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万全を期して生きていられるなら、いくらでもってところかな?
[うどんを啜って、冷たいウーロン茶を飲んで、ようやく少しずつ頭が回転し始めた]
はぁ……生き返った。気付いたら朝だったからもう頭痛いし、寝不足だし散々だったけどやっと一心地ついた。
[ついでに言えば、頭が回転し始めたので来る途中で怯えられた事も思い出して、若干凹んでいるが]
『そうは言ってもねぇ…。
言わないと分からない時が多いから、この子は』
悪かったってばさー。
[120年以上生きててもこの子扱い。
昔生徒だったが故に男も寮母には頭が上がらないようだ。
ゼルギウスからの言葉もあって、寮母からの注意はそれ以降無くなる]
勉強は自分に合った方法ってのがあるだろうからなぁ。
滅多にやらない方法は疲れるだけだと思うぞ。
ただでさえ「寝ない」ってのは身体に負担が大きいからな。
否定して後で裏切られるよりは覚悟が出来るだろう?
[きょと、としたような表情で首を傾げた。
結構真顔]
「大丈夫やでー、死にやせんかんなー」
[どこか不安げな真白には碧の異界龍が尻尾でぽふり]
「楽しげなんは常んことやしなぁ。
軽く流しといた方がええでー」
あっはっはっ、まぁ深く考え無い考え無い。
あんまり悩みすぎると禿るぞー。
[子供かアンタ]
取りあえず、「死にかけ」ても「死ぬ」訳じゃないんだし。
そう、割り切るしか。
『……アル』
[大雑把な理屈に、右腕の漆黒の龍が呆れたように尾をゆらり、とさせてたりするが。
さっくりスルーしていたり]
寝ないって選択肢は今後使わない事にしますよ。
[実際、ここまで体調を崩すとは思っていなかった。多分目の下にはクマもできていると思うが、それを確認してもしなくて怯えられるので、なるべく意識から外した。だが異界龍の楽観的な言葉に、やはり冷や汗が出るのは簡単な予知なんだろうか]
はぁ……。どっちにしても嫌な予感しかしないのはなんでだろな?
……ようするに、そんだけのものである、と。
[真顔で言われて、天鵞絨がやや、泳いだ。
ぽふりとされた真白は「ほんと? ほんと?」と言わんばかりに尻尾をぱたぱたさせて、碧の龍をじいい、と見ていたり]
考えるのは、俺の性分ですから。
[反面、考えるのを放棄すると無茶しかしないわけですが]
─寮へと続く廊下─
[事務室へ無事書類を提出して、今は寮へ帰還している最中。]
ああ、面倒くさい面倒くさい♪
何で私がそんなことしないといけないんでしょうねぇ
[言葉とは裏腹に、ふんふんふふ〜んと鼻唄はさらに上機嫌に。]
おぅ、そうしとけそうしとけ。
体調管理も大事だからな。
[ゼルギウスの言葉に頷きつつ、食後の紅茶をゲット。
嫌な予感に関しては笑顔のまま何も言わないでおいた]
心構えの問題さー。
最悪を心しておけば終わった後に「ああ、大したこと無かったな」って思えるかもよ?
[真顔を崩して首こてり。
それでも曖昧な言い方な辺り、ああ言う評価が為される理由が見え隠れしているだろうか。
真白にじいいっと見られた碧の異界龍も、にへらとした笑いを浮かべてまた尻尾でぽむぽむ。
……うん、とは言わなかったけども]
性分なら仕方ないかー。
でも考え過ぎるのも身体に悪いからな。
たまにはリラックスしとけー。
[リラックスしすぎてるのが目の前に居るけども]
常に最悪を想定、ですか。
[は、と息を吐いて。
常に持ち歩いているルーンカードのケースを開く]
……ま、事象は全て未曾有の可能性より選ばれ、具象するもの。
そう考えとけば、気もラク、か……。
[碧の龍と真白のやり取りに苦笑しつつ、カードを出してシャッフルし]
導師は、いつもリラックスしすぎな気がしますが。
[突っ込み入れつつ、カードを一枚、引いた]
うーん……。
[ゼルギウスに問われてしばし考え込み]
しょくぶつにんげん?
