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[巡る視線は、ふと、赤い髪の友の方へ。
大丈夫>>25、と短く告げた彼女は、『信じたい』と称したものの一人。
媒介の事もあるが、守りの力を向けたのは、信があればこそ]
(……牙からの護りは巡らせられても、人からの護りは……)
[どこまでできるかわからない。
けれど。
少なくとも、自身がそこに刃を向ける事は、考えからは外していた。**]
――…人狼は銀に弱いのよね。
[御伽噺が本当か如何かは知らぬまま
確かめるように言葉を紡いで見遣るはゲルダその人。
けれどブリジットが其処に居る間は動こうとはしない。
子供には、これから自分が為す事を見せたくないと思う]
それもあるけど……
奇異な目でみられるのが、こわかった。
言ってはダメだと、親にも言われてたから。
[ライヒアルトの視線が行き来するのを認めれば
女は少しだけ困ったような表情を浮かべ]
ラーイ。
もう、覚悟、決めたから……
これはやっぱりあなたが持っていて。
[右手に嵌る玉を指から抜き取り彼へと差し出す]
……まあ、それも。
わからなくは、ない。
[奇異な目で、というのは自身にも思い当たる節があるから、滲むのは苦笑。
親に言われた、というのも共通点であり、その点での共感は強い]
……って、覚悟?
[言葉とともに、差し出された玉。
告げられた言葉への戸惑いが先に立った事もあり。
渡されるのを拒否する事は、できなかった。**]
[わからなくはない、との言葉に頷く仕草。
如何してライヒアルトが共感するのか疑問に思わなくもないが
きいてはいけないと何処かで思い尋ねるをしない]
覚悟。
それに、汚したくはないから。
[玉が血に染まる事を懸念していたから
ライヒアルトが其れを受け取ると安堵したよう]
私も、旅暮らしが楽でないことは知っているつもりでしたけれど。
あの人が常には連れ歩こうとしなかった理由を今、痛感させられておりますわ。
[エミリーの弱気な笑みを見て、睫を伏せ哀しげに微笑んだ。
亡夫とは共にある時でなはなくて良かったとも思ってしまいながら]
そうですわね……。
[信じあえたらどんなに良いだろう。
そのためにこの村へ来たはずだったのだ。
祈れば叶うのなら祈りたかった。
祈り方なんて一つも知らなかったけれど**]
[感情的なことは別にして、女がゲルダに信を寄せる理由は一点。
彼女が女を人間だと明言したことだ。
仮に、ゲルダが人狼に内通していたとして
女を陥れるどころか、擁護までする理由はあるだろうか。
ブリジットから内通者――狂人の存在を示唆されたこともあり
考えを廻らせてみたが、納得のいく理由が思い浮かばない]
[ゲルダの無事をノーラのように疑えないのは
そのような前提があるからだが]
……ロミ嬢のことで、絆されたのかもね。
[あのときのゲルダの魂を切るような悲痛な咆哮と
振り絞るように紡がれた後悔の言葉を忘れられぬまま、一人語ちる。
けれど、あれが演技ならば、誰にも人狼を見極めることなど出来はすまい**]
[ブリジットが部屋に戻るのを確かめてから
一度部屋に戻り銀製のナイフを部屋から持ち出した。
ゲルダを探し食堂に戻ろうとすると
部屋に戻ろうとしたかゲルダを食堂前の廊下で見つけた]
ゲルダ
[正面から声を掛ける女の手には抜き身の刃が煌く。
それにゲルダが気付かぬはずもなく
警戒されるのも当然のこと。
彼女が声をあげ人を呼んだとしても決意は変わらない]
死んでちょうだい。
あなたはきっと私の大事な人たちを殺してしまう。
だから、私は、あなたを、殺すの。
殺さなきゃ、いけないの。
[思い詰めたような声で語り掛けながら
じわりじわりと距離を詰めてゆく]
[殺さなきゃいけない。
殺したくなんてない。
相反する思いに、躊躇いが生じ刃もつ手が一瞬止まる。
その隙に抵抗する彼女の爪が頬を掠めて
女の頬に薄っすらと赤い線が描かれた]
――…っ、
[頬に生じる熱に微か歪む表情。
女は左の手でゲルダの腕を掴み壁際へと押さえつける]
逃がさない。
抵抗しないで――…
手許がくるえば、痛みが長引くだけ。
[感情の薄い声がゲルダにそう囁く]
人狼は殺さなきゃいけないのでしょう?
