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んんん、どうしよっかな。
森の中にきても、特に誰かに会うわけじゃないし……
もう一度崖崩れのとこでも見に行こうかな。
[はふと小さくあくび]
……んん、そうだ、水取りにいかなきゃ。
雑貨屋のおじちゃん、ちゃんと毎回いってくれなきゃダメじゃんね。
どうしよう、取るもの。
……
[腰にくくりつけたままだった竹筒を手にした。]
うん、これだった。たしか。
[何だか誤解が生じたらしい。
(幾らからかうのが楽しくても)流石にそんなことは言わないと、ふるふる首を振った。手も振った。
そうしているうちに漸く気付いた飼い主により、ツィムト解放。
ほうと息を吐いた]
……落ち着いてるなら、いいんですけど。
[呟くように言いつつ、環を良く見ようと近づこうとしたら、肩の鳥がばさり、と大きく羽ばたいた]
リ、リーリエ?
どうしたのですか??
[いつになく落ち着きない様子に、きょとりとしつつ、問う。
鳥は、何かに威嚇するように羽ばたきつつ、くるる、くるるる、と高く鳴いた]
[そうやって思う存分猫を撫でていたが。
ふと、手を止めて。
辺りを見渡す。
彷徨った視線は、石の入ったほうとは反対側のポケットに注がれた]
あれ、どうしたの、リディちゃん?
[なんにも気にせず歩いていたら、向こう側からはだしで駆け寄ってくる少女の姿。]
危ないよ、はだしだと。
怪我しちゃうよ?
[彼方を見つめたまま、数秒、固まっていた。
影は去りきらず、ちらちら此方を気にしている。
意識を引き戻したのは、高く鳴く鳥の声]
あ、アーベルさん!
[相手が見知った人間であると気づくと、ほっとして立ち止まった。]
こ、声が……。
ギュンターさん、だと思う。
声がしたのに……誰も、いなくて。
[自分が聞いたものを説明しようとして、上手く言えず口ごもる。]
あー
[エーリッヒの見た影を、猫の目も捕えた。多分、人間達より、はっきりと]
やーっぱ、封じられちゃったのかも、守護妖精。
[猫妖精の国には、猫妖精王がいる。だから森の妖精王は、猫妖精の上司ではないのだが、姿くらいは妖精のよしみで知ってるわけで。ついでにその親馬鹿っぷりも伝え聞いていたりもする]
……今、見えたの、って。
[昨日も見たような、と。
思うのと、鳥が飛び立つのは、さてどちらが早かったか]
え、え?
リーリエ!?
[いつも大人しい鳥の様子に、思わずおろおろと。
そうこうしている間に、白の鳥は影へと一直線に飛んで行き。
決まったのは、それはそれは見事な鳥キック]
[軽い飼い主不信っぽい猫に婆は手を出さず、誤解したユリアンにすまないねと頭を下げた。
そうして撫でられるがままの猫とユリアンを見ていて、ふと辺りを見回す様子に首を傾げる。釣られて見たが何も無い]
どうかしたのかい?
[視線をユリアンに戻し、反対側のポケットを見ている様子に問いかける]
[猫妖精の一言に、影がぴっくんと反応するのが見えた。
すささささっと移動しようとした瞬間、鳥キックを食らってもんどり打って倒れる]
……なんだ、あれ。
[呆気に取られた顔]
ギュンター、ええと、ギュンターさん?
おれは見てないけど。
エーリ君とか、見てるかな?
でも、声をきいたなら、近くだよね。
んんん……何か、あったのかな。
[悩む表情]
だいじょうぶだよ、リディちゃん。
きっと、おじーちゃんはびっくりさせようとしてるだけだよ。
だから、ほら、足、怪我しちゃうから。靴、履こう?
うめき声だったの。
小川の、ほとりで。
何か、あったのかもしれないけど。
どこにも見当たらなくて。
[つっかえつっかえそれだけ話す。
不安げな顔で小川の方を*指した*。]
[何やら眉を顰めつつ。
ポケットに手を突っ込み、取り出す小瓶。
何か中でキーキー言ってるのが聞こえるかも知れない。
よく見れば、それは翅付きの少女――典型的な“妖精”の姿をしているのだが]
……ええと。
[素で困った。
鳥は、倒れた影に突っつきで追い討ちしていたり]
リーリエ、とりあえず、落ち着きましょ?
[一応、このままでは危険と思い。
そちらに近づき、白い鳥を両腕でしっかり抱え込む]
……ええっと。
大丈夫……です、か?
[鳥を引き離した所で、そーっと声をかけてみた]
お前が言うのか。
[転がる猫妖精を見ながら、ぼそり。
追い討ちをかけられているのは、見た目には三歳児程の子供。それにしては、妙な違和感。鳥の攻撃が中断されたところで子供は立ち上がり、その正体ははっきりわかった。――妙に整った、顔だ]
……あれって、もしかして。
[その姿は、文献にも伝わっている]
うめきごえ。
……うん。わかった。それなら、探す。
だから、リディちゃん、ちゃんと靴をはくんだよ。
ええと、今は、痛くないようにしててね。
[ポケットからメモを取り出し、すらすらと図形を描く。]
[告げた言葉は、かすれるように消えて。]
[くふくふくふ、と、まだ可笑しそうに笑いながら、草の上にあぐらをかくようにして座り込む。こちらを向いた影を見て、エーリッヒの言葉を聞くと]
妖精王だね!
