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[心配をかけてしまう。そう思っても、片手は口許から離せない。
知らずに笑みを作るのを、止めたいのに止められない。
少し経てば落ち着くだろうか。
そう思うからこそ、ただ、服を握って、視線を落として、耐える]
……そっか。
それじゃあ、もう、終わったかな?
人狼、は。
……人狼、に…殺され、た。
………ゼルに、言わないでいれば、良かった。
[アーベルの言葉を繰り返しながら、後悔が胸を埋める。
ライヒアルトのことを言わなければ、ゼルは彼を殺そうとしなかっただろう。
そうしていれば、ゼルも殺されることはなかったかも、しれないのに。
自分の言葉が、彼を死に追いやったと、そう思った。
ゼルが悲しむと言われれば、ふる、と力なく頭を振って。]
ううん、そんな資格、ない。
私が、ゼルを…死なせたんだもの。
[蒼花の言葉だけは辛うじて耳に届いた]
――…まだ、です。
ラーイが、教えてくれた。
彼以外にも、人狼が居ること。
だから、名乗り出てはダメ、って。
まだ……居る、の…?
[ナターリエが告げる言葉に、呆然と問うような声を落とした。
それはつまり、まだ、誰かが死ななければならないという事実を受け入れたくなくて。]
終わった……終わった、のかな。
[オレには判断出来なかったから、ゲルダ>>25には曖昧な答えしか返せなかった。
でも、ナターリエの言葉>>27を聞いて、オレは翡翠を丸くする]
まだ、居る?
……そうなんだ。
…でもナターリエ。
そうやって言うってことは、ライヒアルトが人狼だってこと、知ってたのか?
[丸くしたオレの翡翠は、怪訝の色を宿した]
[乱れた心が知らず双子の片割れの少女を見極めてしまう]
ヴィリーさんが人狼でないのは事実、です。
[ライヒアルトの口からは語られた結果。
けれどゼルギウスの口からは語られなかったそれ]
それから……、フォルカーさんも、牙を持たぬ、人。
…そっか。
[ナターリエをじっと見詰めた後、頷いた。
彼女の言葉は、ライヒアルトが人狼だと知っていたと言っているようなものだ。
そう思ったけれど、今はそれは些細なことだった。
人狼が死んだ、と分かったのだから]
わかった。
ありがとう、シスター。
……それじゃあ、他の人狼も
[言いかけた言葉は止めて、唇を引き結ぶ。
何を言えばいいのかわからなくなって、ただそのまま黙った]
― 二階廊下 ―
[先のやりとりと、ブリジットの弁から何となく何があったかは読めた。
それでなくても、長年の付き合いから、ブリジットの思考は読み取りやすい。]
言わなかったら、ゼルだけじゃなくて、お嬢も、俺も他の皆も死んでたかもネ。
お嬢はどっちがよかった?
[残酷にも思える問いをかけた。だが事実でもあり。]
口を噤む事は簡単だネ。
だけど、黙って何もしなかったら、きっと余計に後悔したヨ。
お嬢だけじゃない、ゼルギウスがね。
死ぬ可能性はみんなに有ったんだから。
お嬢がゼルを殺したって事は、無いね。
…っていうか、ほら。
あんまそういう事言ってると、ほんとにゼルの奴が心配するヨ?
患者には目敏く気を使いすぎるくらい使ってたでしょ?
向こうは向こうで、自分の所為でお嬢が泣く、ってへこんでるよ、きっとネ。
[それでも気の済むまで泣き止むまでは、背中を撫でた。]
[エルゼリートの問いにライヒアルトに縋りついたまま
小さく、微かに、頷いた]
――…知って、いました。
でも、言ったらラーイが殺されてしまうから……
……おにいさまにも、誰にも、言えなくて……
だから、ラーイに視たって、伝えたの……。
[次第に幼くなる口調。
時折、しゃくりが混じるのは未だ泣いているからか]
[アーベルからかけられた問いは、答えられなかった。
ゼルの命と、他の人の命を天秤にかけることなど、出来るわけもなくて。
それに、自分のせいでゼルが心配すると言われれば、それ以上は何もいえなくて。
けれど。]
…ぇ…。
[ナターリエが牙持たぬ人とフォルカーの名を挙げたのを耳にして、視線はエルゼと、アーベルに向いた。
震える手は、彼の服の裾を握り。]
アーベル…お風呂、行きたい。
[そう、この場から離れる為の口実を口にした。]
へぇ。
ライヒアルトには、言ったんだ。
[ナターリエの返答>>34に、オレの瞳は怪訝の色を濃くする]
言ったのに、襲われなかったんだ?
