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[息絶えた少年と、彼を抱き抱える男性。傍で涙を流す少女―巫女―と、頽れ倒れる男性。
彼らを見つめるのは何を想うのか、冥く静かな*翠色*]
[何があったというのだろう?
今、自分の手は新たな血で汚れて
違うのは
それを行ったのは自分だと言うこと。
事故、そういってしまえば済むだろうか?
だけど、あの時、彼に対する負の感情は確かにあって]
俺が、殺した。
そうだ、俺が……ローズを殺した奴と同じ……
俺は……
[思考が闇へと捕らわれて
いつしかそれは深遠へと*飲まれていくだろう*]
[ 呆然としていた瞳に光が戻れば漸く足を緩慢に一歩を先へ、広間へと踏み出す。其処に数日前までの平穏な光景は無く、血塗られた凄惨な姿を曝していた。
視界の端で神父が形式的な聖句を唱え十字を切るのが見えたが、其の祈りは果たして天まで届くか、果たしてナサニエルが望む様に柔らかな微笑を湛えた彼女の元へと逝けたのか。――往く先が天の国であるならば、此れが均衡を喪った人間の本性の表れだと云うのならば、此処は正に地獄と云えようか。]
……同じでは、有りませんよ……。
[ 呟いた言葉には昏き思考の海に呑まれゆく男には届いただろうか。]
[ 物云わぬ亡骸と成り果てた少年は仄暗いランプの光に照らされ、流れる緋色は敷かれた絨毯にジワリジワリと染み込んでいく。其れは恐怖と狂気が人々の心に沁み込んでいくが如くに。仰向けに横たえられた少年の瞳の濁りを交えた緑玉が未だ薄く覗いているのを見留めれば、そぅと其れを閉じさせる。最期に少年が見たのは憎悪の焔に燃える情景だろうか。]
……メイ?
部屋、戻っとけ。後は、任せて。
[ 永遠の睡りについた少年から薄紫の瞳から涙を零す少女へと視線を移して紡ぐ言葉は、此の様な時でも――或いは、だから――無器用なもので、唯、静かに声を掛ける。*僅かに揺らめきを持つ其の双瞳を彩る色は、何の感情を示すか。*]
─広間─
[呼びかけに、緩慢に顔を上げてそちらを見る]
う……ん。
[こく、と頷いて、それだけ告げるものの。
不安や、諸々の感情に基く無意識だろうか、手が、伸びて。
縋りつきそうになるけれど]
……っ……。
[それを押し止めるように走る、微かな痛みに、その手は左の胸へと置かれる]
[不自然な動きに気づいてか、訝るように名を呼ぶ青年に、なんでもない、と早口に返し]
……部屋……戻る……。
[呟いて、立ち上がる。今は、自分は独りの方が、いいと。
そう、思えたから。
それでも、立ち去り際]
ハーヴェイ……。
ハーヴェイは……しなない……よね?
[思わず、問いがこぼれて。
でも、答えを聞くのは何故か怖くて。
逃げるように二階へと駆け上がり、部屋に飛び込むと、感情の赴くままに、しばし、泣きじゃくって。
そのまま、いつか、眠りに落ちていた]
─二階・自室─
[そして。
翌朝]
……ん……。
[弱々しい朝の光。
それが眠りを破って目覚めを呼び込む。
前夜の一件の疲れが残るためだろうか、目を開く時に警戒心はなくて]
…………あ。
[開いた目。
異能の視界。
そこに映るのは]
神……父……様?
[掠れた、声が、こぼれる]
[視えたもの。
それは四肢を損ないつつ、それでも、聖書を抱えた姿で]
─『聖書』を。貴方に託します─
[聴こえた声は誰に向けられたのか。
彼と共にいる事を好んでいた少女だろうか]
……ねえ。
ボクは……どうすれば?
