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― 何時かの記憶 ―
―――、……何故、俺の母の
―――……母と知り合ったのですか。
[アーヴァインは微笑む。穏やかに。
胸中を幾つかの問いが巡る。
無言で、部屋の窓から外で遊ぶ子供を見た。
朝駆けの馬からきらきらと零れる
光のような音が弾けている。]
―――息子?
[問いかけて、養子である事を知る。]
―――「蒲公英みたいな子だろう。」
[春になれば、地面に芽吹く黄色い花。
アーヴァインへ音もなく頷く。]
─ →自室 ─
[ハーヴェイを運ぶために階下に転がしたままだった火掻き棒を拾い上げ、そのまま自室へと戻って行く。
火掻き棒を扉傍の壁に立てかけ、首元を緩め上着を脱いだ。
ドレッサーの鏡に自分が映ると、その周囲にタロットカードがちらつくのが見える]
……柄じゃありませんよ。
[鏡に映った正義のカードを払い落とすかのように、顔の横で手を振った。
実際の空間にはないカードの場所に手が通過すると、ちらついていたカードは煙のように掻き消える]
…何を以てJusticeだと言うのでしょうかね。
[それぞれに当てはめられたタロットは、カード自身が勝手に当てはめたもの。
同調が進んだ今、今残る者達全てにカードが纏わりついているのが常に見える。
それは自分も例外ではなかったようだ]
[鏡から視線を外すと、朱に塗れた衣服を全て脱ぎ、新しいものへと着替える。
それからしばらく、ベッドに腰掛け物思いに耽った]
[思い出すのは、初めてこの屋敷に来た時の事。
以前勤めていた屋敷で起きた跡目争いに嫌気が差し、理由をつけて暇を貰い、故郷へ帰る途中にこの屋敷に立ち寄った。
長く続けて身に染み付いた執事としての立ち振る舞いは辞めた後でも抜けることは無く。
その立ち振る舞いから気付いた主に事情を訊ねられ、誘われて、この屋敷で再び執事を務めることになったのだった]
……この屋敷は、とても居心地が良かった。
[勿論大変な時もあったけれど、前の屋敷のような毎日不穏な気配や緊張感を感じることはほとんど無くて。
心穏やかに過ごせることが多かった。
そんな空間が大切で、感じ続けたくて、護りたくて。
時が経つにつれ、その思いは大きくなって行った]
[だからこそ、それを壊したものが許せない。
主を襲った者を、ネリーを喰らった者を、ソフィーを手にかけた者を]
───私の手で、終わらせてみせます。
[これ以上の惨劇が起きぬように。
他の者の手を煩わせないために。
命を落とした者達の仇をとるために。
決意は強く、低く、紡がれた]
─ →屋敷内 ─
[壁に立てかけていた火掻き棒を手に持ち、自室を出る。
先ず向かうのは惨劇が起きた階段。
グレン達が移動した後にその場に現れ、何を為すよりも先に階段に広がる赤を濡れたモップで擦り始めた。
人狼に仕掛けるのはもう少ししてから。
今は大切な想い出のある屋敷についた汚れを熱心に*拭った*]
― 階段・最上段 ―
[オードリーが先に向かった後、
男は小斧を手にゆっくりと立ち上がった。]
結局、お前の手は借りなかったな。
俺に利の薄い話だった。
[囁き声は肉声で。傍らのニーナへと紡ぐ。]
…………。
[これから先、どうするのか。
胸中から滲む感情を持て余す。]
[小斧を左手に持ち替え、右手を見た。
邸外回りの仕事に適した骨張ったがっしりした手だ。]
お前が人間を喰うのを我慢出来たら、
あとは崖に橋が架けられるのを待つだけだが……。
[黒曜石の眸をニーナに滑らせる。
ウェンディを貪るようにしていた獣。
飢えは今どうなっているのか。]
人狼。
お前は、水だったな。
[右手を差し出し、階下へ*誘う*。]
─ 屋敷内 ─