変だね、正体見破られたのにそのままにしとくなんてさ。
[ライヒアルトの胸中なんて知らないから、オレには不思議にしか思え無くて。
泣きながら語るナターリエを見て、オレはやりにくそうに軽く後頭部を掻いた]
[人狼ではない人の名前を聞く。
人狼の疑いのある人は、――数少ない。
ずきりと花が痛みを伝えた。
逃げる、と。
一瞬たりとも考えさせないというように]
シスター…
[エルゼリートの服から手を離す。
表情は少し、落ち着いた。まだ、いるからだと理解したからか。
止められなければ、彼女に近づいて、撫でるつもりで]
[ゲルダの言葉>>31に小さく首を横に振る]
名乗り出たのですから……
私はもう人狼を見つけられぬでしょう。
人狼にとっては厄介な力を持つ者、ですし。
名乗り出ればラーイにももう一人を止められぬようでしたから。
[あににもおとうとにも置いていかれた。
双花の片割れを支えるという使命だけが女の命を繋いでいる]
[自分が見ていた死体に駆け寄る、その女性の言葉が聞こえる。
冷たい視線はナターリエの方に向き]
そっか、知ってたんだ、最初から。
[それから無表情な様子で]
誰が死んでも、二人で、生きたかったんだね。
[自分もエーファ以外を殺して守ろうとしたこともあったから、理解できないわけじゃない。
ただ、エーファが死んだ一因としての憎しみもあったため、棘のある言葉にはなっていた]
人狼見つけられるなら、まだいるっていうなら、早く見つけてよ。
エーファ殺した人狼、まだいるんならさ。
[直接責めたてるつもりはなかったけども、彼女を深くえぐるような言葉だっただろうか]
オレ、ナターリエの言葉あんまり信用は出来ないわ。
何か、断片的だけど符合がありすぎて。
さっきナターリエの話聞いた限りじゃ、クレメンスが朱花だったの知ってたみたいだし。
ライヒアルトの事誰にも言わなくて、それを告げたライヒアルトの方からも襲われることが無いのは、襲えないからじゃないか、とか。
色々勘繰っちまう。
[朱花って知ってたら、クレメンス襲ったのも納得が行くし。
ライヒアルトに見出す者だって知られてるのに襲われない理由にも納得が行く。
エーファのことに関しては、あんまり説明がつく情報が無かったけど。
ああでも、フォルカーの事間違わなかったのって、襲ったのがエーファだって分かってたからなのかな]
――…本当に、如何して、襲ってくれなかったんでしょうね。
[エルゼリートの言葉>>37に緩く身を起こしライヒアルトの顔を覗く。
あの夜、おとうとに食べられることを望んだ。
そうして、泣かせてしまったことを思えば、また涙が零れた]
[ナターリエ達の会話に口を挟むことはなく。
彼女たちに声もかけぬまま、アーベルに手を引かれ立ち上がり階下へ向かった。
ただ、この場を離れる際、ゲルダとエルゼの方にちらと視線のみを向けて。]
[ブリジットが去ってゆくのを見る。
彼女もこちらを見ていたようで、視線が合った。
――いつもとは違う。
痛みを堪えるような表情をしていると、自分でわかっているけれど、かえられなかった。
エルゼリートの言葉も聞こえるけれど、
そっとナターリエの方へと近づいて、手を伸ばす。
朱花もそうしていたのだろうか。
その金色の髪を、頭を優しくなでようと]
[近付く気配>>38。
ゲルダの手が触れれば、いつもそうして慰めてくれた人を思い出した。
二人で生きたかった、とフォルカー>>40が言えば否の声]
――…いいえ。
おにいさまとラーイに生きていて欲しかっただけ。
[見つけて、という彼女の切な声。
血は人狼を見出すことを望んでいるが
見出せるかどうかは女には分からない]
― →浴室 ―
[急ぐと発作を起こしかねないので、なるべくゆっくりと、浴室へ主を連れて歩いて行った。
リネン室で、だいぶ減ったタオルを取り、それをブリジットに渡して湯を沸かす為に浴室へと入る。]
ちょっと浴室あっためるから、そこで待っててネ。
終わったら、扉の外で待ってるからさ。
[そう言い、湯を沸かそうと奥の小部屋へと入り火をつけ薪をくべようと働いた。]
フォルカーは人で、ゲルダの姉さんは蒼い花で、シスターが…まぁちょっとあれだけど見出す者、かぁ。
[そうなると、残りは限られている。
お嬢かエルザか。とはいえナターリエの弁も少々危いものがあるので、フォルカーもそこに混ざるか。
