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[金の光が現れ]
[銀の光が現れ]
[包み込む様に]
[銀は溶けて消え]
[金はそのまま上空へ]
[其処にいた筈の青年の姿は跡形も無く]
…。
…エーリ…?
[何が起きたのか見ていたけれど]
[何が起きたのか理解できなかった]
[自分を追い越すように、2つの光珠が通り抜けていく。
一瞬訳が判らずに足が止まるも、一寸後―――僅かに目を見開いて。
その後を慌てて追うように踏み出そうとするも、
それよりも早くエーリッヒの身体は光に包まれたまま、空へと]
………うそ。
[ぽつりと落ちた呟きは、雪へと吸い込まれる。
呆然と立ち尽くしたまま、アーベルの言葉には気付かずに]
[膝を付いたまま、呆然と空を見上げる。
”王”の力を…風を振るった彼が、何故、”王”に連れて行かれたのか…。
――確かに、気まぐれなお方だとは聞いているけれど。
ぐるぐると、思考は空回って。ぺたん、と座り込む。]
[呆然として言葉が帰ってこないエディをみ
どうやらエディにもよくわからない事体のようで。]
………なぁ…誰か…何が起こったかわかる奴いないか?
[と、振りかえり誰かわかりそうな人を探す]
[視線を降ろすと、くしゃり、と髪の毛をかき…]
…エーリッヒ…
団長さんが消えたのも、このせい?
[ポツリと呟く。
アーベルの声にちら、と視線を向けるも…
少し間をおき、首を横に振る]
[アーベルの問いに、一つ、息を吐いて]
……わかるようなら、自衛団長が消えた時点で説明してるっつーの。
[ぐしゃ、と前髪をかき上げつつ、空を見上げて。
小さく、ぽつり]
[さく]
[無言の儘に雪を踏んで、リディの傍を通り過ぎ。
エーリッヒの“居た”辺りへと、歩む。
其処に残されているのは、割り箸で作られた墓標と、人が入る程の穴だけ。
しゃがみ込んで、散った雪に触れる。手袋越しに、その感触が伝わって]
……………
[穴を、掘って、広げる。捜すように。
それに何の意味もないと、頭では理解しているのに]
[ダーヴィット、イレーネ、ミリィ、ユリアンが首を横に振るのを見る]
…………そうだよ…な
[あまりに不思議な事体で、
聞いてはみたものの、答えが帰るとは思えなくて]
[近づくノーラを見詰めつつ]
[先程まで青年がいた場所(微妙に人形が残っている)をじっと見つめる]
[アーベルの問いは耳に入っておらず。入っていたとしても、状況など分かる訳もない]
[無言で、残された雪跡と割り箸を見つめて。
暫く自分の胸元へと視線を移していたものの]
……うっわー…ってゆーか、信用度激減…?
来年度は、この祭りの方向性を見直すことを力強く提案する。
そうする。
[ぽつりと。
…怒りに、思わず考えが口から漏れている。]
[ミハエルが雪を掘りそれを見守るノーラを見ていたが…]
…………リディ…?
信用度って…?祭りが何か…関係するのか?
[リディの零す言葉に反応する]
[イレーナの”王”という言の葉に、座り込んだまま、ゆるり、首を巡らせる。]
”王”様の、檻……?
あなたは…何を……知ってるの…?
[瞬きもせず、じっと、見つめて。消え入りそうな、囁き。]
ミハ君。………風邪、引く。
[ミハエルと視線を合わせるように隣へとしゃがみ込めば
穴を広げようとする腕にそっと手を添えて、ぽつりと。]
……多分、だいじょーぶ。
少なくとも、"向こう"で死にはしないと思うし。
………"向こう"の気が済めば、戻ってくるんじゃない?
[心なしか怒っているのか、「向こう」の言葉が強調される。]
[アーベルの呟きに視線を落とし…
ふと、ユーディット…から見つめられている事に気付く]
…
[聞こえたような、聞こえなかったような。
その小さな声に、視線をゆるりと外し…]
…
[言って良いモノなのだろうか。少し悩んで…]
…悪い子が、居るんだって。
[小さな声で…返した]
祭りが関係するっつーか………祭りで奉られる"メイン"が?
…そしてあたしは、もー妖精の言う事なんて信じないって決意した所。
[アーベルの言葉に、小さく溜息を零しつつ。
どこか不貞腐れたように言葉を返して。]
[雪を掘るミハエルの様子にため息を一つついて目を逸らし。
逸らした先で、ユーディットがイレーナに向けて何か、問うているのが目に入り、首を傾げるものの]
……リディ?
おま、何言ってんだ?
[リディの奇妙な言い回しが耳に入って、そちらに注意を向け]
[リディの言葉を聞き…一つ目を瞬かせると、くしゃりと髪の毛をかき…]
…気が、すめば…
[なぞるように呟くと、溜め息をついた]
…確かに、少し。
横暴な、気も…する、けど。
[もそもそ。
…なんとなく…リディの言っていることが分かる気がした]
[ミリィに、肩に手を置かれ。それから、リディが、腕に手を添えて。
ぼんやりとしていた瞳に、僅かばかり、光が戻る]
……手袋をしているし、コートも着ている……大丈夫だ。
[彼女達が言っているのは、そんな事ではないのだろうけども]
“向こう”……?
リディ。何を、言っている?
人が、一瞬のうちに……消えたりする訳がないだろう。
[これは夢だ、と言いたげに。]
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