まぁ、そこまでになる程やったことは無いけども。
[ホントに「死にはしないけど」だった]
「おめー、自分がこの試験受ける時は何も考えてへんかったやろ」
あれ、そうだっけか。
─食堂─
アーデル姐さん、今日のおはよう朝ご飯は何ですかー?
[ばばーんと、食堂のドアを開け放ってそこにいた寮母に食事の催促。
寮母は、はいはいと言って食事を出すため奥へ。
彼女はというと、がちゃがちゃと背中の剣を下ろし、籠手を外し、腰の刀を机に立て掛け、ふうと一息ついてすとんと席に座り。
そこで、他の面子に気付いたらしく]
あー、おはようございます。
というか、またご飯食べに来てるんですか、マテウスせんせー。
何事も楽しむ!が俺のスタイルだからな。
[ライヒアルトの突っ込みには笑って返した。
カードを引く様子には紅茶を飲みながら眺め見やる]
おぅ、おはよう。
良いじゃねぇか、アーちゃんの飯旨いんだもんよ。
[ブリジットの挨拶に左手をひらひら。
続いた突っ込みにからりと笑った]
お前も試験参加者だったな。
準備は出来てるか?
…………。
[新たに入ってきた声に反応が遅れたのは、引いたカードの図柄のせいか。
位置的に他者には見えぬその一枚は『堕落』のカード。
しかも正位置]
……ああ。
どーも。
[どうにか我に返ってブリジットに挨拶を投げ]
……なんでも楽しむ……ですか。
[なんか、今のドローでどっと疲れたらしく、導師に返したのはぼそり、という感じの呟き]
それ、死ぬのとほとんど同義じゃ……?
[やはり予想通りの回答で、重々しく溜息をついた。多分、今回通知を受けたのは一番の問題だったかもしれない。
……尤も、選ぶ上の方の人達には人事じゃなかろうか? とも思うわけだが。
そんなことを思っていると、一人の少女が食堂に入ってきた]
(あれは……雷撃学科の有名人)
[どうやら、彼女もまた通知を受けてしまった可哀想な子羊の一人らしい。思わず哀れみの視線を投げかけてしまうが、寝不足の目には獲物を値踏みしているようにしか見えなかったりする]
[からりと笑うマテウスに、いやいやと手を振り]
いやいや、せんせー。
ここ学生寮。私ら寮生。姐さん寮母。
姐さんご飯作る。私らご飯食べる。ウマー。
是、当然の権利。
ここ学生寮。せんせーはせんせー。寮生違う。
でも食べに来る。姐さん仕方なくご飯作る。ウマー。
ほら、おかしいでしょ。
[よく分からん理論が展開された。]
やー、そこまで酷いことにはならんよ、うん、多分。
[ゼルギウスに返すも、最後の一言で台無し。
本人怖がらせるつもりは毛頭ないのだが、馬鹿正直に答えるために悪化の一途を辿っている]
硬いこと言うなよー。
自分で作るより栄養もしっかりしてて旨いんだもん。
それにほら、俺元寮生。
「元、やんか」
[自分を指差しつつブリジットに反論。
その後、当然の如く碧の異界龍から突っ込みが入りました]
あ、ちなみに準備ならいつ何時でも万端ですっ。武士として当然の嗜みですし。
[いや、あんた武士ちゃうやろという突っ込みは受け付けていないのであしからず。]
[とそこでこちらを見つめる視線に気付く。]
(あれは……翠樹学科の有名人)
[こちらを値踏みするような視線(誤解)にむむむ、と心中で唸り]
(むぅ、あの人も殺る気マンマンです。
これは、私もうかうかしていられません!)
(気を強く持つのです。ブリジッテ=フォン=キルヒアイゼン。
ここで負けたら、いざという時に攻勢に出づらくなります。
それに売られた喧嘩は買わなければ男が廃ります!!
