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─ 第二階層・集会室 ─
[自分とジョエルのやり取りが他者に何を思わせたかなどは、当然の如く知る由もなく。
直後の提案には]
はぁ?
ジョエるん、それ、どーいう発想よ?
[呆れたように言いつつ、眉を寄せる。
響いた機械音声に、表情の険しさを増しながら。
黒銀の銃口が向いた先は──自分の中で一番信用できないままの相手。
一応、感情以外の理由もあるが、その割合は推して知るべし、といったところか]
……っつ……。
[とはいえ、しっかりとした狙いをつける余裕がなかった事と、先の銃撃で受けた傷の痛みは正確な射撃の妨げとなり。
撃ち出された銃弾は、研究者を捉えきる事はできなかった]
……ちょお、良くないなぁ……。
[一発撃つ毎の反動が、どうしても大きい。
早目に手当てはしておかないと──と、思いながら、『お守り』をゆっくりと下ろし。
どんな意図があったかは知れぬが、同じ相手を狙った者の方を一瞬見て、すぐに目をそらした]
……はぁ。
言うは易く行なうは難し……ってぇのは。
わかってないわよねぇ。
[流れる生存報告に対し、零れるのはこんな悪態**]
─ 夜/第二階層・集会室 ─
壊してみろって。
いきなり何言い出すんだよ。
[困惑顔でジョエルを見ながら、その手は機械仕掛けのように銃を抜き、持ち上げて、引き金を引いていた。
銃口の向いた先はジョエルの喉。言葉を奪うように正確に声帯を焼いた。
タイミング前後して他にも3筋の光線がジョエルを貫いた。一つは頭部を見事に消し去るほどの威力で、身体が硬直する]
なんで。
[眼鏡が照明を反射して光る。
生存者報告もオーフェンの叫び声も聞こえていない様子で、ひたすらジョエルだったものに顔を向けて。他の人間も動き出す頃にガックリと前のめりに膝を押えた]
―― Tolo.
[馬鹿と呟き、ククッと短く低く笑った]
─ 夜/第二階層・集会室 ─
寄生されたから言い出したのかと思ったのに。
[ジョエルからアメーバ状の何かが染み出してくる気配はなかった。高度な生体部品は死んでも人間と大差ない状態を作り出す]
別の理由があったなら、喋る順番逆だろう。
最後まで分からない奴だったな。
[足元を見たまま言って身体を起こす。
上着を脱ぐと無残な姿を晒すジョエルの頭に被せかけた。
室内を確認すれば倒れそうなフランが見えて。
正面から近寄って目の前で手を叩いた]
大丈夫か。
君の方が死にそうな顔してるよ。
─ 夜/第二階層・集会室 ─
学者さんにも判別方法の持ち合わせがないんだから、今のまま頭つき合わせてても何も出てこないよね。
怪我人は手当てもしないとだし。
それぞれ一度休もうよ。
[冷静そうに見えたエリカやスティーヴを振り返って提案した。
フランに拒絶されなければ彼女を部屋まで送り、自分も部屋で休む心算だった**]
―― 回想 ――
[軍人さんに、ついていく。
見慣れた顔、見慣れない顔、見慣れない階層。
人が出てくると、襲い掛かってきては彼に殺される]
[多分、途中で何かが切れた]
[噛み締めすぎた奥歯が痛い。
涙は睫にはりついて、表情からどんどん色が抜け落ちていった]
―― ……ーム、みたい
[状況からリアリティが抜け落ちて、彼の、息子を探す声がSEに聞こえる]
歌がないよ……
変なの。ない、の
[小さな子供が、彼の庇護下に入る。
そんな"イベントシーン"を見ながらぽつりとつぶやいた]
[カルロスの背中を見上げた。
息子に声かける彼を。
くく、と喉が鳴った]
―― ソレは、撃た……
[……ないんだ?
そう続けるはずだった言葉は、放送によって途切れた]
[脳みそと口が分離したみたい。
父と息子、という日常と。向かってくる人影をかたっぱしから撃っていった非日常と。同機しない]
[音声が流れてくる方を見上げる。
ふと気がつけば、どこかでエネルギーやビーム、銃弾が発射される音が聞こえないなとぼんやり思った]
[音が脳に上手く到達しないまま放送は終わった。
カルロスから他の生存者に紹介されても、上手く反応できない]
………………っ
[ただ、エリカの声が聞こえて。
ロボットみたいに蒼白で無表情な顔。ゆっくりとそちらに向けた]
………だい、じょー……ぶ?
はは、何。だいじょーぶって、何!