[問いは、何者に向けて投げられたのか。
少なくとも、今、視えるものではないだろうけど]
……もう、誰も…………なくしたくない……よ。
[呟きの後、目が閉じられ。
開いた時には、視界はいつもと変わらないものに]
…………。
[しばしの、沈黙を経て。
準備を整えて、下へ。
重苦しい静寂の漂う館内を歩いて、*浴場へと向かう*]
-広間-
[開かれたままの扉から、室内へと。
彼女が騒ぎの現場にたどり着いた時には、既に少年は動いていなかった。
床に投げ出された小さなナイフ。血にまみれた少年を抱く男。
状況についていけず、目を瞬く。]
もう、誰も死なないって……
[人狼は死んだ。
では何故、少年は血に濡れて動かないのか。
”俺が殺した”
そう言った男を食い入るように*見つめた*。]
[気が付けば、]
[あの少年][トビーと言った][の泊まっていた客室に居た。]
[ぼんやりと寝台に腰掛け]
[あの少年が飛び出して行った時の儘の]
[寝乱れたシーツ][乱雑に捲くれ上がった上掛け]
[見開いた目で]
[宙空を虚ろに見つめる。]
―ニ階・客室―
[ 目覚めは変わらず、余り快適ではない。朝早くに風呂を済ませれば薄手のタートルネックとジャケットに着替え、広間に出向くでもなく、客室の寝台に腰掛け昨日同様煙草を吹かす。揺らめく薄い白を見詰める黒曜石の双瞳も叉揺らぎを持つか、煙と共に吐き出される深い息。]
死なないよね、か……。
[ 昨晩、メイの口唇から零れた問い掛け。青年が答えを紡ぐ前に彼女は逃げる様に其の場を去っていったけれども、若し回答を待たれたならば自分は何と答えたか。死なない、と断言出来ただろうか――此の館において、死は身近だった。
数日前、ピアノの旋律を聴いた事が遠い昔の様に思える。麓からの救援は、未だ期待出来そうに無かった。]
[ 煙草の先端では仄かな焔が燻り続けるも、未だ半分以上残る其れをやや乱暴に灰皿の底に押し付けて消せば漂う煙も次第に薄れ、大気の中に紛れていった。
硝子製の器を卓上に置けば、緩慢に立ち上がり部屋を後にする。換気の為に扉は薄く開けた儘。苦く何処か感覚が痺れる様な煙草の残り香は強く躰に纏わりつき、自らの鼻をも突く。]
[ 軈て歩む廊下の先には開かれた儘の扉。
其の部屋の前まで辿り着けば、嗚咽が耳に届いたか。微かに眉根を寄せる。]
ギルバートさん?
[ 肩を震わせて嘆く其の男に掛ける声。]
[びくり。]
[伏せていた面を上げ]
[鋭い琥珀色の視線を投げ付ける。]
[そこに浮かんでいるのは]
[不快][苛立ち][軽い敵意]
[ 琥珀の視線を受け止めて返すのは黒の視線。其れはやや冷たさを帯びた色。]
……失礼しますね?
[ 口調だけは何時もの通りに一歩、部屋の内に足を踏み入れようか。]
[言い掛けた言葉を途中で切り、]
[一瞬目を伏せ嘆息]
…………ほって置いて呉れ。
[如何でも良い癖に……と殆ど声を出さずに呟く]
[ 再び肩を竦める所作。然れども其れはやや芝居がかっているか。]
つれないな。
[ 部屋の中に脚を踏み入れ扉を閉めれば、其の口調も叉変わる。]
折角斯うして話に来たと云うのに。
[ 艶やかに咲く薄い笑み。]
[芝居がかった所作][艶やかに浮かぶ微笑]
[がらりと変わった口調にも][驚く事は無く]
[素っ気無く][気怠るげに][視線を流すのみ]
……暇だから俺を弄りに来ただけだろう。
[その発語は完全なもので。]
哀しむ犬の様子を心配して見に来てやったとは思わないのか?
[ 気を悪くした風もなく、否、寧ろ愉しそうに謂う眸は変わらず黒曜石。唯、湛える其の色の奥底には欲望の光が僅か覗く。口許が象るのは弧を描いた月。
閉ざされた扉へと背を凭れ掛け軽く首を傾ければ、濃茶が揺れる。]
……まあ、其れも或いは正解か。
哀しむ。
[クハハッと]
[自嘲じみた][或いは揶揄も含むような][嗤い]
[唇を歪め]
……そうか。其れが普通だ。其れならば……
[亦も途中で口を噤み]
[ちらり、と][面白くもなさそうな顔で]
……心配だなんて笑わせるな。
俺もお前も所詮は自分の事しか考えて居ない。
[ 細められた黒曜石は男の様相を冷静に見、声を聞く。]
普通、ね。……唯の御犬様では無さそうだ。
其の方が面白くはあるが。
[ 口許に軽く握った手を当て腕を組み、体重は壁に預ける姿は気怠げか。]
……当たり前だろう?
人の絆の脆さ、愚かさはお前も見た通り。他者の事等考えるだけ無駄だ。
[ 視線は逸らされ窓の向こうを見遣り、続く男の科白に返すのは事も無げな言葉。]
そうか。似合いかと思ったが。
[ 拒絶には少し残念そうな声色に成る。]
若しくはお前も獣か。
ギルバート……、否、"Giselbert"?
分かっている、そんな事は。
[その声が沈み][苦いものを含んでいる様に聞こえるのは][気の所為だろうか。]
……けれども、人を愛する事だって在る筈だ。
孤独を埋めたくなる事も。
あの娘も、お前にとっては如何でも良いのか。
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