[微か首を傾げ深い蒼がゲルダの双眸を見詰める。
彼女の腕を掴んだ手に力が籠もった。
女の力では心臓は狙えない。
だから、命を奪う為に刃を向けるのはその細い首筋]
ごめんね、ゲルダ
[柳眉を寄せて彼女の名を呼んだ。
彼女を殺せばきっと悔い続ける。
それが知れても、彼女を見逃す事は出来ない]
――……!
[再び覚悟を決めて今度は躊躇いなく首筋に宛がわれる銀の刃。
それは宛がうと同時に手前へと引きおろされて
柔らかな彼女の肌を肉を脈を絶つ生々しい感触が利き手に伝う]
[噴き出す血が廊下を赤く赤く染めてゆく。
壁に押さえつけていたゲルダの身体がずる、と床に落ちて
壁に凭れ座るようなかたちのまま、動かなくなる]
……、ぅ。
[赤く染まる銀のナイフと女の利き手。
事切れたゲルダを見詰める蒼が、怯えたように揺れる]
あ、……ぁあ。
[手に残るのは生々しい肉を絶つその感触。
噎せるような血のにおいに込み上げるは吐き気。
カラン、とナイフは血の海が広がる床へと落ちて音が響く]
[ぺたんとその場で座り込み、左の手の甲を口許に宛がう。
ぐ、と呻くような音が咽喉から漏れた。
浅い呼吸を繰り返し、一度目を瞑る。
早鐘を打つ鼓動。
其れは暫くおさまりそうにはなかった]
………。
[動けぬまま、目を開ければゲルダの顔が正面にある。
謝ってもきっと赦されなどしない。
負うた罪の重さに、深い吐息が零れた]
きっと、すぐに私も其方に行くだろうから……
恨み言も、そのときに、聞くわ。
[憔悴した身にゲルダを害した負荷が重く圧し掛かる。
薄れ掛ける意識の中、女は彼女の亡骸に小さく語り掛けた**]
[人狼か人間かが判る。
カルメンの言葉>>20を聞いて、隻暗緑を瞠り、はたりと瞬いた。
問いかけはライヒアルト>>21がしていたから、その返答を待って。
方法と、人狼と口にする相手に対して緩く、隻暗緑を向けた]
……きっと、ってことは、まだ、彼女のことは視てないのね。
[ぽつ、と零す言葉は確認するもので。
それはライヒアルト>>24に返した言葉>>27が答えになった]
[これまでゲルダしか探せる者が居なかったから、彼女がそうなのだと思っていたけれど。
カルメンまでもがそう言い出すのであれば、今まで出された身の潔白は白から灰へと舞い戻る。
そして、ゲルダがあれだけ公言していたにも関わらず、人狼に襲われなかった理由も色濃くなって行った]
ロミは、襲われて。
ベアトリーチェさんは、自衛団に殺されて。
ノーラさんは人狼じゃ、ない。
[挙げられたのはエーリッヒが手にかけようとしていた相手だった。
ゲルダを信じるのであれば、髪の提出を断ったノーラは怪しいと言えるのだ。
髪が無ければゲルダは相手を調べられない。
だから、手にかけることで確かめようと、そう考えていた]
[話が終わればエーリッヒはブリジットの傍へと戻る。
ロミを喪って寂しいと言っていた少女の虚空を少しでも埋めることが出来たなら。
そう考えてのこと。
リスはいつの間にかブリジットの近くに居て、以前貰ったお菓子を強請っているようだった。
それには「止めなさい」とリスに言って、机の上から浚ってポケットへと収めてしまう]
ジティ、そろそろ部屋に戻って休んだ方が良いわ。
眠るまで傍にいてあげるから。
[だいぶ時が経った頃、ブリジットの頭を撫でながら休むように促した。
自分が彼女に出来ることと言ったら限られているから、そう言葉も付け足して。
少女を連れ立って部屋に戻り、しばらくはブリジットの部屋で過ごすこととなる]
[その直ぐ後だった。
事態が動いたのは]
[廊下での声と物音は部屋からは遠い。
余程大きなものでなければ気付くのは難しかったことだろう。
ブリジットと話をしながらその頭を撫でて居た時。
リスが、ポケットの中で大きく威嚇音を奏でた]
パラッシ……?
