り物に、ふわと少し幼い笑みを浮かべてむけた。
夫に入れさせて、の下りには、笑みは楽しげなものに変わり傍らの夫を見た。]
―工房『Horai』客室―
[夫のストレートな物の言い方は、慣れてはいるが、
人前ではやはり少しだけ困ったような表情を浮かべる。
それでも繋いだ手を離すことはせず、逆にぎゅっと握り返した。]
ああそうだ、ライにも紅茶入れるね。
他にも御代り欲しい人はいるかしら?
[そう一度客間の人らに問いかけてから、台所へ足を向けて。]
折角だから、今使ってもいい?
[一度ライヒアルトに、ビンの中身を振舞ってよいかと尋ねた。]
─宿屋・自室─
[自室のベッドに腰掛け、新たな煙草に火をつける。
ふぅ、と紫煙を吐くと窓の外に視線を移し]
……嵐、か。嫌なお出迎えなこって。
………荒れなきゃいいが、な。
[そう呟くと、膝に乗せた灰皿で煙草を揉み消し、腰を上げる。]
ベッティー。食べるものあるかー?
あと、何か手伝えることあるなら言ってくれていいぞ、と。
[そう言って階下へと*下りていった*。]
―工房『Horai』/客室―
――…ん。
流石にこの雷雨の中帰るのは危険だしな。
雨が止むまでのんびりさせて貰うか。
[吐息零すミハエル>>41に緩く頷く]
意地悪が過ぎたかな。
癖なら仕方ない。
憶えていて呉れて光栄ですよ、カルメン殿。
[僅かに目許を和ませてカルメン>>46に緩く頭を下げるのは
申し訳ない物言いをしたと思ってのことか]
―雑貨屋―
こういう時は仕方ないよ。
んー、それだけの価値があってもいいと思うけど。ここで一文無しになるのは格好悪すぎるなあ。
そもそもお婆ちゃんが許してくれないよ。
[店の奥から様子を覗いていた老婆に笑う。
当然だろうというような反応が返ってきて首を竦めた]
来年はもっと余裕を見てこよう。
こっちの品の代金を引いて、これで。
[そうして今回の仕入れは予定よりずっと早くに一つ終わった]
[蒼鷹が落ち着くまでは、雷鳴が鳴ってもなんとか目を瞑ることで恐怖を耐え。
蒼鷹が大人しく羽をなでさせてくれることが少なからず心の平穏を保たせてくれた。
雷鳴だけでなく雨風も強く、古いながらも湖畔にある為頑丈に作られている小屋ながらいつ中に吹き込んでくるかはわからないから気は緩められなかったものの、蒼鷹と寄り添って空が落ち着くのを*待った。*]
冗談だ冗談。
[雨宿りに来ていた村人たちは相変わらずだなといった様子で見ていたとか。
降りてきたブリジットの言葉と、アーベルの進言のこともあり]
ああ、スープも今あっためるから少し待ってくれ。
それからブリたんは客だからな、気を使わなくて大丈夫だぞ。
そこで座って話でもしながら待っていてくれ。
[そう言って、一度タオルを人数分より少し多めに持ってきた後は、
昼の間に仕込んでおいたスープを温めに奥へと*引っ込んだ*]
―工房『Horai』/客室―
[素直に喜ばれると贈った方も嬉しいらしい。
イレーネの言葉に目を細めた]
如何致しまして。
[紅茶を淹れるという彼女に頷きを向け]
ああ、有り難いな。
丁度咽喉が渇いてたんだ。
[使っても良いかとの問い掛けに]
ん、そりゃ勿論。
あ、でも俺のはストレートで頼むよ。
雨どころじゃないよ、嵐に近いくらい
[今だにユリアンの手が肩に腕に下りていれば、つんっと肩を抱く指を突くだろう。祖母の眼もあってか焦れた様子だと青年に伝えて。]
直撃だとひとたまりもないよ
こんな様子じゃ何処かに避難するのも憚られるし
[品々が所せましと置いてあるだけに、倒壊でもすればひとたまりもない。当然損害も多いだけに其れだけは成らないで欲しいと自然の脅威に願う。]
クロエは大丈夫かな…お洗濯とか、ダメになってないと好いけど
―工房『Horai』/客室―
[窓から内に視線を戻すと、丁度ライヒアルトがイレーネにジャムを渡すところだった。]
わっ。美味しそうだね。佳かったねイレーネ。
[ぎゅっと手を握ってくれる人に、微笑みかける。
ライヒアルトが謂うがまま、紅茶を淹れようと本気で思うも]
すまないことなんてないんだよ?