[実に楽しそうに、きっぱりと断定した]
…おやまァ、コイツは驚いたねェ。
どうしたんだい?
いやそれよりも随分と怒ってるようだがなァ…
[薄茶猫は瓶の中で怒りに震えてる翅に、前足の爪わきわき]
……
あ、うん、大丈夫。
エーリ君のところにいこう。
そっちにいけば、きっと。
[見つからないとはいえなかった。]
[リディを靴の元へ運んで、それから、森を歩くことになる。]
[痛そうな足を治療するように願った彼の耳に、ピアスは一つもなくなった**]
[立ち上がったそれは、大丈夫か、の問いに、鷹揚に頷いて見せた。
……が、やっぱり身長のあれこれで、威厳はあんまりなかったりする]
ええと……。
[誰何しようとした所に、ティルの断定が耳に届いた。
腕の中の鳥がちたちたとするのを、ぎゅう、と押さえ込みつつ]
妖精王?
ええと、それじゃ、やっぱり。
[自分の推測は、正しかったのかと。
当たっていても、嬉しくないのだが]
飯泥棒を、現行犯で。
[ヨハナに貰った籠の中に潜んでいたのを捕まえたらしい。
飯泥棒扱いが不服らしい妖精は頬を膨らませた。
が、猫が怖いのでさっきのようには暴れない。
瓶詰なので逃げられないし]
……はあ。
[ティルに気のない声を返して、繁々と眺める。
ふんぞり返って、後ろに転びそうになっている――どう見てもお子様を]
で、王様が何の御用?
守護妖精を解雇でもしに来たのか?
[そんなことを訊ねてしまったが運のつき。
よくぞ聞いてくれましたとばかりに語り始める姿に、しまったと思ったときには、既に遅かった。いや、事情を知りたいなら、聞かなければならないのだろうけれど]
やっぱり、面白くなってきたにゃ♪
[不謹慎にもそう呟いて、妖精王を楽しげに見つめる。やがて、その口から語られるとんでも迷惑な話にも、笑顔は変わらず、話の終った頃には、そこから姿を消している**]
おやま。現行犯じゃ言い逃れできないねェ。
貰った恩はちゃんと返すのが妖精と人の間の約束事ってもんさァ。
[昔からの風習を守る婆にとって妖精は良き隣人。だが裏を返せば、ちゃんと手伝わない妖精にやるミルクも菓子も無い主義だ]
ほゥれ、頬なんて膨らませてたら可愛い顔が台無しだよ。
何で暴れてたか話したらどうだい?
[猫に怯えている様子に気付けば、にんまり笑顔で猫を手招く]
[何やら、やたらと妖精王に威嚇する白い鳥を宥めつつ、妖精王の話を聞く。
……聞いてる内に、段々と頭が痛くなってきたのは、気のせいにしておきたいのだけれど]
……はぁ。
つまり、何者かに守護妖精様が封じられて。
その犯人を、逃がさないために、封じの陣を張られた、と。
そういう事なのですねぇ……。
んん、それって、もしかして。
その『犯人』を捕まえるまで、ボクたち、村から出られないって事です……?
[伝わる伝承と、自分なりに感知・解析した結界の特性を重ね合わせて問う。
……妖精王はあっさりそれを肯定し、その様子に鳥がまたちたちたちた]
はあ……困りましたねぇ。
[事情は大体飲み込めたものの。
守護妖精を封じ込めた犯人を探さなくては、と言われても、正直困る]
……ボク、探査系はほんとにダメなんですけど。
[むぅ、と眉を寄せたまま、暴れる鳥を*ぎゅう、と抱きしめ*]
それって本当? 胡散臭いなー。
[妖精を研究しているものならば、その王に直接会えたというのは本来ならば喜ぶべきなのかもしれないが、生憎とそんな好奇心ばかりが目的ではないようで、見つめる緑は半眼になる。
……何より、王が“これ”であったという所為が大きいのだろうが]
本当は、うっかり自分がやっちゃったとか、守護妖精が役目厭になって雲隠れしただとか、実は楽しそうだから適当言ってるとかじゃないのか?
[そんな問いは肯定されるはずもないのだが、やはり信用していない、と言った態]
[妖精さん、叱られてますますむくれながらも、可愛いと言われて若干機嫌を直したようです。
猫はやっぱり怖いのか、手招かれる様にびくびくしていますが。
曰く、守護妖精様が封じられて、妖精王様がこの地にいらっしゃったと聞いて、何か役に立てないかと来たのに、こんな所に閉じ込められたのだとか。
妖精語が解せるなら、そんな話が咄々と語られるのが聞こえるだろうし、分からないなら、何故か理解できるらしい隣の彼が解説を入れた。
ミーハーな乙女の妄想も語られたようだが、以下略]
[そんな話の最中、少女を連れてやって来た居候に、手を挙げる。
落ち着きを欠いたリディアの様子に何事かと訊ね、その口から紡がれたギュンターの名と、“声”という単語に*目を瞬かせた*]
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