[階段を何度も濡れモップで擦っても、染み込んでしまった赤は完全には取れず。
ある程度薄まった時点で仕方なく拭い取るのを諦めた。
今まで赤く染まった場所も同様の作業をしたが、全てを取り去ることは出来なくて。
消えぬ記憶として終生残るように感じた]
…これ以上は汚したくない、ですね。
[室内で仕掛けたくは無い。
モップや他の器具を片付けながら、外に連れ出す策を思案した]
― 自室 ―
[ハーヴェイの部屋からでて一度自室に戻る。
廊下にいたオードリーたちがお茶を飲みにいくというのは見送った。
自室の中で酒をあおってため息をつく]
……執事はなァんか知ってるらしいがいう気はなさそうだしなァ。
……グレンが違うってのが本当だとすると、女たちのどっちかってことで……
まァ……しゃぁねェか……
[女を殺したくないなどと言うつもりはないけれど。
たとえ人狼だと分かってもあまり気分の良いものではない。
酒をあおって気を落ち着けた後、ゆるりと自室から出て行く。
それは執事が掃除を終えた頃だったかもしれない]
[階段を降りながら、やがて広間へ。
水以外なら、紅茶で大丈夫だろう。]
血の味なんて俺には分からないな。
[特にその鮮度については。]
[赤い
[声の
[随分と
[隔たりを感じずに接するものだと思う。
広間に入る前に一言、問う。]
─ →物置部屋 ─
[器具を片付けた後に向かったのは、整頓はされているが使われることの無い道具などが置かれている物置部屋]
まさか使うことになるとは思いませんでしたね。
[そこから引っ張り出して来たのは、以前片付けの時に見つけた、それなりに質の良い短剣。
長さのある火掻き棒では隠すことが出来ないため、警戒される可能性は高い。
扱いに多少不安はあるものの、秘匿性の高い物を身につけることにした]
さて……エスコートしに行くとしますか。
[短剣を背中側のベルトへと差し、上着で隠れるようにする。
冗談めかした声で呟くと、物置部屋を出て目的の人物を探しに行った]
(ああそうか。)
[男は思う。]
ここでのお前の仲間は、
[居ないのだと。
そして、黙狼の行いから、諦めと小さな絶望を経て、
この少女たる人狼が、覚悟を決めるに至ったのか。
漸く、思い至ろうとしていた。]
[この明るくもサッパリとした声から]
俺には、行くところはないな。
[簒奪をしようとした者は殺し、
アーヴァインも、ソフィーも居ない。
唯一、ヒューバートが、未だ男の心に居た。
彼は、男の因縁に絡んではいない。]
母は死に、父も死んだ。
ここも、また温かみのある場所を取り戻せるかどうか、
俺は知らない。
―広間―
…人、いなくなっちゃったね。ここも。
[自分がその原因の一つであっても、やはり物悲しさは感じるもので。
…同族が居ない事には慣れている。
けれど、村は何時でも誰かいたし山の中では『誰も居ない』のが自然。
…『誰かが居た』場所で過ごすことは、あまり無かったから。]
………なんか、微妙に寂しいなぁ…
―広間―
[二人はすぐに来なかった。窓の外を見ながら少し待つ。
給仕してくれたグレン>>41に、十分よと首を振って紅茶のカップを受け取った]
すぐに言ってくれれば即解決するでしょうね。
でもそうはならないらしいわ。人狼と共鳴するから聞こえるようになるのだと主張していた人もいたかしら。
本当のところがどうなのかは知れないけれど。
今回だってそうと告げる人は出てこなかった。
アーヴァインなら、何かを隠していたとしても。
後で分かるような何かを残してくれていたと思うのだけれどね。ソフィーなり、ネリーなりに。
[狼に襲われた二人は狼ではありえない。だからグレンの言う通りならそこには確実に残せただろうと思う]
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