私、女ですけど)
[そう結論付けると、こちらもゼルギウスを睨み返す。
ただ、ちょっと涙目でじぃとゼルギウスを見つめる様は、小動物的な意味に取られるかもしれない]
……いや。
なんでも。
ないです。
[と、言うわりに、声かけられるまできっちりかっちり固まっていたのだが]
(このタイミングで、これが出るってなぁ……)
[特に対象を定めずに引いただけに、評価に困る。
ともあれ、カードは再びデッキに戻して]
……何、してんだこっちはこっちで。
[傍目、睨みあう二人の様子に瞬き一つ]
[マテウスの言葉にほっとしたのもつかの間。即座に覆された「多分」発言に、心でうぇ〜。と舌を出して嫌がった。それはつまり何割なのか、何分なのかはわからないが可能性があるという事で。そうなると平穏無事に卒業したいなと思っている彼としては、望んでいない非日常が襲ってくる可能性がある訳で。
可能性だけれども、そんな芽がある時点で更に気分は陰鬱としてくる。
はぁ。と本日何度目かの溜息をついた時、同情して見つめていたブリジットがちょっと涙目になりながらゼルを見つめてきていた(涙目のため、ゼル勘違い)。
その様子はどこか実家で飼っているハムスターを思い出させて、ちょっと胸がドキっと鳴った]
(うわぁ。な、何だ? 俺、見られてる? 何かしたっけ?)
[終いには、他人を恐怖させる三白眼で見つめていた様子が誤解を招いた事をすっかり忘れてしまうくらいドキマギした]
おぅおぅ、試験始まる前からバトル勃発か?
[だから何で楽しそうに言うのかと。
睨み合う形の生徒二人を遠巻きに眺めつつ、暢気にティータイム継続]
ん、そうか?
今から調子悪くしてると先が思いやられるぞー?
[自分との会話で疲れたとも捉えたのか、そんな言葉をライヒアルトに投げかけたり]
いや、バトルしませんから!
[つい反射的にマテウスの楽しげな言葉に立ち上がりながらツッコんだ。
そしてすぐに恥ずかしくなったのか静かに座りなおした]
やー、青春ですねえ。
[いつの間にやら食堂の隅で、ずずーっとキノコ茶をすすりながら塩せんべいをかじっている、事の黒幕が一人]
……なんでもいいけど、ここで騒動は起こすなよ。
巻き込まれちゃかなわねぇ。
[ゼルギウスとブリジットの内心などは当然あずかり知らぬ身。
さらり、と言いつつ距離を開けた]
始まるまでには、調子は整えますよ。
……実技でやらかして、金ダライだの漬物石だの、くらいたくはないですし。
[導師に返す言葉は、やたらと実感がこもっていた]
……て。
[ふと感じた気配に、瞬き一つ]
…………。
(いつもどっから出てくんだ、この学長)
[隅で茶を啜る姿に、思わずこんな事を考えていたり]
邪魔をしないで下さい。
今はこの目を逸らしちゃいけないんです!!
[むぅぅっ、とちょっと涙目でゼルギウスを見つめたまま、ライヒアルトに誤解を招きかねない言い方で返す。
まさか、ゼルギウスにハムスター的に見られているとは思わず、その顔がちょっと紅いのも涙を我慢しているためであったりする。]
何だしないのか。
ま、今体力使っちまうのも問題だわなー。
[試験前だし、と独りごちつつ紅茶も飲み終わりティータイム終了]
およ、学長いつの間に。
[食堂の隅に見えた姿に驚くでもなく言い。
簡単な挨拶を向けてから]
学長も特製弁当の注文っすか?