[ミハエルの子どもらしからぬ言葉に返す間に、妻に先を越されることとなる。
台所に向かう彼女と繋いだ手が離れる際、少しだけ表情が動くも、過干渉は自覚あるところか。
先程の妻の少しだけ困ったような表情を思い出し、マテをする犬の態で大人しく客室で待っている。]
邪魔なんてことはないよ?
[カルメンにもミハエルに向けたような言葉を重ね、嵐が過ぎるまでは他愛の無い話を*客人とするのだろう*]
御名答、先ずはおばあちゃんが赦さないよ
其れに僕もそんなことは微塵にも考えて無いし
[いけしゃあしゃあと娘が口にした後、祖母と視線を合わせ、にっこりとほほ笑みあう二人が居た。]
―――ン、毎度ありなのだよ
路銀はくらいは残さないと辛いだろうしね
[御代を受け取ると何処かほくほくした様子で品物を出したり仕舞ったりし始めた。]
―雑貨屋―
そっか。ライさんはまたワインの手伝いするから、その時にでも言っておこうかな。新しい紅茶入れてきたからって。
何でも暑い地方の街、をイメージして作ったお茶らしいよ。
そのものは山向こうの町で手に入るんだ。
[次は正式に仕入れてこようとメモをした]
夏の嵐か。村に着いた後で良かったよ。
避難小屋までが遠かったりしたら悲惨な目にあってたと思う。
掠めてったくらい?
どっちにしても無事で良かった。店も品物も、俺達も。
クロエちゃんも雨の気配には気づいてたみたいだから、降り出す前に洗濯小屋へ戻ったんじゃないかと思うよ。
でも女の子一人だったりしたら、不安だよねこういうの。
小降りになったら様子を見に行くのがいいかも。
―工房『Horai』/客室―
[幸せそうな夫婦の姿を見ていると自然と
微笑ましそうな眼差しとなる]
そうそう、済まなくはないぞ。
客が居ても居なくとも
ゼルギウスはイレーネしか見えてねぇし。
[冗談めかした声でゼルギウスの言葉の後に
そっとミハエルへと言葉を向けて笑う]
俺はナーセルの様子も確認しないとなあ。
誰かに八つ当たりしてないといい。
[本人(馬)が聞いたら怒りそうなことを言ったり。
アーベルの対応が悪かったらそうなっていた、かもしれない]
―工房『Horai』客室/台所―
[ライヒアルトにはいはいと二度軽い返事を返し、
カルメンにも了承の旨を頷いて伝えて、
夫と同じように、邪魔なんて事は、とふるりと首を振る。
付いてこようとする夫には、大丈夫だからと笑顔で待てを伝えておく。
そうすれば色々と自覚のある人は、聞き分けてくれたようで。
その素直さに柔らかな笑みを向けた。
台所へ付くと、減っていた鍋の水を足して一度沸かしなおし、
ライヒアルト以外の物の分には、もらったばかりのジャムを入れ、かき混ぜた。
程なくして運ばれたカップから漂う薔薇の花の香りが、
客間に広がり嵐の中の一時の安らぎになるだろう。]
─工房『Horai』客室─
いいえ。わたしが悪いのだから、気になさらないで。
こちらこそ、憶えていてくれてありがとう。
[ライヒアルトに頭を下げられて、首を傾けて微笑を返す]
それなら、遠慮なく。
[ゼルギウスに邪魔ではないと言われ、ついでにライヒアルトがミハエルにそっと向けた言葉も聞いていたか、笑みを零した。
その後も時折窓の外に意識を向けつつ、暫しの談笑を*楽しむ*]
―工房『Horai』/客室―
[雷雨は激しさを増すばかり。
窓の外を眺める青年の柳眉が微かに顰められる]
こんなことならもっと早く自衛団に相談すべきだった。
漸く活気付く季節になったってのに。
――…崩れてくれるなよ。
[独り言ちていれば漂う華やかな香り。
窓から視線を外せば戻ってくるイレーネの姿が映る]
―雑貨屋―
はいはい。
紳士を名乗るためにも、そういうことはしませんてば。
…早く止んで欲しいなあ。
[両手を上げて降参のポーズ。
路銀くらいはと言われると少し余裕のある笑いを見せた。
父親に比べればまだまだでも、それなりの商人のはずだ*一応*]
―工房『Horai』/客室―
嗚呼、そう言って貰えると有り難い。
村に住まう者の名なら全て憶えてますよ。
貴女も村の住人なのだから、当然の事。
[カルメンの微笑が見えれば口許を和ませた。
ミハエルに告げた言葉を聞いてか笑う彼女に
悪戯な笑みを浮かべながら自らの唇に人差し指をあてる。
幼馴染夫婦に聞かれていようとも構わないのだが
内緒だと言うような仕草をミハエルとカルメンに見せた]
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