…ジティ、ちょっと待ってて頂戴。
部屋から出ちゃダメよ。
[リスの異様さはブリジットにも感じられたことだろう。
彼女には部屋を出ないように言い、部屋を出て廊下を食堂の方へと向かう。
その後にブリジットが続いてきたとしても、確かめようとする気持ちが強くて直ぐには気づくことが出来なかった]
[ポケットのリスが「ギー!ギー!」と煩い。
揺れる隻暗緑で事切れたゲルダを見詰めていたが、それは直ぐに床に座り込むカルメンへと向いた]
カル。カル。
大丈夫? 怪我、は。
[その時まだ意識はあっただろうか。
返る声があろうが無かろうが、その肩を支えて。
意識が無い場合は抱えてカルメンの部屋へと運ぶことになる]
[カルメンがゲルダに手を下したことに対して、彼女に疑問は投げかけない。
呼ばれたその時に仄めかすような言葉は聞いていたから。
ゲルダが死んで、この先どうなるのか、なんてことも考えない。
どうにかするしかないのだから]
[死の事実、喪失の事実だけを受け止めて、それを踏まえて先へ進む。
他者の死に対しては騒ぎ立てない。
誰かが死ぬ覚悟はしていたのだから。
だからゲルダの死も、死んでしまったという事実だけを受け止めて冷静に居られたのだけれど]
[翌朝目の当たりにした光景は、それを容易く破るのに十分足るもの*だった*]
[アーベルが何か疑問を覚えたとして、今の男は答える心算が無い様だった。
はぐらかすような言葉を選ぶ。
夜、部屋に戻るのは早かった。
ちゃんと寝てない分疲れた、と。
そう言って、先に戻り。
持ち込んだ本を開いた。
明かりは漏れていただろうけれど、気にしない。
誰か来るなら来るで別に問題もなかった。
手書きの文字が続く。
誰かの日記のようなもの。
一番近い日付、後ろのページには、男自身の手で文字が付け加えられている。
一年と少し前。
『アイツが死んだ』]
[外の音には気付かなかった。
悲鳴があったとしても、出て行かなかったに違いない。
喉の渇きを覚えて食堂へと向かいかけて、
其処で漸く、ゲルダの死を知った。
カルメンはエーリッヒに連れられた後の事]
また水、流さねぇと。
[赤い色を見ながら、呟く。
ゲルダを見る目には、哀れみの色が*混じっていた*]
[ゲルダのことが一段落ついた後、ブリジットのところへと戻って鍵をかけて寝るよう告げて。
それが実行されたのを確認してから宿屋を後にした。
部屋を借りるかは少し迷ったものの、その日は自住居穴へと戻って行く。
その頃にはもう、リスも大人しくなっていた]
─ 翌朝/自住居穴 ─
[その日の目覚めを齎したのは───リスの鳴き声。
昨日、ゲルダが殺された時と同じ鳴き声を奏でているリスは、一際忙しなく部屋の中を動き回っていた]
…ん……なん、か…今までで一番…酷い……?