[弁当よりも茶かな、と思いつつもそんなことを訊ねた]
[ブリジットとの見つめあい(ゼル主観)の中、不意に聞こえた新しい声に、思わず生来の小心者根性よろしく驚いて振り向くと、そこにはお茶を啜っている学長。
思わずパクパクと声も発せずに口を開閉させた]
……いや、邪魔はしねぇから。
[ブリジットに律儀に返すのに]
『……声をかけたら、邪魔にならぬか?』
[漆黒が、ぼそっと突っ込む。
それに、そうか? と返しながら、寮母にコーヒー頼んでいたり]
ああ、金ダライ。
良い音鳴ったっけなー。
[いつのことを思い出しているやら]
ま、もしやらかした時は良い音鳴らしてやるから。
安心しろ。
[安心出来ませんて]
さっき来たところですよ。皆さん話に夢中で気付いてくれないので寂しかったですねえ。
[はっはっは、と言葉と裏腹な朗らかさで笑うと、導師の問いにはテーブルに置いた水筒を指差した]
試験前ですからねえ、いつものハーヴティーの補給をアーデルさんにお願いに来ました。
[お茶に何らかの魔法の薬草が含まれてるとか、そんなことは一応言ってないが]
[口をぱくぱくさせるゼルギウスには、ぱたぱたと手を振って]
ああ、そうだ、安心してください。過去の試験参加者のうち、一番時間がかかった学生でも、二ヶ月で復活してますからねえ。
それ、安心できませんが。
[よい音、という言葉に、なんかどっと疲れてテーブルに突っ伏した。
真白がぽふぽふ、と宥めるように撫でてたり]
やぁ、すいませんねぇ。
随分と熱心な生徒ばかりで、試験について問い詰められてたんですよ。
[ははは、と笑いながらそんなことをオトフリートに返す。
全部見聞きされていたのだろうけど]
ああ、なるほど。
試験場に入ったら俺らもしばらく出れませんしね。
魔導錬金で食糧は作れるとは言え、あれはあまりにも味気ない。
二ヶ月って……。普通に今学期終わってるじゃないですか……。
[マテウスもマテウスならオトフリートもオトフリートだと、ぐったりと脱力した。その様子をアーデルハイドが笑ってみているが、そこを訂正する気力もない。ついでにブリジットとの睨み合いも、ゼルから視線を剥がしたので彼の負けが確定している]
二ヵ月後に、単位足りなくて進級できないとかはないでしょうね?
[半分投げやり]
(よし、勝った!!)
[マテウスに反応して、ガタッと立ち上がったゼルギウスに対して内心で小さくガッツポーズ。
そも勝負なんてしてたわけじゃないなど知る由もなし。]
[いつの間にやら現れたオトフリートには、ぱちくりと目を瞬かせ]
あ、学長せんせー。おはよーございまーす。
[そのまま流した。]
放置されるよりはマシだろう。
[机に突っ伏すライヒアルトに小さく笑いを漏らす]
金ダライが嫌なら、手ずから止めてやってもは良いがな。
熱心な学生が多いのは良い事ですよ。
さすがに、厳正なあみd…審査で選んだ皆さんだけありますね。
[マテウスに相づち打ちつつ、ゼルギウスの投げやりな雰囲気は一切気にせずにこにこ続行]
ええ、大丈夫です、試験にパスすれば自動的に進級できますから。勝ち残った一組だけですけど。
まあ、放置されるとまずいというかなんというか、ですが。
[言いつつ、無意識か、左手で右の腕に触れる。
そこに巻きつく漆黒は、物言いたげに尾を揺らし]
……それはつまり、そういう事態に陥るな、という事ですか、そうですか。
[オトフリートから漏れ聞こえた言葉は笑って聞き流した。
聞き流したったら聞き流した]
全くですね。
これだけ熱心なら、試験にも真摯に向かってくれるでしょう。
[続くゼルギウスへの返答には、うんうん、と相槌を打ちつつ。
ライヒアルトの返答に]
ま、出来るだけそう言う事態には陥らん方が良いわな。
お互いのために。
[真面目そうな言葉だが、やっぱり笑いながら言ってたり]
……今、何か……。
[学長が何か言いかけたような、そんな気がして。
天鵞絨の瞳でじい、とそちらを見た。
肩の真白も一緒にじい、と見た]
ま、俺としてもできればそういう事態は避けたいところですが。
[導師の返答には、は、と一つ息を吐いて、同意]
あー、そうなんですかー。じゃあ、頑張って優勝しないとっ。
[そう言って、よしっと気合を入れる。
なお、オトフリートの口走りかけた言葉は幸いにも脳が『聞かなかった』ことにしたらしい。
そうしていると、寮母が彼女の分の朝ご飯を持ってきてくれる。]
あー、ありがとうございます。じゃあ、いっただきまーす。
[そう言って、朝ご飯に手を付ける。]
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