[一気に腹のそこから何かがこみ上げてくる。
徐々に声が大きくなって、肩で息をした]
[凍っていた涙が溶け出して、またはらはらと滝をつくる]
………ゃっ ふ も、やだ……
終わりにしてよ。もうやめようよぉ……
[くたりと、廊下に背を預けた]
―― 回想 夜/集会室 ――
[それから。思考はぼんやりと霞がかってた]
[覚えているのは無音のままの、いくつかのシーン]
[人の集まる集会室。
転がる死体。ずるりとすべる足元。赤い鮮血]
[いっせいに掲げられる銃口。
自分を庇うみたいにもたげた腕。
いつのまにか握られていた武器]
[お守り、とそれを呼んでいた誰か]
[小さな子供が放った閃光]
[収まっていたはずなのに急に再開し、すぐにまた終わった戦闘]
[動かない自分の目の前で、叩かれた手。
――パン、という音が聞こえた]
……………っ
[ぱちっと反射的に瞬きをして、身を竦ませる]
やだ撃たないでお願い死にたくないの
やなの嫌お願いなんでもするから
[声は掠れてどこまで聞き取れたかどうか。
銃を握ったままの手はふりまわすけれど、もう身体に上手く力なんて入らず、ずるずるとなされるがままだった]
―― 回想終了 ――
[一斉射撃の時、少しでも自分への被弾を減らそうと目の前にあるテーブルを左手で跳ね上げる。
周りが持っている武器によっては無意味でもある行動だが、何もしないよりはマシだった。
テーブルを跳ね上げると同時に身体を床へと投げ出し、その間に自分の持つ電子銃の引鉄を引く。
威力は最大出力、それは最初から変えていない設定。
リボルバー銃の銃口から熱線が射出され───それは狙った子供の義足へと当たった。
床に身体を落とすと、転がるようにして体勢を立て直す]
───ちっ、外したか。
歳かね。
[他のテーブルとテーブルの間から子供>>2と目が合う。
急に叫び出す子供。
罪悪感なんてものは抱くはずが無かった]
[跳ね上げたテーブルを見ると実弾>>12>>13が一つ減り込んでいた。
もう一つ穴が開いているが、それはどこから飛んで来たのか判別出来ず。
けれど探っても意味がないと考え、そのまま放置することにした]
カルロス。
そのガキは俺達研究者しか持ち得ぬ、重要なカードを持っていた。
研究者が紛失することを恐れるものを、だ。
本人は拾ったと言っているが、実際にその場面を見たわけじゃねぇから事実かは分からん。
仮に事実としても、拾得場所が排気口の傍だと言っていたからな。
”何か”の傍に居た可能性は高いと見ている。
ガキが第三フロアに居たのを見つけたのは、お前が第四フロアで穴を見つけた後のことだ。
[軍人に声を掛けたのは、その子供が彼の縁者であると判断したため。
縁者であるからこそ、警戒すべきと言葉を紡いだが、彼の判断は聞かず別へと意識を移すことになる]
[周囲を見回すと、倒れているのがアンドロイドであるのに気付く。
電子銃を腰のベルトへと戻し、倒れたアンドロイドへと近付き。
傍らに膝をつくと、投げ出された手を取り手首に指を当てた]
ブレイン 全壊
拍動 微弱───否、停止。
[高出力のレーザーにより、脳として使用されていたマシンは粉砕。
喉は焼かれ、その他にも撃たれた痕が残り、僅かに残っていた拍動も直ぐに途切れた。
それと同時に放送>>#1がかかり、プログラムには自分達が”義務”を果たしたと判断される。
手首から指を離すとアンドロイドの手は再び床へと落ちた]
Good night.
Is a my masterpiece, failure work.
[一声だけ落とすと直ぐにその傍を離れる。
入れ違うようにして、通信士がアンドロイドに上着をかけていた>>15]
─ 夜/第二階層・集会室 ─
……確かに、ここであーだこーだと言ってても。
見つける『決め手』がないんじゃあ、意味ないわぁ。
[なされた提案>>16に、軽く肩を竦めて黒銀を元の場所に戻す。
PMCについての説明>>26は意識に止めておいた。
使えそうなものはなんでも使わないと生きられない──そんな頃の習慣がそうさせていた]
それじゃあ、ウチ、部屋に戻るわ。
にーさん、フランのこと、よろしゅうにねぇ?
[先に声をかけた時の反応>>19など、気にかかる部分もなくはないが。
さすがに、治療をしないまま、というのはそろそろまずい気がしていたから、足早に部屋へと向かった]
─ 夜/→第三階層 第一実験室 ─
[エレベーターで第三階層へと降り、自分の実験室へと足を踏み入れる。
端末を立ち上げバーチャルディスプレイを開き、自分宛に届いていたデータを表示した。
先程研究責任者の部屋に行った時に、PMCのデータをこちらへと転送しておいたのだ]
特殊な微弱電波……理論上、これを個々人から拾えれば特定が可能と言うことになるんだが…。
[微弱と言うだけあって、精度の高い機械でなければ拾うことは不可能だろう。
ヒトとて何かしらの波動を放出しているためである]
この電波がヒトが発するものよりも差があるものなら傍受も易いんだろうが…。
艦のセンサーを使って広域で感知することは可能。
周囲の人間との差分を使って感知しているのか?
Shit、専門外過ぎてさっぱり分からねぇぜ。
[あーでもないこーでもないと、バーチャルディスプレイの前で自分が考え得る案を捻り出し、シミュレーションをして研究を繰り返す。
結局その時は収穫も無いまま、実験室の前室にあるソファーで夜を明かすこととなった]
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