[耳に届く音に軽く眉を顰め、右手で右耳を覆う。
朝食も準備せず出る支度をして、ふと、仕事道具である裁ち鋏が目に入った]
────………。
[ゆるりと手を伸ばし、その重さを確認するように両手で持ち、隻暗緑で見詰める。
脳裏に浮かぶのは昨日見た紅い光景。
少し逡巡した後、それはズボンのベルトに差し込まれた。
紺のコートを羽織れば硬質なそれは傍目からは隠れてしまう。
いつものようにリスをコートのポケットに入れると、宿屋を目指して自住居穴を出た]
─ →翌朝/宿屋 ─
[目覚めに聞いたリスの鳴き声は嫌な予感しか齎さない。
宿屋に入ると挨拶と共に朝食の準備も頼んだ。
アーベルが居たなら、ブリジットのところへ行って来るとも告げる。
行き先の宣言をした後、早く彼女の無事を知りたくて昨日共に居たブリジットの部屋へと向かった]
ジティ、おはよう。
起きてるかしら?
[三度のノックの後、部屋の中へと声をかける。
無事であればと言う想いが急いて、鍵が壊されていることに気付くのが遅れた。
返事が無いことに焦り、ドアノブへと視線を落として。
そこで初めて扉にある異変に気付く]
────っ!!
[それを視認した後、勢い良く扉を開け、部屋の中へと一歩足を踏み出した。
ダンッ、と、勢い付いた扉が壁にぶつかる音が響く]
あ、ぁあぁ、ああぁあぁ────!
[大きな叫びではない、震える声が口から零れ出た。
先ず目に入ったのはベッドと床を汚す紅。
その下を探して視線を彷徨わせると、力なく横たわるブリジットの姿が隻暗緑に映った]
い、や………そんな………!
[両手で自分の顔を挟んで、緩く、首を横に振る。
髪が乱れ、常ならば隠れている異眸の瞳が光の中に晒された]
いやぁああぁあ! ジティ───!!
[ようやく上がる叫ぶような声。
部屋の中へと駆け込んで、骸となった少女を抱こうと手を伸ばす。
喉を食い破られていて、身体を持ち上げるとカクリと首が後ろへと落ちる。
千切れそうなそれを慌てて左腕の肘で支え、ブリジットの上半身を抱え起こした。
腹部が不自然に折れ、空っぽになっていたそこから溜まっていた命の源の残りが零れ落ちていく。
胸にも、腹にも、二の腕にも、腿にも齧り痕が残っていて。
その凄惨な姿に赤と暗緑の瞳から、はらはらと滴が零れ落ちた]
ぅ、ううう……あああぁああぁあぁあああ!!
[泣きながら少女の骸を抱き締める。
顔の横に来たブリジットの頭にも抉られたような痕があり、その中に収められていたものも欠けているようだった]
[エーリッヒは誰かが来るまで泣き続ける。
リスがポケットから飛び出し廊下へと出て。
何かを訴えるように「ギー!ギー!」と鳴きながら、宿屋の中を走り回って*いた*]
― 翌朝/宿屋 ―
[今日も悲鳴が届いた。
今日も男は、目が覚めた。
唇を舐めて起き上がり、声の方へと足を進める。
栗鼠が騒ぎ立てるのを見たが、自分の方にはやってこなかった。
ちょこまかと走って行く]
――エーリッヒ。
[部屋の入り口から、声を掛ける。
彼が抱く存在に、男は一度視線を向けて、そして足を踏み入れた]
弔うぞ。
手を離せ。
[エーリッヒの手をぽんと叩く。
声も、表情も静かだった。ただ事実を、受け入れる様に**]
─ 前日/食堂 ─
……確かに、な。
想いの巡りは多用……一概に、どちらが是で非で、とは、言う心算もないが。
[エーリッヒの呟き>>44に、漏らしたのはこんな言葉。
自身もまた影に身を潜めるから、そこの是非は論じる気はなかった]
……汚したくない?