ふうんと呟きながら、薪をくべれば浴室は暖まってくるだろう。]
[ライヒアルトの事を言わずにいようと決めた時に
責められることは覚悟していた。
それがどれだけ罪深いことか理解していて
それでもいえなかったのは失いたくなかったから。
アーベルやエルゼリートの言に反論はない]
…………。
[右の親指が熱くて、誘われるように目を向ければ
ライヒアルトの胸に刺さるナイフの煌めきが映りこむ。
同じ刃を用いれば同じところにいけるだろうか。
ナイフの柄を両手で掴み、力を籠めてずるりと引き抜く。
傷痕からはとぷりと赤が溢れた]
[自分の考えを纏めながら口にしていたから、ゲルダ>>38が傍から離れることを止めはしなかった。
オレに誰かの視線が向いてたりしたみたいだけど、特に気にせずオレは難しい顔をしている]
そんなの、オレに分かるわけないよ。
可能性として言えるのは、”襲えなかった”ってことくらいかな。
───ナターリエが見出す者であろうが、人狼であろうが、ね。
[>>43 疑ってるんだと、オレはそんな意味を込めて呟いた]
─ →浴室─
…、ありがとう。
いつも、ごめんね。
[手を引かれたまま、ゆっくりと歩くアーベルについて歩いて。
着替えやタオルを渡してくれたり、湯を沸かしたりと動いてくれるアーベルに礼を言った。]
…ねぇ、アーベル。
アーベルは、人?…それとも、人狼?
[自分はゲルダから、双花の所在を聞いた。
もう、朱は欠けてしまっているけれど。
ゼルは死者を見出す者だったと信じている。
ライヒアルトが人狼である確証はなくとも、彼の言葉を疑いはしなかった。
今、目の前にいる彼の言葉も、自分は信じるだろう。
それがたとえ、嘘であっても。
血に塗れたまま、問いかける言葉はまっすぐな瞳で彼に向かった。]
[血に濡れた刃を自らの胸へと向ける。
自決などしてはいけないと教えられていたけれど
望んだのはおとうとの牙だけ――。
つきたてようと目を瞑れば
不意に髪を撫でる優しい手>>45が触れた。
あにの手とは違うのに。
あにを思わせるそれにナイフを抱く手がピクと跳ねる]
私は、ナターリエさんの気持ち、解る気がするわ。
だって、私も…きっと、見出す力があったら、真っ先に貴方かゼルを視た。
[偽りであったとしても、自分は彼女を疑わない。
何も出来ない身なら、せめて信じ抜くことを決めたから。]
人狼であっても、生きていて、欲しかったのよ。
[それは、ナターリエには叶わなかったこと、だけれど。]
[ナターリエが自害しようとしているのを見ても、オレは止めようとはしなかった。
疑ってる相手だから、どの道殺さなきゃいけないし。
でもゲルダがそれに近付いているのには少し焦って、妙な事を起こさないかとオレはナターリエを注視した]
[信じるか、疑うか。
そういった話は、既に答えが自分では出ていた。
行動も、決まっていた。
だから、ナターリエがナイフを胸に向けるのを見て、手のうごきが、一度止まった]
シスター
[跳ねた手。その手に、手を重ねる。ナイフの刃には触れないようにして]
神に仕えるのだから、駄目だよ。君は。
どうしても死にたいなら、……僕がやる。
そっか、
[ぽつりと]
二人とも死んじゃったけどね。
[続ける言葉は代わらず感情の乏しいままに、ナターリエのほうを見ていた視線は外されて]
そういえば、人狼って、嘘、つくんだね。
[そう言い残して、エーファの待つ部屋へと足を向けた]
[ナイフ持つ手にゲルダの手が重なれば菫が揺れる]
ゲルダさん……。
[彼女の言葉に抵抗できぬのは血のなせる業か
それとも、彼女の優しさに長く触れていたせいか。
ナイフ持つ手は緩みそれは女の膝へと落ちた]
神に仕える資格などないほどに私は罪深い。
――…ゲルダさんが動かずとも
他の誰かがやってくれましょう。
[エルゼリートを意識しながらも其方を見ずに声を紡ぐ]
─ 浴室 ─
気にしないの。
何年付き合ってると思ってんのサ。
[謝罪と礼には、軽い調子で返す。
今この時は、忘れられるように―――なんて心持ではなく、単に根がそうなだけ。
だいぶ温まったかなと思った頃に、ブリジットからかけられた声に。
常の笑みのまま、ずっと昔、出会ったときから変わらない瞳の人にはこう言った。]
俺は人だよ、お嬢。悲しい事にネ。
[にこりと笑った。]
ゲルダ。
お前が手を汚す必要なんてない。
[ナターリエの手からナイフが落ちるのを見て、オレは二人の方へ近付いた。
まだ拾われていなければそのナイフを拾い、更にはライヒアルトの腹部に刺さっていたナイフも抜いた。
ゲルダの手を汚すなんて、絶対したくなかったから]
[落ちたナイフへと視線をくれる。ただ、それだけ。
死体へ一度目を落として、
それから、ナターリエを見た。]
そんなことを言ったら、僕は何もできない。
君は、…教会のシスターだよ。今、は。
[罪深い。
その言葉には何も返さなかった。
ただ、他の誰かという言葉に、ゆるく頭を横に振る]
僕が。
[しかし、エルゼリートが近づいてきて、拾ってゆくのを見ると、視線を彼へと向けて]
駄目だ。
エルはやっちゃ駄目。
ま、つまり俺が死んでも何も終わらないってコト。
でもって、今日明日には死んでるかもしれないってコト。
[多分近日中には死んでるんじゃないかな?そんな気がする。
ああ狼が分らないのは厄介だ、と思った。
その目がなかったから、諦められて放逐されたのだし。
ふぅと溜息をついた。
3択。
多分、エルザだとは思うのだけれど。
尤も彼が狼だったとしたら、多分自分の夢は叶わないだろう。
嫌われているのは承知している。]
どうしようかねェ…。
[ほんと、どうしようかねーと。
わりと本気で呟いた**]
……、そう、ね。
ずっと、傍にいてくれた。
[もう一人、傍にいてくれた人はもういない。
この身体に纏う血も、洗い流せば落ちてしまう。
アーベルから向けられた笑みは、常と変わらぬそれで。
人だと答えた彼を見つめた。]
…悲しいの?
アーベルは…人狼に、なりたかったの?
[そう問う声は、ベッドの上で彼に話を聞いていた頃のような幼さが混じったろうか。]
―→二階・双子部屋―
[ベッドに横たえられた遺体の傍に立つ]
エーファを、殺したのは、ライヒアルトさん?
それとも、別の人狼?
別の人狼は、誰だろう?
[問いかける声、答えなどあるわけもなく]
全部、殺せば、同じかな?
[人狼をなのか、それとも…**]
……アーベルまで、死んで欲しくは、ないわ。
[死んでるかもと軽く言う彼に、緩く頭を振った。
彼が人狼だといったら、自分の命を彼にあげたのに。
自分が人狼だったとしても、同じように考えたと思うのに。
そのどちらでもないのなら、自分の中で残る選択肢は、一つ。
自分はそれを、選べるだろうかと。
自分を信じようといった蒼花の、彼女の顔を思い浮かべた。**]
[膝にあるナイフを拾うエルゼリート。
女の肩が微かに震える。
その理由は分かっていたから女にとって其れは自然なこと。
ゲルダの言葉>>59には何かを堪えるように柳眉を寄せた]
ゲルダさんがそう仰るなら……
今は、未だ……。
[ふ、と顔をあげゲルダの眸を見詰める]
ゲルダさんは……
[誰を見極めて欲しいか、問おうとするのだけれど
エルゼリートと話す気配を感じて口を噤む。
双花であると知らされた時から
幾度となく尋ねようと思ったが二人きりとなる時間はなく
問えなかった]
……そんなの、オレも同じだっつの。
[>>63 少し眉根を寄せて、オレは軽く口を尖らせた。
嫌だと思う理由は、多少違ってたけど]
…分かったよ、”今は”やらない。
ナターリエも、まだ確実に人狼と決まった訳じゃないし。
[オレは限定を付けて引き下がった。
でももしその時が来たら、オレはゲルダに許されなくてもやるつもりだ]
これ片付けて来る。
あと、シーツとか、掃除道具持って来る。
[オレはゲルダにそう言って、二人の横を擦り抜け階下へ降りようとする]
[手はナターリエの手に触れたまま、
それから、今はと呟くのに、頷いた。
多分酷なことを言っている自覚はあったけれど――思考は遠い]
うん?
[見詰められては、首をかしげた。
だけれど、エルゼリートの行動に、言葉に、彼の方を見て]
……ありがとう。
[内容が違うんだとは、言わなかった。言うわけもなく、頷いた]
うん。今は。でいいよ、エル。気をつけて。
戻って来たら、僕も手伝うよ。
[階段へ向かうのに言葉を投げて、心配そうにその後姿を見送る]
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