[告げられた言葉>>33に、微かに眉が寄る。
けれど、それ以上の追求は躊躇われたから、何も言わずに、ただ]
……無理は、するなよ。
[短くそれだけを告げて、玉はポケットへ落とし込み。
一度部屋に戻ると、玉の入った袋と横笛を持って、宿を出た。
外に出たなら、当然の如く、団員に呼び止められるが]
……泉に行くだけだよ。
どこにも逃げようなんてないんだから、仕事くらいは普通にやらせろ。
[冷えた翠を向けて淡々と言い切り、それ以上の反論は無視して泉へと向かった。
道の途中──団長が発見された場所では、また引き止められたものの、同じように押し切って。
玉泉までやって来ると、は、と大きく息を吐いた]
─ 前日/玉泉の辺 ─
[ぱしゃり、と音を立てて、玉を収めた袋を泉の水に浸す。
組紐の袋が水の中で揺らめくのを見つつ、巡らせるのは、思考]
……それにしても、やっぱり腑に落ちん、な。
何故、誰も襲わなかったのか……喰らうに満足したのか、殺めすぎて隠れ場所がなくなるのを畏れたか……。
……それとも、単純に、襲える場所にいなかったか。
喰らおうとする本能を拒否した可能性……も、捨て切れん、かな。
[考えられる可能性は複数。
その内、喰らうに満足した、というのは今ひとつ、ピンとこない。
その理由は、食堂でゲルダに答えたものなのだが]
……ったく。
見えるものが多いからこそ、見えるものにだけ惑わされるなって事なんだろうが。
ここまで曖昧だと、さすがに投げたくなるぜ、親父……。
[口をつくのは、愚痴めいた呟き。
見分ける力がある、と言い出したものが二人になったことで、要素は増えて。
それと、自身から見えるもの。
そこから、導き出せる答えは何か、思考は巡る]
最初の旅人の時……は、ちょっと置いといて。
……団長が襲われた時と、ロミが襲われた時。
それから、誰も襲われなかった時。
誰がいて、誰がいなかったか、は、ちょっと把握しておいた方がいいかも知れんな……。
[ここらは、女将かアーベルに聞けばわかるだろう、と、思考に区切りをつけて]
……問題は、どちらが真実を言っているか、か。
[思考が向かうのは、ゲルダとカルメン、二人の事。
伝承や御伽噺でも、同じ力の持ち主が存在した事例は見た事はない。
死者から解を得る者が失われた現状、どちらが真実を告げているのかを見極めるのは重要なのだが]
……………………と、いうかだな。
これって、俺としては非常に、頭の痛い比較なんだが……。
[人と判じられた者たちからの見極めは、色々と頭が痛かった。
しばし考えを巡らせるものの、結局はまとまりつかず。
気を鎮めるべく、横笛を構えて音色を紡ぐ。
洞窟の水音に重なる調べは、異国の子守唄。
父が遺した、遠い血の記憶に纏わる数少ないもの]
……いつか、行ってみたいっていうのは。
叶わない、かな……。
[一頻り、曲を紡いだ所でこんな呟きを漏らし。
泉に浸した袋を引き上げ、宿へと戻る。
戻った先に待ち受けるのが、赤の跡と、ゲルダの死の報せとは知る由もなく。**]
…ウェン、シーツ、取って来てもらって良いかしら。
あと、タオルも。
[次の行動へ移るための気持ちの切り替えは早かった。
手の甲で滴を拭いながら、ウェンデルに頼みごとをする。
シーツとタオルが届いたなら、広げたシーツにブリジットを横たえ。
彼女の顔についている紅をタオルで拭ってやる。
自分の手もタオルで拭ってから、ブリジットの骸を丁寧にシーツで包んで行った]
……誰か、自衛団に……。
ジティを、家に帰してあげて。
[懇願するような声。
護れなかったと言う意識がエーリッヒを疲弊させる。
誰も自衛団員に近付きたがらなかった場合は後で自分で伝えることにして。
アーベルに断りを入れて湯を借りることにした。
紅がべったりとついたベストはそのまま処分することになる。
顔や手に残った紅が取れるまで、エーリッヒは浴室から出て来ない**]
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